有価証券報告書-第9期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「健康と美を願う生活者に納得していただける優れた医薬品・健康関連商品、情報及びサービスを、社会から支持される方法で創造・提供することにより、社会へ貢献する」ことを使命とし、健康増進、病気の予防から治療まで、生活者の健康と美のトータルサポートを目指すとともに、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループの経営は、この使命を全うすべく、セルフメディケーション事業(OTC医薬品及び健康関連商品事業)と医薬事業(医療用医薬品及び同関連事業)の2つの事業をバランスよく成長させながら、国際的な競争の中でも着実に成長・発展し続けられるように、一層強固な経営基盤を構築することを目指しております。
また、その事業活動において、以下のステークホルダーから期待されている責務を果たし、持続的な成長を続けてまいります。
(3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
現在、当社グループを取り巻く時代の流れの特徴として、世界的に急激な勢いで進展する情報・交通・物流・医薬等の技術革新と余剰資金がグローバルに新興国へ投資され、それらの国が発展したことによる「国家間の格差縮小」が挙げられます。また、生活者が購入の選択決定権を持つ「生活者主権」も顕在化し、社会保障費の増大リスクとなる「高齢長寿社会」も確実に進行しております。加えて、第4次産業革命の新技術による「新市場の創生」への期待も特徴のひとつとして挙げられます。
このような時代の流れの中で、当社グループを取り巻く事業環境も大きく変化しております。
セルフメディケーション事業の分野は、小売企業のM&Aによる大型化に伴い買い手側の力が強まることによって、ビジネスの関係が変貌してまいりました。また、特定保健用食品・機能性表示食品が大幅に増加し、市場規模は2兆円に迫っております。一方で、急速に進む高齢化に伴う医療財政と社会保障制度への影響を背景に、生活者が「自分の健康は、自分のために、自分で守る」という新しい考え方が求められています。この考え方を行動に繋げるため、セルフメディケーション税制を更に広げる活動が業界団体を中心に進んでおります。
医薬事業の分野では、創薬ターゲットの変化や新しい医療技術の発展により、研究・検査・治療の手法が変わりました。医療費効率化に向けたジェネリック医薬品の推進、薬価制度の改革も進んでいます。
海外においては、パキスタン以東のアジア諸国に世界人口の54%が居住し、人口増加の著しいアフリカ諸国とともに世界経済の成長の中心になろうとしております。
① セグメント別の状況(セルフメディケーション事業)
セルフメディケーション事業(OTC医薬品及び健康関連商品事業)におきましては、国内OTC医薬品メーカーシェアNo.1の強みをベースに、「リポビタンシリーズ」「パブロンシリーズ」「リアップシリーズ」などの主力ブランドをはじめ、各薬効にて製品を取りそろえることで生活者のセルフメディケーションに貢献しています。またOTC医薬品のみならず、健康食品や化粧品などの健康関連商品を含めて、生活者の健康ニーズに対応する製品展開をしております。
OTC医薬品市場は、国内の人口減少が進む一方で、訪日外国人の増加によるインバウンド需要の拡大もあり横ばいで推移しております。また生活者の健康ニーズも変化し、予防意識の高まりや、健康食品等での対処など、OTC医薬品以外の健康関連商品にもニーズが拡充しております。これらにより国内OTC医薬品だけでは事業の成長が厳しい市場環境であり、領域の拡大等による成長ドライバーが必要であると考えられます。
この市場環境を受けまして、当社グループはセルフメディケーション事業を大きく国内・海外に分けて対応を行っております。
国内におきましては、OTC医薬品市場にて「リポビタンシリーズ」「パブロンシリーズ」「リアップシリーズ」など、既存ブランドの価値を一層高め、新たなブランドの育成に取り組むと共に、食品や化粧品などOTC医薬品以外の健康関連商品への領域拡大を行うことで生活者ニーズの変化に対応しております。また生活者の購買行動におけるネットチャネルへのシフトに対応するため、「大正製薬ダイレクト」「TAISHO BEAUTY ONLINE」を立ち上げ、生活者の購入の利便性向上に取り組んでおります。
海外におきましては、2009年度のアジアOTC医薬品事業への本格参入以来、M&Aやブランド買収で現地に根付いたブランドアセットを獲得することにより、東南アジアを中心としたOTC医薬品事業の強化に取り組んでおります。2019年度にはベトナムのDHG(ハウザン)社に加えてフランスのUPSA社を連結子会社化いたしました。これにより、フランスを中心に東欧を含む欧州諸国及び西アフリカ地域における強固な事業基盤を獲得したことになります。今後は東南アジア市場に欧州市場を加えた2極体制により、品質管理、製造管理、情報管理などの一元化・一体化を進めるとともに、製品開発、ブランド育成、及びマーケティングノウハウなど、日本で培った当社のビジネスモデルを活かし市場を開拓することで、セルフメディケーションの浸透及び事業の拡大に努めてまいります。
② セグメント別の状況(医薬事業)
医薬事業(医療用医薬品及び同関連事業)におきましては、研究開発型企業として、「整形外科疾患」「代謝性疾患」「感染症」「精神疾患」の4つの重点領域で取り組んでおります。
新薬創出の難易度が増すなかで、医療費適正化政策の推進や薬価制度の抜本改革の影響等もあり、依然として厳しい事業環境が続いております。
この市場環境を受けまして、当社グループでは自社オリジナル創製品である「ルセフィ」「ロコア」の売上最大化、またパイプラインを補うための後期開発品及び製品の導入に注力しております。中長期においては、外部研究機関や他社との連携強化を図り、先端技術を取り込むことで、研究開発機能を拡充し、新薬創出を通した持続的な成長を目指してまいります。
医薬品業界をとりまく市場環境は厳しさを増しておりますが、変化への積極的な対応無くして成長はありません。当社グループでも、既存の事業領域にとらわれずに、新しい事業の種を探索するなど新しい取り組みを進めております。環境変化にも機動的に経営判断できる体制構築と併せてコーポレート・ガバナンスの強化に努め、グループ全体で価値創造力の向上を図ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループの事業活動への影響は、現時点では限定的ではありますが、収束時期やその他の状況の経過により、社会経済や消費に様々な影響を及ぼすものと予測しており、当社グループの財政状態、経営成績への影響について引き続き動向を注視してまいります。
(1) 経営方針
当社グループは「健康と美を願う生活者に納得していただける優れた医薬品・健康関連商品、情報及びサービスを、社会から支持される方法で創造・提供することにより、社会へ貢献する」ことを使命とし、健康増進、病気の予防から治療まで、生活者の健康と美のトータルサポートを目指すとともに、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループの経営は、この使命を全うすべく、セルフメディケーション事業(OTC医薬品及び健康関連商品事業)と医薬事業(医療用医薬品及び同関連事業)の2つの事業をバランスよく成長させながら、国際的な競争の中でも着実に成長・発展し続けられるように、一層強固な経営基盤を構築することを目指しております。
また、その事業活動において、以下のステークホルダーから期待されている責務を果たし、持続的な成長を続けてまいります。
| ①生活者 | 健康をテーマとしたあらゆる分野で、健康でより豊かな暮らしの実現を図る |
| ②得意先・取引先 | 公正で合理的な関係を築き、これを構築する |
| ③従業員 | 個人の人権や人格を尊重し、雇用の確保を図る |
| ④株主 | 的確な情報を公正、適時に開示する |
| ⑤地域社会 | 企業市民として積極的に参画し、環境保全にも努め、共存共栄を図る |
(3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
現在、当社グループを取り巻く時代の流れの特徴として、世界的に急激な勢いで進展する情報・交通・物流・医薬等の技術革新と余剰資金がグローバルに新興国へ投資され、それらの国が発展したことによる「国家間の格差縮小」が挙げられます。また、生活者が購入の選択決定権を持つ「生活者主権」も顕在化し、社会保障費の増大リスクとなる「高齢長寿社会」も確実に進行しております。加えて、第4次産業革命の新技術による「新市場の創生」への期待も特徴のひとつとして挙げられます。
このような時代の流れの中で、当社グループを取り巻く事業環境も大きく変化しております。
セルフメディケーション事業の分野は、小売企業のM&Aによる大型化に伴い買い手側の力が強まることによって、ビジネスの関係が変貌してまいりました。また、特定保健用食品・機能性表示食品が大幅に増加し、市場規模は2兆円に迫っております。一方で、急速に進む高齢化に伴う医療財政と社会保障制度への影響を背景に、生活者が「自分の健康は、自分のために、自分で守る」という新しい考え方が求められています。この考え方を行動に繋げるため、セルフメディケーション税制を更に広げる活動が業界団体を中心に進んでおります。
医薬事業の分野では、創薬ターゲットの変化や新しい医療技術の発展により、研究・検査・治療の手法が変わりました。医療費効率化に向けたジェネリック医薬品の推進、薬価制度の改革も進んでいます。
海外においては、パキスタン以東のアジア諸国に世界人口の54%が居住し、人口増加の著しいアフリカ諸国とともに世界経済の成長の中心になろうとしております。
① セグメント別の状況(セルフメディケーション事業)
セルフメディケーション事業(OTC医薬品及び健康関連商品事業)におきましては、国内OTC医薬品メーカーシェアNo.1の強みをベースに、「リポビタンシリーズ」「パブロンシリーズ」「リアップシリーズ」などの主力ブランドをはじめ、各薬効にて製品を取りそろえることで生活者のセルフメディケーションに貢献しています。またOTC医薬品のみならず、健康食品や化粧品などの健康関連商品を含めて、生活者の健康ニーズに対応する製品展開をしております。
OTC医薬品市場は、国内の人口減少が進む一方で、訪日外国人の増加によるインバウンド需要の拡大もあり横ばいで推移しております。また生活者の健康ニーズも変化し、予防意識の高まりや、健康食品等での対処など、OTC医薬品以外の健康関連商品にもニーズが拡充しております。これらにより国内OTC医薬品だけでは事業の成長が厳しい市場環境であり、領域の拡大等による成長ドライバーが必要であると考えられます。
この市場環境を受けまして、当社グループはセルフメディケーション事業を大きく国内・海外に分けて対応を行っております。
国内におきましては、OTC医薬品市場にて「リポビタンシリーズ」「パブロンシリーズ」「リアップシリーズ」など、既存ブランドの価値を一層高め、新たなブランドの育成に取り組むと共に、食品や化粧品などOTC医薬品以外の健康関連商品への領域拡大を行うことで生活者ニーズの変化に対応しております。また生活者の購買行動におけるネットチャネルへのシフトに対応するため、「大正製薬ダイレクト」「TAISHO BEAUTY ONLINE」を立ち上げ、生活者の購入の利便性向上に取り組んでおります。
海外におきましては、2009年度のアジアOTC医薬品事業への本格参入以来、M&Aやブランド買収で現地に根付いたブランドアセットを獲得することにより、東南アジアを中心としたOTC医薬品事業の強化に取り組んでおります。2019年度にはベトナムのDHG(ハウザン)社に加えてフランスのUPSA社を連結子会社化いたしました。これにより、フランスを中心に東欧を含む欧州諸国及び西アフリカ地域における強固な事業基盤を獲得したことになります。今後は東南アジア市場に欧州市場を加えた2極体制により、品質管理、製造管理、情報管理などの一元化・一体化を進めるとともに、製品開発、ブランド育成、及びマーケティングノウハウなど、日本で培った当社のビジネスモデルを活かし市場を開拓することで、セルフメディケーションの浸透及び事業の拡大に努めてまいります。
② セグメント別の状況(医薬事業)
医薬事業(医療用医薬品及び同関連事業)におきましては、研究開発型企業として、「整形外科疾患」「代謝性疾患」「感染症」「精神疾患」の4つの重点領域で取り組んでおります。
新薬創出の難易度が増すなかで、医療費適正化政策の推進や薬価制度の抜本改革の影響等もあり、依然として厳しい事業環境が続いております。
この市場環境を受けまして、当社グループでは自社オリジナル創製品である「ルセフィ」「ロコア」の売上最大化、またパイプラインを補うための後期開発品及び製品の導入に注力しております。中長期においては、外部研究機関や他社との連携強化を図り、先端技術を取り込むことで、研究開発機能を拡充し、新薬創出を通した持続的な成長を目指してまいります。
医薬品業界をとりまく市場環境は厳しさを増しておりますが、変化への積極的な対応無くして成長はありません。当社グループでも、既存の事業領域にとらわれずに、新しい事業の種を探索するなど新しい取り組みを進めております。環境変化にも機動的に経営判断できる体制構築と併せてコーポレート・ガバナンスの強化に努め、グループ全体で価値創造力の向上を図ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループの事業活動への影響は、現時点では限定的ではありますが、収束時期やその他の状況の経過により、社会経済や消費に様々な影響を及ぼすものと予測しており、当社グループの財政状態、経営成績への影響について引き続き動向を注視してまいります。