有価証券報告書-第59期(平成29年2月1日-平成30年1月31日)

【提出】
2018/04/27 12:46
【資料】
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【項目】
96項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度においては、依然、アメリカ、中国は底堅い成長を続けて来ましたが、ヨーロッパ諸国の政治課題や東アジアの地政学的なリスクにより、経済にも不透明な時期となりました。国内におきましては、株価や雇用の好調を背景とした継続的な成長が続く一方で、デフレ経済は根強く節約志向が定着しております。また、家具、インテリア業界では大手によるガリバー寡占がより鮮明になった上、新たなネット市場の拡大等、引き続き厳しい競争環境が続いております。
このような環境のもと、当社中核事業にあたるunico事業においては、新規出店によるドミナント戦略を進め、出店地域でのシェア取りを図りました。特に新規ブランドの「unico loom」におきましては、独自商材の開発強化を強め、「ファブリック商材の充実したunicoのエントリーモデル」として位置づけました。また、内部強化として、主要部門のコンサル指導によるスキル向上や内製へ向けてのノウハウの習得に注力しました。
unico事業における主たる売上である家具におきましては、比較的廉価な「unico loom」業態向け商材を発売しました。また布製品では、ラグマットや寝具を強化しデザイン以外に機能や価格訴求力の向上に注力しました。
出店実績につきましては、既存ブランド「unico」においては、平成29年3月にunico吉祥寺を「coppiceKICHIJOJI」に、同年4月にunico金沢を「金沢百番街Rinto」に移転オープンしました。また、新規出店としては5店舗(熊本、流山おおたかの森、押上、千葉、上野)をオープンしました。新ブランドの「unico loom」においては、4店舗(堺北花田、広島、なんば、高崎)を新規オープンし、ブランド認知向上に寄与しました。以上の出店により、unico事業店舗は全国に51店舗となりました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高9,195,011千円(対前年同期比12.9%増)、営業損失83,072千円(前年同期は179,162千円の営業損失)、経常損失92,341千円(前年同期は215,752千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失318,841千円(前年同期は416,559千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失の主な要因は、一部の店舗に係る減損損失(316,028千円)の計上によるものです。その他の要因のご説明につきましては、後述「セグメントの業績」をご参照下さい。
セグメントの業績は、以下のとおりです。
① unico事業
売上高につきましては、前期に立ち上げた新ブランド「unico loom」の販売の苦戦、熟練販売員の不足と新人販売員の育成の遅れ、及び繁忙期における欠品が、当期の厳しい結果の主な理由であります。
新ブランドの「unico loom」の商品につきましては、特に地方を中心として認知度が低く、また、各地のニーズに適合する商品(ターゲット、品質、価格、デザインニュアンス)や販売方法(店舗立地、店舗面積、品揃え、接客方法)の模索が続いたため、来期以降の販売戦略には目処が付いたものの当期においては想定していた売上高を獲得するに至りませんでした。
また、店舗数の増加によって熟練の販売員が相対的に不足し、その結果店舗ごとの売上高が伸び悩むとともに、その不足を補うための新人販売員の育成にも時間を要しました。
繁忙期における欠品につきましては、当期期初の繁忙期に一部の人気新商品に欠品が生じたため、その時期に売上高を伸ばすことができず、通期においてもその出足の遅れを充足させるには至りませんでした。
営業利益、経常利益につきましては、店舗の増加に伴って、店舗オペレーションに係るコスト及び店舗をコントロールする本部機能の維持、管理に係るコストが増加したこと、並びに増加したコストを上回る売上高を前述の売上高の伸び悩みによって獲得できなかったことにより、当初想定していた利益を達成することができず厳しい結果となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は8,956,941千円(前年同期比11.9%増)となったものの、セグメント損失は39,553千円(前年同期は160,492千円のセグメント損失)となりました。
② food事業
流山おおたかの森に「NAAK CAFE」2号店をオープンし、併設しているunico流山おおたかの森でのオリジナルチャイ試飲サービスや、NAAK CAFEでお食事していただいたお客様へのカタログプレゼントなど、相互送客を目的とした各種企画を実施しました。
しかしながら、認知度の向上及び固定客の確保に苦戦し、当連結会計年度の売上高は238,070千円(前年同期比65.3%増)、セグメント損失は43,518千円(前年同期は18,669千円のセグメント損失)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ193,588千円減少し、453,830千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、158,495千円の収入(前年同期は3,700千円の支出)となりました。これは主に、営業活動にて苦戦し税金等調整前当期純損失が363,097千円となったものの、減価償却費235,450千円及び減損損失316,028千円等の非資金的取引が嵩んだことにより、資金の内部留保効果が働いたことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、519,967千円の支出(前年同期は619,207千円の支出)となりました。これは主に、新店展開時の設備投資に係る支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、169,042千円の収入(前年同期は579,603千円の収入)となりました。これは主に、新店展開に要する資金借り入れによるものです。