有価証券報告書-第38期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/29 15:30
【資料】
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【項目】
135項目
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針、重視する経営指標と中長期的な会社の経営戦略
当社は、企業理念である「価値ある技術創造で社会を豊かにする」を実現するために、医療現場や世の中のニーズに沿う高品質なソリューションを、逸早く開発・提供していくことが不可欠であると考えます。「新しい発想・技術の探求」を基に「モノ創りの喜びを感じられる研究開発」を推進し、「お客様の期待を上回り、社会の発展に貢献する製品」を提供することを、経営の基本方針として定めております。
当社は、2021年7月5日に公表した中期経営計画「Vision for 2025」について、修正版を2023年2月13日に公表いたしました。当該資料にも掲げられているように、以下中期目標を設定のうえ、達成に向けた各施策やプロジェクトを進めてまいります。
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2023年12月期から2025年12月期にかけて、連結売上高の20%以上の継続的な成長、及び経常利益率30%超を中長期的な目標といたします。
これを実現するにあたり、2025年12月期に6,330,000千円の売上高と、2,100,000千円の経常利益の計上をターゲットとし、各事業に取り組んでまいります。各事業における具体的な売上高目標は、安定的な需要の続く医療システム事業において5,320,000千円、また利益率の高い製品群が揃う公共ビジネスとヘルステックビジネスにおいて、それぞれ330,000千円、680,000千円です。
その他の定量的な経営数値目標として、2025年12月期における30%以上の配当性向の維持、及び18.00円の年間配当金の設定を目指してまいります。
0102010_002.jpgまた、修正後の中期経営計画では従来型の事業目標に加え、当社のあるべき姿について改めて定義づけを行い、非財務情報の開示やその目標についても積極的に言及いたしました。上記のとおり「経営資源の集中」と「高度な研究開発の促進」、そして「サステナブルな社会形成への貢献」の3つを主軸とし、それぞれの観点から目標達成に向けた取り組みを遂行いたします。
ありとあらゆる産業においてデジタル化(以下DX)の流れは不可逆的なトレンドであり、当社の事業領域である医療業界やパブリックセクターにおいてもDXは急務とされています。それらの需要に応えることで各事業の成長を図ると同時に、全ての人が健康的な生活を送れる社会の形成に向け、サステナブルな事業活動の徹底を意識しながら、当社の果たすべき役割を全うしてまいります。
(2)経営環境
新型コロナウイルス感染症の流行が数年に及んだことから、2022年は医療機関のシステムに対する投資意欲に陰りがありました。しかしながら、業務効率化や、環境保護を目的としたペーパーレス化は業界を問わず急務であり、医療機関におけるDX推進の流れも例外ではありません。政府主導の医療DXプロジェクトが複数始動し、マイナンバーカードや電子処方箋の取り組みなど、クラウドを用いたデータ連携が加速していることから、DXソリューションに対する需要にも大きな衰えは見られません。このような中で、当社は今後も既存のお客様に対する追加の製品導入とリプレイス導入の獲得を目指すとともに、新しい取り組みを通じて当社製品やサービスを更に多くのお客様にご利用いただけるよう、今後も積極的な製品開発と販売を行ってまいります。
オフィスシステム領域では、当社のターゲットセグメントには競合が少なく、また医療業界以上にDXのニーズが年々高まっています。大小様々な規模の行政組織から当社製品へ関心が寄せられ、導入が順調に決まるなど、ビジネス環境は非常に良好なため、継続して自社製品の拡販を進めてまいります。
ヘルステック領域においては、当社開発の視線分析型視野計「GAP」と類似するヘッドマウントディスプレイ型の視野計が国内外の企業から多数販売され、市場が活気づいています。その中でも、GAPと同様の検査ロジックを実装した精度の高いヘッドマウント型視野計は非常に少なく、当製品は活況に沸く視野計マーケットにおいても十分な競争力を発揮できると考えております。今後は更なる競争の激化が予想されますが、協業パートナーとともにプロモーション活動をより一層強化し、国内外での販売を加速いたします。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、以下の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に取り組んでまいります。
① 製品力・営業力強化のための人材の確保
当社は、競争力の源泉は製品力であり、その製品力は、事業領域全般に関する深い知識と現場のニーズを把握する情報収集力、それらを基に早期に製品化する高い開発力にあると考えております。現段階において開発部門のスタッフが不足している状況にはないものの、新卒・中途採用を問わず、高いスキルと使命感を持った優秀な人材の確保に努めてまいります。営業サイドにおいても、事業拡大のスピードに合わせた適切な規模での採用が不可欠であるとの認識に立ち、事業領域全般に関する知識やスキルをバランス良く持ち合わせる人材の確保に引き続き取り組んでまいります。
② 隣接領域への進出
a.診断支援クラウドサービスの開発
当社は創業以来、院内情報システムを中心に全国の医療機関へ製品導入を実施し、事業拡大をしてまいりましたが、今後は医療に付随する外部サービスとの連携や、医療コミュニティの形成にも注力いたします。医療領域のデジタル化を推進することで環境負荷の軽減に寄与するとともに、クラウドソリューションの提供を通じ、医療機関や患者のみならず薬局や交通、訪問看護ステーション等、様々なヒト・モノ・サービスを包括的に繋ぎ合わせ、一連の診療サイクルの利便性・効率性の向上を実現いたします。
b.医療用ソフトウエアと医療機器の海外展開
当社はこれまで、日本国内の医療機関へのシステム提供を通じて安定的に事業を維持・拡大してまいりました。今後の更なる成長には欠かすことのできない海外展開を本格化するにあたり、2023年も引き続きインドでの医療用ソフトウエアの提供を実現するためのビジネスモデル構築に注力いたします。また、当社開発の医療機器である視野計GAPについては、海外展開の推進に際し、人種ごとの顔の骨格の違いへ対応するためのパーツ開発と実装や、各国薬事承認の取得のリスケジューリングを行い、プロジェクトをより精度高く運用することで、事業規模の拡大・高収益化を目指してまいります。
③ サステナブルな経営の推進
当社は、公益性の高いビジネスに携わる事業体として、社会への責務を果たすことを重視いたします。気候変動対応におけるTCFDの提言へ賛同するとともに、国連が提唱するSDGsの実現にも積極的に取り組みます。ESGに配慮した事業活動を通じ、豊かな社会の創造に貢献いたします。各項目の具体的な取り組みについては、以下のとおりです。
a.環境への取り組み(E)
病院における診療フローや自治体の決裁フローのデジタル化・効率化を促進し、紙を使わないワークスタイルの確立を通じ、環境負荷の低減を実現いたします。また、2025年までに1億円のESG投資枠を設定し、関連企業への出資を検討しております。CO2排出量の削減や脱フロン対策、水資源の確保やクリーンエネルギーの推進など、持続可能な社会の構築に関連した取り組みをサポートすることで、間接的に環境保護へ貢献いたします。
b.社会への取り組み(S)
医療現場における診療フローの効率化や手軽で正確性の高い視野検査の普及など、各事業を通じて医療格差の是正・人々のウェルビーイングの向上に貢献いたします。また社内では、従業員向けサーベイの実施をはじめ、リモートワークの積極的な導入や希望に基づく配置転換を行うなど、安心して長く就労できる健全な職場環境の構築・維持に以前より努めております。上記の取り組みから、誰もが人権を尊重し合う社会を目指すために法務省が提唱する「Myじんけん宣言」に賛同し、宣言を公表しております。
c.ガバナンスへの取り組み(G)
当社は今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。法令や社会的要請に適応したコーポレートガバナンス体制のもと、役職員全員が高い倫理観を持ち、より健全で公正な経営を実践いたします。本項では、ガバナンスへの取り組みのうち、人的資本に対する考え方や多様性の確保、情報セキュリティについて記載いたします。取締役に関するものは「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
ⅰ.人的資本に対する考え方
近年の企業経営において、多様性を尊重した組織構築は急務とされております。その範疇は従来の女性活躍推進のみに留まらず、国籍や宗教、性的マイノリティへの対応等多岐にわたります。当社はこのような新しい時代の課題にも真摯に取り組み、多様性に配慮した職場環境の構築・維持や、インクルーシブな採用を推進し、人々の心身の健康を守る企業として社会への責務を果たしてまいります。
人材登用においては、当社は性別・国籍・年齢を問わず、本人のこれまでの成果や希望に応じて、社員を積極的に要職へ登用しております。また、権限委譲も活発に行われ、新規事業の検討や新規領域の開拓など、チャレンジの機会を多く創出しております。当社の役員、管理職のうち、約98%は中途採用者です。今後は、生え抜き社員の管理職への登用により、管理職に占める中途採用者の比率は低下していく可能性はありますが、依然として高い水準での推移が見込まれることから、中途採用者の管理職登用について、自主的かつ測定可能な目標は設定してはおりません。外国人の管理職への登用については、今後、当社のビジネス展開を踏まえ、必要に応じて外国人を採用するとともに、管理職へ登用すること並びに自主的かつ測定可能な目標を設定することは、今後の課題だと認識しております。女性活躍推進法に基づく当社の行動計画では、2026年までに管理職に占める女性の割合を9%に、2030年までに18%引き上げる目標を設定しております(2022年12月末:3.8%)。管理職への登用を希望する女性社員を対象に研修やe-ラーニングの機会提供を行うなど具体的な施策を進めながら、2023年3月より毎年効果測定を行い、目標の達成を図ってまいります。
ⅱ.情報セキュリティ
当社グループは病院の患者情報や行政の公文書情報など、高いセキュリティレベルにて適切に管理されるべき情報を多く取り扱っております。一切の情報を損失、誤用や改変、そして破損から保護するために、物理的、技術的、管理的セキュリティ対策を継続して実施し、2012年8月には情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を、2021年8月にはISMSクラウドセキュリティ認証を取得いたしました。日本産業規格である個人情報保護マネジメントシステム‐要求事項(JIS Q 15001)に準拠した個人情報保護マネジメントシステムを構築し社内体制の強化を図り、従業員への教育や啓蒙も随時行っております。
また、昨今はサイバー攻撃の頻度が高まると同時にその手口も巧妙化し、組織運営に大きな影響を与える事件も頻発しています。医療機関や行政組織のサイバーセキュリティやリスクコンサルティングサービスに対する需要が高まる中で、引き続き当社は最適なセキュリティ対策を顧客へ提供し、サイバーレジリエンスの向上をサポートしております。
当社はプライム市場のコーポレートガバナンスコードに則り、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づいた気候変動が事業に及ぼすリスクと機会に対するシナリオ分析を実施し、関連する情報を開示しました。今後は分析範囲を拡大するとともに、経営戦略への反映を進め、財務的な影響について情報開示の充足に努めます。ソフトウエア業界は操業による温室効果ガスの排出量が少ない産業ではありますが、当社は、気候変動問題に対し適切な体制の下で事業リスクや機会を把握・監視し、課題へ対応することは、持続可能な社会の形成を目指すにあたり、非常に重要な取り組みであると考えております。2050年カーボン・ニュートラル宣言など、社会全体で脱炭素を目指す機運が高まっている中、当社はカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)の開示システムへの回答を実施しております。同時に、前述のとおりTCFDの提言に賛同を表明し、その枠組みに沿った開示を以下のとおり実施いたします。引き続き脱炭素社会形成に貢献すべく、TCFD提言への賛同を契機に、より一層の気候変動対策を推進してまいります。
● ガバナンス
当社は、気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動など、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、これに向けた取り組みを推進するため「サステナビリティ委員会」を設置しています。
当委員会は、代表取締役・管理部長・執行役員が委員として構成され、気候関連課題の現状確認、課題解決に向けた協議・対策として当委員会で年2回施策を検討・策定・評価する場を設けました。当社の環境問題への対応について共有・監督を行い、報告された気候関連リスク及びそれに対する対応方針について討議し最終決定し、討議決定された対応方針はサステナビリティ委員会からサステナビリティ事務局を通じて各部署の事業活動に反映され、対応状況がモニタリングされます。
これらの体制の下、最重要テーマである気候変動対策についても、取り組み状況をステークホルダーに向けて積極的な情報開示を行うと共に、継続的に改善を行いながら環境マネジメントシステム等の仕組みを通じて管理し、その結果についてマネジメントレビューを行っています。
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● 戦略
当社は、気候変動のリスクと機会を適切に把握するため、2つのシナリオを設定し、「気候変動対策が進まず成行きのまま気温が上昇し、それによる物理的リスク・機会が発生するシナリオ」を4℃シナリオとして「急性」「慢性」について分析を行いました。一方「温暖化防止に向けて様々な活動が実施され、脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会が発生するシナリオ」を2℃シナリオとして「政策・規制」「技術」「市場」「評判」について分析を行いました。
〈シナリオの設定〉
気候関連リスク・機会の分析においては国際的に認められた複数の気候変動シナリオを参照しています。
2℃
シナリオ
脱炭素社会の実現へ向けた政策・規制が実施され、世界全体の産業革命前からの気温上昇幅を2℃未満に抑えられるシナリオ。移行リスクは高いが、物理リスクは4℃シナリオと比較すると低く抑えられる。■IPCC
Shared Socio-economic Pathways(SSP 1.9)
Shared Socio-economic Pathways(SSP 2.6)
■IEA
Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)
4℃
シナリオ
パリ協定における国別目標など、公表済み目標が達成されることを前提としたシナリオ。新たな政策・規制は導入されず、世界のエネルギー起源CO2排出量は継続的に増加する。移行リスクは低いが、物理リスクは高くなる。■IPCC
Shared Socio-economic Pathways(SSP 8.5)
■IEA
World Energy Outlook

〈シナリオ分析手順〉
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〈シナリオ分析結果〉
シナリオ分析においては、当社の主要事業に対して具体的な検討を行い、2030年時点における主要なリスク及び機会による定性的な分析を行いました。
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● リスク管理
[気候関連リスクの識別・評価プロセス]
気候関連リスクについては代表取締役を委員長とするサステナビリティ委員会において、年2回、各部署から集約された情報を元に洗い出しを行い、「発生確率」と「当社の事業に及ぼすインパクト」の2軸で評価し、優先順位をつけた上で重要なリスクに対しては対応方針を検討・決定する予定です。
[気候関連リスクの管理プロセス]
サステナビリティ委員会において識別・評価された気候関連リスク及びそれに対する対応方針は少なくとも年2回以上、必要に応じて取締役会に報告されます。
取締役会は報告された気候関連リスク及びそれに対する対応方針について討議し最終決定します。取締役会において討議決定された対応方針はサステナビリティ委員会からサステナビリティ事務局を通じて各部署の事業活動に反映され、対応状況がモニタリングされます。
● 指標と目標
当社は、2030年までにScope1、2の排出量をSBT1.5度目標に準じ、前年度比GHG排出量4.2%削減を目指しております。これらの進捗状況を定期的に管理するとともに、脱炭素社会の実現に向けた貢献をより確かなものにするため、取り組みを推進しております。
● Scope1及びScope2におけるGHG排出量の実績(2021年度)
Scope120 tCO2
Scope2194 tCO2
合計214 tCO2

※Scope3につきましては、来年度の開示に向けて準備を進めてまいります。

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