四半期報告書-第5期第3四半期(平成27年10月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/02/10 15:07
【資料】
PDFをみる
【項目】
29項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(1)業績の状況
当第3四半期のOTC医薬品市場は、ドリンク剤、鼻炎治療剤などの一部のカテゴリーで前年を下回ったものの、殆どのカテゴリーで消費増税駆け込み需要反動減の影響を受けた前年に比較してプラスとなり、総体的に堅調に推移しました。
医薬事業につきましては、新薬の創出が困難になりつつあるなかで、承認審査の厳格化や医療費適正化諸施策が浸透しつつあり、厳しい事業環境が続いております。
こうした事業環境の中で、当社グループのセルフメディケーション事業部門は、「健康で美しく老いたい」という生活者のニーズに対応すべく、製品開発面では生活者の健康意識の高まりに対応した新しい領域にも積極的に取り組み、生活者のニーズを満たす製品の開発を進めています。また、販売面ではマーケティングと営業活動の連動性を高め、需要を創造する活動を強化するとともに、通信販売等新チャネルの拡充による生活者との直接のコミュニケーションにも注力しています。海外市場におきましては、アジアを中心にOTC医薬品事業とドリンク剤事業を積極的に展開しております。
医薬事業部門でも、情報提供活動を中心とする営業力の強化を図るとともに、自社オリジナル開発物質の継続的な創出と国内外の企業からの有望候補物質の導入を進め、開発パイプラインの充実に努めております。
当第3四半期連結累計期間のグループ全体売上高は、2,249億7千8百万円(前年同四半期比+32億1千8百万円、1.5%増-以下括弧内文言「前年同四半期比」省略)となりました。
セグメント別の売上高は次のとおりであります。
セルフメディケーション事業1,388億円(+ 39億円 2.9%増)
内訳
国内1,145億円(+ 15億円 1.3%増)
海外222 〃(+ 25 〃 12.5%増)
その他21 〃(△ 1 〃 4.0%減)

医薬事業862億円(△ 6億円 0.7%減)
内訳
医療用医薬品848億円(△ 1億円 0.1%減)
中間製品等10 〃(△ 6 〃 39.6%減)
工業所有権等使用料収益4 〃(+ 1 〃 40.6%増)

主要製品の売り上げ状況は次のとおりであります。
<セルフメディケーション事業>当第3四半期連結累計期間売上高は、1,388億円(+39億円、2.9%増)となりました。
主力ブランドでは、ドリンク剤の「リポビタンシリーズ」は、主力の「リポビタンD」が前年を下回り(3.3%減)、シリーズ全体では490億円(2.9%減)となりました。「パブロンシリーズ」は、主力の総合かぜ薬や鼻炎治療剤がともに前年比マイナスとなり、シリーズ全体では180億円(1.7%減)となりました。発毛剤「リアップシリーズ」は、堅調に推移し、シリーズ全体で126億円(13.6%増)となりました。
一方、アジアを中心に展開中の海外OTC医薬品事業は136億円(11.5%増)となりました。
<医薬事業>当第3四半期連結累計期間売上高は、862億円(△6億円、0.7%減)となりました。
主な増収品目は、β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗菌薬「ゾシン」228億円(10.7%増)、骨粗鬆症治療剤「エディロール」152億円(20.5%増)、骨粗鬆症治療剤「ボンビバ」37億円(46.2%増)でした。一方、マクロライド系抗菌薬「クラリス」は92億円(9.0%減)、末梢循環改善薬「パルクス」は49億円(10.7%減)と、後発医薬品の影響等もあり前年比マイナスとなりました。なお、2型糖尿病治療薬「ルセフィ」は7億円(70.6%減)となりました。
利益面につきましては、広告宣伝費の増加などで販売費及び一般管理費が増加したことにより、営業利益は227億2千2百万円(8.5%減)、経常利益は290億9千7百万円(5.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は187億5百万円(4.8%減)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、155億6千9百万円(セルフメディケーション事業37億2千5百万円、医薬事業118億4千4百万円)、対売上高比率は6.9%であります。
なお、当第3四半期連結累計期間における、当社グループの研究開発活動の状況の変更内容は、次のとおりであります。
<医薬事業>関節リウマチを予定適応症とした抗TNFα抗体 Ozoralizumab「TS-152」(臨床試験第2相)を平成27年6月にア
ブリンクス社(ベルギー)から導入いたしました。
また、変形性関節症における鎮痛・消炎を適応症とした経皮吸収型鎮痛消炎剤「TT-063」(製品名「ロコアテープ」)は平成27年9月に製造販売承認を取得いたしました。