有価証券報告書-第19期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/25 15:12
【資料】
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【項目】
122項目
3.重要性のある会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社により支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していることとなります。
連結される子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社の連結財務諸表に含まれております。連結グループ内の債権債務残高及び取引、並びに連結グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
当社は、IFRS第10号が定める投資企業に該当します。
従って、子会社は連結の対象ではなく、純損益を通じて公正価値により測定しています。
ただし、投資関連サービス(アドバイザリーサービス、管理サービス等)を提供する投資企業ではない子会社については、連結の対象としています。
当社は様々なタイプの子会社を有しており、当社の子会社が有する機能に照らして、IFRS第10号における取扱いを毎期見直しています。
当社の子会社の主なタイプと取扱いは以下のとおりです。
(ⅰ)主に当社の投資管理サービスの延長となる業務を実施し、投資先企業への直接投資を実施していない子会社は、連結の対象としております。
(ⅱ)当社、役職員及び投資家等からの出資を受け、投資を実施し、利益の分配を行う子会社は、投資企業に該当するため、純損益を通じて公正価値で測定しております。
(ⅲ)投資先企業に対して直接投資を実施している子会社は投資企業に該当するため、純損益を通じて公正価値で測定しております。
(ⅳ)当社が支配している投資先企業は、純損益を通じて公正価値で測定しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその企業の財務及び経営方針に対して、重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」の定めに従い、当社グループが他の企業の議決権の20%以上、50%以下を保有する場合、当該他の企業に対して重要な影響力があると推定されます。
当社は、IFRS第10号が定める投資企業に該当します。
従って、関連会社は純損益を通じて公正価値により測定しております。
(2)収益認識
当社グループはエクイティ投資事業を運営しており、ファンドを組成して外部投資家から募集した資金の運用を行っております。これらのファンドから管理報酬及びキャリードインタレストを受領する他、無限責任組合員としてこれらのファンドへの投資や投資先企業への経営支援も行っております。また自己資金による投資ポートフォリオへの投資を行い運用益の獲得を行っております。ファンドからの管理報酬、キャリードインタレスト及び投資先企業への経営支援料の各収益項目の認識については、注記「13.収益」に記載のとおりであります。
(3)金融商品
① 認識及び認識の中止
金融資産及び金融負債は、当社グループが金融商品の契約条項の当事者になった時点で認識しております。
金融資産の通常の方法による売買はすべて、取引日基準で認識及び認識の中止を行っております。通常の方法による売買とは、市場における規則又は慣行により一般に認められている期間内での資産の引渡しが要求される金融資産の購入又は売却をいいます。なお、非上場株式等を相対で売買する取引については、一般的に取引の実行に様々な前提条件が課されるため、それらの条件を充足し取引が最終的に完了した時点を取引日としております。
② 分類及び事後測定
(ⅰ)非デリバティブ金融資産
非デリバティブ金融資産は、当該金融資産の管理に関する企業のビジネスモデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性によって、以下の指定された区分、「償却原価で測定される金融資産」、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」又は「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(以下、「FVTPLの金融資産」という。)」に当初認識時に分類しております。当社グループはIFRS第10号が定める投資企業に該当し、その投資ポートフォリオについては、原則としてFVTPLの金融資産として分類しております。
なお、FVTPLの金融資産について、当社グループの非子会社運用ファンド、IFRS第10号の定めにより公正価値で評価している子会社のそれぞれを通じて受領している配当は、連結損益計算書の「ポートフォリオへの投資の公正価値変動」、「公正価値で評価している子会社の公正価値変動」にそれぞれ含めて計上しております。
(ⅱ)非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債には、借入金及び公正価値で評価している子会社からの借入金、営業債務及びその他の債務等が含まれ、当初認識後は、実効金利法を用いた償却原価により測定しております。
③ 公正価値測定
当社グループは、金融資産又は金融負債に関する市場が活発である場合、市場価格を用いて公正価値を測定しております。
金融資産又は金融負債に関する市場が活発でない場合、当社グループは評価技法を用いて公正価値を決定しております。評価技法には、知識のある自発的な当事者間での最近の独立第三者間取引の利用、類似の金融資産又は金融負債の現在の公正価値の参照、割引将来キャッシュ・フロー法及びオプション価格算定モデルが含まれます。市場参加者が金融資産又は金融負債の価格決定のために用いている評価技法があり、信頼性のある見積市場価格を提供することが立証されている場合には、その評価技法を用いて公正価値を決定しております。評価技法の妥当性を確保するために、当社グループは、定期的に観察可能な市場データに基づいて評価技法を調整し、有効性を検証しております。
(4)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ケ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(5)有形固定資産
有形固定資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産の解体、除去及び原状回復費用が含まれております。
土地等の償却を行わない資産を除き、有形固定資産は見積耐用年数にわたり、定額法により減価償却を行っております。
主要な有形固定資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
① 建物及び附属設備:4年~9年
② 工具器具備品 :2年~10年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は毎期末日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(6)無形資産
無形資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
耐用年数を確定できない無形資産を除き、無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり定額法で償却しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
ソフトウエア:5年
有限の耐用年数を有する無形資産の償却方法及び耐用年数は毎期末日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(7)非金融資産の減損
当社グループは期末日において、繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。
耐用年数の確定できない無形資産は償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としています。資金生成単位については、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小単位の資産グループとし、原則として各社としています。
(8)賞与引当金
賞与引当金は従業員への賞与の支払いに備えるため、確定前の従業員に対する賞与の支給見込額のうち、当連結会計年度に帰属する額を計上しております。
(9)株式報酬
当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブの付与を目的としてストック・オプション制度を導入しています。株式報酬の付与日における公正価値は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり、人件費として認識し、同額を資本の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しています。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しています。
(10)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用と繰延税金費用から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識される項目を除き、純損益で認識しております。
当期税金費用は、期末日時点において施行又は実質的に施行される税率を使用して、税務当局に納付(又は税務当局から還付)される予想額で算定しております。
繰延税金費用は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時的な差異について認識しております。また予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合の子会社への投資に係る将来減算一時差異については、繰延税金資産を認識しておりません。繰延税金資産及び繰延税金負債は、期末日に施行又は実質的に施行される法律に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産及び当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、利用できる将来課税所得が稼得される可能性が高いものに限り繰延税金資産を認識しております。繰延税金資産は毎期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しております。
子会社への投資に係る将来加算一時差異についても繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異の解消時期を当社グループがコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。
一方、そのような投資に関連する将来減算一時差異から発生する繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得がある可能性が高く、予測可能な将来の期間に解消する可能性が高い範囲でのみ認識しております。
(11)資本
① 資本金及び資本剰余金
当社が発行する資本性金融商品は、資本金及び資本剰余金に計上しております。また、その発行に直接起因する取引費用は資本から控除しております。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価し、資本からの控除項目として認識しております。
自己株式を処分した場合には、帳簿価額と処分時の対価との差額を資本剰余金として認識しております。