訂正有価証券報告書-第16期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

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2016/11/30 12:20
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84項目

事業等のリスク

以下には、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、本株式に関する投資判断は、以下の本項及び本書中の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。
また、以下の記載は、本株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
1.事業環境について
企業における業務上、コンピュータが不可欠になってきており、今後もこの状況はさらに加速することが予測されます。コンピュータの利用が加速するにつれ、当社が行う企業における情報システムに関する業務のアウトソースやシステム導入におけるアフターケアサービスに対するニーズも増加すると予測され、当社の事業環境は良好に推移するものと予測しております。しかしながら、当社の予測通りに事業環境の良好な推移が実現しない場合、あるいは事業環境の良好な推移にもかかわらず当社が顧客企業の拡大を計画通りに進められない場合には、当社の利益計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.今後の事業展開について
当社では、顧客対象として規模では大企業から中堅・中小企業、業種では全業種とサービス対象を幅広く設定しているため、サービスのパターン化が業務効率と利益率に大きく影響を及ぼします。このため、社内に分散したノウハウを一元化・蓄積し、商品のメニュー化をさらに明確に打ち出していく計画です。
しかし、これらが計画通りに進行せず、業務効率・利益率の向上を実現できない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.競業による業績への影響について
当社は、様々なIT系企業が提供している多様な製品・汎用サービスの中から顧客企業にとって最も効率的に利用できる製品・サービスを選別または組合せ、維持管理(資源管理・予防保守・障害対応・操作支援等)を行っております。このような利用技術に特化したサービスを提供する競合相手は、現在のところ少ないと考えております。
しかしながら、このような事業領域において、他社による積極的な参入等があった場合には競争が激化し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.業績の推移について
当社は、平成11年9月に設立された比較的業歴の浅い会社であります。事業基盤確立のための投資や、サービスの拡大による売上増など、毎期安定した利益が確保されてきたわけではありません。したがって、過年度の経営成績だけでは今後の当社の業績の判断材料としては不十分である可能性があります。
なお、当社の最近5年間の業績の推移、及び主な業績の変動要因は以下のとおりとなっております。
回次第12期第13期第14期第15期第16期
決算年月平成23年
3月期
平成24年
3月期
平成25年
3月期
平成26年
3月期
平成27年
3月期
売上高1,239,7281,511,2421,793,6401,906,5191,945,491
(千円)(―)(121.9%)(118.7%)(106.3%)(102.0%)
売上総利益315,881374,603465,542479,517528,343
(千円)(25.5%)(24.8%)(26.0%)(25.2%)(27.2%)
経常利益71,93288,173187,597194,909122,826
(千円)(5.8%)(5.8%)(10.5%)(10.2%)(6.3%)

(注)( )の数字は、売上高は前年比、他は売上比となっております。
(平成22年3月期は、決算期変更により平成21年6月1日から平成22年3月31日までの10ヶ月間となっておりました。そのため、平成23年3月期の売上高前年比は記載を省略しております。)
第12期
(平成23年3月期)
当期は、本業である「継続ITサービス」の売上は、計画を上回って順調に推移し、「一時的ITサービス」の売上も、企業のIT投資の先送りなどの影響を受けたものの堅調で、商品売上も、企業のIT投資抑制の影響を受け厳しい事業環境が続いたものの、回復の徴候も見え始め比較的堅調に推移しました。その結果、継続的かつ堅実に利益を計上しております。
第13期
(平成24年3月期)
当期は、本業である「継続ITサービス」の売上は、計画を上回って順調に推移し、「一時的ITサービス」の売上も、新規顧客の案件等があり順調に推移し、商品売上も、企業のIT投資抑制の影響など厳しい事業環境が続いておりますが、主要顧客の大規模なサーバーインフラ構築案件等を獲得したことにより、回復の徴候も見え始め比較的順調に推移しました。その結果、3期連続で利益を計上し、着実に業績を向上させております。
第14期
(平成25年3月期)
当期は、本業である「継続ITサービス」の売上は、大手クライアント企業様との取引開始等により計画を上回って順調に推移、「一時的ITサービス」の売上も、ソフトウェア開発案件の増加等により順調に推移し、商品売上も、厳しい事業環境が続いているものの、主要顧客から大規模なサーバーインフラ構築案件やBIシステムの構築案件等を獲得したことにより、比較的順調に推移しました。その結果、経常利益・当期純利益については過去最高の業績となりました。
第15期
(平成26年3月期)
当期は、本業である「継続的ITサービス」の売上は、既存顧客のサービス提供縮小が一部あったものの、新規顧客との取引開始等により堅調に推移、「一時的ITサービス」の売上も、新OSへの移行案件等により堅調に推移し、商品売上は、主要顧客から大規模な製品調達案件や新サービス関連の商品販売等を獲得したことにより、順調に推移しました。その結果、前事業年度に引き続き増収増益を達成し、営業利益・経常利益・当期純利益は過去最高の業績となりました。
第16期
(平成27年3月期)
当期は、本業である「継続的ITサービス」の売上は、大手既存顧客のサービス拡大等により順調に推移、「一時的ITサービス」の売上は、一部顧客において前年度の反動があったものの堅調に推移しました。商品売上は、大型の製品調達案件等を獲得したことにより、前年度を大きく上回り順調に推移しました。その結果、期首計画を上回り前事業年度に続いて増収増益を達成する事ができ、営業利益・当期純利益は過去最高の業績となりました。

5.事業体制について
(1)特定人物への依存
代表取締役 松村明は、筆頭株主かつ主要株主であるとともに、従来より、当社経営全般において主要な役割を担っておりおります。当社は、同人に依存しない体制つくりを進めており、取締役会の構成は4名中2名を社外取締役とする体制にし、また、組織的な運営を強く意識した体制への転換を図っております。従いまして、同人への依存度は低減しつつあります。
(2)人材の育成や委託先の確保及び育成
当社は、顧客企業の情報システムに関する業務のアウトソースを受注しているため、顧客企業へのきめ細かなサービス提供やアフターケアサービスが求められます。また、当社はコア業務以外については外部への委託によりまかなっている部分があります。そのため、当社の営業体制の維持・発展のためには、優れた技術者の確保及び委託先の適正な評価と選択が重要であると認識しております。
しかし、当社が必要とする技術者の採用・育成及び相応しい委託先の確保が計画とおりに進行しない場合には、受注機会の減少や当社の技術水準そのものの低下等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)小規模組織における管理体制について
当社は、平成27年3月末日現在、従業員69名と小規模組織であり、内部管理体制は規模に合わせたものとしております。今後は人員の増強を行うとともに、内部管理体制の一層の充実を図る所存でありますが、万一事業の拡大に伴う適時の人的・組織的な体制の構築が実現できない場合には、当社のサービスの向上や、競業他社との競争力に影響を及ぼす可能性があります。
6.業績変動要因について
(1)大型案件による売上高等の変動について
当社は、大企業から中堅・中小企業を対象として、通常顧客企業内の情報システム部門が担当している業務の一部または全部を受注しております。顧客企業のシステム入替え等の比較的大型の案件も幅広い顧客から受注しておりますが、一部他の案件と比較してさらに大型の案件となる場合もあります。
当社では継続的取引を期待できる顧客の開拓を進めることにより、大型案件が終了した際の業績変動への影響を薄めるよう努めております。しかしながら、現時点においては、大型案件の受注または終了等の影響により、当社の売上高、受注高及び受注残高が短期的に大きく変動する可能性があります。
(2)主要顧客との取引について
①当社の主要顧客である株式会社明治及びその関係会社(以下同グループ)との取引は、重要な位置を占めております。
同グループのリース会社である株式会社明治ナイスデイが販売先となるものを含め、同グループへの売上高は下記のとおりであります。
回次決算年月売上金額構成比
第12期平成23年3月419百万円33.8%
第13期平成24年3月426百万円28.2%
第14期平成25年3月295百万円16.5%
第15期平成26年3月297百万円15.6%
第16期平成27年3月306百万円15.8%

同グループとは基本契約を締結し、契約の維持に努めるとともに、新規顧客の開拓により同グループに依存しない体制作りを進めておりますが、現段階においては、同グループの事業動向等により万一現在の契約が更新されないなどの場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
②当社の主要顧客であるセコムトラストシステムズ株式会社(以下同社)との取引は、重要な位置を占めております。
同社への売上高は下記の通りであります。
回次決算年月売上金額構成比
第12期平成23年3月351百万円28.4%
第13期平成24年3月432百万円28.6%
第14期平成25年3月584百万円32.6%
第15期平成26年3月580百万円30.5%
第16期平成27年3月571百万円29.4%

同社とは基本契約を締結し、契約の維持に努めるとともに、新規顧客の開拓により同社に依存しない体制作りを進めておりますが、現段階においては、同社の事業動向等により万一現在の契約が更新されないなどの場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)開発費及び人件費負担の増加
当社では、ITAS事業におけるサービスの充実、技術者に加え営業及び管理部門の増員などが必要と考えております。これらの開発費及び人件費負担が売上増加に寄与するには一定の時間を要するのが通常ですが、開発費や人件費の負担に見合う売上増加が計画通りに実現できない場合には、当社の利益計画に影響を及ぼす可能性があります。
(4)技術革新への対応について
ここ数年、IT業界には大きな技術革新が起こっておりませんが、当社は、近い将来に大きな変化があるものと予測し、常に技術革新への対応を怠らないよう尽力しております。しかしながら、万一当社の予測を上回る技術革新が生じるなどして当社が適切な対応をとることができなかった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)受注開発案件の工数増加及び納期遅延
当社における受注開発案件は現状では僅かであり、業績に対して重要な位置を占めておりませんが、今後増加する可能性があります。
受注の際には全体の工数確認、社内技術者及び委託先の確保、工程管理等により納期厳守を行っておりますが、当社の想定を超える工数増加や納期遅延等が発生した場合、プロジェクト遅延や想定外のコスト負担などによりプロジェクト収支が悪化または赤字となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)業績の季節変動要因について
当社は季節的な要因による業績への影響は現在のところ少ないと認識しておりますが、一般的に企業の決算期が集中する12月~3月にIT投資が偏る傾向性がありますので、当社の事業拡大に伴い、今後下半期に売上等が集中する可能性があります。
(7)有利子負債について
当社は、経営の安定化及び金融機関等との関係強化のために、資金調達戦略として金融機関等からの借入を実施してきました。
有利子負債額(千円)負債及び資本の合計額に対する割合(%)
前事業年度(第15期)619,88140.2%
当事業年度(第16期)1,912,14265.4%

今後は、経営努力によって資金効率の改善と自己資本の充実をはかり、有利子負債を削減していく方針であり、当事業年度末においては有利子負債依存度65.4%(前事業年度末比で25.2ポイント増)となっております。
当事業年度末において流動比率135.5%、当座比率67.4%であり、有利子負債が当社の経営を圧迫するには至っておりませんが、現時点においては、今後の金利水準及び当社の営業キャッシュ・フローの推移により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報セキュリティについて
当社では、顧客企業のネットワークにリモート接続し、維持管理のための各種サービスを実施しております。また、当社では顧客企業のデータが内在するハードウェア機器の修理や廃棄を行っております。そのため、顧客企業が保有する様々な機密情報に触れる機会があります。当社では「情報管理」を最重要事項と位置づけ、情報管理体制の維持・強化、社員・派遣社員・アルバイト・外注先等の当社業務に関わる者全員に対する情報管理に対する啓発、教育、意識向上の活動を推進する等、様々な角度から機密情報の漏洩防止策を採っております。
しかし、このような対策にもかかわらず万一機密情報が漏洩した場合には、顧客企業から訴訟や取引停止などの処置を受け、あるいは当社の信用が低下するなどして、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)個人情報保護について
当社は事業活動を通じて取得した個人情報及び当社の役職員に関する個人情報を保有しております。本書提出日現在、当社は過去5,000件以上の個人情報を用いて事業を行ったことがないため、「個人情報の保護に関する法律」に規定される「個人情報取扱事業者」には該当しませんが、個人情報の取扱については個人情報取扱規程を制定の上、細心の注意を払っております。
しかしながら、万一外部漏洩等が発生し、当社が適切な対応を行えない場合には、信用の失墜または損害賠償による損失が発生するなどして、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)システム障害について
当社の事業運営は社内外のさまざまなネットワークシステムに依存しております。
このため、ネットワークシステムが動作不能な状態に陥った場合や、火災震災をはじめとする自然災害、停電等の予期せぬ事由により、システムに障害が発生した場合、当社のサービスは停止せざるを得ない状況が起こる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)賃貸用資産及びリース投資資産の減損並びに投資した資金の回収について
当社は、大型サーバー、コンピュータ等ハードウェア機器やソフトウェア等を、サポートサービス付きで顧客に賃貸しており、これらの資産は賃貸用資産(平成20年5月期以前に取得)、又はリース投資資産(平成21年5月期以降に取得)として計上されております。
これらの機器等の賃貸契約期間は長期に渡るため、当該契約のために取得した資産の資金回収に、リスクが生じる恐れがあります。これらの賃貸用資産及びリース投資資産は、顧客の業務継続に必須のシステムであり、業務プログラムやデータが蓄積されております。更に、利用者は当該システムの操作に慣れており、このシステムを利用することによって、業務の効率化を実現しております。以上の理由により、解約される可能性は低いと認識しておりますが、解約された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、予期せぬ理由により賃貸用資産及びリース投資資産の収益性が低下した場合においては減損処理が必要となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があると認識しております。
(12)大規模災害によるリスクについて
当社は、さまざまな災害を想定して体制を整備しております。しかしながら、大規模な災害が発生した場合には、事業所や従業員の被災により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客企業の設備投資計画の変更等の影響を受ける可能性があります。