有価証券報告書-第19期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/28 12:46
【資料】
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【項目】
105項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「新しい価値を創造し、心のこもったサービスを通じて、社会に貢献する企業を目指す。」という経営理念のもと、独自開発した地盤システムを駆使した地盤の調査を行い、強度に問題がある地盤を補強し、適切な方法で地盤に保証を付ける事により、皆様に安心を提供しております。今後も消費者の目線に立った付加価値の高い商品を積極的に展開し、事業成長、企業価値の向上を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、「グローカル企業への成長」を中期的なビジョンとし、地域密着でお客様の要望にお応えし最先端の技術開発、グローバルな海外進出にて、グローバルとローカルを併せ持つ企業へ成長する事を目標としております。また、経営面では、既存事業領域における安定的収益の確保に加え、異なる事業領域に複数の収益事業を持つ事業ポートフォリオ戦略を推進し、外部環境の変化に強い企業グループになることで、持続的な成長の実現を目指しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、売上高営業利益率を、重要な経営指標と位置付けており、売上高営業利益率3.5%の達成を中期的な目標としております。
(4)経営環境
当社グループは、主に地盤調査改良事業、保証事業、地盤システム事業、そして海外事業の4つの事業
セグメントにより構成されていますが、それぞれに所属するサービスの事業領域が異なるため、主力4事業の経営環境について記載いたします。
①地盤調査改良事業
地盤調査改良市場につきましては昨年の住宅着工戸数は平成26年度以来、前年比△0.3%となりましたが、分譲
戸建住宅につきましては、平成27年度以降、前年比増加基調であり、戸建に対する潜在的ニーズは高い水準にあります。よって引き続き被災地域の復興関連事業への注力と、店舗、中低層建築物,さらには既存技術を活かし異常気象の増加に伴い需要が拡大している防災関連市場においても受注の拡大を見込んでおります。
②保証事業
保証事業につきましては地盤調査改良市場と同様の経営環境にあります。さらには現有の顧客基盤を活用して新たな収益商品の開発・導入・販売により顧客との価値交換性を高め、建物に関する安心相談窓口の地位を確立してまいります。
③地盤システム事業
平成27年度に発生したマンションの杭データ改ざん問題以来、大きく損なわれている地盤データに対する信頼性を回復することは急務であります。当社グループの「G-Webシステム」は、地盤データに第三者として電子認証を行うサービスであり、地盤データの不正・改ざんを防止することができるため、業界におけるニーズが高まっております。また得られた技術を活かし、昨今市場が拡大しております中古住宅市場の品質検査分野におけるシステムの開発・販売を行う事により受注の拡大を見込んでおります。
④海外事業
海外事業につきましてはこれまでベトナム国及びカンボジアでWPC建材の製造販売事業を展開してまいりました。しかしながら、ベトナム国におきまして、販売不振により当事業は縮小いたします。今後当事業は、カンボジアに資源を集中し受注生産活動に注力いたします。一方、ベトナム国では、地盤調査・改良事業をコア事業とし、日本国内で培った技術力を活かし、現地社員へ技術指導・教育を実施しながら、地域貢献する企業を目指してまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
国内の人口減少等により新設住宅着工戸数は中長期的に見て成長は見込めないものの、東日本大震災以降、地盤の品質に対する社会的なニーズは高まり、地盤改良事業に対する需要は堅調であると考えております。このような状況の中で、当社グループの対処すべき課題として次のような点が挙げられます。
①人材の採用及び育成
業容の拡大に伴い一定数の従業員を安定的に確保する必要性がありますが、優秀な人材の確保、従業員の定着率に関しては課題を残していると認識しております。新卒採用については、大学生・高校生の採用を強化し、長期的な視点で人材の育成・教育に取り組んでまいります。中途採用については、従来の方針である専門性に焦点を当てた選抜を行い、即戦力化を促進すると共に、当社グループが海外進出しております国からの人材を受入・教育することによる双方の国で人材確保にも注力してまいります。また、各業務に関連する資格取得を推進し、職務遂行能力の向上を図ると共に業務知識・技術面の指導を強化します。
②研究開発
当社グループでは、株式会社サムシングの技術本部と当社の海外事業部が中心となって国内外での技術・ノウハウの共有、新工法の研究開発に取り組んでおります。市場ニーズの多様化、技術の高度化、競争激化等の環境下で差別化を図るためには、さらなる活動強化が必要であると考えております。今後も人員の増強、研究開発活動の推進により、一層の高品質化・高度化・サービスの高付加価値化を図ることで、当社グループの業績向上に役立てます。
③地域別営業体制の強化
当社グループの主要子会社である株式会社サムシングの売上比率は、東北地方で26.9%を占めるため、グループ全体での冬期の売上高が減少する傾向にあり、単月での収益悪化が免れません。この傾向を是正するために、引き続き西日本地域における営業力の強化に注力し、季節変動の是正と受注の安定化を目指します。
平成29年12月に、九州支店沖縄出張所が本格稼働しましたので受注拡大に努めてまいります。
④戸建住宅依存度の低下
各事業セグメントにおいて当社グループの売上高は戸建住宅の新設着工戸数に依存しておりましたが、非戸建住宅建築物である小型商業用店舗や介護施設・賃貸アパート・マンション等の営業活動強化を進めた結果、戸建住宅依存度は低下いたしました。収益基盤の安定化と中長期的な成長確保のために、今後も引き続き非戸建住宅関連の売上強化に努め、戸建住宅関連についてもシェアアップを図ってまいります。
⑤海外事業の黒字化
当社グループでは長期的な企業成長の確保という観点から、平成23年よりベトナム国に駐在員事務所を設立しました。そして、平成25年に現地法人(SOMETHING HOLDINGS ASIA PTE.LTD. SOMETHING VIETNAM CO.,LTD.)を設立し、また、平成28年に現地法人(JAPANEL HOME (CAMBODIA) CO.,LTD.)を設立し、海外事業の展開を進めております。
平成30年からは、地盤調査改良事業に注力し、大型工事の受注を確保し、黒字化を目指してまいります。
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