有価証券報告書-第24期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/22 15:33
【資料】
PDFをみる
【項目】
136項目

対処すべき課題

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、基幹事業であるハウスケア事業を原点から見直し、本来一番の強みである不動産ディレクション事業を再構築し、弊社が一貫して標榜してまいりましたトータルライフケアサービス(生活総合支援)により社会に貢献することを目指し、黒字体質及び収益基盤の強化をいたします。
上記理念に係る経営の基本方針は
①基幹事業であるコーティング事業の再構築によって、安定的な黒字体質及び収益基盤の強化
②経営改革を継続し、小さな本部機能を実現
③不動産事業への本格的な参入による収益の拡大
の3点としております。
(2)経営戦略等
これまで当社グループは、マンションデベロッパー及び管理会社との提携のもと独自の営業ノウハウで、居住者向けに室内コーティング施工及びアメニティ事業を提供してまいりましたが、今後も、基幹事業の充実した活動を目指してまいります。
また、不動産事業におきましては、不動産に精通した役職員の下、仕入れについては十分な精査をしたうえで、収益性の高い事業を積極的に取り組んでまいります。
①基幹事業であるコーティング事業の再構築
エンドユーザー(マンション及び戸建購入者並びに居住者)から、感謝される完成度の高いコーティング事業を再構築させるために、技術力向上の為の研修や使用液剤の研究開発をしてまいります。さらに、マンションデベロッパー及び管理会社との取引関係のさらなる強化、そして、内覧プロデュースの積極的な提案により、新規法人開拓の強化を継続的に行ってまいります。さらに、中古マンション市場や代理店事業及びアフターメンテナンスの更なる拡大も引き続き行ってまいります。
②経営改革を継続し、小さな本部機能を実現
小さな本部機能への移行を目指し、経費節減を今後も継続してまいります。また、コンサルティング契約等におきましても十分な精査を行い、不必要な契約は解除してまいりました。今後も、従来の慣習にとらわれることなく、必要な改革を断行してまいります。
③不動産事業への本格的な参入による収益の拡大
仕入れについては十分な精査をするとともに、収益性を重視し、継続して機動的な事業活動を展開してまいります。
④その他の強化策
既存のコーティング事業に関しては、より専門性と技術力を高めるための、液剤の改良と選定、施工・工事技術の向上、また固定客の獲得などにより、お客様サービスの向上と収益拡大に努めてまいります。
以上のように、当社は、これまで蓄積してきたノウハウや知識・経験などをもとに、自社で提供するサービスを充実し、経営基盤の強化を目指してまいります。そして、今後も新しい付加価値のある商品や社会にとって有益なサービスの提供とその普及に貢献してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、上記基本方針において継続的な成長と経営基盤の安定を達成し得る組織の構築を目指しており、その具体的施策として、生産性の向上とコスト削減を推し進めてまいります。今後十分な事業価値の創出と株主の皆様への還元を実現していくために、安定的な黒字化を目標として事業全体の収益性の確保にまい進してまいります。
(4)経営環境
当社グループの既存事業と密接に関連する新築マンション市場、特に首都圏マンション市場におきましては、2023年の初月契約率においては、好調と言われる70%台(出典「株式会社不動産経済研究所」)をかろうじてクリアしましたが、年間供給戸数は前年に比べ9.1%減少し、当連結会計年度において厳しい状況で推移いたしました。
このような状況のなか、マンションデベロッパー及び管理会社との更なる関係強化及び新規法人開拓の強化に注力するとともに、中古マンション市場及び代理店事業の拡大を図りました。また、販管費の継続的な見直しを行ってまいりました。さらに、新型コロナウイルス感染症の5類移行による当社顧客の心理的緩和の影響があり、営業機会の増加が見られるようになりました。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ハウスケア事業の再生
当社グループは、基幹事業であるハウスケア事業を再生するべく活動を行っております。その周辺事業領域での収益獲得を、その経営戦略として継続してまいります。
そして、ビル総合管理事業においては、営業部門強化により新規得意先獲得を図り、また既存得意先に清掃業務以外(設備業務)の売り込みを行なうとともに地域性の活用及び効率性を考慮した受託現場の獲得をしてまいります。さらに、総合不動産事業においては、仕入物件の更なる見極め及び販路の拡大を行い確実な収益を継続して得られるようにするとともに、機動的な事業活動を展開してまいります。
当社グループは収益性と営業キャッシュ・フローの改善に向け、ハウスケア事業の季節性並びに特定販路への依存を改善し、また更なる営業・施工業務の効率性・有用性の向上を図るなど、以下のような経営基盤の確立に向けた施策を実施してまいります。
・ハウスケア事業の既存事業のうち特に収益性の高いものについて、その営業販路を、既存の新築マンション市場はもとより、中古マンション市場及び戸建住宅への販路拡大を継続して推し進めてまいります。
・ハウスケア事業については、アウトソーシングを積極的に活用するとともに、代理店事業をさらに拡大して、収益率の向上を図ってまいります。
・ハウスケア事業の一部として、顧客ニーズに応えるため、ローコストによる販路の拡大、ホテル・商業施設へのコーティングを提案してまいります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
計画しております諸施策を完全に遂行するとともに、不動産事業への本格的な参入、新しい付加価値のある商品や社会にとって有益なサービスの提供により、経営基盤の強化に努めてまいります。
また、株主・得意先・従業員などすべてのステークホルダーの期待と信頼に応えるべく、経営資源の最適な配置と効率的な投入により企業価値の最大化に注力してまいります。