有価証券報告書-第92期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

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2016/06/29 13:18
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有報資料

当社は、平成27年4月から推進している3年間の第5次中期経営計画の中で、既存事業における競争力強化と成長分野の伸長、そして新規事業の育成・拡大を掲げていますが、初年度である平成27年度は、新聞用紙及び印刷用紙の想定を超えた内需の落ち込み、段ボール原紙メーカー間の競争激化、北米電話帳用紙事業での需要減少と販売価格の下落や、欧州の感熱紙事業におけるユーロ安に伴う原料費高騰などによる海外事業の業績回復の遅れもあり計画は未達に終わりました。海外事業については、厳しい市場環境により北米と欧州での事業において固定資産の減損を行いました。
第5次中期経営計画の2年目である平成28年度は、この厳しい状況を克服し、目標を達成するために、各事業において以下の対策を講じていきます。
洋紙事業については、競争力強化のため原価改善や操業安定化を目的とした設備投資を積極的に実施します。また、今後も減少する内需に対して、平成27年に立ち上げたシンガポールの販売会社などを活用し、日本からの輸出を積極的に進め、生産設備の稼働率維持に努めていきます。さらに、お客さまにこれまで以上の安心と信頼を提供し、「選ばれる日本製紙」を目指して、印刷・情報・産業用紙の注文進捗管理と製品トレーサビリティを向上させる新システムの導入を平成28年度より順次導入を進める予定です。
板紙事業については、平成28年4月25日、特種東海製紙株式会社との間で、段ボール原紙及び重袋用・一般両更クラフト紙事業において、販売機能統合、特種東海製紙島田工場における製造事業の分社化、及び分社化によって設立される新製造会社への当社による出資に関して最終合意し、平成28年10月1日の事業提携開始に向けて準備を進めています。新製造会社の品質・コスト競争力の強化、原燃料などの共同調達、効率的な販売体制の確立など両社の強みを生かしたシナジーを追求していきます。
海外事業については、操業安定化と高付加価値品への転換に注力します。豪州のオーストラリアン・ペーパー社では、環境に配慮した再生紙製品の拡販に引き続き努めるとともに、同社メアリーヴェール工場において要員合理化を含む収益改善計画を完遂し、あわせて操業安定化に向けた投資を行います。
北米の日本製紙USA社では、段ボール古紙の溶解設備を設置して電話帳用紙から産業用紙への品種転換を進めており、また欧州の十條サーマル社では、感熱紙の高付加価値品製造のための設備投資を実施し、拡販に取り組んでいます。東南アジアにあるサイアム・ニッポン・インダストリアル・ペーパー社(SNP社)では、食品・医療包装用途などで期待される片艶紙の拡販を目指します。
ヘルスケア事業では、機能性セルロースナノファイバーを用いた消臭シートを採用した製品を中心に拡販を進めるとともに、日本製紙クレシア株式会社京都工場に集中投資を行い、今後大きな成長が期待される中国・アジア市場への輸出を進めていきます。
ケミカル事業では、江津事業所の競争力強化及び新製品生産を目的とした設備投資を行い、その効果発現に注力します。また、液体用紙容器事業では、販売強化を目的に、ノルウェーのエロパック社(Elopak社)とライセンス契約を締結し、同社が世界各地で展開する口栓付きチルド用液体紙容器を今後日本市場に導入していきます。
さらにパッケージング分野における強化策として、平成28年4月、パッケージング・コミュニケーションセンターとパッケージング研究所を新設しました。パッケージング・コミュニケーションセンターはお客さまのご要望にお応えするためのマーケティングや提案機能を担い、パッケージング研究所は木質バイオマスをベースとしたパッケージの素材・技術開発を担います。両組織が中心となり、グループ各社の連携を強化し、同分野での成長を目指します。
エネルギー事業では、建設中の石巻工場における石炭・バイオマス混焼火力発電を計画通りに立ち上げるほか、現在検討中の秋田工場での火力発電について早期に具体化し、プロジェクトをスタートさせることを目指します。また、国内需要が高まるバイオマス燃料に関する技術の確立と早期の実用化を図るために、トレファクション技術を用いた木質バイオマス燃料(トレファイドペレット)の生産実証設備をタイに設置し、タイのフェニックスパルプ&ペーパー社(Phoenix Pulp and Paper社)と共同研究開発を進めます。
成長分野であるヘルスケア・ケミカル・パッケージングについては、国内外問わずM&Aも推進し、事業の拡大を図っていきます。
財務面においては、ROA(総資産利益率)を第5次中期経営計画の経営目標に掲げ、資産効率の改善に引き続き取り組みます。現有資産については最大限に有効活用することを基本に、中長期的な戦略と照らし合わせながら、売却や入替えを積極的に実施していきます。
今後も国内外を問わず、成長分野や新規事業には重点的に経営資源を配分し、総合バイオマス企業としての事業構造転換に取り組んでいきます。
(株式会社の支配に関する基本方針)
1.基本方針について
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えています。
もっとも、当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆さま全体の意思に基づき決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるか否かの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。しかしながら、当社株式等に対する大規模買付行為や買付提案の中には、買付目的や買付後の経営方針等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付けの条件等について検討したり、当社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、株主共同の利益を毀損するものもあり得ます。
当社は、このような大規模買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断します。
2.基本方針の実現に資する取組みについて
(1) 中期経営計画について
当社グループは紙パルプ事業を中心とした、用途多彩で再生可能な木材資源の活用を通じて、豊かな暮らしと地球環境の両立を支える企業活動を実践しています。
この持続的成長をさらに確かなものにするため、3年ごとに中期経営計画を策定し、推進しています。平成27年4月からは第5次中期経営計画(3か年)を推進しています。ヘルスケア、ケミカル、エネルギー、パッケージングなど成長分野へ重点的に経営資源を配分し総合バイオマス企業としての事業構造転換を加速していきます。一方既存事業では、事業基盤を強化するための投資をもう一段行うことで安定した収益を確保し、事業構造転換を支えていきます。
森林資源を基盤とした循環型の事業を通じて暮らしと文化に貢献し、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努めていきます。
(2) コーポレート・ガバナンスの取組み
当社は、株主をはじめとするステークホルダーに対する経営の透明性を一層高め、公正な経営を実現することを経営の最重要課題とします。業務執行と経営の監督の分離を確保するため、執行役員制度を採用するとともに、取締役会の監督機能の強化に努めます。また、当社はグループの経営の司令塔として、成長戦略を推進し、傘下事業をモニタリングし、コンプライアンスを推進します。
このような取組みにより、当社は、今後もより一層コーポレート・ガバナンスの強化に努めていきます。
かかる取組みは当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるものであり、上記「1.」で述べた基本方針に沿うものです。
3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
(1) 本対応方針の概要
当社は、上記「1.」に述べた基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、「当社株式等に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本対応方針」といいます。)を定めています。
本対応方針の有効期間は、平成30年3月期に関する定時株主総会終結の時までとなっています。その概要は以下のとおりです。
ア.大規模買付ルールの設定
本対応方針は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大規模買付行為が行われる場合に、大規模買付行為を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)に対し、①事前に大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求め、②大規模買付行為についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、③株主の皆さまに当社経営陣の代替案等を提示し、大規模買付者との交渉を行っていくための手続を定めています。
イ.新株予約権無償割当ての利用
大規模買付者が本対応方針において定められた手続に従うことなく大規模買付行為を行う等、当社の企業価値・株主共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合には、当社は、当該大規模買付者による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該大規模買付者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てます。
ウ.当社取締役会の恣意的判断を排するための独立委員会の利用等
本対応方針においては、大規模買付行為への対抗措置としての本新株予約権の無償割当ての実施もしくは不実施、又は本新株予約権の取得等の判断について、当社取締役会による恣意的な判断を排するため、独立委員会規則に従い、当社経営陣からの独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の判断を経ることとしています。また、これに加えて、本新株予約権の無償割当ての実施に際して独立委員会が本新株予約権の無償割当ての実施に関する株主の皆さまの意思を確認することを勧告した場合には、原則として当社取締役会は株主意思確認総会を招集するものとされています。さらに、こうした手続の過程については、株主の皆さまに適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
なお、本対応方針の独立委員会は、当社社外取締役1名、社外監査役2名及び社外の有識者1名により構成されています。
エ.本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得
本対応方針に従って本新株予約権の無償割当てがなされ、大規模買付者以外の株主の皆さまにより本新株予約権が行使された場合、又は当社による本新株予約権の取得と引換えに、大規模買付者以外の株主の皆さまに対して当社株式が交付された場合、当該大規模買付者の有する当社株式の議決権割合は、当該行使・取得前と比較して、最大で50%まで希釈化される可能性があります。
(2) 本対応方針が株主・投資家に与える影響等の概要
ア.大規模買付ルールの影響
大規模買付ルールは、当社株主の皆さまが大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、株主の皆さまが代替案の提示を受ける機会を保障することを目的としています。これにより株主の皆さまは、十分な情報の下で、大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の保護につながるものと考えます。したがいまして、大規模買付ルールの設定は、株主及び投資家の皆さまが適切な投資判断を行う上での前提となるものであり、株主及び投資家の皆さまの利益に資するものであると考えています。
イ.本新株予約権の無償割当時の影響
当社取締役会において本新株予約権無償割当決議を行った場合には、本新株予約権無償割当決議において別途定める割当期日における株主の皆さまに対し、その保有する株式1株につき本新株予約権1個の割合で本新株予約権が無償にて割り当てられます。仮に、株主の皆さまが、本新株予約権の行使期間内に本新株予約権の行使に係る手続を経なければ、他の株主の皆さまによる本新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化されることになります。
ただし、当社は、非適格者以外の株主の皆さまから本新株予約権を取得し、それと引換えに当社株式を交付することがあります。当社がかかる取得の手続を取った場合、非適格者以外の株主の皆さまは、本新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みをせずに、当社株式を受領することとなり、保有する当社株式1株あたりの価値の希釈化は生じますが、保有する当社株式全体の希釈化は生じません。
(3) 本対応方針の合理性
本対応方針は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足していること、平成27年6月26日開催の第91回定時株主総会における株主の皆さまのご承認の下に更新されていること、一定の場合には株主意思確認総会において本新株予約権の無償割当てを実施するか否かについて株主の皆さまの意思の確認を行うこと、その内容として合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されていること、本対応方針の運用に関して独立性の高い社外者から成る独立委員会を設置しており、当社取締役会は本新株予約権の無償割当てを実施するか否かについての独立委員会の判断を最大限尊重して決議を行うこと、独立委員会は当社の費用で独立した第三者の助言を受けることができること、本対応方針の有効期間の満了前であっても当社株主総会又は当社取締役会の決議によって本対応方針を廃止できること、本対応方針は当社の株券等を大量に買い付けた者が指名し株主総会で選任された取締役により廃止することができるものとして設計されていること(デッドハンド型買収防衛策ではないこと)等により、その公正性・客観性が担保されています。

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