有価証券報告書-第14期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 15:27
【資料】
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【項目】
158項目
(2) 戦略
当社は、グループ経営理念に基づき東北地方に根差した地域金融機関として、地域経済の活性化、持続可能な地域社会の実現に貢献し地域のお客さまとともに成長していくというサステナビリティへの考え方について、サステナビリティ方針として策定しております。
<サステナビリティ方針>フィデアグループは、東北地方に根差し新しい価値を育む広域金融グループとして、「東北を幸せと希望の産地にする」という経営理念の実現に向け、我々を取り巻く、地域経済の持続的な成長、持続可能な地域環境づくり、人権の尊重、働きがいのある職場づくり、並びに社会から信頼されるガバナンス構築の5つを重要な社会課題として認識し、解決に取り組みます。
これらの課題解決を通じて当社グループの企業価値向上を実現し、地域社会と地域経済の持続的な発展に貢献してまいります。

また、サステナビリティ方針を踏まえ、当社グループが「東北を幸せと希望の産地にする」という経営理念を実現するうえで取り組むべき5つの課題をマテリアリティ(重要課題)として特定しました。これらマテリアリティへの取り組みを通じて、SDGs達成に向けた社会課題解決に貢献してまいります。
<マテリアリティ(社会とフィデアグループが持続的に成長するための重要課題)>1.地域経済の持続的な成長
地域やお客さまが抱える課題の解決に取り組むとともに、デジタル技術も活用しながら、適切な投融資等の金融サービスを提供し、地域経済の持続的な発展に貢献します。また、地方自治体や教育機関等と協働で地方創生に取り組むことで、地域課題の解決を目指します。
2.持続可能な地域環境づくり
環境に配慮した経営の実践を通じて地球温暖化や気候変動に対応するとともに、東北地方の豊かな自然の力を活用した再生可能エネルギー事業等に積極的に取り組み、脱炭素社会の実現を目指します。また、東北の農林水産業、観光産業などの産業を支える恵まれた自然環境を守る活動を支援し、持続可能な地域環境の実現に貢献します。
3.人権の尊重
性別、性的指向、性自認、宗教、信条、障害、人種、国籍等、あらゆる人権を尊重します。
4.働きがいのある職場づくり
全ての従業員が働きがいを感じ、能力を発揮できる職場環境を整備するとともに、従業員一人ひとりが希望する働き方を実現します。また、ダイバーシティと働き方改革を推進し、多様な人材の活躍機会を創出します。
5.社会から信頼されるガバナンスの構築
透明性と実効性の高いコーポレート・ガバナンスを実現し、持続的な企業価値の向上に取り組みます。また、株主、お客さま、従業員、地域社会など多様なステークホルダーに対し積極的に情報を開示することで、信頼される企業を目指します。

① 気候変動への対応
当社グループは、気候変動に起因するリスクが、戦略、財務、事業運営などに影響を与えるものと認識するとともに、持続可能な地域環境づくりのための再生可能エネルギー事業をはじめとしたサステナブルファイナンスを事業機会ととらえ積極的に取り組んでまいります。
また、サステナビリティ方針に基づく投融資方針を下記のとおり定め公表しております。
「投融資方針」
1.フィデアグループは、国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の趣旨を踏まえ、グループ経営理念に基づく企業活動を通じた地域社会と地域経済の持続的な発展の実現に向け、地域における環境及び社会問題の解決につながる投融資を推進します。
2.また、環境への負荷や人権問題など社会への影響の大きい事業等に対する投融資に関しては慎重に判断し、十分に留意します。
3.以下に例示するような事業に対して、積極的に支援を行います。
① 地域社会や地域経済の持続的な発展に資する取り組み及びその事業(創業及び事業承継を含む)
② 気候変動リスクを低減する省エネルギーや再生可能エネルギー事業、脱炭素社会の実現に寄与する事業
③ 水資源や森林資源などの保全に資する事業
④ 少子高齢化に対応する教育、医療や福祉に資する事業
⑤ 農林水産業や観光産業をはじめとした地域産業の振興に資する事業
⑥ 防災や減災に資する取り組み及びその事業
⑦ その他、持続可能な地域づくりに資する事業
4.以下のような先には投融資を行いません。
① 反社会的勢力及び事業
② 人権侵害や強制労働への関与先
③ 非人道的な兵器の開発・製造の関与先や、規制・制裁対象先
④ 新設の石炭火力発電所向け投融資
ただし、例外的に取り組みを検討する場合は、発電効率性能や環境への影響、地域社会への影響、個別案件毎の背景や特性等について総合的に勘案し、慎重に対応を検討

(気候変動に伴うリスクと想定される影響)
当社は、気候変動に伴うリスクと機会について、短期、中期、長期の時間軸で分析を行っており、その内容は以下のとおりとなっております。(以下、「短期」5年程度、「中期」10年程度、「長期」30年程度)
主なリスク時間軸
移行リスク◇ 気候変動問題に対する適切な取り組みや開示が他社比劣後することによる企業価値の低下短期~長期
◇ 気候変動に対応した規制や税制等が変更となり、お客さまの業績にネガティブな影響が及ぶことによる信用リスクの発生中期~長期
◇ 脱炭素関連技術の進捗、消費者の製品嗜好の変化等の市場環境の変化に伴い、お客さまの業績にネガティブな影響が及ぶことによる信用リスクの発生中期~長期
物理的リスク◇ 水害等に伴う不動産担保(建物等)の毀損や、お客さま事業施設が自然災害で被災し、事業が停滞することによる信用リスクの発生短期~長期
◇ 当社グループ事業施設の毀損による事業コストの増加や浸水被害等による営業停滞リスクの発生短期~長期
機会◇ 気候変動対策、脱炭素社会への移行を支援するための投融資やサービスの提供
(山形県や秋田県沖における洋上風力発電事業など、脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギー事業へのファイナンスや脱炭素化に関連するコンサルティング機会の拡大など、環境負荷低減を目的とした商品・サービスの積極的な提供)
短期~長期
◇ 当社グループの省資源・省エネルギー化の実施による事業コストの低下短期~長期

(シナリオ分析)
シナリオ分析にあたっては、「環境省 TCFD提言に沿った気候変動リスク・機会のシナリオ分析実践ガイド(銀行セクター向け)ver.2.0」を参考とし、下記分析結果は、一定の前提条件のもとに試算しております。今回の分析範囲においては、当社グループの財務への影響は限定的なものとなりましたが、引き続きシナリオ分析の高度化に努めてまいります。
● 移行リスク
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言が推奨するセクター等を対象に分析を行った結果、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいセクターとして、気候変動に関連する炭素税導入の影響が大きいと想定される「電力」「ガス」「石油」を選定しました。分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)の「World Energy Outlook 2021」における、Net Zero Emissions by Scenario(NZE(1.5℃シナリオ))などを参考に、炭素税の導入等、脱炭素社会への移行に伴う与信コストの影響を試算しました。
シナリオIEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)
NZE(Net Zero Emissions)2050シナリオ
分析内容◇ リスクと機会の影響評価のためのパラメータを特定。シナリオ下におけるパラメータ変化を基に炭素税が導入された場合の費用負担増加による与信先の財務内容が悪化するシナリオを想定し、当社グループの与信コストの変化を分析
分析対象「電力」「ガス」「石油」
分析結果
与信コスト等
最大7.3億円

● 物理的リスク
台風・洪水や高潮等の急性的な自然災害による浸水被害を分析しました。分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、当社グループに担保を提供している取引先の与信コストの影響額および当社グループの影響を試算しました。
シナリオIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)
RCP8.5(シナリオ)
分析内容◇ 河川の氾濫等による浸水を想定し、不動産担保の毀損および投融資先の業績悪化による与信コストを分析
①直接影響:不動産担保の毀損
②間接影響:与信先の営業停止による売上や利益減少等を要因とした財務状況の悪化による信用格付の低下
◇ 河川の氾濫等による浸水を想定し、当社が保有する店舗・ATM等への被害や営業停滞による影響を分析
分析対象当社グループへ不動産担保(建物等)を提供している取引先
当社グループが保有する店舗・ATM、浸水被害による営業停滞日数等
分析結果
与信コスト等
最大19.9億円

② 人的資本に関する取り組み
当社グループは、地域経済の活性化、持続可能な地域社会の実現に貢献し地域のお客さまとともに成長していくための5つのマテリアリティを特定し、その課題解決に貢献するべく取り組んでおります。その中で、人的資本に関連した重要課題として、人権の尊重、働きがいのある職場づくりを掲げ、具体的な対応を進めております。
(イ)人権への取り組み
当社グループは、人権を尊重しあらゆる人権侵害行為の根絶することを目指し、サステナビリティ方針に基づいた人権方針を定め公表しております。
また、企業活動が人権に与えるマイナスの影響を軽減することを目指し、企業の事業活動やサプライチェーンを通じて及ぼす労働問題、消費者被害、地域住民への影響の排除などを含む投融資方針を前述のとおり定め公表しております。
「人権方針」
フィデアグループは、東北地方に根差し新しい価値を育む広域金融グループとして、地域社会の持続的な発展に貢献していきます。
地域社会の持続的な発展を目指すうえで、人権の尊重を重要な社会課題の1つとして認識し、本業を通じてこの解決に取り組んでいきます。
1.国際規範の尊重
世界人権宣言をはじめとする人権に関する国際規範を尊重します。
2.あらゆる差別行為の根絶
性別、性的指向、性自認、宗教、信条、障害、人種、国籍等を理由とした差別や人権侵害を行いません。また、従業員一人ひとりの多様性を尊重し、あらゆるハラスメントや非人道的な扱いを根絶します。
3.人権に関する教育の実施
従業員一人ひとりが人権問題に関する正しい認識と理解を深めるため、研修をはじめとし、人権に関する教育を実施します。

人権方針に基づく具体的な活動として、人権をテーマとした外部講師による研修のほか、新入行員研修や階層別研修など集合研修を通じた人権啓発、ハラスメントに係る相談窓口及び内部通報窓口の設置、全行員を対象としたハラスメント研修などを実施しております。
(ロ)社内環境整備への取り組み
当社グループは、従業員が能力を発揮できる職場環境づくり、健康で安全な職場環境の整備、多様な人材の確保などを目指し、サステナビリティ方針に基づいた社内環境整備方針を下記のとおり定め公表しております。
「社内環境整備方針」
従業員満足(ES)や自発的貢献意欲の向上を図り、これを起点としてお客さま満足(CS)の向上に繋げられるように、従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境の整備に努めていきます。
また、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していきます。

社内環境整備方針に基づく具体的な活動として、第4次中期経営計画期間に夢の銀行づくりプロジェクトを推進しており、勤務時の服装自由化、アニバーサリー休暇の導入、テレワーク対象者の拡大、外部資格取得費用の補助拡大、副業兼業制度の導入、外部トレーニー派遣などポストチャレンジ制度の拡充、上司と部下の対話機会を創出する1on1ミーティングの導入、マネジメント層における日頃の行動を客観的に振り返る機会として360度評価の導入などを実施しております。
第5次中期経営計画においては、引き続き夢の銀行づくりプロジェクトを推進し、従業員の働きがい、エンゲージメントの向上に資する取り組みを次のステージへと進化させます。また人事制度の中核となる評価、報酬制度等の改定を予定しております。
(ハ)人材育成への取り組み
当社グループは、従業員が能力を発揮できる職場環境づくり、経営理念及び経営戦略に基づいた人材育成、従業員一人ひとりの活躍の応援を目指し、サステナビリティ方針に基づいた人材育成方針を下記のとおり定め公表しております。
「人材育成方針」
経営理念の実現に向け、従業員一人ひとりが行動指針〈Future7〉を主体的に実践し、地域やお客さまに寄り添い、それぞれが抱える課題の解決やニーズにお応えする、高次のコンサルティング力やソリューション提案力を身につけた人材を育成します。そのためには、一人ひとりのスキルに応じた各種研修(OFF-JT)、実践経験(OJT)、自己啓発(SD)を複合的に組み合わせ、従業員の自律的成長支援に不断に取り組んでまいります。また、多様な人材は新たな価値を生み出す源泉であると捉え、一人ひとりのモチベーション向上と自由な発想を促す個人の成長や経験の積上げ機会を設けていきます。

当社グループでは、経営理念を実現するために、一人ひとりがどのような姿勢・気持ちで行動するべきかを行動指針〈Future7〉として制定し、人材育成方針及び中期経営計画に基づき法人個人一体営業人材の育成に注力しております。
※ 行動指針〈Future7〉
1.前例にとらわれず、決して立ち止まらず、常に新しいことに挑み続けます。
2.お客さまの夢を自分ごとにし、実現のために情熱をもって考え、動きます。
3.向上心・探究心・好奇心を心掛け、常に自らをアップデートしていきます。
4.高水準のコンサルティングで、地域に幅広い知見とアイデアを提供します。
5.一人ひとりを尊重し、個々の成長や挑戦を後押しできる組織を目指します。
6.よく聞き、よく話す、声が闊達に飛び交う風通しのよい職場をつくります。
7.法令遵守と高い倫理観に基づき、地域の一員として責任ある行動をします。

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