訂正有価証券報告書-第15期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 13:06
【資料】
PDFをみる
【項目】
77項目

業績等の概要

当社は平成27年6月30日付で、連結子会社であった愛績旻(上海)信息科技有限公司の当社持分出資金の全部を譲渡いたしました。これにより、当社は、当事業年度(平成29年3月期)より連結財務諸表非作成会社となったため、キャッシュ・フローに係る前期の数値及びこれに係る対前年増減等の比較分析は行なっておりません。
(1) 業績
当事業年度において、当社の主要顧客である国内の半導体ならびにFPD(Flat Panel Display)等電子部品業界の業績は、上期は長期化する円高基調やスマートフォン需要の低迷、さらに欧州ならびに新興諸国の景気後退等の影響で、概ね横ばいから減速傾向が散見される状況であり、全般的に閉塞感が漂っておりました。下期に入り急峻な円安基調への遷移に加えスマートフォン向け部品に対する大幅な需要が発生したこと等により、特に携帯機器関連や自動車関連を中心として、束の間の回復傾向が巻き起こることとなりました。しかしながら業界全体を見渡すと、一部の主力企業間における業界再編が未だ途上であり、当事業年度に発生した回復傾向も、一過性の特需と一時の円安基調に依存しており、極めて不安定な状況であるため、先行き不透明感は続くものと見ております。
こういった状況の中、当社は国内市場において、当社が全力で開発を進めている最新の自社開発製品をプライベートセミナーで発表して、既存顧客の新たな需要を喚起するとともに、競争力のある代理販売品を梃子にして、新規顧客層を拡張する等、精力的な営業活動を展開いたしました。ソリューション・ビジネスにおいては、ここ数年来高まりつつある半導体設計アウトソーシング需要を受けて、優秀な設計技術者を増員することにより、半導体設計受託サービスに関する売上の大幅な拡大を図りました。さらに前事業年度から本格的に立ち上げを行っていたEDAアウトソーシングは、社内外の各種リソースを効率的に活用した結果、順調に売上に貢献する所まで伸ばすことができました。海外市場においては、国際的な展示会・学会で画期的な新製品および当社の最新研究成果を発表し、当社の技術力をアピールするのと並行して、業績が低迷している一部の国の代理店を再編し、売上を回復させるべく注力いたしました。
こうした活動の結果、当事業年度の売上高は、海外向けの売上が低迷したもののソリューション・ビジネスの売上が大幅に伸長したことにより、前事業年度と比較して1億44百万円(9.3%)増加の16億94百万円となりました。営業利益は利益率が高い自社開発製品の受注が伸びたことが影響して1億74百万円(前期比39.8%増)となりました。経常利益は営業外収益13百万円を計上したことにより1億87百万円(前期比51.0%増)となりました。当期純利益は法人税等調整額を21百万円計上した結果1億78百万円(前期比63.5%増)となりました。
種目別の売上状況は次のとおりであります。
① 製品及び商品売上高は7億98百万円(前期比8.7%増)となりました。
製品及び商品売上高増加の主な理由は、海外市場向けが低迷したものの、国内においては携帯機器関連及び自動車関連分野に向けた、解析系・検証系ツール群等の売上高が堅調であったことによるものであります。
② 保守サービス売上高は4億52百万円(前期比9.7%減)となりました。
保守サービス売上高減少の主な理由は、顧客企業の事業再編やリストラによる設計者の減員等の対抗策として、新主力製品の発表ならびに新たな代理販売品のプロモーション活動に加え、新規顧客開拓等の積極的な営業活動を展開しましたが、市場全体の縮小基調による影響を全てカバーするまでには至らなかったことによるものであります。引き続き顧客ニーズに合わせたサポート・サービスの向上に努めて参ります。
③ ソリューション売上高は4億43百万円(前期比41.1%増)となりました。
ソリューション売上高大幅増加の主な理由は、半導体設計受託サービスの売上高が、設計者の増強等により大きく拡大したことに加えて、EDAアウトソーシングが順調に立ち上がり、売上に貢献し始めたことによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、15億37百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、2億55百万円となりました。主な内訳は、税引前当期純利益1億87百万円及び、前受金の増加1億13百万円であります。
投資活動の結果得られた資金は、2億86百万円となりました。主な内訳は、有価証券の償還による収入3億円であります。
財務活動の結果使用した資金は、28百万円となりました。主な内訳は、配当金の支払額28百万円であります。