有価証券報告書-第24期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

【提出】
2020/05/21 10:27
【資料】
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【項目】
160項目

対処すべき課題

(1) 感染症に対する取り組み
2020年1月より発生した新型コロナウイルス感染症は、中国をはじめ全世界へ拡大し、2008年の世界金融危機以来の経済へのダメージを招いております。当社グループにおいては、中国、日本及びアセアンへ順次新型コロナウイルスの感染が拡大し、政府の基本方針や商業施設からの要請等に基づき、感染拡大を防止するとともにお客さま及び従業員の安全も考慮し、店舗の一時休業を段階的に実施してまいりました。
感染の拡大はいまだ継続しており、さらに長期化するとも言われております。外出自粛などによるお客さま行動の変化は、当社グループが運営する遊戯施設へ来店されるお客さまが減少することから、当社グループにとって大きな影響があると考えております。各国の状況を慎重に見極めつつ、一時休業中の店舗は営業再開に向けた対応を行うとともに、継続してお客さま及び従業員への感染防止対策を徹底して施設運営に努めてまいります。さらに、環境やお客さま行動の変化に伴い営業戦略や財務体制の大幅な見直しを行い、経営資源の選択と集中を明確にして事業活動の一新を図るとともに、新型コロナウイルス感染の終息による回復局面においては、これまで以上に安全で安心できる遊戯施設を目指し、多くのお客さまにご来店いただけるよう努めてまいります。
(2) 成長拡大への取組み
成長戦略について、当社グループは「日本国内の人口減少によるマーケット縮小」を重要な経営課題と認識し、国内事業再編や海外への積極的な店舗展開の加速を通じ業容の拡大を実現してまいりました。しかし、近年の「モノ」から「コト」への消費変化や消費者の価値観の多様化及びITを始めとする技術革新といった大きな環境変化が進展しており、成長拡大に向けてはこれらの対応が急務となっております。
このような中、当社グループは中長期に目指す姿を、『子どもと家族の笑顔を広げるために、世界中に楽しい「あそびとまなび」を届けるオンリーワンのエデュテイメント企業』となる事を定め、国内、中国及びアセアンを基軸とした持続的な成長と高い収益性を目指し取り組んでまいります。
そのために、「あそび」の領域を進化・拡大してゆくとともに、次の成長基盤の構築に向けて「あそび」と「まなび」を融合させ、遊びを通じて子どもの可能性・能力・意欲を引き出し子どもの成長を実感していただけることを目指す「エデュテイメント」の領域に挑戦し、当社グループならではの新たな業態モデルを確立し拡大してまいります。
(国内事業)
エデュテイメントコンテンツの導入を図るとともに、オリジナル商品の拡大やIT活用による顧客サービス向上及び店舗活性化を継続実施することにより既存店売上の向上に取り組んでまいります。新規出店はイオングループの商業施設のみならず、収益性が見込まれるグループ外の様々な施設においても、お客さまやデベロッパーのニーズに即した多様な業態パターンを開発し推進してまいります。また、遊びの領域を拡大できるオンライン事業やガチャコーナーも、既存のリアル施設需要と異なるマーケットが取り込め、当社収益力に柔軟性をもたらせる事も踏まえ、引き続き拡大を図ってまいります。
(中国事業)
娯楽市場は拡大し参入企業の増加と競争環境の激化が加速しております。現在、投資配分を既存店へシフトし、収益性の強化を図っており、リデンプション方式の導入店舗は導入後の効果が高いことから、今後も導入店舗の改廃を行ってまいります。また、インドアプレイグラウンドでのコンテンツ強化や団体客の誘致及び商業施設の遊休スペース活用等により収益の拡大をめざしてまいります。
(アセアン事業)
高い成長が見込まれるインドネシアとフィリピンを中心に新規出店を予定し、収益拡大が見込まれる既存店の活性化を計画的に実施するとともに、インドアプレイグラウンドの新しい業態モデルの確立にも挑戦してまいります。
(3) ダイバーシティの推進
当社は、成長の原動力は「人財」である、という認識のもと、持続的成長のためには多様な価値観を活かす「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進が重要な戦略であるととらえ、積極的に取り組んでおります。 当期は継続して柔軟な働き方を推進するために在宅勤務制度の拡充、子連れ出勤の実験などの両立支援制度の拡充や、管理職へ多様な人材が活躍できるようダイバーシティに関する教育などを進めてまいりました。 今後も、世界中の子どもと家族の笑顔を広げるため、ダイバーシティ&インクルージョンを推進してまいります。