有価証券報告書-第28期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月19日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「Lifetime Empowerment(一生涯学び続け、一生涯成長し続ける学び舎になる)」をビジョンとし、あらゆる年齢層の学習者に対して継続的な学習機会を提供し、グローバルに通用する人材の育成を事業目的としております。
この方針に基づき、プラットフォームサービス事業においては、国際的な教育認証機関である国際バカロレア機構(IB)及びケンブリッジ大学国際教育機構(CAIE)の認定を受けたカリキュラムに基づく一貫教育(幼児・初等・中等・高等教育)を、英語及び日本語を含む多言語環境で提供しております。
また、リカレント教育事業においては、創業以来当社が蓄積してきたオンライン学習システム「AirCampus®」及び累計19,000時間を超える教育コンテンツを基盤とし、大学・大学院教育、ビジネスパーソン向け専門講座、経営幹部育成、起業家支援に至るまで幅広い教育サービスを提供しております。
これにより、当社グループは、幼児から社会人・経営層に至るまでのあらゆる段階における教育ニーズに対応する「生涯教育プラットフォーム」を構築し、国内外の学習者に対して世界水準の教育機会を提供する体制を確立しております。
当社グループは、かかる経営方針の下、持続的な教育イノベーションを推進し、社会的価値及び株主価値の双方の最大化を図ることを基本方針としております。
(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
(経営環境)
コロナ禍と生成AIの普及により、世界における人材育成市場は、劇的に変わりつつあります。
初等・中等教育では「大人になる20年後の社会で求められる素養とは何か」を教育に反映することが求められるようになり、大学教育(学士)は、学位の持つ価値(知識の証明)がコモディティ化しました。大学院教育(MBA)においても、学位ではなく「稼ぐ力」や「事業を創出し、経営する力」が重視されるようになっております。社会人教育においても、生成AIの普及により新入社員が短期間で多くの知識やツールを獲得できる時代となりました。これらの潮流に伴い、企業における人材の採用・育成のあり方も大きく変容しつつあります。
また、国家戦略の観点からも国内で優秀な人材を養成すると同時に、世界から優秀な人材を惹きつける事が国家経済や国家の優位性を決定づける時代となっており、当社グループの果たすべき役割も拡大しております。教育現場においても、「人が人を教える、探究を支援する」という前提ではないモデルが登場しつつあります。
当社グループは、この変化をビジョン「Lifetime Empowerment(一生涯学び続け、一生涯成長し続ける学び舎になる)」実現のための成長機会と捉えております。現在、オンライン教育の枠組みを超えた次世代型EdTechカンパニーへの進化を目指し、AI教育プラットフォーム及びコンテンツへの積極的な先行投資を継続しております。今後も、以下の独自資産とノウハウを最大限に活用し、「世界で活躍するリーダー」の育成を通じて持続的な企業価値向上に邁進してまいります。
・対話と集合知を重視したオンライン学習プラットフォーム
・経営者が知るべきビジネスやマネジメントの最前線を網羅する19,000時間超のコンテンツ・ライブラリー
・小中高等学校教育における2大世界標準である「国際バカロレア」、「ケンブリッジ国際」の認定を幼稚園から高等学校に至るまで一貫して有する日本唯一の国際教育機関
・オンライン・ブレンド型教育の圧倒的な設計・運営ノウハウ・実績
(中長期的な会社の経営戦略)
日本においても金利の上昇や物価上昇等に伴い、資本コストが上昇しています。2026年度からの3年間は、従来のマイナス金利を前提とした売上高の伸長を最優先する経営から、収益性を重視した経営に転換いたします。具体的には、売上高に対する営業利益率を重視する経営にシフトいたします。
これに伴い、グループ経営の観点からは、収益性の低い事業領域からより高い事業領域への経営資源のシフトを大胆に進め、同時にバックオフィス、ミドルオフィス機能については、生成AI等のテクノロジーを積極的に活用し、労働生産性の改善を進めてまいります。
また、投資活動においては、①5年前後のスパンで見た場合に市場全体の成長が期待できる事業領域(例、首都圏や地方大都市におけるインターナショナルスクール)、②市場全体は伸長しないものの、生成AIやデジタルテクノロジーの進化により社会が求める人材の内容が大きく変質する(または再定義が必要とされる)事が想定される領域(例、企業における管理者・経営者人材)、③生成AI等の進化により、「教育方法」や「学習方法」の刷新(例、人間の教員が教えるスタイルから、AIのアバターが一部を教える等)が必要とされる領域等へ資源を投下してまいります。
①プラットフォームサービス事業
インターナショナルスクール事業は、今後も市場全体が伸長することが期待され、かつ、当社の運営するスクールが市場における競争優位性を維持する領域です。
次の3年間も本事業の売上高・営業利益の双方で伸長を図ります。特に、アオバジャパン・インターナショナルスクールが運営する東京都内のキャンパスは、ほぼ定員に達することが予想され、出願者と入学生の競争倍率も益々高まっている事から、大規模なキャンパスの拡張を検討しております。
同時に、中期的な成長ドライバーとして「オンライン学習と生成AIを主として、世界のいつでも・どこからでも学べるプログラム」の充実を図ります。これらの領域には、潜在的な成長期待と合致する投資を行う所存です。
②リカレント教育事業
(i) 人材育成事業系
人材育成事業系は、法人研修事業の伸長を図ります。具体的には、①次の経営陣を選抜育成・抜擢していくためのサクセッションプランと連動したエグゼクティブ研修、②会社組織のコスト削減と売上増の両面において生成AIを実装していくための研修、③新規事業創出(0→1)を担う人材を養成する研修等を重視しています。
「①サクセッションプラン」の領域は、従来から上級管理者の受注は拡大しておりましたが、前年度からより上位層である「執行役・取締役クラス」の人材を対象としたサクセッションプランや、一方で、母集団を形成するための30代~40代の年齢層(次々世代以降の経営幹部候補)に対するプログラムの需要も高まっています。
「②生成AI」の領域は、「全員のAIリテラシーを高める」、「特定の業務・部門にAIを実装しチームとしての生産性・総費用を大幅に削減する」、「営業・販売・マーケティング部門に適用しトップラインを伸ばす、あるいは、粗利率を高める」などの利用目的を明確にしたニーズが高まっています。
「③新規事業創出人材」の領域は、近年法人顧客を中心にニーズが高まっております。開校30周年を迎えたアタッカーズ・ビジネススクール(2025年5月に当社に統合済み)の起業家・新規事業開発ノウハウを活用し、法人向け新規事業創出研修プログラムを強化する方針です。
(ii)University事業系
University事業系は、次の3か年は、MBA教育の伸長を図ります。具体的には、ビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供する経営学修士課程と、豪州ボンド大学とビジネス・ブレークスルー大学大学院が共同提供する経営学修士課程(BOND-BBT Global Leadership MBA課程)を中心とします。両者ともに現時点において堅調な出願者の獲得が期待されます。
また、当連結会計年度はBBT大学経営学部開学15周年、ビジネス・ブレークスルー大学大学院開学20周年、BOND-BBT MBAプログラム25周年を迎え、これら3校の同窓生コミュニティとアオバジャパン・インターナショナルスクールの卒業生を結び付ける当社グループ全体にわたる「Lifetime Empowerment Network(LEN)」を始動いたしました。卒業後も互いに切磋琢磨し、世界で活躍し続けるための生涯にわたる学びのネットワークを構築し提供してまいります。
今後も当社グループは、外部環境の変化に迅速かつ柔軟に対応しながら、企業価値の継続的向上と持続的成長の実現に向けた戦略の遂行に努めてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記で述べた外部環境の変化は、当社グループの成長にとって非常に大きな事業機会が存在すると考えています。かかる事業機会を獲得するために、以下の項目に取り組んでまいります。
① 幼児から高等学校までの全人教育への世界標準の普及
日本にとどまらず、世界の未来を前向きに変革する人材輩出には、高等教育における高い専門知識、実践力の獲得だけではなく、人格を形成する幼少期から高等学校までの全人教育において世界標準を取り入れること(国際教育の充実)が重要です。海外での国際教育市場は近年著しく成長しています。日本においてもこの潮流に呼応し、市場の拡大が進んでいます。当社は、2大世界標準カリキュラムである「国際バカロレア(IB)」の認定校、「ケンブリッジ国際」の認定校を幼児から高等学校まで一貫して運営する、国内唯一のグループとして、拡大する国際教育市場をけん引しています。
今後の成長戦略として、需要が供給を上回る東京都心部での新校舎を開設し、拠点拡大に加え、「オンライン課程による地域格差の解消」と「公教育への普及」を重要課題に掲げています。
国際バカロレア教育の普及においては、自社でIB認定校(アオバ・グループ)を拡大するのみならず、7年前から文部科学省から「文部科学省IB教育推進コンソーシアム事業」の事務局を受託しています。アオバジャパン・インターナショナルスクールは、国際バカロレア機構(IB)から、オンラインでのIB教育を許可された世界で7つのみ(アジア太平洋地域では唯一)のパイロット校です。社会人の学び直しであるリカレント教育、リスキリング教育だけでなく、幼少期からの教育の構造的、質的向上についても大いに貢献したいと思っております。
新たな取り組みとして2025年より、Society 5.0 時代にふさわしい人材育成や、将来の社会を牽引するグローバルリーダーの育成を目的とした文部科学省「WWLコンソーシアム構築支援事業」の受託が決定しています。これは日本の高等学校教育に対し、国際的視野と行動力を兼ね備えた人材の育成を支援するものです。
② 次世代型オンライン教育プラットフォームの開発
当社グループが、今後オンライン型マネジメント教育事業の業態拡大を目指すためには、オンライン教育プラットフォームとコンテンツの親和性が非常に重要なものとなります。今後は独自で設計開発してきたオンライン教育プラットフォームである“AirCampus®”に、AIやデジタル技術を活用した機能強化を促進し、AI革命後の時代にふさわしい「学び舎(AirCampus)」「図書館(AirSearch)」として進化してまいります。
また、アオバジャパン・インターナショナルスクールは、国際バカロレア機構(IB)が主導するIB-DPのオンラインパイロット事業の事業者に、アジア太平洋地域で初めて選定されています。これまでの当社のオンライン教育の運営ノウハウを活かし、積極的に国内外において同事業の展開に努めてまいります。
③ 法人営業の強化
日本人の生産性と賃金の向上、超高齢化社会において60代~70代でも働き続けるための学び直し(リカレント教育)、AIに代替されないスキルの習得等、今後、個人も企業も人材への教育投資が必須です。
各種統計からも、日本は①個人が学ばない、②企業が従業員の育成に投資しないことが指摘されています。こうした現状を打破するために、当社グループは、企業の組織・人材要件に応じた「次世代経営人材育成」を目的とする教育、研修のバリエーションを大幅に拡充し、顧客企業への価値提供を強化する方針です。
具体的には、2026年3月期において大幅な組織改編を実施し、これまで以上に次世代経営人材育成にフォーカスした体制を整備しました。また、人的資本経営重視への動きをみせる顧客企業の人事教育制度そのものに当社グループが提供するマネジメント教育のプログラムが採用されるよう、コンテンツとオンライン教育システムのバリエーションの拡充と品質の更なる向上を通じて当社グループのオンライン型マネジメント教育事業の一層の普及を図り、収益拡大に努めてまいります。
④ 人材の確保と育成
当社グループの事業拡大には、優秀な人材の確保と育成が欠かせません。当社グループでは、目的達成のために主体的かつ積極的に行動できる起業家的な人材の確保、当社グループの企業カルチャーと企業ミッションを共有化できる人材の育成が課題と考えております。
⑤ 社会情勢による事業の運営リスクの対応
日本及び先進国経済は、中東情勢の緊迫化を背景とした原油価格の高騰や供給不安に加え、米国の通商・エネルギー政策の転換に伴うグローバルなインフレ及び金利の高止まりなど、依然として不透明な状況が続いております。また、社会に定着した生成AIが産業構造の変革を促す一方、経済安全保障の観点からは、高度な技術管理やエネルギー資源の安定確保の重要性が一段と高まっております。当社グループでは、こうした社会的影響を受けることなく、円滑な運営が継続できる対応策を検討し、実施してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
(重要指標の内容と選定理由)
当社グループは、ビジョン「Lifetime Empowerment(一生涯学び続け、一生涯成長し続ける学び舎になる)」の実現と持続的な企業価値向上を目的に、グループ全体の成長を示す「売上高」「営業利益」、及び収益性を示す「営業利益率」を経営上の重要指標と位置付けております。特に「営業利益率」は、上記「(2)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、当社グループが今後3年間において収益性を重視した経営への転換を進める中で、収益構造の改善度合いを的確に捉えるための最重要指標として選定しております。
(目標達成に向けた取組みと進捗管理)
現状の営業利益率5.9%から、3年後を目途として目標水準である10%以上に至るためには、約4ポイントの改善が必要となります。当該改善は、①収益性の低い事業領域からより高い事業領域への経営資源の再配分、②生成AI等のテクノロジー活用によるバックオフィス・ミドルオフィス機能の労働生産性改善、③成長領域(プラットフォームサービス事業、人材育成事業)への集中投資による収益基盤の強化、によって実現してまいります。
これらの取組みの進捗は、取締役会及び経営会議において定期的にモニタリングを行い、有価証券報告書、決算短信、決算説明資料等を通じて、各連結会計年度の実績及び目標との乖離が生じた場合にはその要因と対応策を含めて適切に開示してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月19日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「Lifetime Empowerment(一生涯学び続け、一生涯成長し続ける学び舎になる)」をビジョンとし、あらゆる年齢層の学習者に対して継続的な学習機会を提供し、グローバルに通用する人材の育成を事業目的としております。
この方針に基づき、プラットフォームサービス事業においては、国際的な教育認証機関である国際バカロレア機構(IB)及びケンブリッジ大学国際教育機構(CAIE)の認定を受けたカリキュラムに基づく一貫教育(幼児・初等・中等・高等教育)を、英語及び日本語を含む多言語環境で提供しております。
また、リカレント教育事業においては、創業以来当社が蓄積してきたオンライン学習システム「AirCampus®」及び累計19,000時間を超える教育コンテンツを基盤とし、大学・大学院教育、ビジネスパーソン向け専門講座、経営幹部育成、起業家支援に至るまで幅広い教育サービスを提供しております。
これにより、当社グループは、幼児から社会人・経営層に至るまでのあらゆる段階における教育ニーズに対応する「生涯教育プラットフォーム」を構築し、国内外の学習者に対して世界水準の教育機会を提供する体制を確立しております。
当社グループは、かかる経営方針の下、持続的な教育イノベーションを推進し、社会的価値及び株主価値の双方の最大化を図ることを基本方針としております。
(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
(経営環境)
コロナ禍と生成AIの普及により、世界における人材育成市場は、劇的に変わりつつあります。
初等・中等教育では「大人になる20年後の社会で求められる素養とは何か」を教育に反映することが求められるようになり、大学教育(学士)は、学位の持つ価値(知識の証明)がコモディティ化しました。大学院教育(MBA)においても、学位ではなく「稼ぐ力」や「事業を創出し、経営する力」が重視されるようになっております。社会人教育においても、生成AIの普及により新入社員が短期間で多くの知識やツールを獲得できる時代となりました。これらの潮流に伴い、企業における人材の採用・育成のあり方も大きく変容しつつあります。
また、国家戦略の観点からも国内で優秀な人材を養成すると同時に、世界から優秀な人材を惹きつける事が国家経済や国家の優位性を決定づける時代となっており、当社グループの果たすべき役割も拡大しております。教育現場においても、「人が人を教える、探究を支援する」という前提ではないモデルが登場しつつあります。
当社グループは、この変化をビジョン「Lifetime Empowerment(一生涯学び続け、一生涯成長し続ける学び舎になる)」実現のための成長機会と捉えております。現在、オンライン教育の枠組みを超えた次世代型EdTechカンパニーへの進化を目指し、AI教育プラットフォーム及びコンテンツへの積極的な先行投資を継続しております。今後も、以下の独自資産とノウハウを最大限に活用し、「世界で活躍するリーダー」の育成を通じて持続的な企業価値向上に邁進してまいります。
・対話と集合知を重視したオンライン学習プラットフォーム
・経営者が知るべきビジネスやマネジメントの最前線を網羅する19,000時間超のコンテンツ・ライブラリー
・小中高等学校教育における2大世界標準である「国際バカロレア」、「ケンブリッジ国際」の認定を幼稚園から高等学校に至るまで一貫して有する日本唯一の国際教育機関
・オンライン・ブレンド型教育の圧倒的な設計・運営ノウハウ・実績
(中長期的な会社の経営戦略)
日本においても金利の上昇や物価上昇等に伴い、資本コストが上昇しています。2026年度からの3年間は、従来のマイナス金利を前提とした売上高の伸長を最優先する経営から、収益性を重視した経営に転換いたします。具体的には、売上高に対する営業利益率を重視する経営にシフトいたします。
これに伴い、グループ経営の観点からは、収益性の低い事業領域からより高い事業領域への経営資源のシフトを大胆に進め、同時にバックオフィス、ミドルオフィス機能については、生成AI等のテクノロジーを積極的に活用し、労働生産性の改善を進めてまいります。
また、投資活動においては、①5年前後のスパンで見た場合に市場全体の成長が期待できる事業領域(例、首都圏や地方大都市におけるインターナショナルスクール)、②市場全体は伸長しないものの、生成AIやデジタルテクノロジーの進化により社会が求める人材の内容が大きく変質する(または再定義が必要とされる)事が想定される領域(例、企業における管理者・経営者人材)、③生成AI等の進化により、「教育方法」や「学習方法」の刷新(例、人間の教員が教えるスタイルから、AIのアバターが一部を教える等)が必要とされる領域等へ資源を投下してまいります。
①プラットフォームサービス事業
インターナショナルスクール事業は、今後も市場全体が伸長することが期待され、かつ、当社の運営するスクールが市場における競争優位性を維持する領域です。
次の3年間も本事業の売上高・営業利益の双方で伸長を図ります。特に、アオバジャパン・インターナショナルスクールが運営する東京都内のキャンパスは、ほぼ定員に達することが予想され、出願者と入学生の競争倍率も益々高まっている事から、大規模なキャンパスの拡張を検討しております。
同時に、中期的な成長ドライバーとして「オンライン学習と生成AIを主として、世界のいつでも・どこからでも学べるプログラム」の充実を図ります。これらの領域には、潜在的な成長期待と合致する投資を行う所存です。
②リカレント教育事業
(i) 人材育成事業系
人材育成事業系は、法人研修事業の伸長を図ります。具体的には、①次の経営陣を選抜育成・抜擢していくためのサクセッションプランと連動したエグゼクティブ研修、②会社組織のコスト削減と売上増の両面において生成AIを実装していくための研修、③新規事業創出(0→1)を担う人材を養成する研修等を重視しています。
「①サクセッションプラン」の領域は、従来から上級管理者の受注は拡大しておりましたが、前年度からより上位層である「執行役・取締役クラス」の人材を対象としたサクセッションプランや、一方で、母集団を形成するための30代~40代の年齢層(次々世代以降の経営幹部候補)に対するプログラムの需要も高まっています。
「②生成AI」の領域は、「全員のAIリテラシーを高める」、「特定の業務・部門にAIを実装しチームとしての生産性・総費用を大幅に削減する」、「営業・販売・マーケティング部門に適用しトップラインを伸ばす、あるいは、粗利率を高める」などの利用目的を明確にしたニーズが高まっています。
「③新規事業創出人材」の領域は、近年法人顧客を中心にニーズが高まっております。開校30周年を迎えたアタッカーズ・ビジネススクール(2025年5月に当社に統合済み)の起業家・新規事業開発ノウハウを活用し、法人向け新規事業創出研修プログラムを強化する方針です。
(ii)University事業系
University事業系は、次の3か年は、MBA教育の伸長を図ります。具体的には、ビジネス・ブレークスルー大学大学院が提供する経営学修士課程と、豪州ボンド大学とビジネス・ブレークスルー大学大学院が共同提供する経営学修士課程(BOND-BBT Global Leadership MBA課程)を中心とします。両者ともに現時点において堅調な出願者の獲得が期待されます。
また、当連結会計年度はBBT大学経営学部開学15周年、ビジネス・ブレークスルー大学大学院開学20周年、BOND-BBT MBAプログラム25周年を迎え、これら3校の同窓生コミュニティとアオバジャパン・インターナショナルスクールの卒業生を結び付ける当社グループ全体にわたる「Lifetime Empowerment Network(LEN)」を始動いたしました。卒業後も互いに切磋琢磨し、世界で活躍し続けるための生涯にわたる学びのネットワークを構築し提供してまいります。
今後も当社グループは、外部環境の変化に迅速かつ柔軟に対応しながら、企業価値の継続的向上と持続的成長の実現に向けた戦略の遂行に努めてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記で述べた外部環境の変化は、当社グループの成長にとって非常に大きな事業機会が存在すると考えています。かかる事業機会を獲得するために、以下の項目に取り組んでまいります。
① 幼児から高等学校までの全人教育への世界標準の普及
日本にとどまらず、世界の未来を前向きに変革する人材輩出には、高等教育における高い専門知識、実践力の獲得だけではなく、人格を形成する幼少期から高等学校までの全人教育において世界標準を取り入れること(国際教育の充実)が重要です。海外での国際教育市場は近年著しく成長しています。日本においてもこの潮流に呼応し、市場の拡大が進んでいます。当社は、2大世界標準カリキュラムである「国際バカロレア(IB)」の認定校、「ケンブリッジ国際」の認定校を幼児から高等学校まで一貫して運営する、国内唯一のグループとして、拡大する国際教育市場をけん引しています。
今後の成長戦略として、需要が供給を上回る東京都心部での新校舎を開設し、拠点拡大に加え、「オンライン課程による地域格差の解消」と「公教育への普及」を重要課題に掲げています。
国際バカロレア教育の普及においては、自社でIB認定校(アオバ・グループ)を拡大するのみならず、7年前から文部科学省から「文部科学省IB教育推進コンソーシアム事業」の事務局を受託しています。アオバジャパン・インターナショナルスクールは、国際バカロレア機構(IB)から、オンラインでのIB教育を許可された世界で7つのみ(アジア太平洋地域では唯一)のパイロット校です。社会人の学び直しであるリカレント教育、リスキリング教育だけでなく、幼少期からの教育の構造的、質的向上についても大いに貢献したいと思っております。
新たな取り組みとして2025年より、Society 5.0 時代にふさわしい人材育成や、将来の社会を牽引するグローバルリーダーの育成を目的とした文部科学省「WWLコンソーシアム構築支援事業」の受託が決定しています。これは日本の高等学校教育に対し、国際的視野と行動力を兼ね備えた人材の育成を支援するものです。
② 次世代型オンライン教育プラットフォームの開発
当社グループが、今後オンライン型マネジメント教育事業の業態拡大を目指すためには、オンライン教育プラットフォームとコンテンツの親和性が非常に重要なものとなります。今後は独自で設計開発してきたオンライン教育プラットフォームである“AirCampus®”に、AIやデジタル技術を活用した機能強化を促進し、AI革命後の時代にふさわしい「学び舎(AirCampus)」「図書館(AirSearch)」として進化してまいります。
また、アオバジャパン・インターナショナルスクールは、国際バカロレア機構(IB)が主導するIB-DPのオンラインパイロット事業の事業者に、アジア太平洋地域で初めて選定されています。これまでの当社のオンライン教育の運営ノウハウを活かし、積極的に国内外において同事業の展開に努めてまいります。
③ 法人営業の強化
日本人の生産性と賃金の向上、超高齢化社会において60代~70代でも働き続けるための学び直し(リカレント教育)、AIに代替されないスキルの習得等、今後、個人も企業も人材への教育投資が必須です。
各種統計からも、日本は①個人が学ばない、②企業が従業員の育成に投資しないことが指摘されています。こうした現状を打破するために、当社グループは、企業の組織・人材要件に応じた「次世代経営人材育成」を目的とする教育、研修のバリエーションを大幅に拡充し、顧客企業への価値提供を強化する方針です。
具体的には、2026年3月期において大幅な組織改編を実施し、これまで以上に次世代経営人材育成にフォーカスした体制を整備しました。また、人的資本経営重視への動きをみせる顧客企業の人事教育制度そのものに当社グループが提供するマネジメント教育のプログラムが採用されるよう、コンテンツとオンライン教育システムのバリエーションの拡充と品質の更なる向上を通じて当社グループのオンライン型マネジメント教育事業の一層の普及を図り、収益拡大に努めてまいります。
④ 人材の確保と育成
当社グループの事業拡大には、優秀な人材の確保と育成が欠かせません。当社グループでは、目的達成のために主体的かつ積極的に行動できる起業家的な人材の確保、当社グループの企業カルチャーと企業ミッションを共有化できる人材の育成が課題と考えております。
⑤ 社会情勢による事業の運営リスクの対応
日本及び先進国経済は、中東情勢の緊迫化を背景とした原油価格の高騰や供給不安に加え、米国の通商・エネルギー政策の転換に伴うグローバルなインフレ及び金利の高止まりなど、依然として不透明な状況が続いております。また、社会に定着した生成AIが産業構造の変革を促す一方、経済安全保障の観点からは、高度な技術管理やエネルギー資源の安定確保の重要性が一段と高まっております。当社グループでは、こうした社会的影響を受けることなく、円滑な運営が継続できる対応策を検討し、実施してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
(重要指標の内容と選定理由)
当社グループは、ビジョン「Lifetime Empowerment(一生涯学び続け、一生涯成長し続ける学び舎になる)」の実現と持続的な企業価値向上を目的に、グループ全体の成長を示す「売上高」「営業利益」、及び収益性を示す「営業利益率」を経営上の重要指標と位置付けております。特に「営業利益率」は、上記「(2)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、当社グループが今後3年間において収益性を重視した経営への転換を進める中で、収益構造の改善度合いを的確に捉えるための最重要指標として選定しております。
(目標達成に向けた取組みと進捗管理)
現状の営業利益率5.9%から、3年後を目途として目標水準である10%以上に至るためには、約4ポイントの改善が必要となります。当該改善は、①収益性の低い事業領域からより高い事業領域への経営資源の再配分、②生成AI等のテクノロジー活用によるバックオフィス・ミドルオフィス機能の労働生産性改善、③成長領域(プラットフォームサービス事業、人材育成事業)への集中投資による収益基盤の強化、によって実現してまいります。
これらの取組みの進捗は、取締役会及び経営会議において定期的にモニタリングを行い、有価証券報告書、決算短信、決算説明資料等を通じて、各連結会計年度の実績及び目標との乖離が生じた場合にはその要因と対応策を含めて適切に開示してまいります。