有価証券報告書-第50期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、以下を経営の基本理念とし、国内外において存在価値のあるグループとして発展し、株主・投資家の皆様にとって魅力ある企業となるべく努力してまいります。
① 顧客のニーズに応え、海洋掘削事業を核とする諸事業を通じて、日本と世界の国々の発展に貢献する。
② 社会規範と企業倫理に則った経営を行い、技術と機動力を活かして企業価値を高め、持続的発展を目指す。
③ 安全操業を徹底し、海洋・地球環境の保全に努める。
(2) 経営目標
当社グループは、以下の経営目標を掲げ、達成に向けて邁進してまいります。
① 低迷する事業環境への対応
未だ本格的な回復に至っていない事業環境に対処するため、海洋掘削工事の受注獲得に全力を傾注し、収益力を改善する。
② 会社更生手続きの円滑な遂行
会社更生手続きを円滑に進め、早期に更生計画の認可決定を受ける。認可決定前においても、引き続き経費削減や設備投資の抑制に努め、事業価値の劣化を最小限に留める。
③ 安全操業体制の強化
当社事業の根幹と位置付ける「安全」の再認識と安全操業体制の強化を礎とし、操業効率を向上させる。
④ 経営資源の充実と成長機会の追求
中長期的な市況の見通しに基づき、成長機会を確実に捉えるべく、経営資源の充実と体制整備を進め、企業価値の維持・向上を図る。
(3) 経営環境
当社グループの経営に影響を及ぼす原油価格につきましては、平成26年秋口より急落し、その後長らく低迷が続きました。平成29年初めより米国シェールオイル増産等の供給増加要因が認められるものの、OPECとロシア等OPEC非加盟国による産油量の協調減産が平成29年1月から平成30年12月末まで実施されること等の原油価格押し上げ要因もあり、原油価格は安定的に回復してきております。それに伴い、石油・天然ガス開発会社の探鉱開発投資案件数も増加傾向にあり、世界全体の海洋掘削リグの稼働率は平成29年12月を境に回復基調に転じ、市況に漸く底打ち感が出てきております。しかしながら、業界好況時に積極的に建造開始された新規リグの市場投入が進み、片や経年リグの退役が進んでいないこともあってリグ需給が未だ弱含みで推移し、かつ、依然としてデイレートは低水準にあり、本格的な業界の回復には今しばらくの時間を要するものと予想しております。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、前連結会計年度において2期連続で営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。当連結会計年度におきましても多額の減損損失等を計上したことから、114億円の営業損失、120億円の経常損失及び454億円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなり、その結果、155億円の債務超過となりました。そのため、金融関連負債のうち270億円分の借入金及び未経過リース料が財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失する可能性があります。さらにクロスデフォルト条項に基づき、それら以外の社債や借入金についても期限の利益を喪失する可能性があります。
また、「HAKURYU-14」に関する平成30年1月30日付の割賦売買契約に基づき、同年7月31日に第2回目の割賦残高179億円の支払いが予定されております。
加えて、「HAKURYU-15」に関し、当社又は当社関係会社は平成31年1月31日の完成引渡し後にリース契約を締結し運用することを予定しておりますが、リースが組成できない等の所定の場合においては当社がリグを建造発注した東銀リース株式会社(以下「BOTL社」)のリグ建造契約上の地位を承継し、BOTL社がそれまでに支払いを行った建造代金その他の費用合計300億円規模の補償を行うこととなっております。
また、取引金融機関の一つより担保の提供を求められており、当該協議が合意に至らない場合には、同金融機関から期限の利益の喪失を請求される可能性があり、その場合は、クロスデフォルト条項に基づき、その他の借入金や未経過リース料並びに社債についても期限の利益の喪失を請求される可能性があります。
これらの状況により、当社グループには、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況(以下「重要事象等」)が存在しております。
以上の事業環境ならびに財務状況に対応するため、当社グループといたしましては、早期に財務基盤を回復させ、持続的な発展に向けた企業競争力を取り戻すために、以下を重点課題として設定し、総力を結集して取り組んでいく所存であります。
① 受注競争力の強化
当社グループが厳しい事業環境下にあっても着実に業績を改善していくためには、グループ内での総合的なマーケティング力を強化し、確実に掘削契約を獲得していくことが喫緊の課題となっております。本社と海外事業所とが更に緊密度を高めて協業し、石油・天然ガス開発会社とのより強固な信頼関係を築いていくことや、顧客の要求条件に対して的確かつ機動的に対応する等、様々な方策を駆使して受注活動に取り組みます。
また、日本人を基幹要員とし、顧客へのきめ細やかな対応、精緻な計画、和を尊しとする気質、丁寧な作業等、日本文化と伝統に根ざす「掘削コントラクタースピリット」を持つ当社グループの強みや、これまで培ってきた安全操業や効率的作業の実績等を最大限に訴求し、欧米大手同業他社とは異なる当社独自の差別化路線を推し進めます。
② 財務基盤の早期回復
当社グループは、重要事象等を解消又は改善し、財務基盤を早期に回復するべく、以下の対応策を実施しておりました。
a. 経営再建に向けた金融機関、BOTL社並びにスポンサー候補企業との協議
債務超過を解消するための増資等の資本政策や、「HAKURYU-14」、「HAKURYU-15」の支払いに関わる資金繰り対策等につき、主力取引銀行、BOTL社並びにスポンサー候補企業との間で財務支援の協議を進めておりました。
b. 期限の利益喪失の権利行使留保に向けた金融機関及びリース会社との協議
財務制限条項に抵触している借入契約に関し、金融機関に対し期限の利益喪失に係る権利行使を行わないこと、同じく財務制限条項に抵触しているリース契約に関し、リース会社に対しリース契約の終了事由と見做さないことについて、平成30年7月20日までは同意を得られておりますが、同年7月21日以降についても、期限の利益喪失の権利行使留保を要請する予定です。
c. 増担保設定を要求している金融機関との協議
当金融機関とは担保提供の請求の妥当性について合意に至っていないため、期限の利益の喪失通知を受ける可能性があります。引き続き協議を続け、万が一、当該通知を受けた場合は速やかに期限の利益喪失事由が発生していない旨を主張する等、適切な対応を図る予定でした。
d. 当社グループ保有固定資産の売却の検討
更なるキャッシュ・フロー創出のために、保有リグ等固定資産の売却について検討しております。
e. 設備投資、売上原価、販売費及び一般管理費の削減を通じたキャッシュ・フローの改善
引き続き自助努力によるコスト削減に努め、キャッシュ・フローの改善に注力いたしました。
しかしながら、財務制限条項に抵触している借入契約やリース契約に関し、平成30年7月21日以降についても期限の利益喪失の権利行使留保を要請する必要があること、また、「HAKURYU-14」の割賦残高179億円の支払期日においても同年7月31日に迫っている中で、金融機関及びBOTL社並びにスポンサー候補企業との協議が合意に至る見通しが立たないことから、法的事業再生手続きなしでは当社事業の再生は困難と判断するに至り、当社及び当社の連結子会社であるJapan Drilling (Netherlands) B.V. (以下「JDN社」)は、平成30年6月22日開催の取締役会において、会社更生手続開始の申立てを行うことを決議し、東京地方裁判所に同手続き開始の申立てを行いました。
今後、当社及びJDN社は東京地方裁判所より会社更生手続の開始決定を受けた後、更生手続きを着実に進め、事業の再生に努めてまいります。
③ 安全操業体制の強化
安全操業を継続することは当社事業の根幹であり、当社グループではHSQEマネージメントシステム(注1)を運用して安全確保のための対策に万全を期しております。
「安全に近道はない」の基本的な考え方のもと、リグ操業に関わる全ての人員に対してHSQEマネージメントシステムに基づいた安全教育を実施し保安意識の向上を図るとともに、更なる安全管理強化を行っております。
また、費用対効果を十分に考慮したリグ設備投資計画及び整備計画を策定のうえ実施し、安全操業ができる備えや体制固めを確実に行います。
(注1) HSQEマネージメントシステム
当社海洋掘削事業における健康、安全、品質及び環境(Health、Safety、Quality、Environment)に関する事柄を組織的、体系的に管理するために採用されたものであり、国際的規格であるISM Code、OHSAS18001、ISO9001、ISO14001の要求を満たす統合型管理システムです。
④ 次世代人材の育成
長引く海洋掘削業界の景気低迷に伴い、熟練した掘削技術・技能を有する高齢リグ要員の退役が続いております。当社グループにおきましても長年の貴重な経験や専門技術・知識を如何に早く次世代へ継承していくかが喫緊の課題となっております。安定した安全操業を続けていくために、熟練リグ要員が持つ経験・技術・知識の次世代人材への早期伝承を重点的に図るとともに、若手社員や女性社員を問わず、各人が有する能力や適性面での多様性を尊重・重視しながら、組織の活性化を図ります。
⑤ 海洋掘削技術の応用
当社は本邦唯一の海洋掘削コントラクターとして、我が国のエネルギー政策に積極的に寄与してゆくと共に、外部環境変化に大きく影響される海洋掘削事業を補完する観点からも、引き続き海洋掘削技術を応用した事業の展開を進めてまいります。
経済産業省が平成25年度に策定した「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」では、我が国周辺海域に相当量の賦存が期待される砂層型メタンハイドレートを将来の国産天然ガス資源として利用可能とするため、海洋産出試験の結果等を踏まえ、平成30年度を目途に、商業化の実現に向けた技術の整備を行い、平成30年代後半に、民間企業が主導する商業化のためのプロジェクトが開始されるよう、技術開発を進めることとされております。当社は、これまで「ちきゅう」を用いたメタンハイドレート海洋産出試験に係わる主要設備の設計・製造や掘削作業に従事いたしました。今後とも引き続きメタンハイドレート開発を中心とした我が国のエネルギー政策に積極的に寄与してまいります。
また、我が国の領海・排他的経済水域・大陸棚で存在が確認されている海底熱水鉱床、海底レアアース泥、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊などの鉱物資源の開発に関する検討にも積極的に関与し、さらに我が国の海洋鉱物資源開発政策にも寄与してまいります。
なお、近年、再生可能エネルギーを活用したエネルギーミックスが唱えられていることを受け、将来を見越した応用技術の一つとして、当社グループが保有する経年ジャッキアップ型海洋掘削リグを洋上風力発電施設の設置工事用作業構台へ改造し、再生可能エネルギーの発電コスト低減を図る方法に関し調査研究を行っております。
(1) 経営方針
当社グループは、以下を経営の基本理念とし、国内外において存在価値のあるグループとして発展し、株主・投資家の皆様にとって魅力ある企業となるべく努力してまいります。
① 顧客のニーズに応え、海洋掘削事業を核とする諸事業を通じて、日本と世界の国々の発展に貢献する。
② 社会規範と企業倫理に則った経営を行い、技術と機動力を活かして企業価値を高め、持続的発展を目指す。
③ 安全操業を徹底し、海洋・地球環境の保全に努める。
(2) 経営目標
当社グループは、以下の経営目標を掲げ、達成に向けて邁進してまいります。
① 低迷する事業環境への対応
未だ本格的な回復に至っていない事業環境に対処するため、海洋掘削工事の受注獲得に全力を傾注し、収益力を改善する。
② 会社更生手続きの円滑な遂行
会社更生手続きを円滑に進め、早期に更生計画の認可決定を受ける。認可決定前においても、引き続き経費削減や設備投資の抑制に努め、事業価値の劣化を最小限に留める。
③ 安全操業体制の強化
当社事業の根幹と位置付ける「安全」の再認識と安全操業体制の強化を礎とし、操業効率を向上させる。
④ 経営資源の充実と成長機会の追求
中長期的な市況の見通しに基づき、成長機会を確実に捉えるべく、経営資源の充実と体制整備を進め、企業価値の維持・向上を図る。
(3) 経営環境
当社グループの経営に影響を及ぼす原油価格につきましては、平成26年秋口より急落し、その後長らく低迷が続きました。平成29年初めより米国シェールオイル増産等の供給増加要因が認められるものの、OPECとロシア等OPEC非加盟国による産油量の協調減産が平成29年1月から平成30年12月末まで実施されること等の原油価格押し上げ要因もあり、原油価格は安定的に回復してきております。それに伴い、石油・天然ガス開発会社の探鉱開発投資案件数も増加傾向にあり、世界全体の海洋掘削リグの稼働率は平成29年12月を境に回復基調に転じ、市況に漸く底打ち感が出てきております。しかしながら、業界好況時に積極的に建造開始された新規リグの市場投入が進み、片や経年リグの退役が進んでいないこともあってリグ需給が未だ弱含みで推移し、かつ、依然としてデイレートは低水準にあり、本格的な業界の回復には今しばらくの時間を要するものと予想しております。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、前連結会計年度において2期連続で営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。当連結会計年度におきましても多額の減損損失等を計上したことから、114億円の営業損失、120億円の経常損失及び454億円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなり、その結果、155億円の債務超過となりました。そのため、金融関連負債のうち270億円分の借入金及び未経過リース料が財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失する可能性があります。さらにクロスデフォルト条項に基づき、それら以外の社債や借入金についても期限の利益を喪失する可能性があります。
また、「HAKURYU-14」に関する平成30年1月30日付の割賦売買契約に基づき、同年7月31日に第2回目の割賦残高179億円の支払いが予定されております。
加えて、「HAKURYU-15」に関し、当社又は当社関係会社は平成31年1月31日の完成引渡し後にリース契約を締結し運用することを予定しておりますが、リースが組成できない等の所定の場合においては当社がリグを建造発注した東銀リース株式会社(以下「BOTL社」)のリグ建造契約上の地位を承継し、BOTL社がそれまでに支払いを行った建造代金その他の費用合計300億円規模の補償を行うこととなっております。
また、取引金融機関の一つより担保の提供を求められており、当該協議が合意に至らない場合には、同金融機関から期限の利益の喪失を請求される可能性があり、その場合は、クロスデフォルト条項に基づき、その他の借入金や未経過リース料並びに社債についても期限の利益の喪失を請求される可能性があります。
これらの状況により、当社グループには、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況(以下「重要事象等」)が存在しております。
以上の事業環境ならびに財務状況に対応するため、当社グループといたしましては、早期に財務基盤を回復させ、持続的な発展に向けた企業競争力を取り戻すために、以下を重点課題として設定し、総力を結集して取り組んでいく所存であります。
① 受注競争力の強化
当社グループが厳しい事業環境下にあっても着実に業績を改善していくためには、グループ内での総合的なマーケティング力を強化し、確実に掘削契約を獲得していくことが喫緊の課題となっております。本社と海外事業所とが更に緊密度を高めて協業し、石油・天然ガス開発会社とのより強固な信頼関係を築いていくことや、顧客の要求条件に対して的確かつ機動的に対応する等、様々な方策を駆使して受注活動に取り組みます。
また、日本人を基幹要員とし、顧客へのきめ細やかな対応、精緻な計画、和を尊しとする気質、丁寧な作業等、日本文化と伝統に根ざす「掘削コントラクタースピリット」を持つ当社グループの強みや、これまで培ってきた安全操業や効率的作業の実績等を最大限に訴求し、欧米大手同業他社とは異なる当社独自の差別化路線を推し進めます。
② 財務基盤の早期回復
当社グループは、重要事象等を解消又は改善し、財務基盤を早期に回復するべく、以下の対応策を実施しておりました。
a. 経営再建に向けた金融機関、BOTL社並びにスポンサー候補企業との協議
債務超過を解消するための増資等の資本政策や、「HAKURYU-14」、「HAKURYU-15」の支払いに関わる資金繰り対策等につき、主力取引銀行、BOTL社並びにスポンサー候補企業との間で財務支援の協議を進めておりました。
b. 期限の利益喪失の権利行使留保に向けた金融機関及びリース会社との協議
財務制限条項に抵触している借入契約に関し、金融機関に対し期限の利益喪失に係る権利行使を行わないこと、同じく財務制限条項に抵触しているリース契約に関し、リース会社に対しリース契約の終了事由と見做さないことについて、平成30年7月20日までは同意を得られておりますが、同年7月21日以降についても、期限の利益喪失の権利行使留保を要請する予定です。
c. 増担保設定を要求している金融機関との協議
当金融機関とは担保提供の請求の妥当性について合意に至っていないため、期限の利益の喪失通知を受ける可能性があります。引き続き協議を続け、万が一、当該通知を受けた場合は速やかに期限の利益喪失事由が発生していない旨を主張する等、適切な対応を図る予定でした。
d. 当社グループ保有固定資産の売却の検討
更なるキャッシュ・フロー創出のために、保有リグ等固定資産の売却について検討しております。
e. 設備投資、売上原価、販売費及び一般管理費の削減を通じたキャッシュ・フローの改善
引き続き自助努力によるコスト削減に努め、キャッシュ・フローの改善に注力いたしました。
しかしながら、財務制限条項に抵触している借入契約やリース契約に関し、平成30年7月21日以降についても期限の利益喪失の権利行使留保を要請する必要があること、また、「HAKURYU-14」の割賦残高179億円の支払期日においても同年7月31日に迫っている中で、金融機関及びBOTL社並びにスポンサー候補企業との協議が合意に至る見通しが立たないことから、法的事業再生手続きなしでは当社事業の再生は困難と判断するに至り、当社及び当社の連結子会社であるJapan Drilling (Netherlands) B.V. (以下「JDN社」)は、平成30年6月22日開催の取締役会において、会社更生手続開始の申立てを行うことを決議し、東京地方裁判所に同手続き開始の申立てを行いました。
今後、当社及びJDN社は東京地方裁判所より会社更生手続の開始決定を受けた後、更生手続きを着実に進め、事業の再生に努めてまいります。
③ 安全操業体制の強化
安全操業を継続することは当社事業の根幹であり、当社グループではHSQEマネージメントシステム(注1)を運用して安全確保のための対策に万全を期しております。
「安全に近道はない」の基本的な考え方のもと、リグ操業に関わる全ての人員に対してHSQEマネージメントシステムに基づいた安全教育を実施し保安意識の向上を図るとともに、更なる安全管理強化を行っております。
また、費用対効果を十分に考慮したリグ設備投資計画及び整備計画を策定のうえ実施し、安全操業ができる備えや体制固めを確実に行います。
(注1) HSQEマネージメントシステム
当社海洋掘削事業における健康、安全、品質及び環境(Health、Safety、Quality、Environment)に関する事柄を組織的、体系的に管理するために採用されたものであり、国際的規格であるISM Code、OHSAS18001、ISO9001、ISO14001の要求を満たす統合型管理システムです。
④ 次世代人材の育成
長引く海洋掘削業界の景気低迷に伴い、熟練した掘削技術・技能を有する高齢リグ要員の退役が続いております。当社グループにおきましても長年の貴重な経験や専門技術・知識を如何に早く次世代へ継承していくかが喫緊の課題となっております。安定した安全操業を続けていくために、熟練リグ要員が持つ経験・技術・知識の次世代人材への早期伝承を重点的に図るとともに、若手社員や女性社員を問わず、各人が有する能力や適性面での多様性を尊重・重視しながら、組織の活性化を図ります。
⑤ 海洋掘削技術の応用
当社は本邦唯一の海洋掘削コントラクターとして、我が国のエネルギー政策に積極的に寄与してゆくと共に、外部環境変化に大きく影響される海洋掘削事業を補完する観点からも、引き続き海洋掘削技術を応用した事業の展開を進めてまいります。
経済産業省が平成25年度に策定した「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」では、我が国周辺海域に相当量の賦存が期待される砂層型メタンハイドレートを将来の国産天然ガス資源として利用可能とするため、海洋産出試験の結果等を踏まえ、平成30年度を目途に、商業化の実現に向けた技術の整備を行い、平成30年代後半に、民間企業が主導する商業化のためのプロジェクトが開始されるよう、技術開発を進めることとされております。当社は、これまで「ちきゅう」を用いたメタンハイドレート海洋産出試験に係わる主要設備の設計・製造や掘削作業に従事いたしました。今後とも引き続きメタンハイドレート開発を中心とした我が国のエネルギー政策に積極的に寄与してまいります。
また、我が国の領海・排他的経済水域・大陸棚で存在が確認されている海底熱水鉱床、海底レアアース泥、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊などの鉱物資源の開発に関する検討にも積極的に関与し、さらに我が国の海洋鉱物資源開発政策にも寄与してまいります。
なお、近年、再生可能エネルギーを活用したエネルギーミックスが唱えられていることを受け、将来を見越した応用技術の一つとして、当社グループが保有する経年ジャッキアップ型海洋掘削リグを洋上風力発電施設の設置工事用作業構台へ改造し、再生可能エネルギーの発電コスト低減を図る方法に関し調査研究を行っております。