有価証券報告書-第16期(2024/01/01-2024/12/31)
(ⅱ)戦略
当社グループでは、シナリオ分析を通じて特定したリスク・機会の中でも、カーボンプライシングの導入による生産コストの増加、生産拠点への水の供給不足による操業影響、農産物の収量減少による調達コストの増加の3点が、特に大きな財務的影響を及ぼす可能性があることを認識し、これらの影響額の試算及び開示を行っています。
※1 2019年の当社グループ排出量(Scope1、2)をもとにIEA NZEの予測値から独自に推計した炭素税価格を使用し試算(為替は1ドル=146円で計算)
・2030年 日本、欧州、米州 140ドル/t、APAC 90ドル/t
・2050年 日本、欧州、米州 250ドル/t、APAC 200ドル/t
※2 水ストレスが高いエリアに立地する全当社グループ工場において、取水制限を想定した場合の利益インパクトを試算。なお、工場所在地の水ストレス評価は、世界資源研究所のAqueduct 3.0と世界自然保護基金(WWF)のWater Risk Filter 6.0を使用(為替は1ドル=146円で計算)
当社グループでは、シナリオ分析を通じて特定したリスク・機会の中でも、カーボンプライシングの導入による生産コストの増加、生産拠点への水の供給不足による操業影響、農産物の収量減少による調達コストの増加の3点が、特に大きな財務的影響を及ぼす可能性があることを認識し、これらの影響額の試算及び開示を行っています。
| 1.主要なリスク・機会の抽出 | 2.各リスク・機会の事業への影響を評価 (最重要リスクは事業に対する影響額を試算) | 3.対応策の検討/実施 | ||
| リスク・機会の種類・分類 | 想定される事業への影響 | リスク軽減・機会取り込みへの 対応策 | ||
| 移行 リスク | 新たな 規制 | カーボンプライシング導入による生産コスト増 | ・炭素税の導入や税率の引き上げによる財務上の負担増 ・事業に対する試算影響額190億円(2030年)、350億円(2050年)※1 | ・内部炭素価格を導入し、投資意思決定の際に考慮 ・2030年までに脱炭素を促進する1,000億円規模の投資(再生可能エネルギーへの転換・ヒートポンプの活用等)を実施予定 ・「環境目標2030」「環境ビジョン2050」で設定した目標を達成した場合には、95億円(2030年)、350億円(2050年)の削減効果 |
| 物理的 リスク | 慢性 リスク | 生産拠点への水供給不足による操業影響 | ・グループにとって最も重要な原料である水の供給不足で工場が操業停止することによる機会損失 ・事業に対する試算影響額260億円※2 | ・当社グループ工場の全拠点を対象に、工場流域の利用可能な水資源量に関するリスクを評価 ・工場での水総使用量の削減の検討や、水源涵養活動により工場で使用する水の100%以上を還元する目標を掲げて取り組み実施 |
| 農産物の収量減による調達コストの増加 | ・現状と同品質の原料調達のためのコスト上昇 ・事業に対する試算影響額85億円(RCP8.5シナリオ、2050年) | ・原料産地別に気候変動による将来収量予測等の影響評価を行い、原料の安定調達のための戦略実行 ・持続可能な農業に向けたパイロットの実施 | ||
| 急性 リスク | 大型台風やゲリラ豪雨を要因とした洪水等の発生 | ・洪水被害による浸水、バリューチェーン分断等による操業停止 | ・グローバルリスクマネジメント委員会において、全ての当社グループ生産拠点のリスク評価を行う仕組みを構築 | |
| 機会 | 商品/ サービス | 気温上昇に伴う健康への影響 | ・平均気温の上昇や猛暑等により、熱中症対策飲料や水飲料へのニーズが高まる | ・生産能力増強や安定供給体制構築のための設備投資を実施 ・消費者ニーズを捉えた商品開発 |
| 環境意識の高まりによる顧客行動の変化 | ・水資源を大切にする企業姿勢が社会に認知されることによるブランド価値の向上 | ・科学的データに基づく水源涵養活動、工場での節水・水質管理の取り組み、水に関する啓発プログラム「水育」等を継続・強化するとともに、社外に情報発信 | ||
| 資源効率 | 新技術導入によるコスト削減 | ・新技術開発による石油資源の使用量とCO2排出量の削減 ・ワンウェイプラスチック関連課税に対するコスト削減 | ・PETプリフォーム製造プロセスの効率化を目的とした新たな技術開発(「FtoPダイレクトリサイクル技術」等) ・効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発(㈱アールプラスジャパン) | |
※1 2019年の当社グループ排出量(Scope1、2)をもとにIEA NZEの予測値から独自に推計した炭素税価格を使用し試算(為替は1ドル=146円で計算)
・2030年 日本、欧州、米州 140ドル/t、APAC 90ドル/t
・2050年 日本、欧州、米州 250ドル/t、APAC 200ドル/t
※2 水ストレスが高いエリアに立地する全当社グループ工場において、取水制限を想定した場合の利益インパクトを試算。なお、工場所在地の水ストレス評価は、世界資源研究所のAqueduct 3.0と世界自然保護基金(WWF)のWater Risk Filter 6.0を使用(為替は1ドル=146円で計算)