有価証券報告書-第14期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
当記載内容は、特段の記述がない限り、有価証券報告書の提出日(2021年6月28日)現在の内容となります。
① 企業統治の体制
(コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方)
当社は、新しくグループに参加する人の多様化に対応するために、当社の目指していることや大切にしている価値観をよりわかりやすくするように企業理念を再定義すると同時に、この企業理念に基づき、コーポレート・ガバナンスを経営の最重要事項の一つとして位置付け、またコーポレート・ガバナンスコードへの対応も踏まえ、継続的な強化を図るため、2021年3月29日開催の取締役会決議により「コーポレート・ガバナンス基本方針」を新設(2021年4月1日施行)し、当社のウェブサイトに公表しております。また、同方針に基づくコーポレート・ガバナンスの実効性に関する方針として、同日付で「コンプライアンス基本方針」「リスクマネジメント基本方針」「情報セキュリティ基本方針」を新設しております。
「コーポレート・ガバナンス基本方針」の概要は、以下のとおりであります。
・株主の権利
当社、株主の権利を尊重し、株主の平等性を確保するとともに株主が適切に権利行使できる環境の整備に努めます。
・ステークホルダーとの協働
当社は、株主以外の従業員、お客様、取引先等のステークホルダーとの適切な協働に努め、持続的な企業価値の向上を図ります。
・適切な情報開示と透明性の確保
当社は、株主及びステークホルダーからの信頼を得るため、透明性の高い情報開示を積極的に行い、ビジョンとその実現に向けた経営戦略等をわかりやすく伝えるための統合的な情報開示に努めます。
・取締役会等の責務
当社の取締役会は、ミッション「はたらく力で、イキイキをつくる。」のもと、高い成長性をともなった持続的な企業価値向上の実現に向けて、迅速な意思決定を行うため執行権限を執行役員に委譲し、主要な役割を経営の監督とすることで実効性の高い監督機能を発揮するとともに、公正かつ最善の意思決定を行います。
取締役会の構成は、組織内の視点だけに偏らず、幅広い視点から実効性を伴った監督機能を果たせるよう取締役の半数を独立役員にするとともに、多様な観点からの議論が可能となるよう、関連分野の知識、能力、業界経験、年齢、性別などの多様性を考慮した構成とします。
取締役及び業務執行を担う執行役員の指名及び報酬の決定のため、外部有識者が過半数を占める諮問委員会を設置し透明性を確保します。また、成長のためのリスクテイクを支える短期と中長期の視点からバランスのとれた報酬体系を整備するとともに、リスクを適切に管理するための体制を整備し、継続的にその体制と運用の監督を行います。
・株主との対話
当社は、中長期的な企業価値の向上のための経営の方向性や戦略を示し、株主との建設的な対話に努めるとともに、そのための体制整備や株主構造の把握に努めます。
・高い倫理観と企業文化
当社は、雇用と生産活動を支える公共的インフラを提供し、一人ひとりの人生と向き合う事に対する社会的責任の自覚のもと、各国の法令はもちろん人権をはじめとする国際的な規範を高い水準で遵守し、持続可能な社会に貢献する企業文化の醸成に努めます。
(会社機関の概要)
a.取締役会
当社では、当社グル―プの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に貢献できる人物であり、当社との間に特別な利害関係のない社外取締役を選任しております。当社の取締役会は7名で構成し、うち4名が社外取締役となっております。取締役会は、代表取締役社長を議長とし、当社及び当社グループの業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する権限を有しております。また、取締役の責任の明確化と機動的な取締役会の構築を図るため、取締役の任期は1年としております。取締役会は、月1回開催される定時取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、経営の監督にあたっております。
議 長:若山陽一(代表取締役社長)
構成員:渡邊祐治、外村学、鉢嶺登(社外取締役)、吉松徹郎(社外取締役)、井垣太介(社外取締役)、佐々木裕子(社外取締役)、福森正人、小松理一郎(社外監査役)、水上博和(社外監査役)、吉田博之(社外監査役)
b.監査役会
当社では、経営執行に関する監査は、監査役による監査体制を強化・充実させることにより充分に機能するという考えから、従来の監査役制度を継続しております。監査役4名のうち3名が社外監査役で構成される監査役会は、コーポレート・ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常の経営活動の監査を行っております。監査役は、取締役会に出席するとともに、取締役、役員、従業員及び会計監査人から事業の報告を求め、業務や財産を調査する法律上、監査役に認められている監査権限を行使しております。また、常勤監査役は、経営会議等の重要な会議への出席や事業場への往査を行うこと等により実効性のあるモニタリングに取り組んでおります。さらには、グループ各社の監査状況の把握と情報交換を目的としてUTグループ監査連絡会を設置して、監査役及び内部監査室との連携を図り、グループ全体のガバナンスを有効に機能させるための体制を整えております。
議 長:小松理一郎(社外監査役)
構成員:福森正人、水上博和(社外監査役)、吉田博之(社外監査役)
c.指名委員会
当社では、取締役候補者及び監査役候補者の指名に関する手続きの透明性及び客観性を確保するとともに、取締役会の説明責任を強化することを目的として、取締役会の任意の諮問機関として指名委員会を設置しております。社外の弁護士を委員長とする指名委員会は、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に貢献し得る人物を指名し、取締役会へ付議することとしております。
議 長:塩崎彰久(弁護士)
構成員:岡芹健夫(弁護士)、若山陽一、渡邊祐治、外村学、鉢嶺登(社外取締役)、吉松徹郎(社外取締役)、井垣太介(社外取締役)、福森正人、小松理一郎(社外監査役)
d.コンプライアンス・リスク管理会議
当社では、取締役会の諮問機関として、コンプライアンス担当部署を管掌する部門の責任者を議長とし、社外の弁護士も参加するUTグループコンプライアンス・リスク管理会議を月1回開催しております。UTグループコンプライアンス・リスク管理会議は、当社及び当社グループにおけるコンプライアンスに関する方針、活動実施計画に関する審議、法令遵守及び公正な職務執行を確保するための必要事項の検討並びに法令・社内ルール違反行為に関する調査と再発防止策の策定を行っております。また、当社及び当社グループにおける管理すべきリスクの種類を把握し、そのリスクの管理・評価を行い、リスク発生の未然防止を図るとともに、リスクが発生した場合の損失の最小化及び再発防止策の策定を行っております。
議 長:山田隆仁
構成員:岡芹健夫(弁護士)、高谷裕介(弁護士)、渡邊祐治、外村学、筑井信行、山田津寿、保苅浩史、福森正人、小松理一郎(社外監査役)
e.IT投資委員会
当社では、取締役会の諮問機関として、当社及び当社グループにおけるIT投資の内容が、事業運営上短期的・中期的に判断して、合理性のあることを審議及び意思決定することを目的にIT投資委員会を適宜開催しております。IT投資委員会は、代表取締役社長を委員長とし、ITに関する社外有識者、常勤取締役等で構成し、経営上の課題に対するITシステムによるソリューションの検討、投資判断の妥当性及び投資後の効果検証等について議論を行っております。
議 長:若山陽一(代表取締役社長)
構成員:樋田真、渡邊祐治、外村学、山田隆仁
f.経営会議
当社では、執行役員による業務執行上の重要な事項について、執行状況及び課題を報告するとともに、取締役会での付議事項の方針の審議及び取締役会で決議された経営の基本方針に関する具体的執行方法について決議するため、代表取締役社長を議長とし、常勤取締役及び執行役員で構成する経営会議を年間スケジュールに基づき開催しております。なお、当社執行役員は、当社グループ会社の取締役を兼務し、当社グループ方針に基づく子会社の事業戦略、事業計画等の重要事項の策定を経営会議等において当社の事前承認事項とすることにより、子会社の経営管理を行っております。
議 長:若山陽一(代表取締役社長)
構成員:渡邊祐治、外村学、筑井信行、山田津寿、山岸建太郎、守安智、山田隆仁、福森正人、小松理一郎(社外監査役)
g.ガバナンス検討会
当社では、取締役会による監督、監査役監査、内部監査等を包括的に点検、改善し、ガバナンス強化を図ることを目的にガバナンス検討会を原則6ヶ月に1回開催するほか、必要に応じて臨時のガバナンス検討会を開催することにしております。ガバナンス検討会は、常勤監査役を議長とし、社外取締役と社外監査役を含む監査役で構成し、コーポレート・ガバナンス上の情報共有を行うとともに意見交換を行い、必要に応じて取締役会へ上申しております。
議 長:小松理一郎(社外監査役)
構成員:鉢嶺登(社外取締役)、吉松徹郎(社外取締役)、井垣太介(社外取締役)、佐々木裕子(社外取締役)、福森正人、水上博和(社外監査役)、吉田博之(社外監査役)
h.内部監査室
代表取締役社長が直轄する組織である内部監査室は、内部監査計画に基づき、グル―プ全体を対象に経営組織の整備状況、業務運営の準拠性及び効率性を検討・評価し、その結果を代表取締役社長及び監査役に報告しております。また、監査役と連携して、グループ全体のガバナンスや内部統制システムの有効性を監査しております。
(コーポレート・ガバナンス体制に関する模式図)

(現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用する理由)
当社は、取締役7名のうち、社外取締役を4名選任することにより、取締役会の独立性と経営の透明性及び客観性を高め、経営の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの維持向上に努めております。また、取締役会の業務執行権限の一部を執行役員に委譲し、各執行役員の責任の範囲を明確にすることで経営監督機能と業務執行機能をより一層強化するため執行役員制度を導入し、経営判断の迅速化を図っております。加えて、当社は、経営に関する監督は、監査役による監査体制を強化・充実させることにより充分に機能することができるという考えから、従来の監査役制度を継続しております。監査役4名のうち独立性及び高度な専門的知識を有した社外監査役3名で構成される監査役会は、コーポレート・ガバナンス体制強化に寄与しているものと考えております。これらの体制によりコーポレート・ガバナンス体制は充分に機能していると考えております。
② 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
当社では、内部統制システムの強化を重要な経営課題の一つとして捉え、グループ全体の業務プロセスを適正に維持することにより、法令等の遵守、業務の有効性及び効率性、経営の透明性を確保したいと考えており、「内部統制システムの基本方針」を定めております。
a.当社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.当社及び当社グループ全体に影響を及ぼす経営業務執行上の重要な事項については、取締役会において決定します。代表取締役は、会社の業務執行状況及び重要と認められる事項について取締役会に報告します。また、取締役の業務執行に関する監督機能を維持強化するため、社外取締役を選任します。
ロ.取締役会の諮問機関として、コンプライアンス担当部署を管掌する部門の責任者を議長とし社外弁護士も参加するUTグループコンプライアンス・リスク管理会議を設置し、当社及び当社グループにおけるコンプライアンスに関する方針、活動実施計画に関する審議、法令遵守及び公正な職務執行を確保するための必要事項の検討並びに法令・社内ルール違反行為に関する調査と再発防止策の策定を行います。
ハ.「UTグループ行動指針」及び「UTグループコンプライアンス行動規範」において、法令や社会的規範及び社内規程等のルールを遵守して適正な行動をとることを規定し、当社及び当社グループの役員及び従業員が遵守することを周知します。
ニ.コンプライアンス推進については、「UTグループコンプライアンス・マニュアル」を制定し、当社及び当社グループの役員及び従業員が、それぞれの立場でコンプライアンスを自らの問題として業務運営にあたるよう、研修等を通じて指導します。
ホ.内部通報制度を設け、組織的又は個人的な法令違反行為ないし不正行為等に関する相談又は通報の適切な処理の仕組みにより、不正行為等による不祥事の防止及び早期発見、自浄作用の機動性の向上を図ります。
へ.内部監査室を設置し、経営組織の整備状況、業務運営の準拠性、有効性及び効率性を検討、評価、報告することにより、内部統制の維持・改善を行います。
b.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
イ.当社は、法令並びに「文書管理規程」及び「取締役会規程」に基づき、取締役会の議事録とそれらの資料等の適切な保存及び管理を行います。
ロ.情報の管理や保存期間等については、「情報セキュリティ管理規程」及び「UTグループコンプライアンス・マニュアル」を定め、情報の保存及び管理体制を整備します。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ.当社は、UTグループコンプライアンス・リスク管理会議において、当社及び当社グループにおける管理すべきリスクの種類を把握し、そのリスクの管理・評価を行い、リスク発生の未然防止を図るとともに、リスクが発生した場合の損失の最小化及び再発防止策の策定を行います。
ロ.有事においては、被害を最小限にすることを目的とした「有事対応に関する規程」に準じて迅速かつ適切に対処します。また、代表取締役を本部長とする「緊急対策本部」が統括して危機管理にあたることとします。
d.当社の取締役の職務の執行が効率的に行われていることを確保するための体制
イ.当社は、定例の取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、重要事項の決定並びに取締役の職務執行状況の監督等を行います。なお、変化の激しい経営環境に機敏に対応するため、取締役の任期は1年とします。
ロ.当社は、「取締役会規程」において、取締役会の決議事項及び報告事項を明確にするとともに、「職務権限規程」において、業務執行に関する各組織や各職位の責任と権限を明確にします。
ハ.当社は、取締役の業務執行の決定権限の一部を執行役員に委譲することで、経営監督機能と業務執行機能を分離し、取締役会の実効性を向上させることを目的として執行役員制度を導入します。
ニ.当社は、代表取締役を議長とし、常勤取締役及び執行役員で構成する経営会議において、業務執行上の重要な事項について審議します。
e.当社及び子会社からなる企業グループにおける業務の適正を確保するための体制
イ.当社は、当社グループの事業を統括する持株会社として、当社グループの企業価値を最大化する観点から、子会社に対し、適切に株主権を行使するとともに、「関係会社管理規程」に則り、子会社に対し、経営状況、業務執行状況及び、財務状況に関する定期的な報告を受け、子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われているか経営会議において確認します。
ロ.子会社の経営については、当社執行役員が兼務する当社グループ会社の取締役又は当社が選任した当社グループ会社の取締役が、当社グループ方針に基づく子会社の事業戦略、事業計画等の重要事項の策定を当社の事前承認事項とすること等により、子会社の経営管理を行います。孫会社の経営管理は、原則として、子会社を通じて行います。
ハ.UTグループコンプライアンス・リスク管理会議は、当社グループ全体のコンプライアンスを統括・推進し、当社の内部監査室が、「関係会社管理規程」及び「内部監査規程」に基づき法令や定款、社内規程等への適合等の観点から子会社の監査を実施します。
ニ.「UTグループ行動指針」、「UTグループコンプライアンス行動規範」及び「UTグループコンプライアンス・マニュアル」を当社グループへ適用し、法令や社会的規範及び社内規程等のルールを遵守して適正な行動をとることを周知します。
f.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項及び監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
イ.監査役会において決議を行ったうえで、監査役より要請があった場合、必要に応じて、監査役の職務を補助する使用人を置くこととし、使用人は監査役専属で補助業務を行います。その人事については、取締役と監査役が意見交換を行い、監査役の同意を得ることとします。
ロ.取締役には、補助使用人に対する指揮命令権がないこととし、補助使用人は、監査役の指揮命令に従うこととします。
ハ.補助使用人の懲戒処分については、監査役の同意を得ることとします。
g.当社及び子会社からなる企業グループの取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役へ報告をするための体制
イ.常勤監査役は、重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するため、取締役会及びUTグループコンプライアンス・リスク管理会議などの重要な会議に出席するとともに、主要な稟議書その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、必要に応じて取締役又は従業員にその説明を求めます。
ロ. 監査役は、監査法人から会計監査内容について説明を受けるとともに、情報の交換を行うなど連携を図ります。
ハ.監査役は、子会社の役員及び従業員に対して業務執行に関する報告を求めることができ、報告を求められた子会社の役員及び従業員は速やかにこれに応じることとし、その点について子会社の役員及び従業員に周知します。子会社の役員及び従業員は、法令違反やその可能性を発見した場合には、速やかに監査役に報告します。
ニ.当社及びグループ会社共通の内部通報制度の情報について、担当部署は監査役へ定期的に報告します。
ホ.監査役へ報告した者に対しては、当該報告をしたことを理由とする不利益な取扱いを行うことを禁止し、その旨を役員及び従業員に周知します。
h.当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
取締役は、監査役による監査に協力し、監査に要する諸費用については、監査の実行を担保するべく予算を確保します。
i.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ.監査役は、取締役及び執行役員の業務執行の監査を行います。監査役は、取締役会及び経営会議その他重要な会議に出席し、必要に応じて適宜意見を述べます。
ロ.監査役は、法令、定款、監査役監査基準等の社内規程及び監査計画に基づき監査を行います。
ハ.監査役は、監査法人及び内部監査室との情報交換を定期的に行い、連携を深めるほか、代表取締役と定期的な面談を行います。
j.財務報告の信頼性を確保するための体制
イ.当社は、適正な会計処理を確保し、財務報告の信頼性を向上させるため、経理業務に関する各種規程を定めるとともに、情報開示に関する担当役員を置き、財務報告に係る内部統制の体制整備と有効性向上を図ります。
ロ.監査役は、「内部統制システムに係る監査の実施基準」に基づき財務報告内部統制に関する監査を実施します。
ハ.監査役は、財務報告内部統制が重大なリスクに対応していないと判断した場合には、必要に応じ監査役会における審議を経て、その旨を財務担当役員に対して適時かつ適切に指摘し、必要な改善を求めます。
k.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及び体制整備について
当社は、業務の適正を確保するための体制の一環として、以下のとおり反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方を明確にし、その体制を整備します。
イ.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方
当社は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断することを基本方針とし、すべての役員及び社員等に対して、反社会的勢力及びこれらと関係のある個人や団体の利用、これらへの資金提供や協力、加担などの一切の交流・関わりをもつことを禁止します。
ロ.反社会的勢力排除に向けた整備状況
ⅰ.反社会的勢力との関係を遮断することを「UTグループコンプライアンス・マニュアル」に定め、当社グループの役員及び従業員が遵守することを周知します。
ⅱ.当社及び当社グループ会社は、「反社会的勢力排除規程」「反社会的勢力調査・排除に関する細則」において、当社及び当社グループの締結する契約、その他あらゆる活動から反社会的勢力を排除するために必要な措置等について定めます。
ⅲ.反社会的勢力から接触を受けた等の場合は、担当部署が警察、弁護士と連携して対処します。
③ 業務の適正を確保するための体制の運用状況
当事業年度における「内部統制システムの基本方針」の運用状況の概要は、以下のとおりであります。
a.コンプライアンス体制
イ.当社は、法令、社会的規範及び社内規程等を遵守し、当社グループ全社の役員及び社員等が適正な行動をとることを目的として「UTグループ行動指針」「UTグループコンプライアンス行動規範」及び「UTグループコンプライアンス・マニュアル」を制定しております。当社グループ全社の役員及び社員等が、日常の業務を遂行する過程で遵守すべき行動基準を定め、当社グループ全社のコンプライアンス体制、法令遵守及びコンプライアンス規範について、周知・徹底を図っております。
ロ.当社は、当社グループ全社におけるコンプライアンスに関する方針、活動実施計画に関する審議、法令遵守及び社内ルール違反行為に関する調査と再発防止策の策定を行うことを目的として、社外の弁護士も参加するUTグループコンプライアンス・リスク管理会議を設置しており、当事業年度においては12回開催しております。会議では、コンプライアンス違反の事案共有に留まらず、リスクが発生した場合の損失の最小化及び再発防止のための対応策についても議論しております。
ハ.当社は、年に1回、当社グル―プ会社の役員及び社員等を対象に「コンプライアンス研修」を実施し、コンプライアンスに対する意識強化を図っております。
ニ. 当社は、内部通報制度として、当社グループ全社を対象とした相談・通報窓口を社内及び社外に設置し、不正行為等による不祥事の防止及び早期発見と自浄作用の機動性向上を図っております。
b.リスク管理体制
イ.当社は、UTグループコンプライアンス・リスク管理会議において、当社グループ全社におけるリスクの種類を把握し、リスクレベルの分類を行い、重要なリスクを優先して対応策を協議しております。また、リスクが発生した場合は、損失の最小化へ向けた方策及び再発防止策の策定を行っております。
ロ.リスクの顕在化及び災害発生時等の有事の場合は、「有事対応に関する規程」「事業継続計画(BCP)に関する規程」及び「初動対応に関する要領」に従い、対応することとしております。
ハ.情報セキュリティについては、情報セキュリティに関する行動規範を示し、高い情報セキュリティレベルを確保することを目的とした「情報セキュリティ管理規程」を制定し、管理体制を強化しております。また、当社グループ全社の役員及び社員等が、一人ひとりの情報セキュリティに対する意識を向上させるとともに、意識レベルを統一させることを目的として「UTグループ情報セキュリティマニュアル」を制定しております。適宜状況の変化に合わせてマニュアルの改定も行い、社内ネットワークの整備や記録媒体の使用制限を設ける等、情報漏えいリスクの軽減に努めております。
ニ.個人情報保護については、個人情報の適切な保護を目的とした「個人情報管理規程」及び特定個人情報等の適切な取扱いを確保することも目的とした「特定個人情報等取扱規程」を制定しております。また、コンプライアンス研修等において個人情報の管理に対する意識強化を図っております。
c.グループ管理体制
イ.子会社の経営管理については、「関係会社管理規程」を制定し、当社の子会社に対する諸手続き及び管理体制について定め、子会社に関する業務の円滑化と管理の適正化を図り、子会社を指導・育成しております。
ロ.当社執行役員が兼務する子会社の取締役又は当社が選任した子会社の取締役が、当社グループ方針に基づく子会社の事業戦略、事業計画等の重要事項の策定を当社の事前承認事項とすること等により、子会社の経営管理を行っております。
ハ.当社は、年間スケジュールに基づき開催される経営会議において子会社の代表取締役社長から経営状況等の報告を受ける等、子会社の現況を把握する体制をとっております。なお、当事業年度につきましては、経営会議を30回開催しております。
d.取締役の職務執行
イ.当社は、「取締役会規程」に基づき、取締役会を月1回開催するほか、必要に応じて臨時の取締役会を開催しております。法令や定款に定められた事項や経営上重要な事項について多面的に検討、決定するとともに、月次の業績評価を行い、取締役の職務執行の監督を行っております。
ロ.当社は、取締役7名のうち社外取締役を4名選任し、取締役会による取締役の職務執行の監督機能の強化を図っております。なお、当事業年度につきましては、取締役会を19回開催しております。
e.監査役の監査体制
イ.当社は、「監査役会規程」に基づき、監査役会を月1回開催するほか、必要に応じて臨時の監査役会を開催しております。「監査役監査基準」及び監査計画に基づき、取締役及び執行役員の業務の執行の監査を行っております。なお、当事業年度につきましては、監査役会を13回開催しております。
ロ.監査役は、取締役会及び経営会議、その他重要な会議に出席し、必要に応じて適宜意見を述べるとともに、法令、定款、「監査役監査基準」等の社内規程及び監査計画に基づき監査を行っております。
ハ.監査役は、監査法人及び内部監査室との情報交換を定期的に行い、連携を深めているほか、当社代表取締役との定期的な面談を行っております。
f.内部監査の実施
当社では、内部監査室が内部監査計画に基づき、当社及び子会社の内部監査を実施するとともに、監査結果を監査報告書として代表取締役及び常勤監査役に対し報告しております。
④ 株主総会の特別決議要件
当社は会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑤ 取締役の定数
当社の取締役は3名以上10名以下とする旨を定めております。
⑥ 取締役選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらないものとする旨を定めております。
⑦ 剰余金の配当
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定める旨を定款に定めております。また、当社は四半期配当制度を採用し、配当基準日を以下のとおり定めているほか、別途基準日を定めて剰余金を配当することが出来る旨を定めております。これらは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
各配当基準日は、以下のとおりであります。
第1四半期配当の基準日 6月30日
第2四半期配当の基準日 9月30日
第3四半期配当の基準日 12月31日
第4四半期配当の基準日 3月31日
⑧ 配当決議の方法
当社の剰余金の配当は、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により決定する旨を定めております。
⑨ 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものであります。
⑩ 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める限度額の範囲内としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該取締役(業務執行取締役等であるものを除く)または監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
⑪ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。同契約は、被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を当該保険契約により填補することとしております。保険料は全額当社が負担しております。なお、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の適正性が損なわれないように措置を講じております。
当記載内容は、特段の記述がない限り、有価証券報告書の提出日(2021年6月28日)現在の内容となります。
① 企業統治の体制
(コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方)
当社は、新しくグループに参加する人の多様化に対応するために、当社の目指していることや大切にしている価値観をよりわかりやすくするように企業理念を再定義すると同時に、この企業理念に基づき、コーポレート・ガバナンスを経営の最重要事項の一つとして位置付け、またコーポレート・ガバナンスコードへの対応も踏まえ、継続的な強化を図るため、2021年3月29日開催の取締役会決議により「コーポレート・ガバナンス基本方針」を新設(2021年4月1日施行)し、当社のウェブサイトに公表しております。また、同方針に基づくコーポレート・ガバナンスの実効性に関する方針として、同日付で「コンプライアンス基本方針」「リスクマネジメント基本方針」「情報セキュリティ基本方針」を新設しております。
「コーポレート・ガバナンス基本方針」の概要は、以下のとおりであります。
・株主の権利
当社、株主の権利を尊重し、株主の平等性を確保するとともに株主が適切に権利行使できる環境の整備に努めます。
・ステークホルダーとの協働
当社は、株主以外の従業員、お客様、取引先等のステークホルダーとの適切な協働に努め、持続的な企業価値の向上を図ります。
・適切な情報開示と透明性の確保
当社は、株主及びステークホルダーからの信頼を得るため、透明性の高い情報開示を積極的に行い、ビジョンとその実現に向けた経営戦略等をわかりやすく伝えるための統合的な情報開示に努めます。
・取締役会等の責務
当社の取締役会は、ミッション「はたらく力で、イキイキをつくる。」のもと、高い成長性をともなった持続的な企業価値向上の実現に向けて、迅速な意思決定を行うため執行権限を執行役員に委譲し、主要な役割を経営の監督とすることで実効性の高い監督機能を発揮するとともに、公正かつ最善の意思決定を行います。
取締役会の構成は、組織内の視点だけに偏らず、幅広い視点から実効性を伴った監督機能を果たせるよう取締役の半数を独立役員にするとともに、多様な観点からの議論が可能となるよう、関連分野の知識、能力、業界経験、年齢、性別などの多様性を考慮した構成とします。
取締役及び業務執行を担う執行役員の指名及び報酬の決定のため、外部有識者が過半数を占める諮問委員会を設置し透明性を確保します。また、成長のためのリスクテイクを支える短期と中長期の視点からバランスのとれた報酬体系を整備するとともに、リスクを適切に管理するための体制を整備し、継続的にその体制と運用の監督を行います。
・株主との対話
当社は、中長期的な企業価値の向上のための経営の方向性や戦略を示し、株主との建設的な対話に努めるとともに、そのための体制整備や株主構造の把握に努めます。
・高い倫理観と企業文化
当社は、雇用と生産活動を支える公共的インフラを提供し、一人ひとりの人生と向き合う事に対する社会的責任の自覚のもと、各国の法令はもちろん人権をはじめとする国際的な規範を高い水準で遵守し、持続可能な社会に貢献する企業文化の醸成に努めます。
(会社機関の概要)
a.取締役会
当社では、当社グル―プの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に貢献できる人物であり、当社との間に特別な利害関係のない社外取締役を選任しております。当社の取締役会は7名で構成し、うち4名が社外取締役となっております。取締役会は、代表取締役社長を議長とし、当社及び当社グループの業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する権限を有しております。また、取締役の責任の明確化と機動的な取締役会の構築を図るため、取締役の任期は1年としております。取締役会は、月1回開催される定時取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、経営の監督にあたっております。
議 長:若山陽一(代表取締役社長)
構成員:渡邊祐治、外村学、鉢嶺登(社外取締役)、吉松徹郎(社外取締役)、井垣太介(社外取締役)、佐々木裕子(社外取締役)、福森正人、小松理一郎(社外監査役)、水上博和(社外監査役)、吉田博之(社外監査役)
b.監査役会
当社では、経営執行に関する監査は、監査役による監査体制を強化・充実させることにより充分に機能するという考えから、従来の監査役制度を継続しております。監査役4名のうち3名が社外監査役で構成される監査役会は、コーポレート・ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常の経営活動の監査を行っております。監査役は、取締役会に出席するとともに、取締役、役員、従業員及び会計監査人から事業の報告を求め、業務や財産を調査する法律上、監査役に認められている監査権限を行使しております。また、常勤監査役は、経営会議等の重要な会議への出席や事業場への往査を行うこと等により実効性のあるモニタリングに取り組んでおります。さらには、グループ各社の監査状況の把握と情報交換を目的としてUTグループ監査連絡会を設置して、監査役及び内部監査室との連携を図り、グループ全体のガバナンスを有効に機能させるための体制を整えております。
議 長:小松理一郎(社外監査役)
構成員:福森正人、水上博和(社外監査役)、吉田博之(社外監査役)
c.指名委員会
当社では、取締役候補者及び監査役候補者の指名に関する手続きの透明性及び客観性を確保するとともに、取締役会の説明責任を強化することを目的として、取締役会の任意の諮問機関として指名委員会を設置しております。社外の弁護士を委員長とする指名委員会は、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に貢献し得る人物を指名し、取締役会へ付議することとしております。
議 長:塩崎彰久(弁護士)
構成員:岡芹健夫(弁護士)、若山陽一、渡邊祐治、外村学、鉢嶺登(社外取締役)、吉松徹郎(社外取締役)、井垣太介(社外取締役)、福森正人、小松理一郎(社外監査役)
d.コンプライアンス・リスク管理会議
当社では、取締役会の諮問機関として、コンプライアンス担当部署を管掌する部門の責任者を議長とし、社外の弁護士も参加するUTグループコンプライアンス・リスク管理会議を月1回開催しております。UTグループコンプライアンス・リスク管理会議は、当社及び当社グループにおけるコンプライアンスに関する方針、活動実施計画に関する審議、法令遵守及び公正な職務執行を確保するための必要事項の検討並びに法令・社内ルール違反行為に関する調査と再発防止策の策定を行っております。また、当社及び当社グループにおける管理すべきリスクの種類を把握し、そのリスクの管理・評価を行い、リスク発生の未然防止を図るとともに、リスクが発生した場合の損失の最小化及び再発防止策の策定を行っております。
議 長:山田隆仁
構成員:岡芹健夫(弁護士)、高谷裕介(弁護士)、渡邊祐治、外村学、筑井信行、山田津寿、保苅浩史、福森正人、小松理一郎(社外監査役)
e.IT投資委員会
当社では、取締役会の諮問機関として、当社及び当社グループにおけるIT投資の内容が、事業運営上短期的・中期的に判断して、合理性のあることを審議及び意思決定することを目的にIT投資委員会を適宜開催しております。IT投資委員会は、代表取締役社長を委員長とし、ITに関する社外有識者、常勤取締役等で構成し、経営上の課題に対するITシステムによるソリューションの検討、投資判断の妥当性及び投資後の効果検証等について議論を行っております。
議 長:若山陽一(代表取締役社長)
構成員:樋田真、渡邊祐治、外村学、山田隆仁
f.経営会議
当社では、執行役員による業務執行上の重要な事項について、執行状況及び課題を報告するとともに、取締役会での付議事項の方針の審議及び取締役会で決議された経営の基本方針に関する具体的執行方法について決議するため、代表取締役社長を議長とし、常勤取締役及び執行役員で構成する経営会議を年間スケジュールに基づき開催しております。なお、当社執行役員は、当社グループ会社の取締役を兼務し、当社グループ方針に基づく子会社の事業戦略、事業計画等の重要事項の策定を経営会議等において当社の事前承認事項とすることにより、子会社の経営管理を行っております。
議 長:若山陽一(代表取締役社長)
構成員:渡邊祐治、外村学、筑井信行、山田津寿、山岸建太郎、守安智、山田隆仁、福森正人、小松理一郎(社外監査役)
g.ガバナンス検討会
当社では、取締役会による監督、監査役監査、内部監査等を包括的に点検、改善し、ガバナンス強化を図ることを目的にガバナンス検討会を原則6ヶ月に1回開催するほか、必要に応じて臨時のガバナンス検討会を開催することにしております。ガバナンス検討会は、常勤監査役を議長とし、社外取締役と社外監査役を含む監査役で構成し、コーポレート・ガバナンス上の情報共有を行うとともに意見交換を行い、必要に応じて取締役会へ上申しております。
議 長:小松理一郎(社外監査役)
構成員:鉢嶺登(社外取締役)、吉松徹郎(社外取締役)、井垣太介(社外取締役)、佐々木裕子(社外取締役)、福森正人、水上博和(社外監査役)、吉田博之(社外監査役)
h.内部監査室
代表取締役社長が直轄する組織である内部監査室は、内部監査計画に基づき、グル―プ全体を対象に経営組織の整備状況、業務運営の準拠性及び効率性を検討・評価し、その結果を代表取締役社長及び監査役に報告しております。また、監査役と連携して、グループ全体のガバナンスや内部統制システムの有効性を監査しております。
(コーポレート・ガバナンス体制に関する模式図)

(現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用する理由)
当社は、取締役7名のうち、社外取締役を4名選任することにより、取締役会の独立性と経営の透明性及び客観性を高め、経営の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの維持向上に努めております。また、取締役会の業務執行権限の一部を執行役員に委譲し、各執行役員の責任の範囲を明確にすることで経営監督機能と業務執行機能をより一層強化するため執行役員制度を導入し、経営判断の迅速化を図っております。加えて、当社は、経営に関する監督は、監査役による監査体制を強化・充実させることにより充分に機能することができるという考えから、従来の監査役制度を継続しております。監査役4名のうち独立性及び高度な専門的知識を有した社外監査役3名で構成される監査役会は、コーポレート・ガバナンス体制強化に寄与しているものと考えております。これらの体制によりコーポレート・ガバナンス体制は充分に機能していると考えております。
② 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
当社では、内部統制システムの強化を重要な経営課題の一つとして捉え、グループ全体の業務プロセスを適正に維持することにより、法令等の遵守、業務の有効性及び効率性、経営の透明性を確保したいと考えており、「内部統制システムの基本方針」を定めております。
a.当社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.当社及び当社グループ全体に影響を及ぼす経営業務執行上の重要な事項については、取締役会において決定します。代表取締役は、会社の業務執行状況及び重要と認められる事項について取締役会に報告します。また、取締役の業務執行に関する監督機能を維持強化するため、社外取締役を選任します。
ロ.取締役会の諮問機関として、コンプライアンス担当部署を管掌する部門の責任者を議長とし社外弁護士も参加するUTグループコンプライアンス・リスク管理会議を設置し、当社及び当社グループにおけるコンプライアンスに関する方針、活動実施計画に関する審議、法令遵守及び公正な職務執行を確保するための必要事項の検討並びに法令・社内ルール違反行為に関する調査と再発防止策の策定を行います。
ハ.「UTグループ行動指針」及び「UTグループコンプライアンス行動規範」において、法令や社会的規範及び社内規程等のルールを遵守して適正な行動をとることを規定し、当社及び当社グループの役員及び従業員が遵守することを周知します。
ニ.コンプライアンス推進については、「UTグループコンプライアンス・マニュアル」を制定し、当社及び当社グループの役員及び従業員が、それぞれの立場でコンプライアンスを自らの問題として業務運営にあたるよう、研修等を通じて指導します。
ホ.内部通報制度を設け、組織的又は個人的な法令違反行為ないし不正行為等に関する相談又は通報の適切な処理の仕組みにより、不正行為等による不祥事の防止及び早期発見、自浄作用の機動性の向上を図ります。
へ.内部監査室を設置し、経営組織の整備状況、業務運営の準拠性、有効性及び効率性を検討、評価、報告することにより、内部統制の維持・改善を行います。
b.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
イ.当社は、法令並びに「文書管理規程」及び「取締役会規程」に基づき、取締役会の議事録とそれらの資料等の適切な保存及び管理を行います。
ロ.情報の管理や保存期間等については、「情報セキュリティ管理規程」及び「UTグループコンプライアンス・マニュアル」を定め、情報の保存及び管理体制を整備します。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ.当社は、UTグループコンプライアンス・リスク管理会議において、当社及び当社グループにおける管理すべきリスクの種類を把握し、そのリスクの管理・評価を行い、リスク発生の未然防止を図るとともに、リスクが発生した場合の損失の最小化及び再発防止策の策定を行います。
ロ.有事においては、被害を最小限にすることを目的とした「有事対応に関する規程」に準じて迅速かつ適切に対処します。また、代表取締役を本部長とする「緊急対策本部」が統括して危機管理にあたることとします。
d.当社の取締役の職務の執行が効率的に行われていることを確保するための体制
イ.当社は、定例の取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、重要事項の決定並びに取締役の職務執行状況の監督等を行います。なお、変化の激しい経営環境に機敏に対応するため、取締役の任期は1年とします。
ロ.当社は、「取締役会規程」において、取締役会の決議事項及び報告事項を明確にするとともに、「職務権限規程」において、業務執行に関する各組織や各職位の責任と権限を明確にします。
ハ.当社は、取締役の業務執行の決定権限の一部を執行役員に委譲することで、経営監督機能と業務執行機能を分離し、取締役会の実効性を向上させることを目的として執行役員制度を導入します。
ニ.当社は、代表取締役を議長とし、常勤取締役及び執行役員で構成する経営会議において、業務執行上の重要な事項について審議します。
e.当社及び子会社からなる企業グループにおける業務の適正を確保するための体制
イ.当社は、当社グループの事業を統括する持株会社として、当社グループの企業価値を最大化する観点から、子会社に対し、適切に株主権を行使するとともに、「関係会社管理規程」に則り、子会社に対し、経営状況、業務執行状況及び、財務状況に関する定期的な報告を受け、子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われているか経営会議において確認します。
ロ.子会社の経営については、当社執行役員が兼務する当社グループ会社の取締役又は当社が選任した当社グループ会社の取締役が、当社グループ方針に基づく子会社の事業戦略、事業計画等の重要事項の策定を当社の事前承認事項とすること等により、子会社の経営管理を行います。孫会社の経営管理は、原則として、子会社を通じて行います。
ハ.UTグループコンプライアンス・リスク管理会議は、当社グループ全体のコンプライアンスを統括・推進し、当社の内部監査室が、「関係会社管理規程」及び「内部監査規程」に基づき法令や定款、社内規程等への適合等の観点から子会社の監査を実施します。
ニ.「UTグループ行動指針」、「UTグループコンプライアンス行動規範」及び「UTグループコンプライアンス・マニュアル」を当社グループへ適用し、法令や社会的規範及び社内規程等のルールを遵守して適正な行動をとることを周知します。
f.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項及び監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
イ.監査役会において決議を行ったうえで、監査役より要請があった場合、必要に応じて、監査役の職務を補助する使用人を置くこととし、使用人は監査役専属で補助業務を行います。その人事については、取締役と監査役が意見交換を行い、監査役の同意を得ることとします。
ロ.取締役には、補助使用人に対する指揮命令権がないこととし、補助使用人は、監査役の指揮命令に従うこととします。
ハ.補助使用人の懲戒処分については、監査役の同意を得ることとします。
g.当社及び子会社からなる企業グループの取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役へ報告をするための体制
イ.常勤監査役は、重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するため、取締役会及びUTグループコンプライアンス・リスク管理会議などの重要な会議に出席するとともに、主要な稟議書その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、必要に応じて取締役又は従業員にその説明を求めます。
ロ. 監査役は、監査法人から会計監査内容について説明を受けるとともに、情報の交換を行うなど連携を図ります。
ハ.監査役は、子会社の役員及び従業員に対して業務執行に関する報告を求めることができ、報告を求められた子会社の役員及び従業員は速やかにこれに応じることとし、その点について子会社の役員及び従業員に周知します。子会社の役員及び従業員は、法令違反やその可能性を発見した場合には、速やかに監査役に報告します。
ニ.当社及びグループ会社共通の内部通報制度の情報について、担当部署は監査役へ定期的に報告します。
ホ.監査役へ報告した者に対しては、当該報告をしたことを理由とする不利益な取扱いを行うことを禁止し、その旨を役員及び従業員に周知します。
h.当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
取締役は、監査役による監査に協力し、監査に要する諸費用については、監査の実行を担保するべく予算を確保します。
i.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ.監査役は、取締役及び執行役員の業務執行の監査を行います。監査役は、取締役会及び経営会議その他重要な会議に出席し、必要に応じて適宜意見を述べます。
ロ.監査役は、法令、定款、監査役監査基準等の社内規程及び監査計画に基づき監査を行います。
ハ.監査役は、監査法人及び内部監査室との情報交換を定期的に行い、連携を深めるほか、代表取締役と定期的な面談を行います。
j.財務報告の信頼性を確保するための体制
イ.当社は、適正な会計処理を確保し、財務報告の信頼性を向上させるため、経理業務に関する各種規程を定めるとともに、情報開示に関する担当役員を置き、財務報告に係る内部統制の体制整備と有効性向上を図ります。
ロ.監査役は、「内部統制システムに係る監査の実施基準」に基づき財務報告内部統制に関する監査を実施します。
ハ.監査役は、財務報告内部統制が重大なリスクに対応していないと判断した場合には、必要に応じ監査役会における審議を経て、その旨を財務担当役員に対して適時かつ適切に指摘し、必要な改善を求めます。
k.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及び体制整備について
当社は、業務の適正を確保するための体制の一環として、以下のとおり反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方を明確にし、その体制を整備します。
イ.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方
当社は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断することを基本方針とし、すべての役員及び社員等に対して、反社会的勢力及びこれらと関係のある個人や団体の利用、これらへの資金提供や協力、加担などの一切の交流・関わりをもつことを禁止します。
ロ.反社会的勢力排除に向けた整備状況
ⅰ.反社会的勢力との関係を遮断することを「UTグループコンプライアンス・マニュアル」に定め、当社グループの役員及び従業員が遵守することを周知します。
ⅱ.当社及び当社グループ会社は、「反社会的勢力排除規程」「反社会的勢力調査・排除に関する細則」において、当社及び当社グループの締結する契約、その他あらゆる活動から反社会的勢力を排除するために必要な措置等について定めます。
ⅲ.反社会的勢力から接触を受けた等の場合は、担当部署が警察、弁護士と連携して対処します。
③ 業務の適正を確保するための体制の運用状況
当事業年度における「内部統制システムの基本方針」の運用状況の概要は、以下のとおりであります。
a.コンプライアンス体制
イ.当社は、法令、社会的規範及び社内規程等を遵守し、当社グループ全社の役員及び社員等が適正な行動をとることを目的として「UTグループ行動指針」「UTグループコンプライアンス行動規範」及び「UTグループコンプライアンス・マニュアル」を制定しております。当社グループ全社の役員及び社員等が、日常の業務を遂行する過程で遵守すべき行動基準を定め、当社グループ全社のコンプライアンス体制、法令遵守及びコンプライアンス規範について、周知・徹底を図っております。
ロ.当社は、当社グループ全社におけるコンプライアンスに関する方針、活動実施計画に関する審議、法令遵守及び社内ルール違反行為に関する調査と再発防止策の策定を行うことを目的として、社外の弁護士も参加するUTグループコンプライアンス・リスク管理会議を設置しており、当事業年度においては12回開催しております。会議では、コンプライアンス違反の事案共有に留まらず、リスクが発生した場合の損失の最小化及び再発防止のための対応策についても議論しております。
ハ.当社は、年に1回、当社グル―プ会社の役員及び社員等を対象に「コンプライアンス研修」を実施し、コンプライアンスに対する意識強化を図っております。
ニ. 当社は、内部通報制度として、当社グループ全社を対象とした相談・通報窓口を社内及び社外に設置し、不正行為等による不祥事の防止及び早期発見と自浄作用の機動性向上を図っております。
b.リスク管理体制
イ.当社は、UTグループコンプライアンス・リスク管理会議において、当社グループ全社におけるリスクの種類を把握し、リスクレベルの分類を行い、重要なリスクを優先して対応策を協議しております。また、リスクが発生した場合は、損失の最小化へ向けた方策及び再発防止策の策定を行っております。
ロ.リスクの顕在化及び災害発生時等の有事の場合は、「有事対応に関する規程」「事業継続計画(BCP)に関する規程」及び「初動対応に関する要領」に従い、対応することとしております。
ハ.情報セキュリティについては、情報セキュリティに関する行動規範を示し、高い情報セキュリティレベルを確保することを目的とした「情報セキュリティ管理規程」を制定し、管理体制を強化しております。また、当社グループ全社の役員及び社員等が、一人ひとりの情報セキュリティに対する意識を向上させるとともに、意識レベルを統一させることを目的として「UTグループ情報セキュリティマニュアル」を制定しております。適宜状況の変化に合わせてマニュアルの改定も行い、社内ネットワークの整備や記録媒体の使用制限を設ける等、情報漏えいリスクの軽減に努めております。
ニ.個人情報保護については、個人情報の適切な保護を目的とした「個人情報管理規程」及び特定個人情報等の適切な取扱いを確保することも目的とした「特定個人情報等取扱規程」を制定しております。また、コンプライアンス研修等において個人情報の管理に対する意識強化を図っております。
c.グループ管理体制
イ.子会社の経営管理については、「関係会社管理規程」を制定し、当社の子会社に対する諸手続き及び管理体制について定め、子会社に関する業務の円滑化と管理の適正化を図り、子会社を指導・育成しております。
ロ.当社執行役員が兼務する子会社の取締役又は当社が選任した子会社の取締役が、当社グループ方針に基づく子会社の事業戦略、事業計画等の重要事項の策定を当社の事前承認事項とすること等により、子会社の経営管理を行っております。
ハ.当社は、年間スケジュールに基づき開催される経営会議において子会社の代表取締役社長から経営状況等の報告を受ける等、子会社の現況を把握する体制をとっております。なお、当事業年度につきましては、経営会議を30回開催しております。
d.取締役の職務執行
イ.当社は、「取締役会規程」に基づき、取締役会を月1回開催するほか、必要に応じて臨時の取締役会を開催しております。法令や定款に定められた事項や経営上重要な事項について多面的に検討、決定するとともに、月次の業績評価を行い、取締役の職務執行の監督を行っております。
ロ.当社は、取締役7名のうち社外取締役を4名選任し、取締役会による取締役の職務執行の監督機能の強化を図っております。なお、当事業年度につきましては、取締役会を19回開催しております。
e.監査役の監査体制
イ.当社は、「監査役会規程」に基づき、監査役会を月1回開催するほか、必要に応じて臨時の監査役会を開催しております。「監査役監査基準」及び監査計画に基づき、取締役及び執行役員の業務の執行の監査を行っております。なお、当事業年度につきましては、監査役会を13回開催しております。
ロ.監査役は、取締役会及び経営会議、その他重要な会議に出席し、必要に応じて適宜意見を述べるとともに、法令、定款、「監査役監査基準」等の社内規程及び監査計画に基づき監査を行っております。
ハ.監査役は、監査法人及び内部監査室との情報交換を定期的に行い、連携を深めているほか、当社代表取締役との定期的な面談を行っております。
f.内部監査の実施
当社では、内部監査室が内部監査計画に基づき、当社及び子会社の内部監査を実施するとともに、監査結果を監査報告書として代表取締役及び常勤監査役に対し報告しております。
④ 株主総会の特別決議要件
当社は会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑤ 取締役の定数
当社の取締役は3名以上10名以下とする旨を定めております。
⑥ 取締役選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらないものとする旨を定めております。
⑦ 剰余金の配当
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定める旨を定款に定めております。また、当社は四半期配当制度を採用し、配当基準日を以下のとおり定めているほか、別途基準日を定めて剰余金を配当することが出来る旨を定めております。これらは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
各配当基準日は、以下のとおりであります。
第1四半期配当の基準日 6月30日
第2四半期配当の基準日 9月30日
第3四半期配当の基準日 12月31日
第4四半期配当の基準日 3月31日
⑧ 配当決議の方法
当社の剰余金の配当は、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により決定する旨を定めております。
⑨ 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものであります。
⑩ 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める限度額の範囲内としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該取締役(業務執行取締役等であるものを除く)または監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
⑪ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。同契約は、被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を当該保険契約により填補することとしております。保険料は全額当社が負担しております。なお、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の適正性が損なわれないように措置を講じております。