有価証券報告書-第23期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/09/25 15:03
【資料】
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【項目】
144項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「エネルギーの黒子であろう」という企業理念のもとで、「人のための省エネ、人々のための再エネ」をベースコンセプトに、効率的なエネルギー利用と自然由来のエネルギー供給を通じて現代の課題に取り組んでおります。
省エネルギーの推進と国産再生可能エネルギーの利用により、温暖化ガスの発生量の低減、一次エネルギー純輸入量の削減、人間とそれ以外の自然環境との両立を継続することを目指してまいります。当社グループの推進する木質バイオマス発電は、森林資源や林業の活用、協力が不可欠であり、バイオマス利用の積極化を推進することで資源の有効利用、地域経済の活性化に取組んでおります。
(2)経営戦略等
近年の我が国の気象状況は、夏季において全国各地で猛暑日が続き、局所的な豪雨の発生回数が増加する傾向にあることや突風や竜巻といった、旧来、異常気象と呼ばれるような天候が頻繁に発生しております。一方、冬季にはこれまでの経験にそぐわない強風や大雪に見舞われ災害に結び付く状況が続いております。これらの天候不順が地球規模での温暖化によるものなのか、その年固有の環境変化によるものなのか判定はむずかしいものの、農作物生育への影響や河川の氾濫、土砂崩れ等の自然災害による地域経済への打撃から、気候変動による生活不安や山林環境に関する意識の変化等、様々な問題意識を生ずる結果となりました。こうしたことから国策としても各地の山林の整備や地球温暖化の普及啓発、地元産木材利用の促進等を目途に2018年度税制改革では森林環境税の徴収が決定され、地方の地域社会の持続的な環境整備の財源として、山林資源の有効活用に資されることが期待されております。
エネルギーに関しては、全国の原子力発電所が定期点検を契機に停止し、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料による火力発電への依存が高まりを見せる一方、再生可能エネルギーによる発電へのシフト期待が増加する状況が継続しています。火力発電所を運営する燃料の輸入量が大幅に増加するとともに、老朽化した火力発電所のトラブルリスクを抱える事態に対し、長期的に安定的なエネルギー需給構造を確立するためエネルギー政策の再構築が進められております。電力の需給構造については、安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合に関する政策目標を同時達成する中で、徹底した省エネルギー(節電)の推進、再生可能エネルギーの最大限の導入を推進することが基本方針として示されております。こうした中、当社グループでは以下の項目を中期的な戦略としております。
「省エネルギー支援サービス事業」においては単なる機器の更新だけではなく、生産・業務システムとしてのエネルギー効率改善を支援してまいります。行政の求める省エネ基準を満たし助成制度を利活用することにより、国全体のエネルギーの節約に貢献するとともに顧客にとっては初期投資額の抑制を実現する提案をサービスの要点として展開してまいります。
「グリーンエナジー事業」においては、木質バイオマス関連分野への投資を拡大してまいります。当社グループ各発電所の木質バイオマス発電に利用する燃料は、主に未利用木材、一般木材、リサイクル木材の混合であり、各発電所で調達する燃料種別の性質を考慮し最も効率の良い配合を実証的に検証しております。2019年6月期の実績では、未利用木材の利用率を高める施策を主眼として取り組んでおりましたが、九州地区の梅雨の長雨の影響により含有水分量の多い未利用木材に加えて、他の2種の材料も水分量が多く、想定した燃料費を超過する結果となりました。この経験を踏まえ3種の燃料種別の効率的な組み合わせを考慮し、なるべく未利用木材の利用割合を高水準に維持しつつ燃料全体の消費量そのものの低減に努めてまいります。未利用木材は、その元となる原木において、山林、立木所有者がご高齢の域にあり、また、地域によっては伐採する事業に携わる方たちも同様に次世代の後継に苦慮していること、そのことから林産事業に携わる方々の経験、ノウハウ等が次世代に継承されず断絶の恐れのあること、そして発電所の安定稼働に寄与する長期にわたる未利用木材の安定的な調達を実現するため、山林経営や伐採施業技術の習得、研鑽に努めてまいります。こうした状況を踏まえ、手入れや処分に困窮する山林立木の購入やその伐採、運送、チップ加工等の商流を再構築することに注力し、地域の発展、雇用の創出、山林の自然環境の維持、整備を推進していくことが当社グループの企業価値向上に資するものと考えております。
このほか、新設発電所の建設においては、第4号機となる栃木県壬生町におけるエフオン壬生発電所の建設、稼働を2020年までに完了し、第5号機となる和歌山県新宮市におけるエフオン新宮発電所の開発を推進してまいります。これらの活動を通じて、さらなる事業の発展と社会貢献を果たしていくことを中期の経営戦略としています。
なお、経営戦略の現状と見通しについては、2019年8月8日に公表した2020/2022エフオングループ中期経営計画に記載の通り、今後のFIT制度のあり方に留意しつつFITを超えた電力需要家のニーズに応えるべく環境価値の創造に資する再生可能エネルギーの販売方法を模索してまいります。2015年のFIT制度改革において、電気を製造する上でどうしても必要となるコスト(回避可能価格)を、従来、火力電源平均又は全電力平均としていたものを卸電力市場連動価格に変更することとなりました。この改革では、電力を購入して小売り事業を営む事業者が発電事業者と電力の受給契約を結んでいた場合、計画していた収益構造が急に変わることとなるため、激変緩和措置として回避可能価格を従前の方法による費用負担調整を2021年3月まで継続することが認められておりました。電力小売事業者は、再生可能エネルギー電気を購入する際、法定買取価格と回避可能価格との差を費用負担調整機関より回収いたします。卸電力市場価格より回避可能価格が低ければ、そのギャップ分を廉価な電力として調達できることから、電力小売事業者は発電事業者に対して法定買取価格にプレミアムを加味した価格で電力受給取引をしております。激変緩和措置の終了後は、電力としての価格は卸電力市場から調達する価格と変わらず廉価性がなくなりプレミアム価値が低下することが想定されます。しかしながら、当社グループ発電所で生産される電力は、送電前に発電量をあらかじめ電力小売事業者に通知する通告電力であることに加え二酸化炭素排出係数がほぼゼロであり、電力小売事業者にとっては再生可能エネルギー電気の中で比較的に利用しやすい調達電力であること、また、2021年4月以降は、回避可能価格が卸電力市場連動型に統一されることで廉価性はなくなるものの、卸電力市場の調達電力量が予測不能なことに対して物理的な電力供給量が安定していること、さらに電力製造由来が卸市場電力の電気と異なりはっきり木質バイオマス由来であること等により、明確な違いがあります。電力の直接的な利用者である各企業が環境配慮に取組む上でこれらの優位性をプレミアム価値として認識してもらうべく販売戦略の再構築を図ってまいります。
当社グループは、環境に優しく国産の持続可能な資源によるエネルギー創出に資するべく、既存設備については発電所のさらなるオペレーティング技術の向上、適切な設備保守、最適燃料使用比率の追及をテーマに人材育成や地元の林業、木材関係者らとの協力体制の整備、強化を図ってまいります。さらなる新たな発電所の開発については、開発案件の立地調査、燃料調達ネットワークの構築等に精力的に取組み、継続的な開発着手を実現してまいります。これらにより安定的な電力の供給と地元関連産業の活性化を推進していくことが社会貢献につながり企業価値の向上に資するものと考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、事業分野毎の収益性だけでなく、グループ全体での収益を最大化することが重要であると認識しております。これまで蓄積した省エネルギーや木質バイオマス発電所運営に関するノウハウを活用、展開することで、さらなる業績の拡大を目指してまいります。このため、連結での売上高及び営業利益率を重要な経営指標と考えております。
(4)経営環境
当連結会計年度の業績は、当社グループの木質バイオマス発電所が高稼働を維持し未利用木材の利用比率を向上させた一方、燃料チップの含有水分量の見極めに難航し結果として使用量全体の増加を招くことで当初想定の計画を下回る結果となりました。この状況を改善するべく、今後、未利用木材、一般木材、リサイクル木材の含有水分コントロールに留意し、使用する燃料の総量を低減させるため、各種別の組合せ使用量をタイムリーに調整する努力をして参ります。また、さらなる国内木質チップの燃料利用の促進や森林環境保全に注力するとともに、エフオングループとして設備メンテナンス技術のほか顧客の使用するエネルギー総量自体を削減・低減する省エネルギー施策のさらなる普及になお一層まい進してまいる所存です。
2020年6月期における各事業セグメントの事業環境及び活動予定は、次の通りです。
(省エネルギー支援サービス事業)
省エネルギー支援サービス事業の事業環境は、既存オンサイト自家発電プロジェクトの満期終了に伴いエネルギーサービス関連の売上高は減少するものと見込んでいます。このため新規案件先として生産設備の老朽化対応としての省エネルギーを推進した設備の導入、更新等の要望があり建設工事を含めた売上獲得に注力してまいります。一方、グループ内の発電所建設においては、現在、建設中の壬生発電所が当連結会計年度に完成する見込のほか、新たに和歌山県新宮市において建設をスタートすることで進行基準に基づく売上高を一定程度計上する見通しです。
これらを背景として、次期の見通しでは外部売上高、内部売上高はともに減収、セグメント全体としての利益については一定程度の水準を維持する見込みです。
(グリーンエナジー事業)
グリーンエナジー事業では、未利用木材の利用率をなるべく維持することによって売上高の向上に努めるとともに、燃料使用量全体の低減に努めてまいります。また、高稼働維持を目標としてきめ細やかな点検、保全の実施のほか、安定稼働を支える木質チップ燃料のさらなる供給先の開拓を推進し、原木の受入量を向上させてまいります。このほか、壬生発電所においてもチップ加工設備を新設し安定的な未利用木材の拡充に努めてまいります。また、既存発電所に加え期中稼働の発電所と合わせ4基の木質バイオマス発電所の運営をもとにスケールメリットを活用し、各発電所で共通して利用できる部材を一定程度まとめて調達することや各発電所のメンテナンス情報を共有、蓄積化することでさらなるメンテナンス技術の研鑽を推進し、かつ、コストの圧縮を実現していく方針です。さらに森林資源の積極活用を目指し自ら調達した森林や伐採権を活用し伐採施業技術の習得に注力するほか、施業技術者の確保、育成、原木販売手法の確立及び原木資源のさらなる取得を実施してまいります。
次期については、これら施策を推進し未利用木材の効率的な利用を推進してまいります。また、建設中の壬生発電所が下期に稼働することから売上高は相当程度の増加があるものの、森林事業への挑戦を含め本事業セグメント全体のコストの増加を見込んでいます。
これらの活動通じて2020年6月期の業績については、連結売上高12,800百万円、連結営業利益3,100百万円、連結経常利益2,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,200百万円を見込んでおります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当連結会計年度においては、各木質バイオマス発電所が高稼働を維持した一方、燃料木質チップの含有水分量が高かったことによる燃料費の増加及び新設発電所要員の確保に基づく人件費等の負担により当初想定した利益計画は未達の結果となりました。この経験を踏まえ、当社グループのグリーンエナジー事業では、未利用木材利用率を一定程度維持した上で燃費の向上に努めるとともに、高稼働維持を目標としてきめ細やかな点検、保全の実施を継続し、安定稼働を実現してまいります。このため、これらの施策を推進する従業員の教育に注力してまいります。また、山林事業では、燃料調達の間口を広げ原木での受入やチップ加工生産量の向上のほか、発電所の運営に連携して原木貯蔵時の含有水分量の低減に挑戦してまいります。木質バイオマス発電事業の事業環境を将来にわたって担保し、再生可能エネルギーのさらなる普及を実のあるものにするため、運営関連では、安定稼働の実現に向けこれまで蓄積したノウハウを結集して効率化改善を実施することやメンテナンスに係る部品調達でスケールメリットを活用したコストの低減を実践すること、さらには森林資源の積極活用及び管理手法を確立するため、これらを担う専門的な人員の確保、教育が重要な経営課題であると考えております。
また、エフオン壬生の新たな木質バイオマス発電所の竣工について、予定した事業運営の履行に最大限注力してまいります。同発電所の稼働に必要な事業環境の構築、整備について、最も重要な課題と認識しております。

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