有価証券報告書-第26期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況
当社グループは、「デジタル産業革命を支援・変革・創造する」という考えのもと、急速に進展するデジタル産業革命に対応し、企業のあらゆる「デジタルシフト」を牽引することにより、企業価値及びキャッシュ・フローの最大化を図ることを方針としており、現在取り組んでいる事業構造改革においては、主力事業を従来の顧客のプロモーション支援を中心としたマーケティング事業からデジタルシフト関連事業へ事業領域を拡大し、既存事業成長を中心とした従来の目標「2030年に売上高1兆円」から、「2030年に企業価値1兆円」を達成することを新たな目標としております。
上記目標を達成するため、既存ネット広告マーケティング事業の収益性改善に取り組むとともに、将来の成長を牽引する具体的施策として、①首都圏の中堅・成長ベンチャー顧客へのプロモーション提案を行う専門組織の設立、②ソウルドアウトグループとの共同出資によるマーケティング事業のプロダクト開発・提供を行うジョイントベンチャー設立、③デジタルシフトに関するプロフェッショナル人材を取り扱う人材派遣事業/コンサルティング事業への参入、④既存アセットを利用した更なるオープンイノベーションの拡大を展開し、当社グループにおけるビジネスモデルの多様化を実現してまいります。
また、当社グループでは、企業価値向上のため、強固な財務基盤を維持する一方で、キャッシュを中心とした経営資源を積極的に活用することを経営戦略の基本方針としております。具体的には、投資リターン目標としてIRR(Internal Rate of Return:内部収益率)10%以上を基準としつつ、2019年度から3年程度でデジタルシフト関連の事業投資として既存事業を中心とした200億円程度の投資の実施や、既存事業とは別枠で「デジタルシフト創造」関連のM&Aを検討しており、中長期のEPS成長を加速させることで株主還元を最大化することを目標としております。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べて4,580百万円増加し、61,132百万円となりました。負債の合計は、前連結会計年度末に比べて886百万円減少し、28,531百万円となりました。純資産の合計は、前連結会計年度末に比べて5,467百万円増加し、32,601百万円となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(経営成績の状況)
当社グループの当連結会計年度における売上高は、89,953百万円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益2,633百万円(前連結会計年度比49.0%増)、経常利益2,833百万円(前連結会計年度比69.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,928百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
<マーケティング事業>当連結会計年度におけるマーケティング事業における主な取り組みは、以下のとおりとなっております。
・株式会社オプトの主な取り組み
- 広告代理事業以外のサービスの開発及び販売を注力領域に設定し、経営資源を最適に配分することを目的にクロスフィニティ株式会社のパフォーマンスマーケティング事業及びソーシャルメディアマーケティング事業を株式会社オプトに吸収分割、同社ウェブサイトコンサルティング事業を株式会社ハートラスに吸収分割とする組織再編を実施(2019年10月1日)。
- 株式会社オプトが、株式会社イルグルムとデータマーケティング事業において戦略的パートナーシップを開始。その取り組みの一つとして、株式会社オプトが提供していた広告効果測定ツール『ADPLAN』を株式会社イルグルムに譲渡を実施。株式会社オプトは計測後のデータ「蓄積」「分析」「活用」を担うデータマーケティング事業に注力する方針。
・ソウルドアウト株式会社の主な取り組み
- ソウルドアウト株式会社の連結子会社である株式会社サーチライフ及び株式会社テクロコは、2019年7月1日に合併し、「SO Technologies株式会社」として営業を開始。「日本中、どこでも、だれでも、カンタンに、その情熱を稼ぐ力に変えるデジタル集客プラットフォームを創る」というビジョンに向かい、これまで培ってきたノウハウとテクノロジーを駆使し、より価値の高いサービス開発・提供へ。
- 高知県四万十市に運用型広告のオペレーションセンター「デジタルオペレーションセンター四万十」を設立。広告運用に特化したオペレーションセンターでは、高度な自動化技術に適した広告運用の仕組みを整え、日本全国の中小・ベンチャー企業様へこれまで以上の成果を支援、提供できる体制を構築。またこれにより、高知県での新規雇用、産業振興、人材育成を推進し、周辺エリアの地域経済の活性化に寄与していく。
以上の結果、当事業の当連結会計年度における売上高は、83,347百万円(前連結会計年度比1.6%増)、セグメント利益3,028百万円(前連結会計年度比25.4%減)となりました。
<シナジー投資事業>当連結会計年度におけるシナジー投資事業における主な取り組みは、以下のとおりとなっております。
・金融投資領域:オプトベンチャーズ2号投資事業有限責任組合
- 最終クローズの一部として2019年10月に独立行政法人中小企業基盤整備機構との間で30億円の出資契約を締結。ドローン関連事業を営むA.L.Iテクノロジーズ社、施策立案マッチングサービスを展開するWiseVine社、リノベーションプラットフォームを展開するWAKUWAKU社等への出資を実施。2019年12月に総額74億円でクローズ。
- 2019年11月に保有するラクスル株式の一部を海外売出しにより売却し、売上3,631百万円、売上総利益2,886百万円を計上。(2019年11月14日公表)
- 2019年12月に保有するスペースマーケット株式の一部を国内売出しにより売却し、売上63百万円、売上総利益38百万円を計上。
・事業開発領域:株式会社SIGNATE
- AI開発スキルを持つ社会人や学生からなる会員基盤を有し、企業のAI開発をオープンイノベーションで解決しており、多くの会員が参加することで、AIモデルの精度に大きく影響し、探索的分析の幅が広がり高精度AIの調達が可能に。現在急速に登録者が増加し、オープンから約1年あまりが経過した2019年12月末の登録ユーザ数は2019年9月末から約3,000人増加し約26,000人に到達。
- 法人向けAI人材育成オンライン講座「SIGNATE Quest」を2019年10月1日より販売開始、AIを実装するデータサイエンティストの育成に加え、AIプロジェクトを推進するビジネス系人材の育成までを目的としております。
以上の結果、当事業の当連結会計年度における売上高は6,640百万円(前連結会計年度比26.0%増)、セグメント利益1,916百万円(前連結会計年度は466百万円のセグメント損失)となりました。
HD管理部門においては、中期経営計画の実現にあたり、人材の採用・育成を経営上の重要な課題と認識しており、中途採用及び人材育成を強化しております。加えて、2018年9月には企業価値の持続的な向上へのインセンティブとなる譲渡制限付株式報酬制度を導入した結果、HD管理部門の当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、△2,290百万円(前連結会計年度は△1,822百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が、投資活動により使用した資金及び財務活動により使用した資金を上回ったことにより、前連結会計年度末(19,598百万円)に比べて799百万円増加し、当連結会計年度末には20,398百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は1,405百万円(前連結会計年度は1,497百万円の増加)となりました。
これは主に、法人税等の支払が1,623百万円あったこと、未払消費税等が1,379百万円減少したこと及び、取引増加により売上債権が1,290百万円増加したものの、税金等調整前当期純利益を2,645百万円計上したこと、取引増加により仕入債務が1,651百万円増加したこと及び、減価償却費を548百万円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は35百万円(前連結会計年度は3,593百万円の増加)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入が595百万円発生したものの、無形固定資産の取得による支出が616百万円発生したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は520百万円(前連結会計年度は922百万円の減少)となりました。
これは主に、非支配株主からの払込による収入が1,319百万円発生したものの、長期借入金の返済による支出が1,300百万円及び、配当金の支払による支出が434百万円発生したこと等によるものであります。
なお、キャッシュ・フロー指標の推移については、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
2 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 実際の仕入額によっております。なお、シナジー投資事業については当連結会計年度に実行した投資額によっております。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれておりますが、これらは、当連結会計年度末現在における当社グループの判断によるものであります。このような将来に対する見積り等は、過去の実績や趨勢に基づき可能な限り合理的に判断したものでありますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、結果とは異なる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産の分析)
当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べて4,580百万円増加し、61,132百万円となりました。
流動資産は55,281百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,190百万円増加いたしました。これは主に、所有株式の時価評価等により営業投資有価証券が4,187百万円及び、現金及び預金が767百万円増加したことによるものであります。
固定資産は5,850百万円となり、前連結会計年度末に比べて610百万円減少しております。これは主に、関連会社株式が402百万円及び、投資有価証券が169百万円減少したことによるものであります。
(負債の分析)
当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べて886百万円減少し、28,531百万円となりました。
流動負債は19,140百万円となり、前連結会計年度末に比べて561百万円増加しております。これは主に、未払消費税等の減少によりその他流動負債が1,106百万円減少したものの、長期借入金からの振替等により1年内返済予定の長期借入金が1,007百万円及び、取引高増加により買掛金が990百万円増加したことによるものであります。
固定負債は9,390百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,448百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が1,002百万円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金への振替等により長期借入金が2,268百万円減少したことによるものであります。
(純資産の分析)
当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べて5,467百万円増加し、32,601百万円となりました。
これは主に、営業投資有価証券等の時価評価に伴いその他有価証券評価差額金が2,379百万円、非支配株主持分が1,749百万円及び、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,493百万円増加したことによるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
b.経営成績の分析
当社グループが重要視している経営指標は、EBIT、EBITDA、フリー・キャッシュ・フロー、AUMであります。
業績内容をより正確に把握する指標として、税金等調整前当期純利益に支払利息を加算し受取利息を減算したEBIT、EBITに減価償却費、のれんの無形固定資産償却及び非資金損益を調整したEBITDAを経営指標として採用しております。
当社グループの当連結会計年度におけるEBITは前連結会計年度比18.4%減の2,664百万円、EBITDAは前連結会計年度比21.9%減の4,756百万円となりました。これはシナジー投資事業において、EBITは前連結会計年度比156.4%増の2,436百万円、EBITDAは前連結会計年度比105.6%増の3,370百万円と大きく改善した一方で、マーケティング事業においては一部既存顧客における広告予算縮小を新規案件等で補いきれず、EBITは前連結会計年度比38.0%減の2,615百万円、EBITDAは前連結会計年度比44.1%減の3,446百万円と不調であったことによるものです。
また、フリー・キャッシュ・フローは当社グループの事業活動におけるキャッシュ・フロー獲得能力を把握するための指標として採用しております。当社グループの当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは1,370百万円と前連結会計年度比73.1%減となりました。これは主として2018年度に事業譲渡による収入があったため等によるものです。
また、AUMは主としてシナジー投資セグメントにおける投資成果の透明性を高める指標として採用しております。当連結会計年度末時点におけるAUMは、保有するラクスル株式の株価上昇等を背景に前連結会計年度末比8.2%増の22,961百万円と増加しております。
c.資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
また、当社グループでは持続的な企業価値向上のため、強固な財務基盤を維持する一方で、必要な手元流動性を確保した上で事業活動から生み出されるネットキャッシュを成長分野に投下することを基本方針としております。2019年度から3年程度でデジタルシフト関連の事業投資として既存事業を中心とした200億円程度の投資や、既存事業とは別枠で「デジタルシフト創造」関連のM&A投資を検討しております。
将来の成長に必要な投資資金や株主還元の為の資金は、前述の通り自己資金から賄うことを基本方針としておりますが、当社グループの財務状況や資本市場動向に鑑み、コストや機動性等を総合的に精査した上で、金融機関からの借り入れ等外部資金の活用も含め最適な方法による資金調達にて対応する予定です。
d.キャッシュ・フローの分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業には、景気の変動等によるインターネット広告市場への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況
当社グループは、「デジタル産業革命を支援・変革・創造する」という考えのもと、急速に進展するデジタル産業革命に対応し、企業のあらゆる「デジタルシフト」を牽引することにより、企業価値及びキャッシュ・フローの最大化を図ることを方針としており、現在取り組んでいる事業構造改革においては、主力事業を従来の顧客のプロモーション支援を中心としたマーケティング事業からデジタルシフト関連事業へ事業領域を拡大し、既存事業成長を中心とした従来の目標「2030年に売上高1兆円」から、「2030年に企業価値1兆円」を達成することを新たな目標としております。
上記目標を達成するため、既存ネット広告マーケティング事業の収益性改善に取り組むとともに、将来の成長を牽引する具体的施策として、①首都圏の中堅・成長ベンチャー顧客へのプロモーション提案を行う専門組織の設立、②ソウルドアウトグループとの共同出資によるマーケティング事業のプロダクト開発・提供を行うジョイントベンチャー設立、③デジタルシフトに関するプロフェッショナル人材を取り扱う人材派遣事業/コンサルティング事業への参入、④既存アセットを利用した更なるオープンイノベーションの拡大を展開し、当社グループにおけるビジネスモデルの多様化を実現してまいります。
また、当社グループでは、企業価値向上のため、強固な財務基盤を維持する一方で、キャッシュを中心とした経営資源を積極的に活用することを経営戦略の基本方針としております。具体的には、投資リターン目標としてIRR(Internal Rate of Return:内部収益率)10%以上を基準としつつ、2019年度から3年程度でデジタルシフト関連の事業投資として既存事業を中心とした200億円程度の投資の実施や、既存事業とは別枠で「デジタルシフト創造」関連のM&Aを検討しており、中長期のEPS成長を加速させることで株主還元を最大化することを目標としております。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べて4,580百万円増加し、61,132百万円となりました。負債の合計は、前連結会計年度末に比べて886百万円減少し、28,531百万円となりました。純資産の合計は、前連結会計年度末に比べて5,467百万円増加し、32,601百万円となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(経営成績の状況)
当社グループの当連結会計年度における売上高は、89,953百万円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益2,633百万円(前連結会計年度比49.0%増)、経常利益2,833百万円(前連結会計年度比69.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,928百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
<マーケティング事業>当連結会計年度におけるマーケティング事業における主な取り組みは、以下のとおりとなっております。
・株式会社オプトの主な取り組み
- 広告代理事業以外のサービスの開発及び販売を注力領域に設定し、経営資源を最適に配分することを目的にクロスフィニティ株式会社のパフォーマンスマーケティング事業及びソーシャルメディアマーケティング事業を株式会社オプトに吸収分割、同社ウェブサイトコンサルティング事業を株式会社ハートラスに吸収分割とする組織再編を実施(2019年10月1日)。
- 株式会社オプトが、株式会社イルグルムとデータマーケティング事業において戦略的パートナーシップを開始。その取り組みの一つとして、株式会社オプトが提供していた広告効果測定ツール『ADPLAN』を株式会社イルグルムに譲渡を実施。株式会社オプトは計測後のデータ「蓄積」「分析」「活用」を担うデータマーケティング事業に注力する方針。
・ソウルドアウト株式会社の主な取り組み
- ソウルドアウト株式会社の連結子会社である株式会社サーチライフ及び株式会社テクロコは、2019年7月1日に合併し、「SO Technologies株式会社」として営業を開始。「日本中、どこでも、だれでも、カンタンに、その情熱を稼ぐ力に変えるデジタル集客プラットフォームを創る」というビジョンに向かい、これまで培ってきたノウハウとテクノロジーを駆使し、より価値の高いサービス開発・提供へ。
- 高知県四万十市に運用型広告のオペレーションセンター「デジタルオペレーションセンター四万十」を設立。広告運用に特化したオペレーションセンターでは、高度な自動化技術に適した広告運用の仕組みを整え、日本全国の中小・ベンチャー企業様へこれまで以上の成果を支援、提供できる体制を構築。またこれにより、高知県での新規雇用、産業振興、人材育成を推進し、周辺エリアの地域経済の活性化に寄与していく。
以上の結果、当事業の当連結会計年度における売上高は、83,347百万円(前連結会計年度比1.6%増)、セグメント利益3,028百万円(前連結会計年度比25.4%減)となりました。
<シナジー投資事業>当連結会計年度におけるシナジー投資事業における主な取り組みは、以下のとおりとなっております。
・金融投資領域:オプトベンチャーズ2号投資事業有限責任組合
- 最終クローズの一部として2019年10月に独立行政法人中小企業基盤整備機構との間で30億円の出資契約を締結。ドローン関連事業を営むA.L.Iテクノロジーズ社、施策立案マッチングサービスを展開するWiseVine社、リノベーションプラットフォームを展開するWAKUWAKU社等への出資を実施。2019年12月に総額74億円でクローズ。
- 2019年11月に保有するラクスル株式の一部を海外売出しにより売却し、売上3,631百万円、売上総利益2,886百万円を計上。(2019年11月14日公表)
- 2019年12月に保有するスペースマーケット株式の一部を国内売出しにより売却し、売上63百万円、売上総利益38百万円を計上。
・事業開発領域:株式会社SIGNATE
- AI開発スキルを持つ社会人や学生からなる会員基盤を有し、企業のAI開発をオープンイノベーションで解決しており、多くの会員が参加することで、AIモデルの精度に大きく影響し、探索的分析の幅が広がり高精度AIの調達が可能に。現在急速に登録者が増加し、オープンから約1年あまりが経過した2019年12月末の登録ユーザ数は2019年9月末から約3,000人増加し約26,000人に到達。
- 法人向けAI人材育成オンライン講座「SIGNATE Quest」を2019年10月1日より販売開始、AIを実装するデータサイエンティストの育成に加え、AIプロジェクトを推進するビジネス系人材の育成までを目的としております。
以上の結果、当事業の当連結会計年度における売上高は6,640百万円(前連結会計年度比26.0%増)、セグメント利益1,916百万円(前連結会計年度は466百万円のセグメント損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が、投資活動により使用した資金及び財務活動により使用した資金を上回ったことにより、前連結会計年度末(19,598百万円)に比べて799百万円増加し、当連結会計年度末には20,398百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は1,405百万円(前連結会計年度は1,497百万円の増加)となりました。
これは主に、法人税等の支払が1,623百万円あったこと、未払消費税等が1,379百万円減少したこと及び、取引増加により売上債権が1,290百万円増加したものの、税金等調整前当期純利益を2,645百万円計上したこと、取引増加により仕入債務が1,651百万円増加したこと及び、減価償却費を548百万円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は35百万円(前連結会計年度は3,593百万円の増加)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入が595百万円発生したものの、無形固定資産の取得による支出が616百万円発生したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は520百万円(前連結会計年度は922百万円の減少)となりました。
これは主に、非支配株主からの払込による収入が1,319百万円発生したものの、長期借入金の返済による支出が1,300百万円及び、配当金の支払による支出が434百万円発生したこと等によるものであります。
なお、キャッシュ・フロー指標の推移については、以下のとおりであります。
| 2017年12月期 | 2018年12月期 | 2019年12月期 | |
| 自己資本比率(%) | 33.0 | 41.5 | 44.5 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 62.5 | 57.8 | 62.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 5.7 | 6.7 | 6.2 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 51.6 | 46.4 | 57.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
2 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| マーケティング事業 | 69,188 | 103.2 |
| シナジー投資事業 | 2,824 | △104.5 |
| 合計 | 72,013 | 102.9 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 実際の仕入額によっております。なお、シナジー投資事業については当連結会計年度に実行した投資額によっております。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| マーケティング事業 | 83,339 | 101.6 |
| シナジー投資事業 | 6,614 | 127.1 |
| 合計 | 89,953 | 103.1 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれておりますが、これらは、当連結会計年度末現在における当社グループの判断によるものであります。このような将来に対する見積り等は、過去の実績や趨勢に基づき可能な限り合理的に判断したものでありますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、結果とは異なる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産の分析)
当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べて4,580百万円増加し、61,132百万円となりました。
流動資産は55,281百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,190百万円増加いたしました。これは主に、所有株式の時価評価等により営業投資有価証券が4,187百万円及び、現金及び預金が767百万円増加したことによるものであります。
固定資産は5,850百万円となり、前連結会計年度末に比べて610百万円減少しております。これは主に、関連会社株式が402百万円及び、投資有価証券が169百万円減少したことによるものであります。
(負債の分析)
当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べて886百万円減少し、28,531百万円となりました。
流動負債は19,140百万円となり、前連結会計年度末に比べて561百万円増加しております。これは主に、未払消費税等の減少によりその他流動負債が1,106百万円減少したものの、長期借入金からの振替等により1年内返済予定の長期借入金が1,007百万円及び、取引高増加により買掛金が990百万円増加したことによるものであります。
固定負債は9,390百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,448百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が1,002百万円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金への振替等により長期借入金が2,268百万円減少したことによるものであります。
(純資産の分析)
当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べて5,467百万円増加し、32,601百万円となりました。
これは主に、営業投資有価証券等の時価評価に伴いその他有価証券評価差額金が2,379百万円、非支配株主持分が1,749百万円及び、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,493百万円増加したことによるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
b.経営成績の分析
当社グループが重要視している経営指標は、EBIT、EBITDA、フリー・キャッシュ・フロー、AUMであります。
業績内容をより正確に把握する指標として、税金等調整前当期純利益に支払利息を加算し受取利息を減算したEBIT、EBITに減価償却費、のれんの無形固定資産償却及び非資金損益を調整したEBITDAを経営指標として採用しております。
当社グループの当連結会計年度におけるEBITは前連結会計年度比18.4%減の2,664百万円、EBITDAは前連結会計年度比21.9%減の4,756百万円となりました。これはシナジー投資事業において、EBITは前連結会計年度比156.4%増の2,436百万円、EBITDAは前連結会計年度比105.6%増の3,370百万円と大きく改善した一方で、マーケティング事業においては一部既存顧客における広告予算縮小を新規案件等で補いきれず、EBITは前連結会計年度比38.0%減の2,615百万円、EBITDAは前連結会計年度比44.1%減の3,446百万円と不調であったことによるものです。
また、フリー・キャッシュ・フローは当社グループの事業活動におけるキャッシュ・フロー獲得能力を把握するための指標として採用しております。当社グループの当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは1,370百万円と前連結会計年度比73.1%減となりました。これは主として2018年度に事業譲渡による収入があったため等によるものです。
また、AUMは主としてシナジー投資セグメントにおける投資成果の透明性を高める指標として採用しております。当連結会計年度末時点におけるAUMは、保有するラクスル株式の株価上昇等を背景に前連結会計年度末比8.2%増の22,961百万円と増加しております。
c.資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
また、当社グループでは持続的な企業価値向上のため、強固な財務基盤を維持する一方で、必要な手元流動性を確保した上で事業活動から生み出されるネットキャッシュを成長分野に投下することを基本方針としております。2019年度から3年程度でデジタルシフト関連の事業投資として既存事業を中心とした200億円程度の投資や、既存事業とは別枠で「デジタルシフト創造」関連のM&A投資を検討しております。
将来の成長に必要な投資資金や株主還元の為の資金は、前述の通り自己資金から賄うことを基本方針としておりますが、当社グループの財務状況や資本市場動向に鑑み、コストや機動性等を総合的に精査した上で、金融機関からの借り入れ等外部資金の活用も含め最適な方法による資金調達にて対応する予定です。
d.キャッシュ・フローの分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業には、景気の変動等によるインターネット広告市場への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。