有価証券報告書-第90期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

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2014/06/27 15:24
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有報資料

(1) 当社グループを取り巻く経営環境
① 国内市場
当期は国内の景況感が全般にわたって改善するなか、紙・板紙ともに好調な出荷となりました。洋紙については、円高是正による輸入紙の減少と輸出環境の好転もあり、国内需給が改善し高い稼働率での操業を継続しました。このような状況のなか、原燃料コスト上昇分の製品価格への転嫁を進め、市況回復を実現しました。板紙については、加工食品・青果物向けや宅配向けの需要が堅調であったほか、平成25年末からは消費税率改定前の駆け込み需要もあり、段ボール原紙を中心に出荷量は大きく前年を上回りました。
また、紙関連事業では牛乳消費の減少や、液晶材料の在庫調整の影響がありましたが、木材・建材・土木建設関連事業及びその他の事業においては消費税率改定前の駆け込み需要の影響を含め、全般にわたって順調な需要環境となりました。
来期は一部品種では消費税率改定前の駆け込み需要の反動はあるものの、全般的な回復基調は続くものと予想され、堅調な出荷が見込まれます。一方、円高是正による原燃料、諸資材の大幅なコストアップなどが収益面の懸念材料となっています。
② 海外市場
中国経済の減速やウクライナ情勢など、依然として懸念材料はあるものの、欧州の経済状況にも落ち着きが見られ、米国経済も着実な改善傾向が続いています。当社グループが主要市場と位置づけているアジア・オセアニア地域では堅調な経済状況や人口増などに支えられ、同地域内の紙・板紙や化成品、その他各種産業向け製品の需要拡大が続いています。
(2) 第4次中期経営計画
現在、当社グループが推進している「第4次中期経営計画」では、国内洋紙事業の復興計画を柱とする洋紙事業の収益力強化とともに、グループの事業構造転換を加速させるべく、成長分野の拡大及び新規事業の開発・育成を図っています。さらに海外事業の収益力強化や、財務体質の改善にも取り組んでいます。
① 洋紙事業の収益力強化
国内洋紙事業の収益力を強化するために、需要に見合った生産及び販売体制の確立と、抜本的な体質改善に取り組んでいます。平成24年度には12台の生産設備を停止するとともに、一部の不採算品種から撤退しました。当期はこれらの諸施策により、固定費削減や稼働率向上、重油使用量の極小化など生産コストを大幅に削減しました。さらに、営業力強化のため板紙事業も含め組織を再編し、グローバル販売体制の強化も進めています。
②事業構造転換に向けた取組み強化
長期的な国内洋紙市場の縮小も見据えたうえで、当社グループとして持続的成長を図っていくためには、海外市場への展開に加え、産業用紙分野の強化、製紙以外の事業の育成、新事業の創出を図っていく必要があると考えています。森林資源や木材科学技術など、当社グループの強みを活かしながら、「総合バイオマス企業」への事業構造転換を加速する取り組みを進めています。
平成24年10月の当社、日本大昭和板紙株式会社、日本紙パック株式会社及び日本製紙ケミカル株式会社の四社合併、平成25年4月の事業持株会社化を通じて経営のスピードアップを図りながら、包装容器、機能性シートといった産業用素材や、セルロースナノファイバーなどの新素材を含むバイオケミカル、電力・エネルギー、さらにはアグリ・食品など今後の成長が期待できる分野に経営資源を重点配分し、主力事業とすべく拡大を図っていきます。
当社グループでは、既に工場の発電余力を活用した売電や、電力需給逼迫時の要請に応えた電力供給を実施していますが、さらに事業拡大を推進するべく、平成25年6月に新たにエネルギー事業本部を設置しました。八代工場での未利用材を100%使用する木質バイオマス発電事業や、小松島市の社有地でのメガソーラー事業、富士工場鈴川における石炭火力発電事業など、目下、準備を進めているものに加え、新たな発電プロジェクトも検討しています。これらの発電事業では、再生可能エネルギーの固定価格買取制度による安定的な販売や、紙の原料調達網を活用した未利用材の安定集荷に加え、土地などの資産や操業経験豊富な人材といった当社グループの強みを活かし、早期の収益拡大に向け取り組んでいます。また、PPS(特定規模電気事業者)としての電力小売りや、新規バイオマス固形燃料の開発など、さらなる事業拡大に向けた検討も積極的に推進していきます。
また、木材を原料とし、高強度、低熱膨張性、酸素バリア性、増粘性など多様かつ有用な特質をもつセルロースナノファイバーについては、平成25年10月に稼働した実証生産設備により、用途開発を進めています。
③ 海外事業の収益力強化
アジア・オセアニア地域を中心とする環太平洋の成長市場をターゲットに事業展開に取り組んでいます。平成25年12月には、タイ国SCGペーパー社と同社の保有する植林、パルプ、紙で構成される事業部門への参画について合弁契約を締結し、平成28年を目処に当該株式を約30%まで取得する予定です。また先行して進めていました同社との合弁事業であるサイアム・ニッポン・インダストリアル・ペーパー社(SNP社)では、本年3月から食品・医療包装紙をはじめとする多用途薄物産業用紙の生産を開始しました。
オーストラリアン・ペーパー社は、豪ドル高の修正による為替水準の好転とともに収益も改善しています。来期には古紙パルプ製造設備の稼働を予定しており、オーストラリア市場への古紙パルプ配合製品投入により、同国内における販売力を強化していきます。
今後も地域ごとの事業のバランスを考慮しつつ各事業の収益力向上を図るとともに、当社グループの海外流通チャネルを活用した拡販にも注力していきます。
④ 財務体質の改善
当社グループでは、東日本大震災からの復興のために多額の資金を要したことにより有利子負債が増加しました。第4次中期経営計画における諸施策の実行により財務体質の改善を図っていきます。利益の回復とともに、土地の売却など思い切った資産効率化も進め、将来のために必要な戦略投資の実行と同時に負債の圧縮を図っていきます。
(株式会社の支配に関する基本方針)
1.基本方針について
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えています。
もっとも、当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆さま全体の意思に基づき決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるか否かの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。しかしながら、当社株式等に対する大規模買付行為や買付提案の中には、買付目的や買付後の経営方針等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付けの条件等について検討したり、当社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、株主共同の利益を毀損するものもあり得ます。
当社は、このような大規模買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断します。
2.基本方針の実現に資する取組みについて
(1) 中期経営計画について
当社グループは紙パルプ事業を中心とした、用途多彩で再生可能な木材資源の活用を通じて、豊かな暮らしと地球環境の両立を支える企業活動を実践しています。この持続的成長をさらに確かなものにするため、平成24年4月1日から平成27年3月31日までを期間とする「第4次中期経営計画」を策定しています。第4次中期経営計画では、洋紙事業の収益力強化、事業構造転換に向けた取組み強化、海外事業の収益力強化、財務体質の改善の4つの主要テーマを掲げています。
洋紙事業の収益力強化では、生産設備12台を停止し、国内洋紙生産能力の15%に相当する年産80万トンを削減することにより収益改善を図りました。
事業構造転換に向けた取組み強化では、国内での需要減少が見込まれる洋紙事業から、今後も国内外で安定的な成長が期待できるパッケージ・紙加工事業、再生可能資源からの素材として注目を集めるバイオケミカル事業、東日本大震災以降に事業機会が拡大しつつあるエネルギー事業など、強化すべき事業分野に経営資源を集中し、事業構造の転換を進めていきます。
海外事業の収益力強化では、需要の旺盛なアジア・オセアニア地域を戦略地域として位置づけ、海外子会社の収益力向上を図るとともに、現地の有力企業との提携を強化し、海外展開の基盤強化を図っていきます。
財務体質の改善では、東日本大震災からの復興のために多額の資金を要したことにより有利子負債が増加しましたが、第4次中期経営計画における諸施策の実行により財務体質の改善を図っていきます。
当社グループは、第4次中期経営計画の実行のみならず、技術開発を含めた再生可能なバイオマス資源の活用を推進し、暮らしと社会を支える「総合バイオマス企業」として企業価値の持続的な向上に努めていきます。
(2) コーポレート・ガバナンスの取組み
当社は、株主の皆さまをはじめとするステークホルダーに対する経営の透明性を一層高め、公正な経営を実現することを経営の最重要課題としています。
当社グループは平成25年4月1日付の組織再編成により、純粋持株会社制から事業持株会社制へ移行しました。これまで純粋持株会社として構築してまいりましたグループ経営の司令塔としてのグループ成長戦略の推進機能、傘下事業へのモニタリング(監査・監督)機能、及びコンプライアンス推進機能を維持・継続するとともに、事業持株会社として業務の執行と経営の監督を明確に分離するため執行役員制度を導入したほか、社外取締役を導入し、経営監視機能のさらなる向上を図っていきます。
このような取組みにより、当社は、今後もより一層コーポレート・ガバナンスの強化に努めていきます。
かかる取組みは当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるものであり、上記「1.」で述べた基本方針に沿うものです。
3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
(1) 本対応方針の概要
当社は、上記「1.」に述べた基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、「当社株式等に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本対応方針」といいます。)を定めています。
本対応方針の有効期間は、平成27年3月期に関する定時株主総会終結の時までとなっています。その概要は以下のとおりです。
ア.大規模買付ルールの設定
本対応方針は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大規模買付行為が行われる場合に、大規模買付行為を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)に対し、①事前に大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求め、②大規模買付行為についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、③株主の皆さまに当社経営陣の代替案等を提示し、大規模買付者との交渉を行っていくための手続を定めています。
イ.新株予約権無償割当ての利用
大規模買付者が本対応方針において定められた手続に従うことなく大規模買付行為を行う等、当社の企業価値・株主共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合には、当社は、当該大規模買付者による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該大規模買付者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てます。
ウ. 当社取締役会の恣意的判断を排するための独立委員会の利用等
本対応方針においては、大規模買付行為への対抗措置としての本新株予約権の無償割当ての実施もしくは不実施、または本新株予約権の取得等の判断について、当社取締役会による恣意的な判断を排するため、独立委員会規則に従い、当社経営陣からの独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の判断を経ることとしています。また、これに加えて、本新株予約権の無償割当ての実施に際して独立委員会が本新株予約権の無償割当ての実施に関する株主の皆さまの意思を確認することを勧告した場合には、原則として当社取締役会は株主意思確認総会を招集するものとされています。さらに、こうした手続の過程については、株主の皆さまに適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
なお、本対応方針の独立委員会は、当社社外取締役1名、社外監査役2名及び社外の有識者1名により構成されます。
エ.本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得
本対応方針に従って本新株予約権の無償割当てがなされ、大規模買付者以外の株主の皆さまにより本新株予約権が行使された場合、または当社による本新株予約権の取得と引換えに、大規模買付者以外の株主の皆さまに対して当社株式が交付された場合、当該大規模買付者の有する当社株式の議決権割合は、当該行使・取得前と比較して、最大で50%まで希釈化される可能性があります。
(2) 本対応方針が株主・投資家に与える影響等の概要
ア.大規模買付ルールの影響
大規模買付ルールは、当社株主の皆さまが大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、株主の皆さまが代替案の提示を受ける機会を保障することを目的としています。これにより株主の皆さまは、十分な情報の下で、大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の保護につながるものと考えます。したがいまして、大規模買付ルールの設定は、株主及び投資家の皆さまが適切な投資判断を行う上での前提となるものであり、株主及び投資家の皆さまの利益に資するものであると考えています。
イ.本新株予約権の無償割当時の影響
当社取締役会において本新株予約権無償割当決議を行った場合には、本新株予約権無償割当決議において別途定める割当期日における株主の皆さまに対し、その保有する株式1株につき本新株予約権1個の割合で本新株予約権が無償にて割り当てられます。仮に、株主の皆さまが、本新株予約権の行使期間内に本新株予約権の行使に係る手続を経なければ、他の株主の皆さまによる本新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化されることになります。
ただし、当社は、非適格者以外の株主の皆さまから本新株予約権を取得し、それと引換えに当社株式を交付することがあります。当社がかかる取得の手続を取った場合、非適格者以外の株主の皆さまは、本新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みをせずに、当社株式を受領することとなり、保有する当社株式1株あたりの価値の希釈化は生じますが、保有する当社株式全体の希釈化は生じません。
(3) 本対応方針の合理性
本対応方針は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足していること、平成24年6月28日開催の株式会社日本製紙グループ本社第12回定時株主総会においてあらかじめ株主の皆さまのご承認をいただいたうえで、平成25年2月22日開催の当社臨時株主総会において承認決議を行っていること、一定の場合には株主意思確認総会において本新株予約権の無償割当てを実施するか否かについて株主の皆さまの意思の確認を行うこと、その内容として合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されていること、本対応方針の運用に関して独立性の高い社外者から成る独立委員会を設置しており、当社取締役会は本新株予約権の無償割当てを実施するか否かについての独立委員会の判断を最大限尊重して決議を行うこと、独立委員会は当社の費用で独立した第三者の助言を受けることができること、本対応方針の有効期間の満了前であっても当社株主総会または当社取締役会の決議によって本対応方針を廃止できること、本対応方針は当社の株券等を大量に買い付けた者が指名し株主総会で選任された取締役により廃止することができるものとして設計されていること(デッドハンド型買収防衛策ではないこと)等により、その公正性・客観性が担保されています。

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