有価証券報告書-第38期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、個人消費や企業の設備投資が大きく落ち込みました。段階的な経済活動の再開とともに景気回復の兆しも見られましたが、再び感染が拡大しており、2021年1月には緊急事態宣言が再発出されるなど、先行き不透明な状況が続いております。
このような経済環境の中、当社の主要なマーケットであります製造業の分野では、新たな顧客接点の在り方を模索する動きが加速し、営業活動やアフターサービス業務等の顧客接点を効率化するソリューションの導入が底堅く推移しており、さらに、非接触(リモート)化やDX[※1]への取り組みを加速させる新たな引き合いも出始めております。また、建設業の分野では、設計・施工を効率化するBIM[※2]を中心とした各種ソリューションの受注が好調に推移しました。公共事業の分野では、一時期は発注の延期等もありましたが、防災・減災対策やインフラ老朽化対策への予算配分の増加に加え、環境影響評価業務等の受注は順調に推移しております。
当事業年度のソリューションサービス事業は、BIMを中心とした建設業向けITソリューションメニューのさらなる拡充に向けて積極的な将来投資を行っており、建設業をはじめ建材メーカーや住宅設備メーカーからのDXやBIM関連の受注が好調であったことから、増収増益となりました。
エンジニアリングサービス事業は、土木建設業界向けのCIM[※3]関連ソフトの販売が例年より大幅に増加した結果、増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による業務の一時中断等が発生したことにより、利益面では減益となりました。
これらの結果、当事業年度の売上高は4,800,324千円(前期比11.2%増)、営業利益は686,436千円(前期比5.7%増)、経常利益は694,632千円(前期比5.6%増)、当期純利益は474,607千円(前期比0.7%増)となりました。
以上のことから、現在のところ当社事業は全般的に堅調に推移しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経営環境の変化については引き続き注視が必要な状況にあります。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
・ソリューションサービス事業
ソリューションサービス事業につきましては、製造業および建設業向けに業務の効率化、事業拡大を支援するサービスを自社ソリューション中心に展開しております。
営業支援ソリューション(製品名:Easyコンフィグレータ及びWebレイアウトプランナー)につきましては、住宅メーカー、住宅設備メーカーを中心に引き合いは堅調であり、他業種への展開も進んでおります。
また、CAD[※4]やPLM[※5]などの設計支援ソリューションや保守支援ソリューション(製品名:PLEXおよびFieldPlanner)につきましても、業務の効率化やアフターサービスを重視する流れから、引き合いは底堅く推移しております。
建設業向け事業につきましては、建設業界の好調な業績を背景とした情報技術への投資機運の高まりもあり、また、BIM関連を中心に住宅設備等のメーカーからの引き合いも増加し、受注は大幅に伸長しました。なお、GIS[※6]関連業務やインフラ企業向け業務も受注は堅調に推移しております。
今後は、BooT.one[※7]をはじめとしたtoBIM[※8]ブランドの育成やサービスの拡充、AI・IoT技術を自社ソリューションサービスへ活用することによりさらなる事業拡大を目指してまいります。
業績面では、BIM関連をはじめとした好調な受注状況と着実な完工に加え、販売案件やBooT.oneの契約増加ならびに過年度からの投資効果もあり、売上高は増収となりました。また、利益面でも当期に行った将来投資額を賄い増益となりました。
これらの結果、当事業年度の売上高は3,086,794千円(前期比17.8%増)、セグメント利益は779,887千円(前期比8.2%増)となりました。
・エンジニアリングサービス事業
エンジニアリングサービス事業につきましては、防災・減災解析関連業務、環境アセスメント・環境解析関連業務、建設情報・社会マネジメント関連業務を中心に展開しております。
防災・減災解析関連業務は、毎年のように発生する自然災害の備えに対する社会要請が増しており、特に地方自治体からの浸水想定業務、耐震診断業務の引き合いは堅調に推移しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から現地調査等が一時延期となり、回復の兆しは見えつつあるものの受注は低調に推移しました。
環境アセスメント・環境解析関連業務は、かねてから引き合いを受けていた発電所等エネルギー施設、ヘリポート、市街地再開発など大型事業計画の環境影響評価業務を受注しました。一方で工期や発注が延期となる案件もあり、事業は低調に推移しましたが、今後は緩やかに回復するものと予想しております。
建設情報・社会マネジメント関連業務は、CIM関連業務の業務停滞がありましたが、国土交通省が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で業務のデジタル化を加速させる必要に迫られ、当初計画を2年前倒しして、公共工事におけるBIM/CIM原則化の目標を2023年度に改めたことから、CIM関連ソフトの販売や導入支援、ツール開発の引き合いが増加しました。また、学校施設、公園などのインフラ老朽化対策事業の受注が順調に推移しております。
今後は、高度化・複雑化した解析関連業務に対応すべく情報処理技術、解析技術に磨きをかけるとともに、社会マネジメント関連業務では、より多様化した社会要求にこたえる技術の確立に努めます。また、既存技術に加え、防災情報提供サービスを実現するための研究やファシリティマネジメント業務を通じて得た技術やノウハウをベースにスマートシティ等の新たなまちづくり事業への進出をめざしてまいります。
業績面では、建設ICTへの投資気運の高まりから関連ソフトの販売が好調で売上高は増加しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、進行中業務の一時中断や発注の延期があり、利益面では減益となりました。今後も公共事業計画の進行について不確定要素はあるものの、国土強靭化補正予算の新規投入計画もあり公共工事の年度末である2021年3月に向けて緩やかに回復に向かっており、業務停滞中に開発したツール等を業務の効率化に活用してまいります。
これらの結果、当事業年度の売上高は1,713,530千円(前期比1.0%増)、セグメント利益は393,285千円(前期比4.6%減)となりました。
※1:DX(デジタル・トランスフォーメーション)
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
※2:BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)
コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのモデルシステム。
※3:CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)
建設生産システムの基軸を従来の2次元モデルから3次元モデルへ拡張し、データをコンピュータ上に構築・共有しながら統合的に調査、計画、設計、解析、施工、維持管理にいたる一連のワークフローを効率化するシステム。
※4:CAD(コンピュータ・エイデッド・デザイン)
コンピュータを利用して機械・電気製品等の設計を行うこと。コンピュータとの会話形式で設計を行う。
※5:PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)
製造業において、製品開発期間の短縮、生産工程の効率化および顧客の求める製品の適時市場投入が行えるように、企画・開発から設計、製造・生産、出荷後のサポートやメンテナンス、生産・販売の打ち切りまで、製品にかかわるすべての過程を包括的に管理すること。
※6:GIS(ジオグラフィック・インフォメーション・システム)
地理情報システム。地理的なさまざまな情報に関連付け等の処理を行い、データ化された地図上に視覚的に表示するシステム。災害時に発生場所、影響範囲、避難場所情報等を統合的に表示するものやエリアマーケティング、出店計画等にも利用されている。
※7:BooT.one(ブート・ワン)
大成建設株式会社が社内で蓄積してきた「BIM規格」のノウハウを当社のIT技術で磨き上げ、「toBIM」ブランドで提供するAutodeskRevitのアドインパッケージ。「BIM規格」はコマンドツール、テンプレート、ファミリ、活用ガイドライン、トレーニング教材の5つのカテゴリの総称で、「BooT.one」はこれらをパッケージ化した商品。Revitユーザの生産効率を大幅に向上させることが可能となる。
※8:toBIM(トゥー・ビム)
当社の親会社のトランス・コスモス株式会社と応用技術株式会社の頭文字「t」と「o」にBIMを配置したブランド名称。トランス・コスモス株式会社によるBPOサービスと当社によるシステム開発のそれぞれを効果的に提供し、顧客企業の生産性向上を推進するためのBIMトータルサービス全般を指す。
b.財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末の総資産は、3,999,358千円となり前事業年度末と比較し633,000千円増加しました。これは主に、現金及び預金289,084千円、売掛金等の売上債権199,927千円、たな卸資産117,000千円がそれぞれ増加したためであります。
(負債の部)
当事業年度末の負債は、1,071,336千円となり前事業年度末と比較し219,971千円増加しました。これは主に、未払費用が26,189千円減少したものの、買掛金119,630千円、未払法人税等14,776千円、前受金86,337千円、未払消費税等15,051千円がそれぞれ増加したためであります。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、当期純利益を474,607千円計上したことおよび配当金57,102千円の支払を実施したこと等により、前事業年度末から413,029千円増加し、2,928,021千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ289,084千円増加し、2,202,958千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、418,593千円(前事業年度は599,077千円の収入)となりました。これは主に、売上債権199,927千円、たな卸資産117,000千円の増加および法人税等の支払額213,137千円があったものの、税引前当期純利益694,465千円および減価償却費53,107千円の計上、仕入債務119,630千円、前受金86,337千円の増加があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、72,458千円(前事業年度は72,746千円の支出)となりました。これは主に、情報化等投資を行ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、57,050千円(前事業年度は28,323千円の支出)となりました。これは、配当金56,802千円の支払および単元未満の自己株式248千円の取得を行ったためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は、4,800,324千円(前期比11.2%増)となりました。セグメントごとの概況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」をご参照ください。
(営業利益)
売上原価は、売上高の増加に伴い3,380,147千円(前期比16.0%増)となりました。販売費及び一般管理費につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により出張等の機会が大幅に減少したため、前事業年度と比較して18,669千円減少し、733,740千円(前期比2.5%減)となり、営業利益686,436千円(前期比5.7%増)を計上しました。また、これらの結果から売上高営業利益率は前事業年度と比較して0.8%下降し、14.3%となりました。
(経常利益)
余資をグループ内金融にて運用し、受取利息を得た結果、営業外収支が黒字となり694,632千円の経常利益(前期比5.6%増)となりました。
(特別損益)
167千円の特別損失の計上があり、税引前当期純利益は、694,465千円(前期比6.2%増)となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税227,642千円と法人税等調整額△7,784千円を計上した結果、当期純利益は474,607千円(前期比0.7%増)、1株当たり当期純利益は166.23円(前期比0.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの概況につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社は、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としております。
当社の主な資金需要は、受注製作のソフトウエア等の完成に要する人件費や外注費等の製造原価、販売費及び一般管理費などの運転資金ならびに情報化投資の資金であり全額を自己資金で賄っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定を使用する必要があります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積りの仮定は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」の (追加情報) に記載しております。
(受注損失引当金)
受注損失引当金については、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末において、将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることができるものについて、翌事業年度以降の損失見込額を計上しております。当該損失見込額は、将来の工数等の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ工数等が増加した場合、受注損失引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、個人消費や企業の設備投資が大きく落ち込みました。段階的な経済活動の再開とともに景気回復の兆しも見られましたが、再び感染が拡大しており、2021年1月には緊急事態宣言が再発出されるなど、先行き不透明な状況が続いております。
このような経済環境の中、当社の主要なマーケットであります製造業の分野では、新たな顧客接点の在り方を模索する動きが加速し、営業活動やアフターサービス業務等の顧客接点を効率化するソリューションの導入が底堅く推移しており、さらに、非接触(リモート)化やDX[※1]への取り組みを加速させる新たな引き合いも出始めております。また、建設業の分野では、設計・施工を効率化するBIM[※2]を中心とした各種ソリューションの受注が好調に推移しました。公共事業の分野では、一時期は発注の延期等もありましたが、防災・減災対策やインフラ老朽化対策への予算配分の増加に加え、環境影響評価業務等の受注は順調に推移しております。
当事業年度のソリューションサービス事業は、BIMを中心とした建設業向けITソリューションメニューのさらなる拡充に向けて積極的な将来投資を行っており、建設業をはじめ建材メーカーや住宅設備メーカーからのDXやBIM関連の受注が好調であったことから、増収増益となりました。
エンジニアリングサービス事業は、土木建設業界向けのCIM[※3]関連ソフトの販売が例年より大幅に増加した結果、増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による業務の一時中断等が発生したことにより、利益面では減益となりました。
これらの結果、当事業年度の売上高は4,800,324千円(前期比11.2%増)、営業利益は686,436千円(前期比5.7%増)、経常利益は694,632千円(前期比5.6%増)、当期純利益は474,607千円(前期比0.7%増)となりました。
以上のことから、現在のところ当社事業は全般的に堅調に推移しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経営環境の変化については引き続き注視が必要な状況にあります。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
・ソリューションサービス事業
ソリューションサービス事業につきましては、製造業および建設業向けに業務の効率化、事業拡大を支援するサービスを自社ソリューション中心に展開しております。
営業支援ソリューション(製品名:Easyコンフィグレータ及びWebレイアウトプランナー)につきましては、住宅メーカー、住宅設備メーカーを中心に引き合いは堅調であり、他業種への展開も進んでおります。
また、CAD[※4]やPLM[※5]などの設計支援ソリューションや保守支援ソリューション(製品名:PLEXおよびFieldPlanner)につきましても、業務の効率化やアフターサービスを重視する流れから、引き合いは底堅く推移しております。
建設業向け事業につきましては、建設業界の好調な業績を背景とした情報技術への投資機運の高まりもあり、また、BIM関連を中心に住宅設備等のメーカーからの引き合いも増加し、受注は大幅に伸長しました。なお、GIS[※6]関連業務やインフラ企業向け業務も受注は堅調に推移しております。
今後は、BooT.one[※7]をはじめとしたtoBIM[※8]ブランドの育成やサービスの拡充、AI・IoT技術を自社ソリューションサービスへ活用することによりさらなる事業拡大を目指してまいります。
業績面では、BIM関連をはじめとした好調な受注状況と着実な完工に加え、販売案件やBooT.oneの契約増加ならびに過年度からの投資効果もあり、売上高は増収となりました。また、利益面でも当期に行った将来投資額を賄い増益となりました。
これらの結果、当事業年度の売上高は3,086,794千円(前期比17.8%増)、セグメント利益は779,887千円(前期比8.2%増)となりました。
・エンジニアリングサービス事業
エンジニアリングサービス事業につきましては、防災・減災解析関連業務、環境アセスメント・環境解析関連業務、建設情報・社会マネジメント関連業務を中心に展開しております。
防災・減災解析関連業務は、毎年のように発生する自然災害の備えに対する社会要請が増しており、特に地方自治体からの浸水想定業務、耐震診断業務の引き合いは堅調に推移しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から現地調査等が一時延期となり、回復の兆しは見えつつあるものの受注は低調に推移しました。
環境アセスメント・環境解析関連業務は、かねてから引き合いを受けていた発電所等エネルギー施設、ヘリポート、市街地再開発など大型事業計画の環境影響評価業務を受注しました。一方で工期や発注が延期となる案件もあり、事業は低調に推移しましたが、今後は緩やかに回復するものと予想しております。
建設情報・社会マネジメント関連業務は、CIM関連業務の業務停滞がありましたが、国土交通省が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で業務のデジタル化を加速させる必要に迫られ、当初計画を2年前倒しして、公共工事におけるBIM/CIM原則化の目標を2023年度に改めたことから、CIM関連ソフトの販売や導入支援、ツール開発の引き合いが増加しました。また、学校施設、公園などのインフラ老朽化対策事業の受注が順調に推移しております。
今後は、高度化・複雑化した解析関連業務に対応すべく情報処理技術、解析技術に磨きをかけるとともに、社会マネジメント関連業務では、より多様化した社会要求にこたえる技術の確立に努めます。また、既存技術に加え、防災情報提供サービスを実現するための研究やファシリティマネジメント業務を通じて得た技術やノウハウをベースにスマートシティ等の新たなまちづくり事業への進出をめざしてまいります。
業績面では、建設ICTへの投資気運の高まりから関連ソフトの販売が好調で売上高は増加しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、進行中業務の一時中断や発注の延期があり、利益面では減益となりました。今後も公共事業計画の進行について不確定要素はあるものの、国土強靭化補正予算の新規投入計画もあり公共工事の年度末である2021年3月に向けて緩やかに回復に向かっており、業務停滞中に開発したツール等を業務の効率化に活用してまいります。
これらの結果、当事業年度の売上高は1,713,530千円(前期比1.0%増)、セグメント利益は393,285千円(前期比4.6%減)となりました。
※1:DX(デジタル・トランスフォーメーション)
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
※2:BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)
コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのモデルシステム。
※3:CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)
建設生産システムの基軸を従来の2次元モデルから3次元モデルへ拡張し、データをコンピュータ上に構築・共有しながら統合的に調査、計画、設計、解析、施工、維持管理にいたる一連のワークフローを効率化するシステム。
※4:CAD(コンピュータ・エイデッド・デザイン)
コンピュータを利用して機械・電気製品等の設計を行うこと。コンピュータとの会話形式で設計を行う。
※5:PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)
製造業において、製品開発期間の短縮、生産工程の効率化および顧客の求める製品の適時市場投入が行えるように、企画・開発から設計、製造・生産、出荷後のサポートやメンテナンス、生産・販売の打ち切りまで、製品にかかわるすべての過程を包括的に管理すること。
※6:GIS(ジオグラフィック・インフォメーション・システム)
地理情報システム。地理的なさまざまな情報に関連付け等の処理を行い、データ化された地図上に視覚的に表示するシステム。災害時に発生場所、影響範囲、避難場所情報等を統合的に表示するものやエリアマーケティング、出店計画等にも利用されている。
※7:BooT.one(ブート・ワン)
大成建設株式会社が社内で蓄積してきた「BIM規格」のノウハウを当社のIT技術で磨き上げ、「toBIM」ブランドで提供するAutodeskRevitのアドインパッケージ。「BIM規格」はコマンドツール、テンプレート、ファミリ、活用ガイドライン、トレーニング教材の5つのカテゴリの総称で、「BooT.one」はこれらをパッケージ化した商品。Revitユーザの生産効率を大幅に向上させることが可能となる。
※8:toBIM(トゥー・ビム)
当社の親会社のトランス・コスモス株式会社と応用技術株式会社の頭文字「t」と「o」にBIMを配置したブランド名称。トランス・コスモス株式会社によるBPOサービスと当社によるシステム開発のそれぞれを効果的に提供し、顧客企業の生産性向上を推進するためのBIMトータルサービス全般を指す。
b.財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末の総資産は、3,999,358千円となり前事業年度末と比較し633,000千円増加しました。これは主に、現金及び預金289,084千円、売掛金等の売上債権199,927千円、たな卸資産117,000千円がそれぞれ増加したためであります。
(負債の部)
当事業年度末の負債は、1,071,336千円となり前事業年度末と比較し219,971千円増加しました。これは主に、未払費用が26,189千円減少したものの、買掛金119,630千円、未払法人税等14,776千円、前受金86,337千円、未払消費税等15,051千円がそれぞれ増加したためであります。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、当期純利益を474,607千円計上したことおよび配当金57,102千円の支払を実施したこと等により、前事業年度末から413,029千円増加し、2,928,021千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ289,084千円増加し、2,202,958千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、418,593千円(前事業年度は599,077千円の収入)となりました。これは主に、売上債権199,927千円、たな卸資産117,000千円の増加および法人税等の支払額213,137千円があったものの、税引前当期純利益694,465千円および減価償却費53,107千円の計上、仕入債務119,630千円、前受金86,337千円の増加があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、72,458千円(前事業年度は72,746千円の支出)となりました。これは主に、情報化等投資を行ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、57,050千円(前事業年度は28,323千円の支出)となりました。これは、配当金56,802千円の支払および単元未満の自己株式248千円の取得を行ったためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前期比(%) |
| ソリューションサービス事業 | 1,993,728 | +25.8 |
| エンジニアリングサービス事業 | 772,480 | △7.9 |
| 合計 | 2,766,208 | +14.2 |
(注) 1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
| ソリューションサービス事業 | 3,621,447 | +22.5 | 1,810,838 | +41.9 |
| エンジニアリングサービス事業 | 1,697,360 | +7.2 | 940,512 | △1.7 |
| 合計 | 5,318,807 | +17.1 | 2,751,350 | +23.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| ソリューションサービス事業 | 3,086,794 | +17.8 |
| エンジニアリングサービス事業 | 1,713,530 | +1.0 |
| 合計 | 4,800,324 | +11.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は、4,800,324千円(前期比11.2%増)となりました。セグメントごとの概況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」をご参照ください。
(営業利益)
売上原価は、売上高の増加に伴い3,380,147千円(前期比16.0%増)となりました。販売費及び一般管理費につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により出張等の機会が大幅に減少したため、前事業年度と比較して18,669千円減少し、733,740千円(前期比2.5%減)となり、営業利益686,436千円(前期比5.7%増)を計上しました。また、これらの結果から売上高営業利益率は前事業年度と比較して0.8%下降し、14.3%となりました。
(経常利益)
余資をグループ内金融にて運用し、受取利息を得た結果、営業外収支が黒字となり694,632千円の経常利益(前期比5.6%増)となりました。
(特別損益)
167千円の特別損失の計上があり、税引前当期純利益は、694,465千円(前期比6.2%増)となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税227,642千円と法人税等調整額△7,784千円を計上した結果、当期純利益は474,607千円(前期比0.7%増)、1株当たり当期純利益は166.23円(前期比0.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの概況につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社は、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としております。
当社の主な資金需要は、受注製作のソフトウエア等の完成に要する人件費や外注費等の製造原価、販売費及び一般管理費などの運転資金ならびに情報化投資の資金であり全額を自己資金で賄っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定を使用する必要があります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積りの仮定は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」の (追加情報) に記載しております。
(受注損失引当金)
受注損失引当金については、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末において、将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることができるものについて、翌事業年度以降の損失見込額を計上しております。当該損失見込額は、将来の工数等の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ工数等が増加した場合、受注損失引当金の追加計上が必要となる可能性があります。