有価証券報告書-第35期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善が続く中で、個人消費も持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調が続いております。一方、中国における経済成長の鈍化、英国EU離脱問題、米国大統領選挙後の状況等の国際情勢の変化をうけて為替や株価が大きく変動し、企業収益にも影響を及ぼすなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。
フィットネス業界においては、国民一人ひとりの健康増進意識の高まりとともに、顧客ニーズに特化した多彩な小型業態の積極的な出店が続いております。一方、企業の従業員への健康増進の取り組みも強化されており、スポーツクラブへの入会を奨励する気運が高まっております。また、8月に開催された第31回オリンピック・パラリンピック競技大会(リオデジャネイロ)での日本人選手の活躍が後押しとなって、スクール会員数が継続して好調に推移いたしました。
当社グループは、「わたしたちルネサンスは『生きがい創造企業』としてお客様に健康で快適なライフスタイルを提案します。」の企業理念のもと、大型複合スポーツクラブ運営を中心に事業を営んでまいりました。
昨今の急速に進む少子高齢化や顧客ニーズの多様化といった事業環境の変化を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、2015年度を初年度とする中期経営計画においては、「スポーツクラブ単一事業から健康をキーワードとした複合事業への転換を図る」ことを方針として掲げ、以下の①~③に重点的に取り組んでまいりました。
① スポーツクラブ事業の収益性の強化
② 新しい成長の柱を増やす
③ 持続的成長を可能とするヒトと組織づくり
① スポーツクラブ事業の収益性の強化
スポーツクラブ事業における既存クラブ(新規出店や閉店等を除く、同一条件での比較が可能なクラブ)の在籍会員数は、フィットネス部門が前年同期比0.4%増、スクール部門が同4.2%増、合計で1.8%増となりました。また、全社の在籍会員数は、約399千名と前年同期比0.7%増となりました。
当社は、「気軽に!楽しく!効果的に!飽きずに続けられるグループエクササイズ」を会員の目的に合わせて豊富に用意しております。当連結会計年度の新プログラムについては、4月に総合格闘技の動作と躍動感のある音楽を組み合わせた「Group Fight」を、10月にトレーニングジム内に設置している多目的エリアにおいて、六角形の板状のツール(スライズ)を滑らせ、筋力強化や柔軟性の向上が期待できる「スライズトレーニング」と「スライズストレッチ」及び「ヨガストレッチ」と「トレーニングヨガ」をそれぞれ導入いたしました。
また、トレーニングジムにおいては、会員のトレーニングを効果的にサポートするため、来館している会員のトレーニング履歴をリアルタイムで確認できるタブレット端末を全クラブで導入いたしました。
スイミングスクールについては、競泳選手のトップ集団と位置づけている強化選手から、持田早智選手(ルネサンス幕張)と池江璃花子選手(ルネサンス亀戸)が、8月に開催された「第31回リオデジャネイロオリンピック競技大会」の水泳日本代表に選出されました。両選手が出場した4×200mフリーリレーで8位入賞したほか、池江選手が100mバタフライで5位入賞、4×100mフリーリレーで8位入賞と活躍いたしました。また、「リオデジャネイロパラリンピック競技大会」においては、ルネサンス亀戸がサポートしている瀬立モニカ選手が女子スプリント・カヤックシングル200mに出場し、8位入賞を果たしました。
次回の東京大会に向けては、持田選手と池江選手はもとより、次世代の競泳選手の育成に努めており、国内外の競技大会においても、当社所属の将来を担う選手達が好成績をおさめております。
テニススクールについては、ソニー株式会社が開発した使用者の打球を解析できるSmart Tennis Sensor(スマートテニスセンサー)をラケットに装着する「スマートテニスレッスン」を導入し、平成29年4月より、全国のテニススクールに順次展開しております。
当社は、会員の皆様の帰属意識やモチベーションの向上を目指し、全国規模でのスポーツイベントを開催しております。当連結会計年度においては、9月に水泳愛好者が参加された「第19回ルネサンスマスターズ水泳競技大会2016」、11月に「ルネサンスクラブ対抗ジュニア水泳競技大会」、2月に「ルネサンス3時間リレーマラソン2016&親子ペアラン」等を開催し、いずれも参加人数が千名を超え、好評を博しました。また、テニスにおいては、7月と9月に「ルネサンスカップ」を開催いたしました。
連結子会社のRENAISSANCE VIETNAM INC.では、1号店キャナリークラブ(ビンズオン省)がオープンより2周年、2号店ロンビエンクラブ(ハノイ市)が1周年を迎え、会員・家族、地域住民が参加するオープン記念イベントを開催しました。ロンビエンクラブでは、ベトナム初の日本式スイミングスクールをフルシーズンで展開し、水難事故が多発しているベトナム国の泳力向上に貢献しております。
なお、3月には、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)が主催する健康長寿広報展inハノイ(ハノイ市)に出展し、健康志向の高いベトナム人に対し、当社グループの特長を積極的にアピールすることで認知を高めることに成功いたしました。
② 新しい成長の柱を増やす
当社は、「成長が期待される市場で、将来の収益の柱を事業として確立する」ことを目指し、新業態の開発、国・地方自治体や他業界との協業等、新しい成長の柱を増やす取り組みを推進しております。
新業態施設については、3月に全世界に先進的なプログラムを発信しているLes Mills International Ltd.の日本国内における販売代理店であるレズミルズジャパン合同会社とパートナーシップ契約を締結し、日本初となるバーチャルリアリティを駆使したサイクルエクササイズをメインとしたブティック型スタジオ「CYCLE & STUDIO R(アール)」を開業いたしました。
リハビリ運動に特化した介護型デイサービス「元氣ジム」については、急速に進む高齢化社会に対応するためフランチャイズビジネスをスタートし、9月にフランチャイズ第1号施設として元氣ジム仙台荒井(仙台市若林区)を開設いたしました。
また、ICTを活用した健康サービスとして、株式会社リンクアンドコミュニケーションと協業し、当社と法人契約している全国の企業や健康保険組合等を対象とした健康ソリューションサービス『カラダかわるNavi』を開始いたしました。また、ドゥミルネサンスでは、ドコモ・ヘルスケア株式会社のアプリ『カラダのキモチ』のコンセプトをもとに、女性の生理周期による体の変化に合わせたプログラム『カラダのキモチ ヨガ』を10月に開始いたしました。
さらに、「国民の健康寿命の延伸」の取り組みの一つとして、9月に東京で開催された『健康経営会議2016』及び11月に横浜で開催された『よこはま健康経営会議』を健康経営会議実行委員会事務局として支援いたしました。
施設の状況については、4月に元氣ジム上中里(横浜市磯子区)、8月にルネサンス広島東千田(広島市中区)、9月に元氣ジム仙台荒井(仙台市若林区)、11月にバニスタ大泉学園(東京都練馬区)、3月にCYCLE & STUDIO R Shibuya(東京都渋谷区)をオープンいたしました。一方、賃貸借契約の満了等に伴い、7月末にルネサンス広島(広島市南区)、9月末にルネサンス鶴間(神奈川県大和市)、2月末にドゥミルネサンス市ヶ谷(東京都新宿区)を閉店いたしました。また、業態転換に伴い、12月末にドゥミルネサンス渋谷(東京都渋谷区)を閉店いたしました。
また、既存クラブの改装及び設備更新は、13施設において実施し、施設環境の整備と魅力向上に努めております。さらに一部のクラブで競争力の向上を狙い、ホットヨガプログラムに対応するための設備投資を実施いたしました。
なお、4月に発生した熊本地震により、ルネサンス熊本(熊本市中央区)、ルネサンス熊本南(熊本市中央区)及びルネサンス大分(大分県大分市)の3クラブは、施設の一部が損壊するなどの被害を受けました。特に、熊本地域においては、ライフラインが止まり、強い余震も続きましたが、1日も早い復旧を目指し、取引先からの緊急支援等により施設損壊箇所の速やかな修繕を行い、一部のエリアを除き、約10日後には営業を再開し、その1ヶ月後には通常営業の体制を整えることができました。休業期間中には、避難を余儀なくされた住民の皆さまに対して、シャワーやお風呂を開放するなどし、地域貢献に取り組みました。また、ルネサンス熊本のテニスコートを一時避難施設として、従業員及び関係者に提供し、防災備品の備蓄をはじめ、災害時に対する日頃の準備を生かすことができました。
以上の結果、当連結会計年度末の国内施設数は、スポーツクラブ123施設(直営94クラブ、業務受託29施設)、小型業態施設12施設、リハビリ施設15施設の計150施設となりました。
③ 持続的成長を可能とするヒトと組織づくり
当社は、コーポレートガバナンスの基本方針の中で「企業の持続的な発展と成長を目指して、企業価値を向上させていくために、健全かつ効率的な経営を可能にする仕組みづくりを進めていくことが、最も重要な経営課題のひとつと位置づけており、透明度の高い迅速な業務執行に努め、その改善に継続的に取り組む。」ことを定義しております。
また、当社は、「お客様に健康で快適なライフスタイルを提案する」企業として、役員・従業員自身も心身ともに健康で、いきいきと働いていることが必要であると考えております。7月には「健康経営」※を推進するため、健康経営推進委員会を発足させ、代表取締役社長執行役員である吉田正昭が最高健康責任者(CHO)として同委員会の委員長に就任し、「ルネサンス健康経営宣言」を制定いたしました。
具体的な取り組みとして、まず、前述の健康ソリューションサービス『カラダかわるNavi』に従業員が登録し、ICTを活用した健康管理に取り組んでおります。
※「健康経営」は、特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
なお、当社は従来より、健康経営に関する取り組みに一定水準の評価を得ており、2月に経済産業省と日本健康会議が共同で優良な健康経営を実践している企業を選定する「健康経営優良法人2017」~ホワイト500~に認定されるとともに、3月には、株式会社日本政策投資銀行より「DBJ 健康経営(ヘルスマネジメント)格付」における最高ランク格付けを取得しております。
女性活躍推進を中心としたダイバーシティの各種施策については、従業員の仕事と育児の両立を支援するため、育児短時間勤務期間の延長や在宅勤務制度を導入いたしました。また、2月には、子育て中の女性社員が育児に関する情報交換等を行う場として「育児フォーラム」を開催し、活発な意見交換がなされました。
当社は、従業員が積極的に競技スポーツにも挑戦する環境を支援しており、8月に開催された「第67回日本実業団水泳競技大会」においては女子団体で優勝し、また、同じく8月に開催された「第55回全国実業団対抗テニス大会『ビジネスパル・テニス』」においても優勝することができました。スポーツ愛好者が多い当社においては、出場選手のみならず、応援する全従業員の「感動満足」の向上に寄与することができました。
また、スポーツクラブにおける“ベストプラクティス"とそれを生み出す“マインド"を共有し、接客水準のレベルアップを図り、当社に関わる多くの方を幸せにすることを目的とした『ベストスタッフコンテスト』を開催し、全国から選抜され、予選を勝ち抜いたスタッフが、12月の最終コンテストでベストスタッフとして表彰されました。
さらに、Great Place to Work® Institute Japanが世界共通の基準で行う従業員の意識調査「働きがいのある会社」ランキングの大規模部門(従業員1,000名以上)に5年連続でランクインいたしました。日常業務に誇りを持っていることと職場の高い連帯感が、当社の特徴となっております。
なお、当社は、ステークホルダーの皆様に、より当社の企業活動や事業・商品・サービス内容をわかりやすくお伝えし、理解を深めていただけるよう、コーポレートサイトのビジュアル、コンテンツや内容等、デザイン・構成を全面リニューアルし、9月に公開いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は444億49百万円(前連結会計年度比2.2%増)、営業利益は36億82百万円(同15.6%増)、経常利益は35億12百万円(同19.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億69百万円(同28.5%増)となり、過去最高益を更新いたしました。
なお、当社グループの報告セグメントは「スポーツクラブ運営事業」のみであるため、セグメントごとの業績については記載しておりません。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2百万円増加し、10億26百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、43億69百万円(前連結会計年度比17.4%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益31億99百万円(同20.2%増)、減価償却費22億15百万円(同6.3%増)、法人税等の支払額12億5百万円(同7.8%増)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、38億26百万円(前連結会計年度比23.0%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出35億77百万円(同13.2%増)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、5億32百万円(前連結会計年度比107.0%増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出22億95百万円(同9.5%減)、配当金の支払額4億17百万円(同6.5%減)、長期借入れによる収入20億円(同4.8%減)によるものです。