有価証券報告書-第20期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/19 15:45
【資料】
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【項目】
137項目

有報資料

以下の文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営理念
当社グループの経営理念は以下のとおりであり、PE投資事業において実践しております。
「積分、積み重ね」を意味する社名インテグラルは、「ハートのある信頼関係と最高の英知の積み重ね」の象徴であります。その積み重ねの結果、経営理念である『Trusted Investor=信頼できる資本家』として、世界に通用する日本型企業改革、すなわち資本家たるファンドと経営者が強い信頼の下に協力し合う変革の実現に貢献することをミッションとしております。
21世紀、日本企業が大きな改革を進めていくには、資本家と経営者が、お互いに深く信頼し合うことが必要不可欠であります。歴史を振り返ってみても、産業革命、明治維新、戦後の高度経済成長等、経済社会の大きな変革期には、必ずと言って良いほど、資本家(キャピタル)と経営者(イノベーター)が強い信頼関係の下、共通の目標を持ち、時代の変化に立ち向かい続けることで、企業を発展に導いてきております。
グローバル資本主義の進化、グローバル競争の激化、人口構造の変化、社会貢献の必要性等、日本企業の経営を取り巻く環境がよりチャレンジングになる中、当社は、下記3つの行動規範を掲げて活動しております。
① ハートのある信頼関係を事業すべての基礎とします。
企業は人です。信頼関係があれば、企業は潜在能力を最大限に発揮して発展できると考えております。
② 長期的な企業価値の向上を愚直に追求します。
同じ目線に立ち、時間をかけて挑戦し続ける事で改革を着実に進めるよう行動します。
③ 最高の英知を結集し、「新しい何か」の創造に挑戦します。
『業界並』では競争に勝てません。革新への積極果敢なチャレンジをサポートします。
当社グループは、投資先の経営陣との信頼関係を礎にし、長期的視野に立ってエクイティ投資を行うことを標榜しております。投資後は『経営陣と同じ目線・時間軸』をもって投資先企業とともに歩み、企業価値向上に向けて経営・財務の両面でのサポートを行ってまいります。
不動産投資事業においては、上記の経営理念の下で当該事業における理念を以下のとおり定めています。
私たちが生活をするうえで「不動産」との関わりは不可欠となっています。人々が社会生活を営む場であり、産業の基盤でもある不動産領域において、私たちはサステナブルなサイクルを次の世代に繋いでいくために、社会と地域に寄り添い、未来を見据えた投資活動を行っていきます。
社会の変化を的確に捉え、不動産の隠れた価値を引き出し、最適な形に生まれ変わらせることで、都市の未来を創造する「Trusted Investor」を目指し、下記3つの行動規範を掲げて活動しております。
① ハートのある信頼関係を事業すべての基礎とします。
対象不動産にかかわる全ての方たちとのハートのある信頼関係を大切にし、育み、積み重ねていくことを目指します。
② 次の世代に繋げていく価値を追求します。
社会と地域の未来を見据え、サステナブルな投資サイクルを推進していくための第一歩を担い、次の世代に繋げる責任のある投資活動を行います。
③ 最高の英知を結集し、未来を創造します。
豊かな経験と柔軟な感性により生み出される最高の英知を結集し、対象不動産の隠れた価値を引き出し、都市と人々の暮らしに最適な形へ再生し、未来を創造します。
(2)目標とする重要な経営指標
当社グループは、PE投資事業、不動産投資事業及びグローバルテック・グロース投資事業の各アセットクラスにおいて、投資先企業及び投資アセットの価値を増大させることによって、AUM(Assets under management:運用資産残高)を中長期的に拡大させること、キャリードインタレストの最大化を図っていくこと及びプリンシパル投資のFV(Fair Value:公正価値、適正価格)を継続的に成長させることを目指しております。
(単位:億円)

2023年12月期2024年12月期2025年12月期
AUM(運用資産残高)(注)12,2502,8855,765
Fee-Earning AUM(注)21,7971,6453,789
プリンシパル投資のFV327381435
プリンシパル投資の取得原価(注)3827097
ファンド投資のFV(注)42,2442,8783,609
未実現キャリードインタレスト(注)5
2号ファンドシリーズ20610
3号ファンドシリーズ14480165
4号ファンドシリーズ53150176
UCAT(税引後未実現キャリードインタレスト)(注)6151164240
経済収益ベース純資産(注)7549740864

(注)1.投資期間中のファンド又は投資期間の定めのないファンドは、出資約束金額又は投資ポートフォリオ及び投資アセットのFVのいずれか大きい金額により、投資期間終了後のファンドは投資ポートフォリオのFVにより集計しております。またAUM(運用資産残高)は、当社が管理報酬を受領するファンドのみを対象としており、PE投資事業の個別案件で共同投資家が出資を行っているものの当社が管理報酬を受領しないファンドは対象外としています。また、2023年12月期及び2024年12月期において、投資期間中のファンドであった4号ファンドシリーズは出資約束金額をAUMの集計対象としておりましたが、同期間における投資ポートフォリオのFVが出資約束金額を超過していたため、2023年12月期及び2024年12月期のAUMを修正しております。なお、2025年12月期より不動産1号ファンドの金額も集計に含めています。
2.Fee-Earning AUMは、ファンドの管理報酬の計算基礎となる運用資産残高であり、投資期間中のファンド又は投資期間の定めのないファンドは出資約束金額により、投資期間終了後のファンドは投資ポートフォリオの取得原価残高により集計しております。また、出資約束金額及び取得原価残高には、2%相当の当社グループによるGP出資に係る金額が含まれますが、当該金額はFee-Earnings AUMの集計から除外しております。2023年12月期及び2024年12月期は当該GP出資に係る金額を除外した数値へ修正しております。なお、2025年12月期より不動産1号ファンドの金額も集計に含めています。
3.プリンシパル投資の取得原価は、株式及び債券についてはIFRS会計基準に基づく取得原価、ファンド出資金については、出資履行金額から出資の返還として分配された金額及び部分Exitをした際の売却比率に応じた金額を控除した額により集計しております。
4.ファンド投資のFVは、PE投資事業及び不動産投資事業において、当社グループが運用するファンドが保有する投資ポートフォリオ及び投資アセットのFVを集計しております。なお、2025年12月期より不動産1号ファンドの金額も集計に含めています。
5.ファンドの未実現キャリードインタレストとは、当該期末時点で投資先企業をその時点のFVで売却したと仮定した場合に当社グループが受領することができると見込まれるキャリードインタレストの金額(当該期末時点での累計分配額と投資先企業の時価評価損益を純資産に合算した金額から出資履行金額を控除した金額に20%を乗じて、当該金額からGP出資割合分を除いた金額より既に実現しているキャリードインタレストを除外した金額)になります。なお、本表に掲載の未実現キャリードインタレストは、上述の計算により算出される未実現キャリードインタレストのうち、役職員によるGP出資分を除いた当社グループ取得見込み分です。
6.UCAT(Unrealized Carried Interest After Tax:税引後未実現キャリードインタレスト)とは、未実現キャリードインタレストから実効税率に基づく実現時の想定税金額を控除した金額になります。
7.経済収益ベース純資産とは、連結財政状態計算書の「親会社の所有者に帰属する持分合計」とUCATの合計金額であり、未実現キャリードインタレストが実現したと仮定した場合に想定される資本の金額になります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりです。
① PE投資事業における課題への対応
a. 良質なポートフォリオへの投資戦略
当社グループの戦略的投資により、良質なポートフォリオを積み上げていくことが、ファンドパフォーマンスの向上につながると考えております。中堅企業にフォーカスし、独自ネットワークによりソーシングの多様化を図り、豊富な投資形態で検討可能な案件数を増やしております。また、プリンシパル投資を加えたハイブリッド投資を実行することで、長期コミットメントの提示が可能となっております。これにより相対案件や入札案件における優位性、低価格での投資機会を創出しております。
b. 投資先価値向上の追求
当社グループは、自己資金をファンドに出資し、他の出資者とともにファンドからの収益を享受しています。長期に亘るファンドパフォーマンスの持続的な向上が、当社グループの最大の責務です。中堅企業向けPE投資において、戦略構築及び業務オペレーションでの価値創造のための実践的な支援が不可欠であると確信しております。当社グループは、中堅企業の大多数が事業改善のための日常的かつ実践的な支援を求めており、経営管理機能の充足、改善が重要な価値創造の機会になると考えております。そのため、当社グループの投資プロフェッショナルによる常駐支援であるi-Engineを通じた経営支援活動により、投資先企業の価値向上を図り、当社グループのファンドパフォーマンス向上に努めていきます。
c. 人材の確保、育成
当社グループでは、人的資本の強化に向けて「One Teamで英知を結集する」というコンセプトを掲げており、単なる投資家としてではなく事業の構想段階から経営に関与していく人材の育成を重視しています。当社グループでは、人材育成プログラムとして「インテグラル道場」という、OJTを中心に勉強会や事例検討会、知見交換会を開催し、その育成に取り組んでおります。Off JTとしては、「i-Source」(当社グループの教育プログラム)という社内独自のデータベースを導入し、これまでの案件で培ってきた社内のノウハウや、資料の共有を行っております。丁寧な採用戦略と独自の教育プログラムにより、早期人材育成と定着化を図っており、プロフェッショナル人材不足が投資事業のボトルネックになることがないようインターンシップからの採用や、中途採用を積極的に行っていきます。また、より良い投資判断・経営判断の実現のために人材の多様性を促進しております。
② 不動産投資事業における課題への対応
a. バリューアッド戦略による良質な投資機会の創出
当社グループは、既存の不動産ストックに対してリノベーションやコンバージョン(用途変更)等の施策を講じ、物件のキャッシュフローを最大化させる「バリューアッド戦略」を中核としております。インフレ局面への移行や新築物件の供給抑制といった市場環境の変化を捉え、適切な資本投下により不動産の潜在的価値を引き出すことが重要であると考えております 。PE投資事業を通じて培った広範なネットワークや信頼関係を活用し、特に事業会社が保有する未証券化物件等の「隠れた価値」を有するアセットへアプローチすることで、当社グループ独自の投資機会を継続的に創出・蓄積してまいります。
b. 専門的知見に基づく不動産価値向上の追求
不動産1号ファンドの運用開始に伴い、投資アセットの着実な価値向上がファンドパフォーマンスの向上、ひいては当社グループの収益拡大に直結すると認識しております 。多様なアセットクラス(住宅、オフィス、ホテル等)において豊富な投資・運用経験を有するプロフェッショナルが、物件ごとに最適なバリューアップシナリオを策定・実行いたします 。また、テクノロジーやAIを活用した高度な物件管理・リーシング支援等を取り入れることで、変化するテナントニーズに即した付加価値を提供し、投資リターンの最大化に努めてまいります 。
c. 不動産投資プロフェッショナルの採用・育成
PE投資事業同様に、不動産投資事業においても、高度な専門性と倫理観を兼ね備えた投資プロフェッショナルの確保が不可欠です。ホテル、オフィス、レジデンス、物流施設等の各アセットタイプでの投資実行や、不動産運営・管理などのアセットマネジメントの経験を有する投資プロフェッショナル、またはファンド管理やコンプライアンスに精通した管理部門責任者など、不動産投資事業の更なる拡大に必要な人材の確保を進めます。
また、アセットクラスを超えて、当社グループ全体で知識・経験を共有しながらプロフェッショナル人材の育成を図っています。
③ 長期的な成長機会の追求
当社グループは、設立から日本市場特有のニーズを正確に捉え、「世界に通用する日本型企業改革の実現」を目指し、ハイブリッド投資、i-Engine等、インテグラル特有の仕組みを確立し、日本市場においてユニークな存在としての地位を確立してまいりましたが、中長期的な成長戦略として、アセットクラス、展開地域の拡大を通じた更なるAUM成長を企図しております。2024年11月には不動産投資ファンド事業を開始いたしましたが、今後もグロース、インフラ、クレジット等への投資に向けたファンド組成・運用を目指していきます。また、マルチアセット化に伴うアセットクラス間での利益相反の恐れのある取引も将来的に想定されるため、経営管理機能の強化も図り、当該取引を慎重に取扱うとともに、当社グループとして最適な資金配分を行い、グループ全体の成長の最大化を図ってまいります。
④ DX推進・AI活用
当社グループでは、DX推進及びAI活用は経営上の重要課題の一つと位置づけ、新規投資に係る提案活動、投資検討プロセス及び社内の管理業務等でAI活用を通じた積極的な業務効率化を図っています。また、IT領域に深い専門性を有するプロフェッショナルの採用も行い、当社グループのみならず、投資先におけるDX推進を支援できる体制を構築いたしました。また社内横断のプロジェクト室であるDX推進室を設置しており、投資先へ常駐している投資プロフェッショナルがDX推進室と連携しながら、投資先企業の個別の課題に応じたDX推進に係るハンズオン支援も行っています。テクノロジーの活用を当社グループ及び投資先企業の企業価値向上につなげるべく、今後もDX推進・AI活用へ積極的に取り組んでいきます。

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