訂正有価証券報告書-第17期(平成28年5月1日-平成29年4月30日)

【提出】
2022/07/22 10:38
【資料】
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【項目】
123項目

業績等の概要

本事業の状況に関し、使用する名称の正式名称及びその説明は下記のとおりであります。
使用名称正式名称説 明
ギガプライズ株式会社ギガプライズ当社連結子会社
フルスピード株式会社フルスピード当社連結子会社
フォーイット株式会社フォーイット当社連結子会社
フリービットEPARKヘルスケア株式会社フリービットEPARKヘルスケア当社連結子会社
(旧 株式会社EPARKヘルスケア)
フォーメンバーズ株式会社フォーメンバーズ当社連結子会社
トーンモバイルトーンモバイル株式会社当社持分法適用関連会社
CCCカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社トーンモバイルの親会社
ICTInformation and Communication Technology情報通信技術
SNSSocial Networking Serviceインターネットを利用して社会的ネットワークを構築可能にするサービス
NTT東西東日本電信電話株式会社及び
西日本電信電話株式会社
日本電信電話株式会社の連結子会社
Health TechHealth Technology“健康×IT”によりヘルスケア領域に変革を起こし、次世代の健康管理メソッドを創出していくもの
IoTInternet of Thingsモノに通信機能を持たせてモノ同士が相互通信することにより、ヒトが介在することなく自動認識や自動制御などが行える仕組み
不動産TechReal Estate Technology“不動産×IT”により不動産業界に新しいサービスの潮流を起こし、ITを用いて不動産関連サービスを進化させていくもの
ISPInternet Services Providerインターネット接続事業者
光コラボ光コラボレーションモデルNTT東西が提供するフレッツ光の卸サービス
MVNOMobile Virtual Network Operator仮想移動体通信事業者
MVNEMobile Virtual Network EnablerMVNOの支援事業者
フィーチャーフォンFeature Phone決められた仕様に基づく多機能携帯電話で、ガラパゴス携帯とも呼ばれる
ネイティブ広告Native Advertisingウェブサイトのコンテンツや記事と同様の体裁で表示される広告
リスティング広告Listing Advertisement検索エンジンでのキーワード検索時に、その検索結果に連動して表示される広告
アドテクノロジーAd Technology「テクノロジーを駆使した広告」の総称で主にインターネット広告における配信技術や広告流通の技術のこと
アドネットワークAd Networkインターネットメディアへの広告配信を効率的に行うシステム
アフィリエイトAffiliate MarketingWebページ等の広告を経由して、広告主のサイトで会員登録や商品購入をした場合にリンク元の媒体運営者へ報酬が支払われる仕組み
クラウドCloud Computingソフトウェア等をネットワーク越しに利用者に提供する仕組みやそのデータが蓄積・運用されているデータセンター及びサーバー群の総称
パブリッククラウドPublic Cloudクラウドのうち、インターネットから誰でも利用できるようなサービスやシステム
プライベートクラウドPrivate Cloudクラウドのうち、大企業などが自社ネットワーク上で利用するためのサービスやシステム
ハイブリッドクラウドHybrid Cloudパブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせたもの
SIMSubscriber Identity Moduleモバイル端末でデータ通信や音声通話などを行うために必要なICチップカード

(1)業績
当連結会計年度において薬局向けソリューションサービスを開始したことにより、新たな報告セグメントとして「ヘルステック事業」を設け、区分することとしており、各セグメントの事業の内容は「第1 企業の概況 3.事業の内容」のとおりであります。
当社グループは、中期事業方針『SiLK VISION 2020』の達成に向けて当連結会計年度の事業を推進しました。
継続成長事業の1つと位置付けているモバイル事業では、MVNOの市場拡大が続いていることを受け、当社がMVNEとして提供するMVNO支援パッケージサービス「freebit MVNO Pack」を採用する事業者が増加し、また、採用事業者による獲得エンドユーザー数も増加しました。これに伴い、同事業者向けのSIM出荷枚数の増加傾向が続くことを見据え、通信帯域や通信設備の増強も行いました。また、連結子会社の株式会社ドリーム・トレイン・インターネットでは、MVNOサービス「DTI SIM」の更なるユーザー数拡大を目的に、ユーザーニーズを機敏に捉えた新プランの投入やキャンペーン施策を講じることで他社との差別化を図りました。また、CCCとの合弁会社であるトーンモバイルでは、端末やアプリの開発からユーザーサポートまでの全てを提供することができることを特長とした独自のスマートフォンサービス「TONE」を、CCCグループが全国展開する「TSUTAYA」や「蔦屋書店」といった店舗網での取扱いを拡大させました。
もう1つの継続成長事業と位置付けているアドテクノロジー事業では、フルスピードがアドテクノロジー関連サービスとインターネットマーケティング関連サービスの提供に努めており、特に、広告運用統合プラットフォーム「AdMatrix」やスマートフォン向け動画アドネットワーク「PolymorphicAds」を中心としたサービス提供に注力しました。また、フォーイットでは、アフィリエイト・サービス・プロバイダーとして独自のアフィリエイトサービス「afb(アフィb、旧アフィリエイトB)」の提供やその利便性の向上に尽力したことで、以前より優位性を築いている業界向けのサービス提供のみならず、これまでの安定した実績の積み上げが評価されたことによって他の業界へのサービス提供も拡大しました。
新分野への進出を視野に入れている「生活革命」領域においては、“Health Tech”における中長期的な事業拡大を目的に、先行投資事業との位置付けのもと、フリービットEPARKヘルスケアを連結子会社化し、当社グループの有する技術力や事業リソースを有効的に活用することで事業拡大が見込める薬局向けソリューションサービスの提供を開始しました。
以上の結果、売上高は35,222,475千円(前連結会計年度比24.1%増)となったものの、フルスピードにおいて、4.7億円の回収不能債権が発生したことなどにより、営業利益は1,321,334千円(前連結会計年度比30.6%減)、経常利益は807,565千円(前連結会計年度比38.9%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益については、法人税等調整額の増加等もあったため、150,359千円の損失(前連結会計年度は553,008千円の利益)となりました。
① ブロードバンド事業
スマートフォンやタブレットといったICT端末の普及に伴って、宅内Wi-Fi環境を通じたネット動画視聴、ゲームをはじめとしたリッチコンテンツやSNSの利用の増加等により固定回線網の原価は高止まりしたものの、集合住宅向けインターネットサービスが順調に推移したことに加え、「光コラボ」関連サービスによるユーザー獲得数が増加しました。
以上の結果、売上高は10,131,693千円(前連結会計年度比1.1%増)、セグメント利益は1,717,101千円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。
なお、主に集合住宅向けインターネットサービスの提供を行うギガプライズでは、販売体制の強化及び経営の効率化を目的に、不動産仲介業を行う持分法適用関連会社であったフォーメンバーズの株式を追加取得し連結子会社としました。
② モバイル事業
MVNO支援パッケージサービスfreebit MVNO Pack」の採用事業者(MVNO)が増加するとともに、採用事業者によるエンドユーザーの獲得数も増加しました。そして、同サービスの採用事業者の1社でもあるトーンモバイルには、同社専用スマートフォン端末である「TONE m15」を納入しました。
エンドユーザー向けMVNO SIMサービス「DTI SIM」においては、顧客ニーズに合わせた新プランの投入やキャンペーン施策を講じることで競合他社との差別化を図り、更なるユーザー獲得に努めました。
以上の結果、売上高は大幅に増加し8,628,239千円(前連結会計年度比72.0%増)となりました。なお、拡大を続ける事業規模を見据えた通信帯域や通信設備の増強に加え、より一層のユーザー獲得に向けたサービス開発への投資と販促費の投入を行ったことにより、セグメント損失は327,232千円(前連結会計年度は33,194千円のセグメント損失)となりました。
③ アドテクノロジー事業
独自のアドテクノロジー関連サービスである広告運用統合プラットフォーム「AdMatrix」やスマートフォン向け動画アドネットワーク「PolymorphicAds」等の提供に注力し、また、インターネットマーケティング関連のサービスにおいても、既存サービスの拡大に加えてSNS等の運用広告サービスの提供を積極的に展開しました。また、アフィリエイトサービスにおいては、得意とする業界だけの伸長に止まらず、新たな業界での提供も順調に広がったことで、引き続き、事業規模並びに収益規模が拡大しました。
以上の結果、回収不能債権4.7億円が発生したものの、売上高が14,557,201千円(前連結会計年度比24.5%増)、セグメント利益が900,462千円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。
④ クラウド事業
当社がISP向けアウトソーシングサービスで培ってきた運営ノウハウを活かして開発した「フリービットクラウド」は、高レベルでのセキュリティやサービス稼働における信頼性はもちろん、高い処理性能などが求められるシステムにも容易に対応できるクラウドサービスとして、パブリッククラウドである「フリービットクラウドVDCPRO」、プライベートクラウドである「フリービットクラウド VDC Private HOSTED」、「フリービットクラウド VDC Private ONPREMISES」をはじめとしたサービスが利用者より評価を得ています。そして、そのパブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせ、高いセキュリティと柔軟なインフラ環境を優れたコストパフォーマンスでの提供を実現したハイブリッドクラウドについても、同じく高い評価を獲得しました。
以上の結果、売上高は1,945,975千円(前連結会計年度比2.6%減)、セグメント利益は140,658千円(前連結会計年度比64.8%増)となりました。
⑤ ヘルステック事業
当社グループの有する技術力や事業リソースを活かした事業拡大が見込める薬局向けソリューションサービスの提供を目的に、当連結会計年度よりフリービットEPARKヘルスケアを連結子会社化した結果、売上高が254,944千円、セグメント損失が324,274千円となりました。
なお、前連結会計年度には当報告セグメントに区分すべきサービスが存在しなかったため、前連結会計年度との比較は行っていません。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は10,249,153千円となり、前連結会計年度末比で2,338,145千円増加しました。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、3,811,993千円の増加(前連結会計年度は1,751,512千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が659,939千円、減価償却費が743,360千円、のれん償却額が747,948千円及びたな卸資産の減少額が490,014千円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、2,291,437千円の減少(前連結会計年度は508,664千円の減少)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が911,150千円、無形固定資産の取得による支出が551,582千円及び貸付けによる支出が345,000千円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、844,135千円の増加(前連結会計年度は306,148千円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が1,349,900千円あったものの、社債の発行による収入が2,220,000千円あったことによるものです。