訂正有価証券報告書-第19期(平成30年5月1日-平成31年4月30日)
事業の状況において使用する名称の正式名称及びその説明は、下記のとおりであります。
また、記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」という企業理念に基づき、インターネットに関わるコアテクノロジーの開発、大規模システムの運用といった技術力の蓄積を強みとして、主に法人向け、個人向けにインターネット関連サービスを提供することとしています。
(2)経営戦略等
当社グループは、中期事業方針『SiLK VISION 2020』のもと、2020年4月期に連結売上高500億円、連結営業利益50億円の達成を目標に掲げています。そして、その達成に向け、「成長領域に注力した新分野への進出と継続的発展」を戦略として位置付け、モバイル事業・アドテクノロジー事業の継続成長を図るとともに、生活領域(“Health Tech”、“IoT”、“不動産Tech”)に注力することで、中長期での事業拡大に努めています。
(3)経営環境
(ブロードバンド市場)
光アクセス回線を主とする固定網による通信サービス市場は、高速ブロードバンド環境の普及が一巡したことに加え、モバイル網による通信サービスの高速化が進んだことで、成長は緩やかなものとなりました。そして、ネット動画やゲーム等のリッチコンテンツの利用増及びSNSのようなアクセス頻度の高いサービスの普及、クラウドサービスの利用拡大等による通信トラフィックの増加によりネットワーク原価は上昇しているため、光アクセス回線とモバイル通信のセット割引展開は広がったものの、インターネット接続サービスのARPUは低下傾向にあります。
固定網による通信サービス市場のうち集合住宅向けインターネット接続サービス市場においては、2020年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックを見据えたマンション建設やそれに伴うストック戸数(建築済み建物戸数)の増加により、高速ブロードバンド環境導入による資産価値や入居率の向上を目的に、その導入がより一層進み、市場規模は拡大することが予想されています。
(モバイル市場)
当社グループがサービスを提供しているMVNO・MVNE市場においては、大手モバイル通信キャリアによるサブブランドの展開が独自型MVNOサービス事業者の成長に影響を与える傾向が続きました。また、新たなモバイルキャリアの参入が見込まれる等、更なる事業環境の変化の兆しがありました。しかし、市場の成長基調は継続しているため参入事業者が増加していることに加え、IoT向けの需要がこれから急激に増加していくことが想定されるなど、市場規模は2023年には11兆円超に達すると予測され、引き続き拡大していく見込みです。
(インターネット広告市場)
広告市場において、インターネット広告市場は5年連続2桁成長を続けており、その中でも従来型の予約型広告からリスティング広告やアドテクノロジー活用広告といった運用型広告(膨大なデータを処理するプラットフォームの活用による最適な広告を自動・即時に表示する方式の広告)への移行が進むとともに、動画広告やソーシャルメディア広告が牽引する形で市場が拡大し、特にモバイル向け広告の成長が顕著となりました。
SNSやオウンドメディアとの相関性の高さ等、今後もマーケティング活動におけるインターネット広告の重要性は高まるとともに、その市場規模はさらに拡大していく見込みです。
(クラウド市場)
様々なコンテンツ配信や電子商取引等に加え、IoT関連サービスのプラットフォームとしてもクラウドが不可欠な基盤となっており、また、それらの規模も引き続き伸張することが想定されることからクラウド市場は引き続き拡大していく見通しです。また、パブリッククラウド、プライベートクラウドにおいても市場が成長しており、その両方を連携させ長所を組み合わせることでセキュリティ管理、コスト管理を向上させることができるハイブリッドクラウドの利用も広がっています。
しかし、パブリッククラウドにおいてはAmazon Web ServicesやMicrosoft Azureといったグローバルベンダーが上位を占めており、今後もその状況が続くことが想定されます。プライベートクラウドにおいては突出したベンダーが存在しないため、当社を含む各ベンダーは、自社の強みを活かした差別化要因によって、市場におけるポジションを確立していくことが重要となっています。
(ヘルステック市場)
日本では、2010年に65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占める超高齢化社会に突入した後も高齢者人口は一貫して増加傾向にあり、2018年の推計では高齢者人口は3,557万人、高齢化率は28.1%と過去最高に達しました。人生100年時代の到来が現実味を帯びてくる中、ヘルスケア市場は2030年には国内市場が37兆円となり、就業者数において日本最大の産業にまで成長すると言われています。また、高齢化の傾向は日本だけに止まらず、世界規模で進展するものと想定され“Health Tech”は“健康×IT”によりヘルスケア領域に変革を起こし、次世代の健康管理メソッドを創出していくものとして期待されています。そして、医療関連の品質維持やその費用抑制のためにICTの活用が必須であると位置付けられています。
当社グループは、薬局向けソリューションサービスの提供を足掛かりとして、この市場における存在意義を高めていくことを目指しています。
(エドテック市場)
日本の教育市場は大きな変革の時代を迎えています。文部科学省の「教育の情報化ビジョン」では、子どもたちの情報活用能力を育成する情報教育や教科指導における情報通信技術の活用等による教育の質の向上を目指し、全ての学校で児童生徒1人1台の情報端末による教育が推進されています。2018年には「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」が策定され、2022年度まで単年度1,805億円の地方財政措置が講じられること等から今後学校における情報端末の整備に伴って、教育コンテンツ市場も伸長することが想定されます。
当社グループは、2023年には3,000億円に達すると見込まれるEdTech市場において、教育コンテンツのICT化とアダプティブ・ラーニングをはじめとした教育ICTプラットフォームの整備の両面から取り組むことで、この市場における優位性を確立し、シェアの拡大を目指します。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
インターネットを取り巻く昨今の事業環境下においては、ブロードバンド固定回線にかわってスマートフォンを中心としたモバイル通信網の普及が進み、インターネットの利用方法もモバイル通信にシフトしています。モバイル通信においてはいわゆる3大キャリアが通信料金の低額化や契約態様の見直しを進めていることにともない、MVNE・MVNOサービスとの直接の競合となる局面も出てきました。また、第5世代移動通信システムのサービス開始を目前に控え、通信事業者の収益獲得のための活動はさらに活発になると同時に更なる競争の激化が進みつつあります。
こうした状況下において、当連結会計年度はモバイル事業の継続成長を図るとともに、ヘルステック事業やHome IT事業等の生活領域の新規事業に注力してまいりました。また、これら事業を実施するにあたり、当社グループの複数のサービスをレイヤーに捉われない統合的なサービスとして提供するため、グループ内の技術や人的リソースの連携、ネットワーク資産の効率化などを進めてまいります。
以上の取り組みにおいては、それぞれ次のような対処すべき課題があると認識しています。
(インターネット接続サービス市場環境の変化について)
スマートフォンやタブレットなどの高機能モバイル通信機器の普及によるモバイル通信環境における著しい利便性の向上により、インターネットへの接続がこれまでの固定回線によるものからモバイルデータ通信へと加速度的にシフトしています。ブロードバンドの固定回線は一定の普及により増加率は鈍化している一方で、NTTグループ(日本電信電話株式会社の連結子会社)を中心としてIPv6(IPoE)への移行が進みつつあります。一方で、各社のサービスの多様化や、新規のMNO事業者の誕生に象徴されるように、モバイル通信の提供事業者間の競争は激化しています。また、第5世代移動通信システムの整備が全国的に進む中、各事業者の次世代通信網への対応が喫緊の課題となっています。
当社グループでは、このような環境の変化を機敏に捉え、ユーザーのニーズを見据えた新たなサービスを開発し、いち早く提供を行うなど、必要と考えられる施策を推進していますが、今後もインターネット接続サービス市場環境の変化には影響を受ける可能性があるため、これらの環境に即応するとともに、これまでの実績や経験に裏付けされた利便性の高い安定した新しいサービスの開発が重要であると認識しています。
(モバイル端末を中心としたモバイル通信網サービスの対応について)
MVNE・MVNO事業は、無線通信インフラ(移動体回線網)を有する事業者から借り受けてサービスを提供することになるため、他社のMVNE・MVNO事業との差別化が困難であると言われています。
当社グループでは、長年のインターネット接続サービスの提供で培ってきたネットワーク技術やノウハウを活用し、また、グループ内の様々な付加価値サービスと組み合わせ、新しい仕組みを提供することにより差別化を図り、より安価で高品質な無線通信サービスを提供できるよう、継続的な技術開発に努めることが必要であると認識しています。
(MVNE・MVNO事業のユーザー層の拡大への対応について)
MVNE・MVNOが着実に普及をしている中、これらのサービスを利用するユーザー層が、これまでのインターネット通信サービスに関してある程度の知識を有している顧客から、これまでインターネット通信サービスに深く係わってこなかった、3大キャリアであるMNOのフィーチャーフォン(ガラパゴス・ケータイ)サービスを利用してきた顧客へとその層が広がっています。そのため、MNOとのサービス構成やサービス内容の違い、サポート体制の差異について契約時に認識をしていない顧客が増えており、また、同時に事業者間の競争が激化する中で広告宣伝方法も多様化しているため、一部の事業者では顧客が思っていたサービスを受けられずトラブルとなっている事象も見受けられます。このような事業環境の中、政府も事業者による適切な顧客対応に関するガイドラインを強力に推し進めており、当社グループでも、一般消費者に対してMVNOサービスを提供している連結子会社もあることから、顧客のインターネット通信サービスへの理解度に応じてサポートを充実させたサービス展開に努めておりますが、今後も顧客層の変化に対応した、わかりやすいサービス提供に努めることが必要であると認識しています。
(クラウドコンピューティング事業の展開について)
仮想化技術を利用したクラウドコンピューティングの市場は近年急速に広がっており、当社グループにおいても巨大な仮想データセンターから個人利用目的のパーソナルサーバーまで、様々なサービスを提供しています。
このようなお客様のデータを預かるサービスでは、安定的な運用を行うことにより、顧客との良好な関係維持に努めることが重要です。
一方で、仮想化技術は高度な監視体制、効率的なシステムの冗長化と分散化、新しい技術の継続的な導入が必要な分野であり、人的体制も含めて、継続的な運用や開発体制の強化と改善が必要であると認識しています。
(IoT市場への対応について)
インターネットの普及により、通信分野では、これまでの人対人を中心としたものに加え、機器と機器がデータをやりとりするIoTが急激に拡大しております。このようなIoTの通信においては、大量のIP(インターネットプロトコル)アドレスを必要とするため、次世代プロトコルであるIPv6の利用が不可欠であり、IPv6関連の技術開発を長年行ってきた当社グループにとっては大きなビジネスチャンスであると捉えています。
当社グループでは、IoT市場における中心的な役割を担うべく、国内外を問わず多くのパートナー企業との連携や、これまでインターネットに接続することのなかった家電を取り扱うメーカー、新規の通信サービスを提供しようとするサービサー等に対して、積極的に当社グループの技術・サービスを提供するように働きかけるため、新技術に関する営業力の強化、継続的な技術開発による最先端のサービスの提供及び当社グループの技術を保護するための知財関連の強化等が肝要であると認識しています。
(関係会社管理の徹底及び社内管理体制と従業員教育の強化)
当社グループでは、当社のみならず各連結子会社を通じて、インターネットインフラを中心として多岐にわたる事業を展開しており、各社にて新規人員の採用や教育を行っています。人員の交流も積極的に行っていますが、事業の拡大に伴い、さらにグループ全体の管理の徹底及び従業員教育の向上が必要であると認識しています。
そのため、子会社の計数管理の徹底、統一的な監査の実施を通じて適切な子会社管理を行い、グループ内の内部通報制度の周知等を通じてコンプライアンス意識の向上に努めるとともに、企業理念や経営方針、統一的な教育プログラムをグループ各社で共有し浸透させることで、当社グループ社員の連帯意識の強化を図り、グループ会社間の枠に捉われない発展を促します。
また、内部統制の観点でも、金融商品取引法等に基づく財務報告の信頼性を確保するために必要な内部統制の整備や構築等を行ってまいりましたが、さらにグループを通じて、内部統制強化のための連携、改善等を継続的に行っていく必要があると認識しています。
そのため、各グループ会社の監査役、内部監査室の連携を促進し、また、継続的な従業員教育を通して、コーポレートガバナンスの充実及び法令遵守の徹底にグループ全社をあげて取り組んでいます。
| 使用名称 | 正式名称 | 説 明 |
| トーンモバイル | トーンモバイル株式会社 | カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社との合弁会社で、当社持分法適用関連会社 |
| フルスピード | 株式会社フルスピード | 当社連結子会社 |
| フリービットEPARKヘルスケア | 株式会社フリービットEPARKヘルスケア | 当社連結子会社 |
| ギガプライズ | 株式会社ギガプライズ | 当社連結子会社 |
| 医療情報基盤 | 株式会社医療情報基盤 | 当社連結子会社 |
| アルク | 株式会社アルク | 当社連結子会社 |
| DTI | 株式会社ドリーム・トレイン・インターネット | 当社連結子会社 |
| Health Tech | Health Technology | “健康×IT”によりヘルスケア領域に変革を起こし、次世代の健康管理メソッドを創出していくもの |
| IoT | Internet of Things | モノに通信機能を持たせてモノ同士が相互通信することにより、ヒトが介在することなく自動認識や自動制御などが行える仕組み |
| 不動産Tech | Real Estate Technology | “不動産×IT”により不動産業界に新しいサービスの潮流を起こし、ITを用いて不動産関連サービスを進化させていくもの |
| MVNO | Mobile Virtual Network Operator | 仮想移動体通信事業者 |
| MVNE | Mobile Virtual Network Enabler | MVNOの支援事業者 |
| クラウド | Cloud Computing | ソフトウェア等をネットワーク越しに利用者に提供する仕組みやそのデータが蓄積・運用されているデータセンター及びサーバー群の総称 |
| SNS | Social Networking Service | インターネットを利用して社会的ネットワークを構築可能にするサービス |
| ARPU | Average Revenue Per User | 1ユーザー又は1回線あたりの平均収入 |
| リスティング広告 | Listing Advertisement | 検索エンジンでのキーワード検索時に、その検索結果に連動して表示される広告 |
| アドテクノロジー | Ad Technology | 「テクノロジーを駆使した広告」の総称で主にインターネット広告における配信技術や広告流通の技術のこと |
| オウンドメディア | Owned Media | 自社保有メディア |
| パブリッククラウド | Public Cloud | クラウドのうち、インターネットから誰でも利用できるようなサービスやシステム |
| プライベートクラウド | Private Cloud | クラウドのうち、大企業などが自社ネットワーク上で利用するためのサービスやシステム |
| ハイブリッドクラウド | Hybrid Cloud | パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせたもの |
| ICT | Information and Communication Technology | 情報通信技術 |
| エドテック/EdTech | Education Technology | “教育×IT”により、語学教育領域に変革を起こし、ICTを活用して 語学教育ソリューションを進化させていくもの |
| アダプティブ・ラーニング | Adaptive Learning | エドテックの1つで、学習者一人ひとりの学習進捗度(学習進度)に最適化した学習方法と教材を選択し、提供する仕組みを持つシステム |
| DSP | Demand Side Platform | 広告主の広告効果最適化を目指すプラットフォーム |
| アフィリエイト | Affiliate Marketing | Webページ等の広告を経由して、広告主のサイトで会員登録や商品購入をした場合にリンク元の媒体運営者へ報酬が支払われる仕組み |
また、記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」という企業理念に基づき、インターネットに関わるコアテクノロジーの開発、大規模システムの運用といった技術力の蓄積を強みとして、主に法人向け、個人向けにインターネット関連サービスを提供することとしています。
(2)経営戦略等
当社グループは、中期事業方針『SiLK VISION 2020』のもと、2020年4月期に連結売上高500億円、連結営業利益50億円の達成を目標に掲げています。そして、その達成に向け、「成長領域に注力した新分野への進出と継続的発展」を戦略として位置付け、モバイル事業・アドテクノロジー事業の継続成長を図るとともに、生活領域(“Health Tech”、“IoT”、“不動産Tech”)に注力することで、中長期での事業拡大に努めています。
(3)経営環境
(ブロードバンド市場)
光アクセス回線を主とする固定網による通信サービス市場は、高速ブロードバンド環境の普及が一巡したことに加え、モバイル網による通信サービスの高速化が進んだことで、成長は緩やかなものとなりました。そして、ネット動画やゲーム等のリッチコンテンツの利用増及びSNSのようなアクセス頻度の高いサービスの普及、クラウドサービスの利用拡大等による通信トラフィックの増加によりネットワーク原価は上昇しているため、光アクセス回線とモバイル通信のセット割引展開は広がったものの、インターネット接続サービスのARPUは低下傾向にあります。
固定網による通信サービス市場のうち集合住宅向けインターネット接続サービス市場においては、2020年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックを見据えたマンション建設やそれに伴うストック戸数(建築済み建物戸数)の増加により、高速ブロードバンド環境導入による資産価値や入居率の向上を目的に、その導入がより一層進み、市場規模は拡大することが予想されています。
(モバイル市場)
当社グループがサービスを提供しているMVNO・MVNE市場においては、大手モバイル通信キャリアによるサブブランドの展開が独自型MVNOサービス事業者の成長に影響を与える傾向が続きました。また、新たなモバイルキャリアの参入が見込まれる等、更なる事業環境の変化の兆しがありました。しかし、市場の成長基調は継続しているため参入事業者が増加していることに加え、IoT向けの需要がこれから急激に増加していくことが想定されるなど、市場規模は2023年には11兆円超に達すると予測され、引き続き拡大していく見込みです。
(インターネット広告市場)
広告市場において、インターネット広告市場は5年連続2桁成長を続けており、その中でも従来型の予約型広告からリスティング広告やアドテクノロジー活用広告といった運用型広告(膨大なデータを処理するプラットフォームの活用による最適な広告を自動・即時に表示する方式の広告)への移行が進むとともに、動画広告やソーシャルメディア広告が牽引する形で市場が拡大し、特にモバイル向け広告の成長が顕著となりました。
SNSやオウンドメディアとの相関性の高さ等、今後もマーケティング活動におけるインターネット広告の重要性は高まるとともに、その市場規模はさらに拡大していく見込みです。
(クラウド市場)
様々なコンテンツ配信や電子商取引等に加え、IoT関連サービスのプラットフォームとしてもクラウドが不可欠な基盤となっており、また、それらの規模も引き続き伸張することが想定されることからクラウド市場は引き続き拡大していく見通しです。また、パブリッククラウド、プライベートクラウドにおいても市場が成長しており、その両方を連携させ長所を組み合わせることでセキュリティ管理、コスト管理を向上させることができるハイブリッドクラウドの利用も広がっています。
しかし、パブリッククラウドにおいてはAmazon Web ServicesやMicrosoft Azureといったグローバルベンダーが上位を占めており、今後もその状況が続くことが想定されます。プライベートクラウドにおいては突出したベンダーが存在しないため、当社を含む各ベンダーは、自社の強みを活かした差別化要因によって、市場におけるポジションを確立していくことが重要となっています。
(ヘルステック市場)
日本では、2010年に65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占める超高齢化社会に突入した後も高齢者人口は一貫して増加傾向にあり、2018年の推計では高齢者人口は3,557万人、高齢化率は28.1%と過去最高に達しました。人生100年時代の到来が現実味を帯びてくる中、ヘルスケア市場は2030年には国内市場が37兆円となり、就業者数において日本最大の産業にまで成長すると言われています。また、高齢化の傾向は日本だけに止まらず、世界規模で進展するものと想定され“Health Tech”は“健康×IT”によりヘルスケア領域に変革を起こし、次世代の健康管理メソッドを創出していくものとして期待されています。そして、医療関連の品質維持やその費用抑制のためにICTの活用が必須であると位置付けられています。
当社グループは、薬局向けソリューションサービスの提供を足掛かりとして、この市場における存在意義を高めていくことを目指しています。
(エドテック市場)
日本の教育市場は大きな変革の時代を迎えています。文部科学省の「教育の情報化ビジョン」では、子どもたちの情報活用能力を育成する情報教育や教科指導における情報通信技術の活用等による教育の質の向上を目指し、全ての学校で児童生徒1人1台の情報端末による教育が推進されています。2018年には「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」が策定され、2022年度まで単年度1,805億円の地方財政措置が講じられること等から今後学校における情報端末の整備に伴って、教育コンテンツ市場も伸長することが想定されます。
当社グループは、2023年には3,000億円に達すると見込まれるEdTech市場において、教育コンテンツのICT化とアダプティブ・ラーニングをはじめとした教育ICTプラットフォームの整備の両面から取り組むことで、この市場における優位性を確立し、シェアの拡大を目指します。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
インターネットを取り巻く昨今の事業環境下においては、ブロードバンド固定回線にかわってスマートフォンを中心としたモバイル通信網の普及が進み、インターネットの利用方法もモバイル通信にシフトしています。モバイル通信においてはいわゆる3大キャリアが通信料金の低額化や契約態様の見直しを進めていることにともない、MVNE・MVNOサービスとの直接の競合となる局面も出てきました。また、第5世代移動通信システムのサービス開始を目前に控え、通信事業者の収益獲得のための活動はさらに活発になると同時に更なる競争の激化が進みつつあります。
こうした状況下において、当連結会計年度はモバイル事業の継続成長を図るとともに、ヘルステック事業やHome IT事業等の生活領域の新規事業に注力してまいりました。また、これら事業を実施するにあたり、当社グループの複数のサービスをレイヤーに捉われない統合的なサービスとして提供するため、グループ内の技術や人的リソースの連携、ネットワーク資産の効率化などを進めてまいります。
以上の取り組みにおいては、それぞれ次のような対処すべき課題があると認識しています。
(インターネット接続サービス市場環境の変化について)
スマートフォンやタブレットなどの高機能モバイル通信機器の普及によるモバイル通信環境における著しい利便性の向上により、インターネットへの接続がこれまでの固定回線によるものからモバイルデータ通信へと加速度的にシフトしています。ブロードバンドの固定回線は一定の普及により増加率は鈍化している一方で、NTTグループ(日本電信電話株式会社の連結子会社)を中心としてIPv6(IPoE)への移行が進みつつあります。一方で、各社のサービスの多様化や、新規のMNO事業者の誕生に象徴されるように、モバイル通信の提供事業者間の競争は激化しています。また、第5世代移動通信システムの整備が全国的に進む中、各事業者の次世代通信網への対応が喫緊の課題となっています。
当社グループでは、このような環境の変化を機敏に捉え、ユーザーのニーズを見据えた新たなサービスを開発し、いち早く提供を行うなど、必要と考えられる施策を推進していますが、今後もインターネット接続サービス市場環境の変化には影響を受ける可能性があるため、これらの環境に即応するとともに、これまでの実績や経験に裏付けされた利便性の高い安定した新しいサービスの開発が重要であると認識しています。
(モバイル端末を中心としたモバイル通信網サービスの対応について)
MVNE・MVNO事業は、無線通信インフラ(移動体回線網)を有する事業者から借り受けてサービスを提供することになるため、他社のMVNE・MVNO事業との差別化が困難であると言われています。
当社グループでは、長年のインターネット接続サービスの提供で培ってきたネットワーク技術やノウハウを活用し、また、グループ内の様々な付加価値サービスと組み合わせ、新しい仕組みを提供することにより差別化を図り、より安価で高品質な無線通信サービスを提供できるよう、継続的な技術開発に努めることが必要であると認識しています。
(MVNE・MVNO事業のユーザー層の拡大への対応について)
MVNE・MVNOが着実に普及をしている中、これらのサービスを利用するユーザー層が、これまでのインターネット通信サービスに関してある程度の知識を有している顧客から、これまでインターネット通信サービスに深く係わってこなかった、3大キャリアであるMNOのフィーチャーフォン(ガラパゴス・ケータイ)サービスを利用してきた顧客へとその層が広がっています。そのため、MNOとのサービス構成やサービス内容の違い、サポート体制の差異について契約時に認識をしていない顧客が増えており、また、同時に事業者間の競争が激化する中で広告宣伝方法も多様化しているため、一部の事業者では顧客が思っていたサービスを受けられずトラブルとなっている事象も見受けられます。このような事業環境の中、政府も事業者による適切な顧客対応に関するガイドラインを強力に推し進めており、当社グループでも、一般消費者に対してMVNOサービスを提供している連結子会社もあることから、顧客のインターネット通信サービスへの理解度に応じてサポートを充実させたサービス展開に努めておりますが、今後も顧客層の変化に対応した、わかりやすいサービス提供に努めることが必要であると認識しています。
(クラウドコンピューティング事業の展開について)
仮想化技術を利用したクラウドコンピューティングの市場は近年急速に広がっており、当社グループにおいても巨大な仮想データセンターから個人利用目的のパーソナルサーバーまで、様々なサービスを提供しています。
このようなお客様のデータを預かるサービスでは、安定的な運用を行うことにより、顧客との良好な関係維持に努めることが重要です。
一方で、仮想化技術は高度な監視体制、効率的なシステムの冗長化と分散化、新しい技術の継続的な導入が必要な分野であり、人的体制も含めて、継続的な運用や開発体制の強化と改善が必要であると認識しています。
(IoT市場への対応について)
インターネットの普及により、通信分野では、これまでの人対人を中心としたものに加え、機器と機器がデータをやりとりするIoTが急激に拡大しております。このようなIoTの通信においては、大量のIP(インターネットプロトコル)アドレスを必要とするため、次世代プロトコルであるIPv6の利用が不可欠であり、IPv6関連の技術開発を長年行ってきた当社グループにとっては大きなビジネスチャンスであると捉えています。
当社グループでは、IoT市場における中心的な役割を担うべく、国内外を問わず多くのパートナー企業との連携や、これまでインターネットに接続することのなかった家電を取り扱うメーカー、新規の通信サービスを提供しようとするサービサー等に対して、積極的に当社グループの技術・サービスを提供するように働きかけるため、新技術に関する営業力の強化、継続的な技術開発による最先端のサービスの提供及び当社グループの技術を保護するための知財関連の強化等が肝要であると認識しています。
(関係会社管理の徹底及び社内管理体制と従業員教育の強化)
当社グループでは、当社のみならず各連結子会社を通じて、インターネットインフラを中心として多岐にわたる事業を展開しており、各社にて新規人員の採用や教育を行っています。人員の交流も積極的に行っていますが、事業の拡大に伴い、さらにグループ全体の管理の徹底及び従業員教育の向上が必要であると認識しています。
そのため、子会社の計数管理の徹底、統一的な監査の実施を通じて適切な子会社管理を行い、グループ内の内部通報制度の周知等を通じてコンプライアンス意識の向上に努めるとともに、企業理念や経営方針、統一的な教育プログラムをグループ各社で共有し浸透させることで、当社グループ社員の連帯意識の強化を図り、グループ会社間の枠に捉われない発展を促します。
また、内部統制の観点でも、金融商品取引法等に基づく財務報告の信頼性を確保するために必要な内部統制の整備や構築等を行ってまいりましたが、さらにグループを通じて、内部統制強化のための連携、改善等を継続的に行っていく必要があると認識しています。
そのため、各グループ会社の監査役、内部監査室の連携を促進し、また、継続的な従業員教育を通して、コーポレートガバナンスの充実及び法令遵守の徹底にグループ全社をあげて取り組んでいます。