有価証券報告書-第9期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
経営環境及び課題への取組み
経営の基本方針である各事業の収益の極大化を図るため、それぞれの事業体が直面する事業環境に適応して、選択と集中を進め、業績を向上させていくことが当社の最大の課題である。その解決のためには、各事業に最適なビジネスモデルを構築し洗練していける体制面の強化、独立採算による責任と権限の明確化、意思決定の迅速化、事業特性に応じたリスク管理強化等が必要となる。これを実現するために、当社グループでは事業ごとに分社化することが最適であると考え、2012年1月に持株会社体制に移行した。
持株会社体制により各事業会社をグループ全体の観点から統括し、グループ戦略を策定して資源配分を最適化する機能と、経営管理の均質化を含めたガバナンスを事業会社全てに徹底する体制の構築を目指すと共に、各事業会社は各事業に最適なビジネスモデルを構築・洗練し、独立採算で事業を行うことにより、連結経営のレベルアップを図り、社会や市場の変化に迅速に対応できる企業グループ体制の確立を目指す。
一方、当社グループでは祖業である造船事業を「コアビジネス」とし、M&T事業を「第二のコアビジネス」として位置付け、事業の多角化に取り組んできた。M&T事業については、2018年4月2日に陸上事業とレジャー事業を営む子会社をM&Tグループ(Machinery & Technology Group)として再編するとともに、同グループを統括・支援する会社として「サノヤスMTG㈱」を設立し強化を図ってきた。更に一層の経営の効率化と事業規模の適正化を目的として後述するような組織再編を進めている。
新型コロナウイルス感染症の国内及び海外における感染拡大により、経済情勢の先行きは不透明な状況で推移したが、当社グループは、次のような経営戦略をもって事業を推進する。即ち、当社グループは、造船事業とM&T事業という「二つのコアビジネス」を持ち、相互に補完しながら、バランスの取れたポートフォリオ経営を目指す。ここもとの海運・造船業界における厳しい経営環境の下、「不透明・不確実・不安定」な時代を乗り切るべく、造船事業の体質強化に加え、M&Tグループの強化・発展により、グループ内の補完機能を一層高めることで対応していく方針である。
造船事業においては中国や韓国勢との競争に晒され、“船腹及び建造設備の過剰”という構造が依然として継続している。バルクキャリアーの海運市況は、世界経済の先行き不透明感もあり回復の兆しはいまだなく、新造船価の低迷が継続している中、国内外で造船事業の統合・再編の動きが起こりつつある。
このような状況下、当社の新造船では、NOx排出3次規制やH-CSR(新共通構造規則)の新規則を適用し燃費性能を向上させた新82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアーと新64千重量トン型ウルトラマックス・バルクキャリアーに加え、幅広・浅喫水で大容量化を図った新規制適用の41千重量トン型ハンディサイズ・バルクキャリアーを開発し、営業を展開している。一方、フェリーや特殊船、作業船など一般商船以外にも商品を拡げることで、建造メニューの多角化にも取り組んでいる。船価低迷が続く新造船を補完すべく事業拡大に取り組んでいるマリン(改修船)、ガスタンク(舶用LPGタンク等製造)については、期初に独立させた「ガスタンク営業部」と「ガスタンク設計部」を新設の「ガスタンク事業部」の傘下におき、専任の組織として強化するとともに、製造能力強化のため、従来の大阪製造所(大阪府大阪市)に加えて水島製造所(岡山県倉敷市)にもタンク生産設備の建設を進めている。従来から課題となっている“船腹及び建造設備の過剰”という構造要因と、中国や韓国勢との競争という、非常に厳しい環境が続くものと想定され、これに対応すべく2020年4月より新しい組織体制で臨む。本社と現場の管理業務を行う部門を集約して「事業統括部」とし、製造部門では「船殻工作部」と「艤装工作部」を集約し「工作部」として統合することで、体制強化を図る。ガスタンクについては、より円滑な運営を行うため「ガスタンク事業部」を新設し、プラントでは、フレキシブルかつ統一感のある活動を行うため、「営業部」「設計部」「工事部」の3部体制とした。
M&T事業においては、中間持株会社のサノヤスMTG㈱がM&Tグループの各事業会社の技術開発、新製品開発、IT・システム導入を含む生産・販売・管理等の支援体制を更に強化・拡充するため、2020年4月1日付で組織変更を実施した。まず、「業務推進支援センター」を新設し、「企画部」「システム企画部」「ものづくり推進部」「IT化推進部」を統括しながら相互連携を深め、より幅と深みを持った現場力強化、収益体質強化の取り組みを推進していく。また「ものづくり推進部」の傘下にはグループ全体の品質保証・品質管理を統括する「品質保証室」、各事業会社の技術・設計部門の業務効率化やグループ横断的に取り組むべき技術開発を担う「開発支援室」を新設することとした。加えて、各事業会社においても、それぞれの課題解決に即した組織再編を行うことにより、特性・ビジネスモデル・企業の成長過程に応じた経営体質の強化を図る。
2019年4月には、サノヤス・エンジニアリング㈱と㈱大鋳の、ともに産業機械製造とメンテナンス等のサービスを主業とする2社を一つに統合した。さらに2020年4月に建設工事用エレベーターの販売・レンタルを主業とするサノヤス建機㈱を追加統合して、経営効率化や人財最適配置、既存工場共同利用等によるシナジー追求に基づいて事業構造の強化・拡充を進めた。また、IoT等の情報システム技術を活用した生産性向上や業務効率化の加速を目的として、ソフトウェア開発及び計算・情報処理業務受託を営む㈱サノテックに所属するシステムエンジニアを当社グループ各社に再配置するとともに、同社と商社業等を営むサノヤス・ビジネスパートナー㈱の事業の整理と両社の統合を実施した。なお、事業の整理・統合の結果、統合後の㈱サノテックの事業の大部分が造船及び周辺業界向けとなったことから、グループ組織構造の適正化と更なる効率化を図るため、会社分割の手続きにより2020年1月に同社の株式と経営管理業務をサノヤスMTG㈱からサノヤス造船㈱に移管した。一方で、事業領域の拡大を図るべく、動力制御盤・分電盤・配電盤等のメーカーであるハピネスデンキ㈱の全株式を2020年1月6日付で取得し、完全子会社化した。
各事業の経営を革新していくために最重要の人財面については、経営管理層の世代交代を進めると同時に、メーカーとしての根幹である技術・技能の伝承にも最優先で取組んでいく。
資機材調達コストの低減は、メーカーである当社グループにとって大きな経営課題であり、新型コロナウイルスの影響に伴うサプライチェーンの維持・安定調達を大前提としつつ、調達先の新規開拓や絞り込みによるスケールメリットの追求等によりコストの削減を図り、同時に、生産性の向上を図る施策を実行することで、トータルの収益性向上を目指す。
コーポレートガバナンスについては、グループガバナンスの一層の充実に努めると同時に、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することで企業価値の向上を図っていく。当社は、意思決定の迅速化と業務執行に対する取締役会の監督機能の強化を図るため、2018年6月22日開催の第7期定時株主総会をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行した。また、当社は従前より取締役の人事や報酬に関し、独立社外取締役から適切な関与と助言を得ていたが、更に客観性・透明性を向上させ、経営陣に対する監督機能の一層の強化を図るため、取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬委員会を2018年2月1日付で設置した。
経営環境及び課題への取組み
経営の基本方針である各事業の収益の極大化を図るため、それぞれの事業体が直面する事業環境に適応して、選択と集中を進め、業績を向上させていくことが当社の最大の課題である。その解決のためには、各事業に最適なビジネスモデルを構築し洗練していける体制面の強化、独立採算による責任と権限の明確化、意思決定の迅速化、事業特性に応じたリスク管理強化等が必要となる。これを実現するために、当社グループでは事業ごとに分社化することが最適であると考え、2012年1月に持株会社体制に移行した。
持株会社体制により各事業会社をグループ全体の観点から統括し、グループ戦略を策定して資源配分を最適化する機能と、経営管理の均質化を含めたガバナンスを事業会社全てに徹底する体制の構築を目指すと共に、各事業会社は各事業に最適なビジネスモデルを構築・洗練し、独立採算で事業を行うことにより、連結経営のレベルアップを図り、社会や市場の変化に迅速に対応できる企業グループ体制の確立を目指す。
一方、当社グループでは祖業である造船事業を「コアビジネス」とし、M&T事業を「第二のコアビジネス」として位置付け、事業の多角化に取り組んできた。M&T事業については、2018年4月2日に陸上事業とレジャー事業を営む子会社をM&Tグループ(Machinery & Technology Group)として再編するとともに、同グループを統括・支援する会社として「サノヤスMTG㈱」を設立し強化を図ってきた。更に一層の経営の効率化と事業規模の適正化を目的として後述するような組織再編を進めている。
新型コロナウイルス感染症の国内及び海外における感染拡大により、経済情勢の先行きは不透明な状況で推移したが、当社グループは、次のような経営戦略をもって事業を推進する。即ち、当社グループは、造船事業とM&T事業という「二つのコアビジネス」を持ち、相互に補完しながら、バランスの取れたポートフォリオ経営を目指す。ここもとの海運・造船業界における厳しい経営環境の下、「不透明・不確実・不安定」な時代を乗り切るべく、造船事業の体質強化に加え、M&Tグループの強化・発展により、グループ内の補完機能を一層高めることで対応していく方針である。
造船事業においては中国や韓国勢との競争に晒され、“船腹及び建造設備の過剰”という構造が依然として継続している。バルクキャリアーの海運市況は、世界経済の先行き不透明感もあり回復の兆しはいまだなく、新造船価の低迷が継続している中、国内外で造船事業の統合・再編の動きが起こりつつある。
このような状況下、当社の新造船では、NOx排出3次規制やH-CSR(新共通構造規則)の新規則を適用し燃費性能を向上させた新82千重量トン型パナマックス・バルクキャリアーと新64千重量トン型ウルトラマックス・バルクキャリアーに加え、幅広・浅喫水で大容量化を図った新規制適用の41千重量トン型ハンディサイズ・バルクキャリアーを開発し、営業を展開している。一方、フェリーや特殊船、作業船など一般商船以外にも商品を拡げることで、建造メニューの多角化にも取り組んでいる。船価低迷が続く新造船を補完すべく事業拡大に取り組んでいるマリン(改修船)、ガスタンク(舶用LPGタンク等製造)については、期初に独立させた「ガスタンク営業部」と「ガスタンク設計部」を新設の「ガスタンク事業部」の傘下におき、専任の組織として強化するとともに、製造能力強化のため、従来の大阪製造所(大阪府大阪市)に加えて水島製造所(岡山県倉敷市)にもタンク生産設備の建設を進めている。従来から課題となっている“船腹及び建造設備の過剰”という構造要因と、中国や韓国勢との競争という、非常に厳しい環境が続くものと想定され、これに対応すべく2020年4月より新しい組織体制で臨む。本社と現場の管理業務を行う部門を集約して「事業統括部」とし、製造部門では「船殻工作部」と「艤装工作部」を集約し「工作部」として統合することで、体制強化を図る。ガスタンクについては、より円滑な運営を行うため「ガスタンク事業部」を新設し、プラントでは、フレキシブルかつ統一感のある活動を行うため、「営業部」「設計部」「工事部」の3部体制とした。
M&T事業においては、中間持株会社のサノヤスMTG㈱がM&Tグループの各事業会社の技術開発、新製品開発、IT・システム導入を含む生産・販売・管理等の支援体制を更に強化・拡充するため、2020年4月1日付で組織変更を実施した。まず、「業務推進支援センター」を新設し、「企画部」「システム企画部」「ものづくり推進部」「IT化推進部」を統括しながら相互連携を深め、より幅と深みを持った現場力強化、収益体質強化の取り組みを推進していく。また「ものづくり推進部」の傘下にはグループ全体の品質保証・品質管理を統括する「品質保証室」、各事業会社の技術・設計部門の業務効率化やグループ横断的に取り組むべき技術開発を担う「開発支援室」を新設することとした。加えて、各事業会社においても、それぞれの課題解決に即した組織再編を行うことにより、特性・ビジネスモデル・企業の成長過程に応じた経営体質の強化を図る。
2019年4月には、サノヤス・エンジニアリング㈱と㈱大鋳の、ともに産業機械製造とメンテナンス等のサービスを主業とする2社を一つに統合した。さらに2020年4月に建設工事用エレベーターの販売・レンタルを主業とするサノヤス建機㈱を追加統合して、経営効率化や人財最適配置、既存工場共同利用等によるシナジー追求に基づいて事業構造の強化・拡充を進めた。また、IoT等の情報システム技術を活用した生産性向上や業務効率化の加速を目的として、ソフトウェア開発及び計算・情報処理業務受託を営む㈱サノテックに所属するシステムエンジニアを当社グループ各社に再配置するとともに、同社と商社業等を営むサノヤス・ビジネスパートナー㈱の事業の整理と両社の統合を実施した。なお、事業の整理・統合の結果、統合後の㈱サノテックの事業の大部分が造船及び周辺業界向けとなったことから、グループ組織構造の適正化と更なる効率化を図るため、会社分割の手続きにより2020年1月に同社の株式と経営管理業務をサノヤスMTG㈱からサノヤス造船㈱に移管した。一方で、事業領域の拡大を図るべく、動力制御盤・分電盤・配電盤等のメーカーであるハピネスデンキ㈱の全株式を2020年1月6日付で取得し、完全子会社化した。
各事業の経営を革新していくために最重要の人財面については、経営管理層の世代交代を進めると同時に、メーカーとしての根幹である技術・技能の伝承にも最優先で取組んでいく。
資機材調達コストの低減は、メーカーである当社グループにとって大きな経営課題であり、新型コロナウイルスの影響に伴うサプライチェーンの維持・安定調達を大前提としつつ、調達先の新規開拓や絞り込みによるスケールメリットの追求等によりコストの削減を図り、同時に、生産性の向上を図る施策を実行することで、トータルの収益性向上を目指す。
コーポレートガバナンスについては、グループガバナンスの一層の充実に努めると同時に、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することで企業価値の向上を図っていく。当社は、意思決定の迅速化と業務執行に対する取締役会の監督機能の強化を図るため、2018年6月22日開催の第7期定時株主総会をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行した。また、当社は従前より取締役の人事や報酬に関し、独立社外取締役から適切な関与と助言を得ていたが、更に客観性・透明性を向上させ、経営陣に対する監督機能の一層の強化を図るため、取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬委員会を2018年2月1日付で設置した。