有価証券報告書-第30期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/09/29 14:03
【資料】
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【項目】
129項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「ITの発展」に寄与すべく前例のない技術開発にも果敢に挑戦し、蓄積した技術やノウハウを「技術サービス」へと昇華させ、「社員の成長」と共に「顧客の価値創造」の実現により、社会貢献に努めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは基盤となるICTソリューション事業において、これまで大企業向けの開発で蓄積した技術力、ノウハウに加え、6つの先端技術(AI、IoT、5G、ビッグデータ、VR/AR/MR等のスマートデバイス連動、画像音声認識)を活用した高付加価値案件の受注を積み上げることに経営資源を集中させ利益率の向上を目指します。
また、収益の多角化を図るため、受託型中心のビジネスモデルに加え、デジタル投資を進める企業のプラットフォーム開発やデータ活用を当社が支援又は直接投資することでDXを実現し、自社サービスとして早期収益化を目指します。それら戦略を担うエンジニアの採用強化は重点課題と認識しており、社長直轄の人材獲得専門部署を立ち上げ、“地域”、“ジェンダー”、“学歴・職歴”、“国籍”不問の「フリー採用」で広く門戸を開き、多様化するDXニーズに備え、創造性を高めるため人材戦略を強化します。
農水産物輸出ソリューション事業においては、2020年通期の農産物輸出は過去最高の1兆円に迫り、日本政府も2025年に2兆円、2030年に5兆円とする目標を掲げていることが事業の追い風となっております。コロナ禍で飲食店向けなど需要は低迷しておりますが、仲卸との連携による販売チャネルの拡大や、D2Cとして国内向け「大田市場直送.com」、シンガポール向け「Tokyo Fresh Direct」を開設し、巣ごもり需要に対応すべく酒類、水産品、生鮮加工品等の取扱商品の拡充を進めてまいりました。このような流通量の拡大に向けた施策は引き続き注力してまいりますが、当事業の狙いは輸出手続きを自動化し、日本国内生産者から海外消費者まで、流通に関わる企業が同じシステムで適切な価格設定や在庫量をもとに需要を予測できる農水産物流通プラットフォームを構築することであり、今後も実現のための投資を継続してまいります。
また、事業間シナジーやヘルスケア分野等のデジタル投資によるイノベーションが見込める領域においてはM&A、資本業務提携を検討し、事業規模の拡大、収益構造の変革に取り組んでまいります。
以上により、2022年6月期の連結業績につきましては、売上高5,000~5,500百万円、営業利益250~300百万円、経常利益250~300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益120~160百万円を見込んでおります。
DXの加速による需要拡大が期待できる一方、新型コロナウイルス感染症の各事業への影響や終息時期を正確に把握することは困難であり、業績に与える変動要因が混在しております。これらの不確実性のある状況を鑑み、レンジ形式での開示としております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益性と継続的成長を実現することを経営目標と認識し、売上高成長率及び売上高営業利益率を重視しております。また、事業の成長加速のためM&Aを積極的に検討する方針であり、その場合、のれんの償却額が増加する可能性があるためEBITDA(※)を経営指標としております。
※ EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
中期経営計画(2022年6月期~2024年6月期)においては、各事業セグメントにおいて新型コロナウイルス感染症拡大の影響により合理的な算定が困難であるため2023年6月期及び2024年6月期の数値目標については未定としております。また、経営上の目標値としている売上高120億円、営業利益率15%につきましては、新型コロナウイルス感染症の発生や自動車アフターマーケット事業の連結除外等、当初計画の前提とは大きく変化しているため目標値を見直し、2025年6月期に売上高100億円を目指す方針を掲げております。
(4)経営環境
新型コロナウイルスの変異株の感染拡大が進むなかで、社会活動の正常化へ向けてワクチンの接種率向上が急がれます。感染収束後の景気は活動制限の反動による急拡大が見込まれますが、日本を含めた先進国の財政支出は前例のない規模となっており、米国のテーパリングを発端とする世界経済の混乱、日本経済への悪影響が懸念されております。一方、コロナ禍をきっかけとした新たな価値観、ライフスタイルの急激な変化は、企業のビジネスモデルの変革を促し、DXを支援する情報サービス業界の追い風となると認識しておりますが、高い技術を持つエンジニアを様々な産業で奪い合う構図は、人件費、採用コスト増、開発パートナーの単価上昇となるため、それらを吸収できる付加価値の高いサービスを提供し、顧客満足を高めていく必要があります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき課題は、以下のとおりです。
① 先端技術の習得
あらゆる産業分野において人材リソース不足、非効率といった共通する課題が浮き彫りとなり、デジタル化の推進が拡大していくものと予測されております。当社グループは、市場ニーズに的確に応えることができる技術力を習得し保持するため、ICTソリューション事業において6つの先端技術(AI、IoT、5G、ビッグデータ、VR/AR/MR等のスマートデバイス連動、画像音声認識等)を活用した案件を増やしていくことが重要と捉えております。また、パートナー企業とのアライアンス等による新技術の研究・実証実験に努め、お客さまのITパートナーとして生産性の向上やビジネスの発展に貢献してまいります。
② 人材の確保と育成
当社グループが中長期的に成長していくためには、優秀なエンジニアの確保と育成が重要な課題であると認識しております。このような課題に対処するため、通年採用、完全オンライン面接による採用機会の拡大や、米国のグループ会社を拠点としたグローバル採用を進め、国籍に捉われない幅広い人材の獲得に努めております。現在は海外渡航に制約を求められる状況下であることから、ASEAN、シリコンバレーを中心とした海外エンジニアを確保するための現地採用イベントを中断しておりますが、リモートワークに対応できる勤務体制の早期構築により、従来地理的に採用対象とすることができなかった地域の優秀なエンジニアにアクセスが可能となりました。これらグローバル採用、遠隔地人材の定着と戦力化も重要な課題となっております。
また、当社グループは「働き方の多様性」を尊重しており、リモートワーク、時短勤務を制度化することで職場環境の充実に力を入れると共に、スキルアップのための資格補助、オンライン学習プラットフォームを活用した教育研修制度を整え、能力を最大限に発揮できる仕組みを確立してまいります。
③ 事業領域の拡大
売上高の多くを占めるICTソリューション事業は受注型の事業モデルとなっているため、強固な経営基盤と持続的な成長を可能とする多極的な事業構造に転換していく必要があります。当社グループは創業以来ICTを活用し、その知見とノウハウを融合し発展させることで、先見的な自社ソリューションの開発、事業化を推進してまいりました。近年ICTソリューション事業は、利益率の向上と技術力の蓄積を企図し、サービスデザインを入口とした上流工程案件からAI、IoTをはじめとした最新のデジタルテクノロジーを活用する高付加価値案件の受注強化を進めております。農水産物輸出ソリューション事業は、当社が自ら取り組む「産業向けDX」の一つとして位置づけており、日本全国の中小生産者や加工食品メーカーの、アジア、ASEAN諸国進出意欲の高まりは事業の追い風となっております。その他、当社グループが取り組む「産業向けDX」は、カジノ向け決済ソリューション、住宅リフォームの2つの分野があり、前者では新型コロナウイルス収束後の日本版IR施設成立を目指す企業との連携を模索しており、後者では中小工務店向けに生産性向上を支援するパッケージソフトを展開しております。これらにつきましても、ICTソリューション事業で蓄積した技術、知見を応用することで早期の収益化を目指し、事業領域を拡大してまいります。

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