有価証券報告書-第32期(2022/01/01-2022/12/31)

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2023/03/30 15:01
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139項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営環境
当社グループは「財産の承継・運用・管理を通じてお客様の幸せに貢献していきます」を経営目的に掲げている財産コンサルティングファームです。相続による資産移転規模の拡大や事業承継の社会課題化など、当社グループのお客様である個人資産家や企業オーナーを取り巻く環境は大きな変化を迎えており、財産承継・事業承継・財産運用コンサルティングのニーズはますます増大していると認識しております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置の終了により社会活動の正常化が徐々に進み、景気の持ち直しの動きがみられました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の再拡大やウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。さらには米国の金利上昇に伴う日米金利格差の拡大による急速な円安の進展、世界的なインフレや景気後退懸念に伴う株式市場の乱高下など、当該厳しい経済情勢下において、円滑な経営承継、円滑な財産承継、納税資金の確保、財産の運用と保全、まさかへの備えなどについてのコンサルティングニーズはますます高まっていくと考えられます。
このような状況のもと、当社グループは「財産のことなら青山財産ネットワークス」をビジョンとして掲げ、多くのお客様からご支持いただける日本一の財産コンサルティングファームを目指しております。また、2022年からの3ヵ年を「拡大成長期」と位置付けた第三次中期経営計画を策定しております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは2022年からの3ヵ年を「拡大成長期」と位置付けた第三次中期経営計画を策定し、以下の課題に積極的に取り組んでおります。
①「戦略的個別サービス」と「総合財産コンサルティングサービス」の両輪によるお客様サービスの品質向上と、量的拡大を実現する
当社グループの成長の鍵となるのは顧客数の拡大による将来組換え財産の拡大と認識しております。戦略的個別サービスから新規顧客を拡大し、総合財産コンサルティングと戦略的個別サービスのクロスセルにより収益を拡大してまいります。また、お客様の相続や事業承継を乗り越えるための最適な財産構成の実現により、お客様に喜んでいただける企業に成長してまいります。
②スマートフォンとオンラインコミュニケーションツールを活用した財産コンサルティングサービスを標準サービスとする
コンサルティング業務の品質向上と標準化及び生産性向上を目的として開発されたARTシステムが2021年2月に本格稼働しました。今後はカスタマージャーニーの各フェーズでDX化を推進し、さらなる生産性向上と顧客拡大を目指してまいります。2022年度はADVANTAGE CLUBアプリの開発を実施いたしました。ADVANTAGE CLUBアプリはADVANTAGE CLUBの申し込み、契約、分配金の通知、決算報告、運用状況の確認を行える仕組みであります。このアプリの導入により対面やWEBでの申し込みや契約手続きがアプリ上で完結することになり、また、ADVANTAGE CLUBの郵送等の事務処理が大幅に削減されることから効率化・生産性の改善に繋がるものです。
③「人間力」が高いコンサルティング集団への成長
お客様の大切な財産や事業についてご相談いただくためには、誠実さ、優しさ、利他心など、高い人間力を身に着けたコンサルタント集団に成長することが不可欠です。社内における人間力向上の取組みに加え、社員自身が社会貢献活動を通じて、人間力の向上につながる取組みを行っております。
④社会貢献活動への積極的な取組み
事業を通じて得た収益の一部を継続的な寄付等、多くの方々が幸せに暮らせる社会に役立てるため、全社を挙げて継続的な貢献を行ってまいります。当社はこれまでも東京都医師会への寄付、医療機関への物資提供などを行ってまいりました。2022年度は「ペット殺処分の撲滅支援」や「子供食堂支援」など、社会課題に取組んでいる団体への寄付に加え、社員自身が社会貢献活動を行ってまいりました。
(3)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当社グループは、土地やその他天然資源等のエネルギーを利用した事業活動を行っており、気候変動への対応は事業継続に大きな影響を及ぼす重要な経営課題であると認識しております。また、不動産をはじめとする当事業活動にともない排出される温室効果ガスが気候変動に大きな影響を与えると考えており、主要なリスクだと捉えています。そのため、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言へ賛同し、また環境に配慮した取り組みを資産価値の向上と社会的課題解決に貢献できるものと位置付け、お客様・テナント様のニーズに応えられるよう取り組んでまいります。
①ガバナンス
TCFD推進はサステナビリティ委員会内の分科会として位置づけられ、分科会の活動内容はサステナビリティ委員会へ毎月報告され、サステナビリティ委員会より取締役会へ3か月に一度報告を実施しています。本年度は気候関連のリスク及び機会の評価、戦略策定ならびに温室効果ガスの排出量算出等に取り組んでおります。取締役会ではサステナビリティ委員会からの報告をもとにリスク管理方針の検討を行い、経営計画や戦略、施策の決定を行っています。
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②戦略
本検討では、「ADVANTAGE CLUB(アドバンテージクラブ、以下「AD」)」をシナリオ分析の対象といたしました。ADは2021年における総売上高比率約70%、CO2総排出量比率約73%を占め、当社における代表的な商品であり、また主要なCO2排出源となっております。シナリオ分析の結果を将来的に経営戦略へと反映させ、今後一層環境に配慮した施策に取り組み、資産価値の向上と社会的課題解決に貢献し、お客様・テナント様のニーズに応えてまいります。
前提条件
選択シナリオ:2℃、4℃
移行リスク:2030年時点を想定、物理リスク:2050年時点を想定
不動産業界(不動産小口化商品)におけるリスクと機会は以下のように推測します。
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IEA、環境省等のデータに基づき、それぞれのシナリオ(2℃、4℃)における世界観を想定し、各リスクが財務へ及ぼす影響について、試算をいたしました。いずれのシナリオにおいても組成規模の拡大により粗利額は増加しますが、気候変動リスクによるインパクトまたはその対策費用により粗利額へ影響が出ることを想定しています。いずれのシナリオにも対応できるよう、社内外関係者からのフィートバックを通じて、戦略のブラッシュアップ・経営戦略への反映をサステナビリティ委員会が中心となって実施してまいります。
引き続きADVANTAGE CLUBの安定した運用に努め、お客様の大切な資産を守ってまいります。
③リスク管理
当社グループ全体に関わる中長期的な視点での気候変動リスク・機会についてはサステナビリティ委員会が統括し、取締役会と連携する体制で監督・モニタリングを実施し、経営戦略への反映をおこなってまいります。また、当社グループでは創業時より不動産ソリューションサービスを提供しており、都心部の高価な不動産を取り扱っております。個別案件ごとのリスク管理を行うため、「不動産プロジェクト諮問会議」、「コンプライアンス委員会」を以前より設置しており、所定の条件を満たす案件においては、本諮問会議・委員会での審議が実施されています。審議の一部として気候変動に関わるリスク管理も実施されています。
④指標と目標
当社グループにおけるCO2総排出量の実績は以下の通りです。
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ADVANTAGE CLUBの運用規模拡大、社員数の増加等に伴い、CO2総排出量は増加傾向にあります。しかしながら、省エネルギー設備の導入や電力契約をカーボンフリープランへ変更することにより、m2あたりのCO2排出量(CO2排出量原単位)を削減しております。2030年または2050年に向けた排出量削減目標につきましては現在検討中となります。今後もCO2排出量抑制の施策を継続・拡大し、気候変動リスクへの対応を行ってまいります。
(4)人的資本経営の取り組み
当社グループにおいて、コンサルティングの源泉である「人的資産(資本)」は極めて重要な経営資本となります。社員の能力と人間力を向上させ高品質なサービスを提供するとともに、社員の多様性を高めることでお客様の様々な価値観・ご要望に応え、財産コンサルティングの更なる高付加価値化を促してまいります。
①ガバナンス
人的資本に関わる施策・戦略はサステナビリティ委員会により監督・モニタリングを行っております。サステナビリティ委員会を構成する5つのセグメントのうち3つのセグメントが人的資本に関連し、「経営理念浸透・人材強化」では経営理念・教育制度・採用戦略等について、「働き甲斐のある会社創造」では会議の全社効率化・女性の活躍推進・健康経営等について、「社会貢献」では社会貢献活動の取組み等について重点的に取り組み、取締役会と連携しながら活動しています。
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②戦略
経営目標の達成へ向け、人材戦略が「財産コンサルティング事業」の「営業利益」ならびに「営業利益率」の向上に寄与するための要素を検討いたしました。営業利益についてロジックツリー分析を実施し、今後事業を拡大していく当社が取り組むべき人材戦略上のポイントを「採用」「教育」「人間力の向上」「働く環境の整備」の4点に集約いたしました。
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a.採用
地域金融機関等の提携数の増加に伴い、コンサルティング案件や、ADVANTAGE CLUB等の商品販売に繋がる顧客の紹介を受けた結果、当社グループの顧客数は順調に増加傾向にあります。社内体制の効率化(システム導入や分業体制の確立)を推進しておりますが、それを上回る紹介数であるため、対応するコンサルタントの採用を進めております。人員ならびに採用に伴う費用は増加しておりますが一人当たり営業利益も増加傾向となっております。採用施策として採用要件の明確化と採用チャネルの強化・最適化について重点的に取り組んでおります。
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b.教育
従来は中途採用による即戦力を重視しておりましたが、今後は在籍しているコンサルタントへの教育にも注力いたします。コンサルタント全体のレベルを引き上げることにより、当社の提供価値の向上と平準化を行います。当社グループの根幹であるコンサルティング分野の品質向上は新たなお客様からのご相談に繋がり、更なる好循環を生む起点となります。
財産コンサルタント育成
財産コンサルタントに関するスキルの体系化を行い、当社グループのコンサルタントとして必要な要件を整理いたしました。スキルの体系化により業務の平準化とスキルの均一化(底上げ)を促し、勤務効率を改善、お客様へ均一で高品質なコンサルティングを提供いたします。教育内容は「専門知識」と「営業総合力」に大別され、「専門知識」では税務・会計等の財産コンサルティングを行うにあたり必要となる専門知識を、「営業総合力」では商談をまとめていくために必要となる一般的な営業上の知識・テクニックを学習します。数年間におよぶ研修プログラムを通して、より難易度が高く高単価な案件に取り組める力を培います。
経営人材育成
次期役員を担い、当社グループを牽引する人材の育成にも取り組みます。外部研修を活用し経営において必要となる知識を学び、異業種との交流により見識を深めるプログラムと、現役役員とジュニアボードを開催し課題解決に取り組む高密度体験プログラムを並行して進めます。推薦を受けた候補者は数年をかけプログラムへ参加し、経営に必要な力を培います。
c.人間力向上
お客様の大切な財産や事業についてご相談いただくには、コンサルタントがお客様から信頼を得ることが最も重要です。そのためには、誠実さ、優しさ、思いやりなどを兼ね備えた「人間力」が高いコンサルティング集団へと成長することが欠かせません。また、財産や事業の承継などに「正解」はありません。大切なのは合理的な「正解」ではなく、お客様にとっての「最適」を目指すことです。お客様の目線に立ち、お客様と伴走するためにも「人間力」が必須です。人間力向上は直接的に経営目標に寄与するものではございませんが、当社グループの基本的価値観として重要視しております。当社グループの価値は、一人一人の人間力の総和です。
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d.働く環境の整備
従業員エンゲージメントと生産性には正の相関関係がみられることが各種調査で明らかになってきております。また、従業員エンゲージメントの向上は生産性に限らず、一般的に離職率の低下や採用成功率の上昇などにも寄与すると言われており、事業規模を拡大している当社グループにとって重要な課題です。
健康経営
当社グループは、これまでも社員の健康増進のために、専門家による社員向けの健康セミナーやリフレッシュルームへの酸素ボックスの設置、またマインドフルネスを導入し、瞑想ルームの設置等、様々な取り組みを行ってまいりました。また、2022年7月には健康経営宣言を制定いたしました。宣言の目的は、「弊社グループ社員の心と体の健康を守ることで、社員満足度を高めていくこと」、「社員満足度向上により、社員が自身の能力を最大限発揮でき、お客様への貢献にも繋がり、弊社グループの持続的成長と企業価値の向上につながること」の2点としています。
健康経営宣言
当社グループは「社員の健康が全ての基本」を経営課題とし、経営目的の「お客様の幸せに貢献し、共に働くメンバーの物心両面の幸せを目指す」を実現します。
組織サーベイの実施
2022年より会社と従業員の相互理解を測る目的で「組織サーベイ」を実施いたしました。エンゲージメントスコア(ES, サーベイ参加企業内における偏差値)を用いることで、今まで不明瞭であった心の充実・拡大について現在の立ち位置を計測いたしました。今後も定期的に調査を実施することで「会社と従業員の関係」を定量的に把握し組織改善に向けた社内施策立案に活用いたします。定期的なサーベイによりESの向上がされているかモニターしてまいります。調査の結果、共に働く社員の人柄や事業の優位性・社会的意義、財務基盤の健全性に強みがあること、一方で社内の体制やリソース、ナレッジの標準化等に課題があることが明確になりました。
③リスク管理
当社グループでは、日常の個々の社員に関するリスク管理は主に人事部により実施されています。体と心に関するリスクが主要なリスクであると定義し、管理ならびに相談の受付を行っています。当社グループ全体に関するリスクについては「サステナビリティ委員会」ならびに「コンプライアンス委員会」によって管轄され、リスクを最小化するための管理体制を整えております。

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