有価証券報告書-第22期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 人材戦略の基本方針
(ⅰ)基本方針:社員と会社のパートナーシップ
昨今、働く人々の就労への意識の変化や人材流動化の加速等、人材マネジメントを取り巻く環境は大きく変化し続けております。当社グループは、こうした環境変化に対応しつつ、人材の観点からOur Vision(私たちのありたい姿)「感動できる人生を、いっしょに。」の実現を支えるために、「社員と会社のパートナーシップ」をコンセプトとした人材戦略を策定しております。

当該人材戦略は、社員が「お客さまや共に働く仲間に寄り添い理解し、貢献したいという強い意思」を持ち、「社会的課題の解決における自分ならではの『やりたいこと』を考え」、「『やりたいこと』の実現に向けて一歩を踏み出し、失敗を恐れず挑戦する」姿勢を持つ一方、会社が、社員にウェルビーイングを提供し多様性を尊重する自由闊達な環境を創り、組織の垣根を超えて必要な教育及びキャリアの機会並びに多様な働き方を提供し、社員の挑戦を成功・失敗の如何を問わず尊重・称賛し評価することで、社員と会社が相互に高め合うパートナーシップを築くことを基本としております。これらの考え方は、Our Values(私たちの価値観)として「フェアであり続ける。」「想いに寄り添う。」「自分らしさを磨く。」「一歩前へ。」の4つに体系化しております。

(ⅱ)中期経営計画(2024年度を始期とする3カ年)「両利きの経営」を支える人材戦略
当社グループは、中期経営計画(2024年度を始期とする3カ年)における成長戦略の根幹として「両利きの経営」を掲げており、既存事業の「深化」とグループ横断の新たな価値創造に向けた「探索」の双方を実現するための重要な経営基盤として人材戦略を位置づけております。当社グループの連結従業員数は、当期14,042名(前期13,356名)であり、生命保険事業、損害保険事業、銀行事業、介護事業及びベンチャーキャピタル事業から構成されるグループ全体としての人材戦略を推進しております。
(イ)「深化」を支える各事業の専門人材の確保・育成
各事業会社は、それぞれの事業特性に応じた専門人材の確保・育成を推進しております。生命保険事業では、コンサルティングセールスやコンサルティングフォローを担うライフプランナー(営業社員)の厳選採用及び教育・育成体制の強化、並びに代理店チャネル支援人材の採用・育成を進めております。損害保険事業では、顧客対応部門の採用育成体制の強化、並びにデータ分析・マーケティング人材の育成を進めております。銀行事業では、ITデジタル領域の新卒採用ルートの新設、並びにサクセッションプランの体系化を進めております。介護事業では、人材確保・定着に向けた処遇改善の中期ロードマップ(平均年収・休日数の段階的改善、離職率の低減)を着実に実行しております。
(ロ)「探索」を支えるグループ経営人材の育成
グループ横断で当社グループの未来を切り拓き牽引できるリーダーの育成を目的として、2022年度より、各事業の枠を越えた選抜型の研修プログラム「ソニーFG2030!」を運営しております。あわせて、選抜型クロスメンタリング及びソニーグループ全体の研修制度(Sony University)との連携を通じ、複線的な経営人材育成の機会を提供しております。グループサクセッションについても、事業横断での候補者プール形成を含む体系化を進めております。
(ハ)グループ内人材流動・多様な経験機会の提供
社員が組織の垣根を越えて多様な経験を積むことができる環境として、グループ内公募制度及び新卒入社者を対象としたジョブローテーション等を整備しております。あわせて、業務ニーズに応じた兼務・プロジェクト参画機会を継続的に拡大しております。
これらの取組みの成果を測る独自指標として、当社グループ入社後に複数事業領域での経験を有する本籍社員数(バウンダリースパナー指数。2025年4月1日時点で259名)、及び当社グループ社員一人あたりの経験領域数(同時点で1.9領域)を設定し、進捗をモニタリングしております。更に、グループ横断の人材データプラットフォームの構築を推進し、人材の見える化と最適配置の高度化を進めております。
(二)多様な人材の確保・活躍推進
属性や状況にかかわらず、社員全員が活躍できる環境を整備しております。女性活躍推進については、女性係長(指導的地位)比率を2028年度末30.0%、女性管理職比率を2035年度末30.0%とする目標設定を行っております。なお、女性活躍を推進すると共に、女性が活躍しやすい環境を整えるための施策として、女性本人のみならず管理職や男性社員も対象とした研修を実施しております。あわせて、障がい者雇用の拡大、中途採用社員の活躍推進にも積極的に取組んでおり、連結ベースの女性社員比率は、過去3事業年度で段階的に向上しております。
(ホ)挑戦を後押しする風土の醸成
社員一人ひとりが小さなことでも「まずやってみる」姿勢を発揮できる風土の醸成を進めております。個人やチームで創意工夫して取組んだ新しいチャレンジを表彰するイベント「Sony Financial Group CHALLENGE AWARD」を継続的に開催し、応募経験のある社員数をモニタリング指標として設定しております。あわせて、新規事業創出に向けたアントレプロジェクトの各社拡大等を推進しております。
(へ)持続可能な労働環境の整備
社員一人ひとりが安心して働き続けられる労働環境を整備しております。柔軟な働き方の推進としてフレックス勤務及び在宅勤務制度を継続的に活用するとともに、男女ともに育児と仕事を両立できる環境として育児休業・特別休暇・短時間勤務制度を整備し、男性労働者の育児休業取得率の継続的な向上を図っております。健康経営の推進としては、当事業年度末までにグループ対象会社の健康経営優良法人認定取得社数を5社とする目標を設定し、グループ各社で連携して推進しております。連結ベースの平均年次有給休暇取得率及び時間外労働時間平均についても、過去3事業年度で継続的な改善を実現しております。
(ⅲ)男女間賃金差異への取組
当社の連結ベース男女賃金差異は、全労働者を分母とした集計値としては一定の差が見られるものの、この主たる要因は雇用管理区分(主に職種)間の男女構成比の偏りにあり、給与制度上は性別に限らず同一職種・同一賃金となっており賃金差異はありません。前述の全体集計値の主因は、営業事務・保険事務・査定事務の担当者といった職種にボリュームゾーンとして女性が集中していることによる構成の偏りにあります。
当社グループでは、上記の要因を中長期的な取組課題として認識し、女性管理職パイプラインの段階的拡大(女性係長30.0%[2028年度末]、女性管理職30.0%[2035年度末])、男性の家事育児参画と両立支援の継続強化(男性育児休業取得率100%[2025年度末])等、男女構成比の偏りの解消に向けた取組を継続して参ります。男女賃金差異の数値は、こうした取組の進捗に応じて中長期的に改善が見込まれる指標として位置付けております。
② 給与等の決定に関する方針
当社グループは、企業理念「感動できる人生を、いっしょに。」の実現に向けて掲げる「社員と会社のパートナーシップ」を、報酬制度の側面からも具現化することを基本方針としております。職務の内容・職責、業績貢献及び市場競争力を踏まえた給与水準を設定するとともに、株主との利益共有及び中長期的な企業価値向上へのインセンティブを組み込んだ報酬体系を整備しております。
(ⅰ)基本給の決定方針・水準のベンチマーク・決定プロセス
(イ)提出会社における給与の決定方針
当社(提出会社)における給与は、社員の保有能力ではなく現在担っている役割に基づいて格付(ジョブグレード)を認定し、当該グレードに応じて決定する役割等級制度を採用しております。ジョブグレードは、専門性を軸とした成果創出が求められる「I等級(インディビジュアルコントリビューター等級)」と、組織を統括しビジネスを推進する役割が求められる「M等級(マネジメント等級)」からなる複線型の等級体系で構成しております。等級は現在の役割の変動に応じてシームレスに変動するものとし、定時改定(毎年7月)に加え、役割変更が生じた都度、随時改定(毎月)を行います。
報酬は、月例給与(ベース給及び超勤手当)、業績給(年2回支給する賞与)、及び退職金(確定拠出年金及び退職一時金)から構成されております。ベース給については、グレード別にレンジを設定し、役割と専門性のレベルに応じた水準としており、ベース給の月数に応じた基準額に対して、個人評価による変動を行う構造としております。業績給は、ジョブグレードに応じて、個人評価反映分(おおむね60~80%)と会社業績加算(おおむね20~40%)の組み合わせで決定する仕組みとしており、個人の貢献と会社業績の双方を反映する設計としております。
(ロ) 最大人員会社(ソニー生命)における給与の決定方針
当社グループの最大人員会社であるソニー生命では、本社制度社員とライフプランナー(営業社員)の2区分で給与体系を構築しております。本社制度社員のうち、一般職は職務能力型を採用し、経営職はその役割を4段階に設定したうえで役割に合わせて基本給及び賞与基準額を決定しております。給与は、前年度の目標達成状況や行動考課等の評価結果を踏まえて、毎年1回の昇給・昇級反映を実施しております。ライフプランナー(営業社員)については、お客さまへの貢献度と報酬が比例することをコンセプトに、販売実績及び契約の継続状況等を踏まえて報酬を決定しております。
(ハ) 給与水準のベンチマーク
提出会社の社員及びソニー生命の本社制度社員における給与水準は、毎年度、外部報酬コンサルティング会社の調査データを基に、日本国内の金融機関等から事業の業態及び規模が比較可能な企業の報酬水準をベンチマークとして活用しております。なお、ソニー生命のライフプランナー(営業社員)については、前述のコンセプト(お客さまへの貢献度と報酬が比例)をふまえて水準を設定しており、特段のベンチマークは定めておりません。
(ニ) 給与の決定プロセス
提出会社における給与水準・給与ミックスは、前項のベンチマーク結果、ソニーフィナンシャルグループ内の子会社との比較、及び金融業界における賃上げ動向等を踏まえて、人事部にて毎年の案を作成し、経営会議等を通じて経営層との議論を重ねたうえで、最終的に代表執行役社長の決裁により決定しております。ソニー生命においても、人事部による案の作成、取締役との事前協議を重ねた上で、最終的にソニー生命の経営会議での議論・承認をもって給与水準を決定しております。
(ⅱ)業績・株価連動型のインセンティブ報酬
当社グループは、株主との利益共有及び中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして、一部のグループ役職員に対し株式報酬を付与しており、2025年度に株式報酬制度を新設しております。グループ役員に加えて部長級までを対象とし、経営層のみならず幹部層を含めた中長期的な企業価値向上へのコミットメントを促しております。なお、当該制度にはマルス・クローバック条項を付しており、不適切な行為等が発生した場合の報酬の没収・返還を可能とする厳格なガバナンスを担保しております。なお、従業員向けの株式報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」、役員個別の報酬等の額その他の役員報酬制度の詳細については「第4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」に記載しております。
(ⅲ)全社員参加の資本アライメント ─ 社員持株会
当社グループは、上記の役職員向け株式報酬に加えて、2025年度に「ソニーフィナンシャルグループ社員持株会」を設立し、グループ社員全員を対象とする加入機会を提供しております。2026年3月時点における加入者数は3,222名であり、これは当該設立前のソニーグループ社員持株会からの加入者数と比較して32%の増加となっております。社員一人ひとりが当社グループの企業価値向上の当事者として参画する基盤を整備するとともに、「社員と会社のパートナーシップ」というコンセプトを、役職員向け株価連動報酬・幹部層インセンティブの拡大・全社員参加型の資本アライメントを通じて具現化しております。
③ 指標及び目標
(ⅰ)多様性に関する指標及び目標
法令上の開示義務に基づき、当社グループにおける多様性に関する主要指標及び目標は、以下のとおりであります。
(注) 1.SSBJ国内基準・改正開示府令・女性活躍推進法等の法令上の開示義務に基づく指標であります。
2.管理職に占める女性労働者の割合については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下「女性活躍推進法」)に基づく一般事業主行動計画において定めた女性管理職比率と同定義で算出しております。
3.係長(指導的地位)に占める女性労働者の割合については、女性活躍推進法に基づく枠組みを踏まえ、当社グループの人事制度における区分に基づき算出しております。
4.男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)(以下「育児・介護休業法」)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)(以下「育児・介護休業法施行規則」)第71条の6第2号が定める育児休業等をしたものの数及び育児を目的とした休暇制度を利用したものの数の合計数の割合(小数第1位以下を切り捨て)を算出しております。
(ⅱ)当社グループ独自の指標
「社員と会社のパートナーシップ」をコンセプトとした人材戦略の実効性をモニタリングするため、以下の独自指標を設定し、進捗を取締役会へ定期的に報告しております。
[「想いに寄り添う」フェーズの指標]
[「自分らしさを磨く」フェーズの指標]
[「一歩前へ」フェーズの指標]
(注) 1.経済産業省「人的資本可視化指針」、IFC人的資本管理スタンダード等のガイダンスにより推奨される指標であります。
2.当社グループ固有の人材戦略から導出した独自指標であります。
3.当社グループでは毎年、法人毎にエンゲージメントサーベイを実施しており、グループ、法人及び組織ごとの社員エンゲージメント向上に努めております。これらのスコアは、サーベイ結果より、グループ総合のエンゲージメント及び各Our Valuesに対する実践度を表すスコアを抽出したものであります。
4.CHALLENGE AWARDは、個人やチームで創意工夫して取組んだ新しいチャレンジを表彰するイベントであります。
各指標の目標値達成までの期間が比較的短期(5年以内)であるか、又は到達目標時点までの定期モニタリングにより進捗評価を行うこととしていることから、中間マイルストーンの設定は行っておりません。当社グループは、毎事業年度末の実績モニタリング及び取締役会への進捗報告を通じて、各指標の達成状況を継続的に確認し、必要に応じて施策の見直しを行っております。
主要指標の経年推移とその解釈は、以下のとおりであります。
・エンゲージメントスコア(連結。年次フルサーベイベース):2021年度の65から、2025年度には68へと、5年間で3ポイント改善しました。
前事業年度からの主要な目標値の変更内容は、以下のとおりであります。
・管理職に占める女性労働者の割合(連結):前事業年度において当事業年度末目標を18.0%と設定していましたが、前事業年度末時点で18.2%を達成し、当初目標を1年前倒しで上回ったことから、当事業年度より、より野心的な長期目標として2035年度末30.0%を新たな最終目標として再設定しました。
なお、その他の指標については、前事業年度から目標値・適用期間の変更しておりません。
① 人材戦略の基本方針
(ⅰ)基本方針:社員と会社のパートナーシップ
昨今、働く人々の就労への意識の変化や人材流動化の加速等、人材マネジメントを取り巻く環境は大きく変化し続けております。当社グループは、こうした環境変化に対応しつつ、人材の観点からOur Vision(私たちのありたい姿)「感動できる人生を、いっしょに。」の実現を支えるために、「社員と会社のパートナーシップ」をコンセプトとした人材戦略を策定しております。

当該人材戦略は、社員が「お客さまや共に働く仲間に寄り添い理解し、貢献したいという強い意思」を持ち、「社会的課題の解決における自分ならではの『やりたいこと』を考え」、「『やりたいこと』の実現に向けて一歩を踏み出し、失敗を恐れず挑戦する」姿勢を持つ一方、会社が、社員にウェルビーイングを提供し多様性を尊重する自由闊達な環境を創り、組織の垣根を超えて必要な教育及びキャリアの機会並びに多様な働き方を提供し、社員の挑戦を成功・失敗の如何を問わず尊重・称賛し評価することで、社員と会社が相互に高め合うパートナーシップを築くことを基本としております。これらの考え方は、Our Values(私たちの価値観)として「フェアであり続ける。」「想いに寄り添う。」「自分らしさを磨く。」「一歩前へ。」の4つに体系化しております。

(ⅱ)中期経営計画(2024年度を始期とする3カ年)「両利きの経営」を支える人材戦略
当社グループは、中期経営計画(2024年度を始期とする3カ年)における成長戦略の根幹として「両利きの経営」を掲げており、既存事業の「深化」とグループ横断の新たな価値創造に向けた「探索」の双方を実現するための重要な経営基盤として人材戦略を位置づけております。当社グループの連結従業員数は、当期14,042名(前期13,356名)であり、生命保険事業、損害保険事業、銀行事業、介護事業及びベンチャーキャピタル事業から構成されるグループ全体としての人材戦略を推進しております。
(イ)「深化」を支える各事業の専門人材の確保・育成
各事業会社は、それぞれの事業特性に応じた専門人材の確保・育成を推進しております。生命保険事業では、コンサルティングセールスやコンサルティングフォローを担うライフプランナー(営業社員)の厳選採用及び教育・育成体制の強化、並びに代理店チャネル支援人材の採用・育成を進めております。損害保険事業では、顧客対応部門の採用育成体制の強化、並びにデータ分析・マーケティング人材の育成を進めております。銀行事業では、ITデジタル領域の新卒採用ルートの新設、並びにサクセッションプランの体系化を進めております。介護事業では、人材確保・定着に向けた処遇改善の中期ロードマップ(平均年収・休日数の段階的改善、離職率の低減)を着実に実行しております。
(ロ)「探索」を支えるグループ経営人材の育成
グループ横断で当社グループの未来を切り拓き牽引できるリーダーの育成を目的として、2022年度より、各事業の枠を越えた選抜型の研修プログラム「ソニーFG2030!」を運営しております。あわせて、選抜型クロスメンタリング及びソニーグループ全体の研修制度(Sony University)との連携を通じ、複線的な経営人材育成の機会を提供しております。グループサクセッションについても、事業横断での候補者プール形成を含む体系化を進めております。
(ハ)グループ内人材流動・多様な経験機会の提供
社員が組織の垣根を越えて多様な経験を積むことができる環境として、グループ内公募制度及び新卒入社者を対象としたジョブローテーション等を整備しております。あわせて、業務ニーズに応じた兼務・プロジェクト参画機会を継続的に拡大しております。
これらの取組みの成果を測る独自指標として、当社グループ入社後に複数事業領域での経験を有する本籍社員数(バウンダリースパナー指数。2025年4月1日時点で259名)、及び当社グループ社員一人あたりの経験領域数(同時点で1.9領域)を設定し、進捗をモニタリングしております。更に、グループ横断の人材データプラットフォームの構築を推進し、人材の見える化と最適配置の高度化を進めております。
(二)多様な人材の確保・活躍推進
属性や状況にかかわらず、社員全員が活躍できる環境を整備しております。女性活躍推進については、女性係長(指導的地位)比率を2028年度末30.0%、女性管理職比率を2035年度末30.0%とする目標設定を行っております。なお、女性活躍を推進すると共に、女性が活躍しやすい環境を整えるための施策として、女性本人のみならず管理職や男性社員も対象とした研修を実施しております。あわせて、障がい者雇用の拡大、中途採用社員の活躍推進にも積極的に取組んでおり、連結ベースの女性社員比率は、過去3事業年度で段階的に向上しております。
(ホ)挑戦を後押しする風土の醸成
社員一人ひとりが小さなことでも「まずやってみる」姿勢を発揮できる風土の醸成を進めております。個人やチームで創意工夫して取組んだ新しいチャレンジを表彰するイベント「Sony Financial Group CHALLENGE AWARD」を継続的に開催し、応募経験のある社員数をモニタリング指標として設定しております。あわせて、新規事業創出に向けたアントレプロジェクトの各社拡大等を推進しております。
(へ)持続可能な労働環境の整備
社員一人ひとりが安心して働き続けられる労働環境を整備しております。柔軟な働き方の推進としてフレックス勤務及び在宅勤務制度を継続的に活用するとともに、男女ともに育児と仕事を両立できる環境として育児休業・特別休暇・短時間勤務制度を整備し、男性労働者の育児休業取得率の継続的な向上を図っております。健康経営の推進としては、当事業年度末までにグループ対象会社の健康経営優良法人認定取得社数を5社とする目標を設定し、グループ各社で連携して推進しております。連結ベースの平均年次有給休暇取得率及び時間外労働時間平均についても、過去3事業年度で継続的な改善を実現しております。
(ⅲ)男女間賃金差異への取組
当社の連結ベース男女賃金差異は、全労働者を分母とした集計値としては一定の差が見られるものの、この主たる要因は雇用管理区分(主に職種)間の男女構成比の偏りにあり、給与制度上は性別に限らず同一職種・同一賃金となっており賃金差異はありません。前述の全体集計値の主因は、営業事務・保険事務・査定事務の担当者といった職種にボリュームゾーンとして女性が集中していることによる構成の偏りにあります。
当社グループでは、上記の要因を中長期的な取組課題として認識し、女性管理職パイプラインの段階的拡大(女性係長30.0%[2028年度末]、女性管理職30.0%[2035年度末])、男性の家事育児参画と両立支援の継続強化(男性育児休業取得率100%[2025年度末])等、男女構成比の偏りの解消に向けた取組を継続して参ります。男女賃金差異の数値は、こうした取組の進捗に応じて中長期的に改善が見込まれる指標として位置付けております。
② 給与等の決定に関する方針
当社グループは、企業理念「感動できる人生を、いっしょに。」の実現に向けて掲げる「社員と会社のパートナーシップ」を、報酬制度の側面からも具現化することを基本方針としております。職務の内容・職責、業績貢献及び市場競争力を踏まえた給与水準を設定するとともに、株主との利益共有及び中長期的な企業価値向上へのインセンティブを組み込んだ報酬体系を整備しております。
(ⅰ)基本給の決定方針・水準のベンチマーク・決定プロセス
(イ)提出会社における給与の決定方針
当社(提出会社)における給与は、社員の保有能力ではなく現在担っている役割に基づいて格付(ジョブグレード)を認定し、当該グレードに応じて決定する役割等級制度を採用しております。ジョブグレードは、専門性を軸とした成果創出が求められる「I等級(インディビジュアルコントリビューター等級)」と、組織を統括しビジネスを推進する役割が求められる「M等級(マネジメント等級)」からなる複線型の等級体系で構成しております。等級は現在の役割の変動に応じてシームレスに変動するものとし、定時改定(毎年7月)に加え、役割変更が生じた都度、随時改定(毎月)を行います。
報酬は、月例給与(ベース給及び超勤手当)、業績給(年2回支給する賞与)、及び退職金(確定拠出年金及び退職一時金)から構成されております。ベース給については、グレード別にレンジを設定し、役割と専門性のレベルに応じた水準としており、ベース給の月数に応じた基準額に対して、個人評価による変動を行う構造としております。業績給は、ジョブグレードに応じて、個人評価反映分(おおむね60~80%)と会社業績加算(おおむね20~40%)の組み合わせで決定する仕組みとしており、個人の貢献と会社業績の双方を反映する設計としております。
(ロ) 最大人員会社(ソニー生命)における給与の決定方針
当社グループの最大人員会社であるソニー生命では、本社制度社員とライフプランナー(営業社員)の2区分で給与体系を構築しております。本社制度社員のうち、一般職は職務能力型を採用し、経営職はその役割を4段階に設定したうえで役割に合わせて基本給及び賞与基準額を決定しております。給与は、前年度の目標達成状況や行動考課等の評価結果を踏まえて、毎年1回の昇給・昇級反映を実施しております。ライフプランナー(営業社員)については、お客さまへの貢献度と報酬が比例することをコンセプトに、販売実績及び契約の継続状況等を踏まえて報酬を決定しております。
(ハ) 給与水準のベンチマーク
提出会社の社員及びソニー生命の本社制度社員における給与水準は、毎年度、外部報酬コンサルティング会社の調査データを基に、日本国内の金融機関等から事業の業態及び規模が比較可能な企業の報酬水準をベンチマークとして活用しております。なお、ソニー生命のライフプランナー(営業社員)については、前述のコンセプト(お客さまへの貢献度と報酬が比例)をふまえて水準を設定しており、特段のベンチマークは定めておりません。
(ニ) 給与の決定プロセス
提出会社における給与水準・給与ミックスは、前項のベンチマーク結果、ソニーフィナンシャルグループ内の子会社との比較、及び金融業界における賃上げ動向等を踏まえて、人事部にて毎年の案を作成し、経営会議等を通じて経営層との議論を重ねたうえで、最終的に代表執行役社長の決裁により決定しております。ソニー生命においても、人事部による案の作成、取締役との事前協議を重ねた上で、最終的にソニー生命の経営会議での議論・承認をもって給与水準を決定しております。
(ⅱ)業績・株価連動型のインセンティブ報酬
当社グループは、株主との利益共有及び中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして、一部のグループ役職員に対し株式報酬を付与しており、2025年度に株式報酬制度を新設しております。グループ役員に加えて部長級までを対象とし、経営層のみならず幹部層を含めた中長期的な企業価値向上へのコミットメントを促しております。なお、当該制度にはマルス・クローバック条項を付しており、不適切な行為等が発生した場合の報酬の没収・返還を可能とする厳格なガバナンスを担保しております。なお、従業員向けの株式報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」、役員個別の報酬等の額その他の役員報酬制度の詳細については「第4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」に記載しております。
(ⅲ)全社員参加の資本アライメント ─ 社員持株会
当社グループは、上記の役職員向け株式報酬に加えて、2025年度に「ソニーフィナンシャルグループ社員持株会」を設立し、グループ社員全員を対象とする加入機会を提供しております。2026年3月時点における加入者数は3,222名であり、これは当該設立前のソニーグループ社員持株会からの加入者数と比較して32%の増加となっております。社員一人ひとりが当社グループの企業価値向上の当事者として参画する基盤を整備するとともに、「社員と会社のパートナーシップ」というコンセプトを、役職員向け株価連動報酬・幹部層インセンティブの拡大・全社員参加型の資本アライメントを通じて具現化しております。
③ 指標及び目標
(ⅰ)多様性に関する指標及び目標
法令上の開示義務に基づき、当社グループにおける多様性に関する主要指標及び目標は、以下のとおりであります。
| 指標 | 類型 | 当事業年度実績 | 目標値 | 適用期間 |
| 管理職に占める女性労働者の割合 (連結ベース) (注)2 | (注)1 | 19.2% (前事業年度実績: 18.2%) | 30.0% | 2035年度末 |
| 係長(指導的地位)に占める女性労働者の割合(連結ベース) (注)3 | (注)1 | 29.3% (前事業年度実績: 28.2%) | 30.0% | 2028年度末 |
| 男性労働者の育児休業取得率 (連結ベース) (注)4 | (注)1 | 100% (前事業年度実績: 90%) | 100% | 2025年度末 |
(注) 1.SSBJ国内基準・改正開示府令・女性活躍推進法等の法令上の開示義務に基づく指標であります。
2.管理職に占める女性労働者の割合については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下「女性活躍推進法」)に基づく一般事業主行動計画において定めた女性管理職比率と同定義で算出しております。
3.係長(指導的地位)に占める女性労働者の割合については、女性活躍推進法に基づく枠組みを踏まえ、当社グループの人事制度における区分に基づき算出しております。
4.男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)(以下「育児・介護休業法」)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)(以下「育児・介護休業法施行規則」)第71条の6第2号が定める育児休業等をしたものの数及び育児を目的とした休暇制度を利用したものの数の合計数の割合(小数第1位以下を切り捨て)を算出しております。
(ⅱ)当社グループ独自の指標
「社員と会社のパートナーシップ」をコンセプトとした人材戦略の実効性をモニタリングするため、以下の独自指標を設定し、進捗を取締役会へ定期的に報告しております。
[「想いに寄り添う」フェーズの指標]
| 指標 | 類型 | 当事業年度実績 |
| エンゲージメントスコア(連結) (注)3 | (注)1 | 当事業年度フル実績: 68 (前事業年度フル実績: 67) |
| Our Values「想いに寄り添う」実践度スコア (注)3 | (注)2 | 当事業年度フル実績: 67 |
| 健康経営優良法人認定取得会社数 | (注)2 | 当事業年度5社 (前事業年度末0社) |
[「自分らしさを磨く」フェーズの指標]
| 指標 | 類型 | 当事業年度実績 |
| バウンダリースパナー指数 (複数事業領域経験を有する本籍社員数) | (注)2 | 259名 (2025年4月1日時点) |
| グループ社員一人あたり経験領域数 | (注)2 | 1.9領域 (2025年4月1日時点) |
| グループ横断育成プログラム参加経験者数 | (注)2 | 当事業年度168人 (前事業年度140名) |
| Our Values「自分らしさを磨く」実践度スコア (注)3 | (注)2 | 当事業年度フル実績: 65 |
[「一歩前へ」フェーズの指標]
| 指標 | 類型 | 当事業年度実績 |
| ネックストラップ保有者数 (CHALLENGE AWARD応募経験者) (注)4 | (注)2 | 当事業年度開催後828名 (前事業年度開催後451名) |
| Our Values「一歩前へ」実践度スコア (注)3 | (注)2 | 当事業年度フル実績:65 |
(注) 1.経済産業省「人的資本可視化指針」、IFC人的資本管理スタンダード等のガイダンスにより推奨される指標であります。
2.当社グループ固有の人材戦略から導出した独自指標であります。
3.当社グループでは毎年、法人毎にエンゲージメントサーベイを実施しており、グループ、法人及び組織ごとの社員エンゲージメント向上に努めております。これらのスコアは、サーベイ結果より、グループ総合のエンゲージメント及び各Our Valuesに対する実践度を表すスコアを抽出したものであります。
4.CHALLENGE AWARDは、個人やチームで創意工夫して取組んだ新しいチャレンジを表彰するイベントであります。
各指標の目標値達成までの期間が比較的短期(5年以内)であるか、又は到達目標時点までの定期モニタリングにより進捗評価を行うこととしていることから、中間マイルストーンの設定は行っておりません。当社グループは、毎事業年度末の実績モニタリング及び取締役会への進捗報告を通じて、各指標の達成状況を継続的に確認し、必要に応じて施策の見直しを行っております。
主要指標の経年推移とその解釈は、以下のとおりであります。
・エンゲージメントスコア(連結。年次フルサーベイベース):2021年度の65から、2025年度には68へと、5年間で3ポイント改善しました。
前事業年度からの主要な目標値の変更内容は、以下のとおりであります。
・管理職に占める女性労働者の割合(連結):前事業年度において当事業年度末目標を18.0%と設定していましたが、前事業年度末時点で18.2%を達成し、当初目標を1年前倒しで上回ったことから、当事業年度より、より野心的な長期目標として2035年度末30.0%を新たな最終目標として再設定しました。
なお、その他の指標については、前事業年度から目標値・適用期間の変更しておりません。