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有価証券報告書-第37期(2025/06/01-2026/05/31)

【提出】
2026/08/28 16:55
【資料】
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【項目】
151項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「公明正大且つ信用あるオークション市場の創造と拡大」、「常に信用を重んじる中での慎重かつ大胆な挑戦」、「豊かで美しく潤いある生活文化の追求」の実現を目指して事業を進めております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2026年7月15日に公表した「中期経営Vision FY2027-FY2029」において、最終年度である2029年5月期に売上高4,000百万円、営業利益500百万円、営業利益率12.5%を達成することを目標として掲げております。なお、従来は連結ROE(自己資本当期純利益率)15%以上を中長期的な指標として掲げておりましたが、収益基盤の再構築を優先する現在の経営課題を踏まえ、同Visionの策定に伴い上記の指標に変更しております。
(3)経営戦略等
当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対応することが経営戦略上重要であると考えており、オークション事業の立て直し(出品の仕入れの強化、外国人顧客をはじめとする買い手層の拡大等)を進めるとともに、プライベートセール(買取)の拡張に取り組み、増収増益を目指してまいります。また、中期経営Visionに掲げる新たな取り組みとして、美術品等を担保とする動産担保ローン事業への参入を検討しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、公開のオークションという商形態にて美術品や高級品の換金やコレクションを円滑に実現し、美術品を中心とした高額品の価値付けに寄与することを自らのミッションとして事業を展開しています。グローバルにおける金利高止まりの継続によって、安全資産および代替資産への分散投資需要が促進され、アートや宝飾品、時計、リカーといった高額商品への投資的なニーズや経済的関心が顕在化しています。このような環境のなかで、当社グループが展開する公開オークションは、単なる流通手段にとどまらず、現代におけるアートや高額資産の経済的価値付けの一翼を担う機能としての社会的意義を持つものと認識しております。
一方、当連結会計年度は、アートオークション市場における良品の出し渋り傾向やプライベートセールの取扱高の減少により売上高は1,577,885千円(前期比23.7%減)となり、期末の決算手続における個別の査定に基づき長期滞留品等に係る棚卸資産評価損58,230千円を売上原価に計上したことも加わって、営業損失144,380千円を計上いたしました。なお、四半期別の営業損益は期を追って改善し、第4四半期においては黒字に転換しております。当社グループは、過年度に生じた会計処理に係る事案を踏まえ、取引審査、会計判定及び開示に係るプロセスの整備を順次進めており、信頼の回復を経営の起点と位置付けるとともに、収益構造の立て直しを対処すべき課題と認識しております。
かかる認識のもと、既存事業(オークション及びプライベートセール)の立て直しに取り組んでまいります。
具体的な取り組みとして、継続的な作品の出品誘致強化の一環として、相続等で放出される高額美術品等の誘引、ライブビッティングシステムの利便性向上と利用拡大をとおして、落札に繋がる潜在顧客を掘り起こし、外国人顧客をはじめとする買い手層の拡大による新たな顧客層の開拓、コンテンポラリーアート分野での作家発掘等を進めてまいります。
また、プライベートセール・その他事業については、当連結会計年度の売上高が前期比50.5%減となったことを踏まえ、富裕層の実物資産ニーズに応える事業としての位置付けや取引管理のあり方を検証しつつ、買取の拡張を含む再構築に取り組みます。また、ノンコア事業にかかる資産の整理・選択による経営資源の集中を進め、収益構造の安定化を図ってまいります。
以上の方針のもと、当社グループは、内部管理体制の強化と信頼回復に向けた取り組み(後記(6)に記載)を経営の基盤としつつ、アートや高級品が持つ文化的・経済的価値の再発見を促進し、事業の持続性と企業価値の最大化に向けた取り組みを継続してまいります。
(5)第三者委員会による調査結果を踏まえた当社の課題
当社の連結子会社であるShinwa Prive株式会社において、2019年5月期から2024年5月期までのプライベートセールにおける売買取引と金融取引の分類及び売上計上時期に係る不適切な会計処理に関し、2024年9月6日に外部専門家で構成される第三者委員会から調査報告書を受領いたしました。
当社では、上記報告書の内容の検討及びこれを受けた自主調査の結果を踏まえ、過年度の決算を訂正することとし、2019年5月期から2023年5月期までの各有価証券報告書、2020年5月期第1四半期から2024年5月期第3四半期までの各四半期報告書について、訂正報告書を提出いたしました。
また、当社は、2024年11月に株式会社東京証券取引所から改善報告書の提出を求められ、同年12月に改善報告書を、2025年7月に改善状況報告書を提出いたしました。
なお、本件に関する経営責任の明確化として、関係する役員の退任及び役員報酬の減額(2025年3月)を経て、2025年7月、当社グループの元役員に対する損害賠償請求訴訟を提起いたしました。
上記の発生原因として、第三者委員会からは、ア 上場企業の会計処理及び内部統制に詳しい公認会計士等が役員にいないこと、イ アート作品のプライベートセールの業務執行(契約書締結フロー等を含む)に対する監視・監督の不備等のガバナンス上の問題、ウ 管理担当者と執行担当者の兼務、エ 内部監査室のリソース不足等、上記の会計処理を止めることのできなかった組織上・内部統制上の問題の指摘を受けております。
これらの事実は、当社グループのアート作品のプライベートセールに関する事業活動におけるルールの遵守、内部統制評価計画策定、業務プロセスに対する評価手続等の点で、当社グループの業務プロセスに係る内部統制に不備があり、また、内部統制評価の計画及び評価結果の取締役会等への報告等の点で、当社グループの決算・財務報告に係るプロセスに不備があり、その結果、アート作品のプライベートセールに関して内部統制が適切に機能しなかったことによるものと認識しております。
(6)上記課題に対する当社の対応状況
当社グループは、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、第三者委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の改善策を策定し、その実行に取り組んでおります。
・グループ全体におけるコンプライアンス意識の抜本的改革
・内部監査部門の組織体制の再整備
・公益通報関連者規程の改定及び周知徹底
・内部統制を実効あらしめるための業務フローの改善及び職務権限関連規程の改定
・適切な経理処理を遂行するためのグループ経理関連規程の改定
・グループ会社を含む役職員への実効性のある研修・教育の実施
次に、当社グループは、前述の課題を是正するために、以下の措置を実施しており、今後も、再発防止策の実行を推進してまいります。各措置と上記アからエの発生原因との対応関係は、各項目の見出しに付記のとおりであります。
① コンプライアンス及びリスク管理体制の再構築(発生原因ア及びイへの対応)
(ⅰ)当社の内部統制及びガバナンス体制に対する当社のステークホルダーからの信頼を回復することを目的として、2024年9月18日付でガバナンス委員会を設置し、同年12月の同委員会の答申を踏まえ、役員の選任・解任に関する基準の制定をはじめとする各種施策を実行しております。
(ⅱ)第三者委員会からの調査結果および再発防止のための提言を踏まえて、再発防止に向けた具体策の立案に加え、コンプライアンス体制の強化に関する各種施策について速やかに検討を行う目的として、2024年9月18日付でリスクコンプライアンス委員会を設置し、内部監査部門の充実、内部通報制度の改訂、職務権限関連規程・グループ経理関連規程その他規程類の整備を行ってまいりました。当連結会計年度においては、同委員会を12回開催しております。
(ⅲ)上場企業の会計処理及び内部統制に詳しい公認会計士等を役員に選任することを検討し、2025年1月に公認会計士の資格を有する仮監査役が就任した後、2025年8月開催の第36回定時株主総会において同氏を社外監査役に選任し、2025年10月には公認会計士の資格を有する補欠監査役が社外監査役に就任しております。さらに、2026年8月27日開催の第37回定時株主総会においては、監査を担う側に加え、業務執行の側においても会計及び内部統制に関する専門性を確保するため、公認会計士1名を取締役に選任いたしました。
(ⅳ)コンプライアンスに対する意識を高く保つために、役員及び従業員向けに専門家によるコンプライアンス研修を、2024年12月に第1回を開催して以降、定期的に実施することとしており、当連結会計年度においては2025年7月及び2026年2月に実施いたしました。
② 公益通報者規程の改定(発生原因イへの対応)
(ⅰ)外部通報窓口を新たに追加し、通報窓口を、総務人事部と常勤監査役に加え、外部弁護士の3つとしました。
(ⅱ)各子会社担当者に事前に相談・通報することについても許容する旨、規程に盛り込みました。
③ 業務フローの改善及び規程の改定(発生原因イ及びウへの対応)
(ⅰ)職務権限関連規程、内部通報関連規程、内部監査関連規程、文書管理関連規程、取締役会関連規程、監査役会関連規程を一部改定し、社内へ周知しております。
(ⅱ)上記の前提となる業務フロー及び社内規程類の定期的な見直しを実施しております。
④ 内部監査体制の再構築(発生原因エへの対応)
内部監査部門を強化すべく、内部監査室長を新たに選任し、内部監査計画に基づく監査の実施を通じて、内部監査体制の再整備を進めております。また、監査役会、会計監査人及び内部監査室による三様監査の定例ミーティングを定期的に開催し、相互の情報共有を図っております。当連結会計年度においては、三様監査ミーティングを10回開催しております。内部監査室の体制については、引き続きその充実を図ってまいります。
当社は、上記の各措置の実施状況を継続的に確認・検証し、必要に応じて見直しを行いながら、内部管理体制の強化およびコーポレート・ガバナンスの一層の充実に向けて、着実に施策を講じてまいります。

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