有価証券報告書-第12期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

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2016/03/30 13:07
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(1)当社グループの特徴と現状の認識について
当社グループは、次世代バイオ医薬品自社開発機能のみならず、製造プラットフォームを有するバイオファーマ企業としてバイオテクノロジー関連技術・製品の開発を行うとともに、日本国内において組換えインフルエンザHAワクチン原薬生産施設の整備に取り組んでおります。また、平成24年6月より各生産施設を活用したバイオ医薬品受託製造事業の展開を図っております。
現在、展開を図っている次世代バイオ医薬品自社開発事業においては、「既存パイプラインUMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901、UMN-2002及びUMN-2003の開発推進」、「組換えインフルエンザHAワクチンをはじめとするバイオ医薬品原薬生産体制の整備拡充」、「米国市場向け季節性組換えインフルエンザHAワクチンFlublok®の原薬輸出」、「UMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901の東アジア地域への展開」、「基盤技術を活かした新規開発パイプラインの拡充」、「BEVSを中心としたバイオ医薬品受託製造事業の展開」に経営資源を集中し、事業展開を行うことが重要であると考えております。医薬品の研究開発や生産施設の整備拡充においては、さまざまなリスクが存在しており、そのため研究開発体制の強化、GMPに準拠した組換えインフルエンザHAワクチンをはじめとするバイオ医薬品原薬生産体制の整備拡充を積極的に実施する必要があります。
今後の主要事業のひとつとして展開しているバイオ医薬品受託製造事業においては、研究開発初期から商用生産まであらゆる顧客ニーズに対応可能な体制を整備するとともに、顧客が要求する品質基準を満たすサービスを提供すべく、人材の教育訓練を継続的に行っていくことが重要であると考えております。これらの課題を達成し、当社グループの事業目的を実現するためには、人材・研究開発・施設への先行投資が必要であり、それを支える収益基盤の確立及び財務基盤の強化が重要であると考えております。また、経営の質を高めるために、内部統制システムの強化やIR活動の推進も重要な課題であると認識しております。
上述のとおり、当社グループは、経営基盤をより一層強固なものにし、企業価値を最大化するために、対処すべき当面の課題を以下のように考え、各対応策の実行に努めてまいります。
(2)対処すべき当面の課題の内容及び具体的な取組状況
① 既存パイプラインの確実な推進
当社グループの収益基盤を確立するためには、現在取組中の組換えインフルエンザHAワクチンの開発を確実に進め、事業化することが直近の最も重要な課題であると考えております。
当社は、アステラス製薬株式会社との「細胞培養インフルエンザワクチンの共同事業契約書」に基づき、UMN-0502及びUMN-0501の共同開発を確実に推進してまいります。特にUMN-0502については、製造販売承認申請段階にあることから、販売に至るスケジュールを遵守するとともに、商用生産に向けた活動に経営資源を優先的に配分していく方針であります。
UMN-0901については、早期に臨床試験を開始すべく非臨床試験を着実に推進し、UMN-2002及びUMN-2003ついては、非臨床試験に向けた基礎研究を積極的に実施してまいります。
また、韓国においても、日東製薬株式会社との「Agreement For The Co-development And Commercialization Of Recombinant Influenza HA Vaccines In South Korea」に基づき、国内と同様に、UMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901の共同開発を推進すべく、スムーズな治験薬の供給等を行ってまいります。
② 組換えインフルエンザHAワクチンをはじめとするバイオ医薬品原薬生産体制の整備拡充
日本国内でワクチン事業を展開するためには、国内における生産体制の整備が課題となります。当社は、厚生労働省「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備臨時特例交付金」交付事業(第一次分)の助成金にて、秋田県秋田市に秋田工場を建設いたしました。既に性能適格性評価(Performance Qualification:PQ)を実施、今後は臨床試験に供する治験薬を供給する拠点として活用してまいります。また、株式会社UNIGENが、岐阜県揖斐郡池田町にUMN-0502をはじめとするバイオ医薬品原薬を商用生産すべく岐阜工場を建設、平成26年11月に医薬品製造業許可を取得するに至っております。
これら原薬生産施設の運営は、株式会社UNIGENが行いますが、GMPに準拠した工場運営に係る体制構築・人材の教育訓練・業許可取得及び工場稼働率の維持・向上に留意していく必要があります。
当社グループは、秋田工場や岐阜工場の運転資金の確保のみならず、岐阜工場の本格稼働に向けた人材確保・生産体制の構築等を積極的に行っております。
また、将来における国内市場に対する安定供給、海外への輸出を見据え、供給責任を果たすべく主培養槽の増設による生産能力の拡充を通じて、収益拡大を目指してまいります。
③ 米国市場向け季節性組換えインフルエンザHAワクチンFlublok®の原薬輸出
当社は、平成26年12月に当社の技術導入元であるPSCが米国にて販売している季節性組換えインフルエンザHAワクチンFlublok®の原薬について、岐阜工場の国内必要供給量を上回る生産余力を活用して、PSCに供給することの可能性検討に関する基本合意を、PSC及び株式会社IHIと締結しております。米国インフルエンザワクチン市場は、ミネソタ大学Center for infectious Diseases Research and Policy(CIDRAP)の平成26年7月29日付記事「US flu vaccine supply expected to top 150 million doses」によれば、平成25年度における年間供給本数実績は134.9百万ドーズとなっており、平成26年度は154百万ドーズから160百万ドーズの供給量と想定されており、また平成27年10月16日付記事「US flu levels low as new season's reporting starts」によれば、平成27年度における想定供給量は171百万ドーズから179百万ドーズとなっている世界最大の市場であります。当社グループは、米国市場へのFlublok®の原薬輸出を中長期的な収益拡大のドライバーとして位置付け、平成28年2月12日にPSCと株式会社UNIGENにおいて米国にてPSCが販売している季節性組換えインフルエンザHAワクチンFlublok®の岐阜工場からの原薬供給に関する正式合意書を締結いたしました。並行して、FDAによる岐阜工場の製造所認可取得に向け準備を進め、早期の輸出実現を目指してまいります。
④ UMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901の東アジア地域への展開
当社は日本のみならず、中国・韓国・台湾・香港・シンガポールにおける組換えインフルエンザHAワクチンの独占的事業化権を有しております。既に韓国においては、日東製薬株式会社と共同開発及び独占的販売権について提携、また、平成25年10月には、台湾の國光生物科技股份有限公司とUMN-0502、UMN-0501及びUMN-0901の台湾及び中国における商業化に関する優先交渉権を供与する正式契約を締結しております。これらの地域においては高成長が期待されており、当社グループの成長をさらに加速するためには、これらの地域への展開が重要な課題となります。一方で、各国の製造・開発・承認・販売に係る規制環境は流動的であり、現地提携先企業とWin-Winの関係が構築可能な提携スキームについて模索し、各国のビジネス環境に合致した最適の手段の選択が可能な地域について、事業展開を行ってまいります。
⑤ 基盤技術を活かした新規開発パイプラインの拡充
当社グループの企業価値を持続的に向上させていくためには、新規開発パイプラインを拡充することにより、医薬品開発におけるリスク分散と将来の収益機会の確保が重要であると考えております。当社が保有する独自の製造プラットフォームであるBEVSは、多種多様なタンパクを製造できるという特徴を有することから、既存の開発パイプラインのみならず、その他のワクチン、さらにはタンパク製剤への応用展開が可能であります。
当社グループの役職員には、国内外の大手製薬企業での豊富な経験と実績を有する人材が複数おり、大学をはじめとする各種研究機関との広範な人的ネットワークを有しております。新たなパイプラインを開始するにあたり、このような人的ネットワークを介していち早く有望なワクチンやタンパク製剤を中心とした新薬の情報を得るのみならず、開発の可能性及び懸念されるリスク等の分析・評価に関する精度を高め、より価値の高いパイプラインを確保することが、結果として当社の企業価値向上をもたらすものであると考え、今後も研究開発を担当する優秀な人材を積極的に獲得してまいります。
⑥ BEVSを中心としたバイオ医薬品受託製造事業の展開
バイオ医薬品受託製造事業は、当社グループの各原薬生産施設・人材・製造に関する知見を活用した事業であります。平成25年における世界の医薬品売上上位10位のうち7品目がバイオ医薬品であり(出所:セジデム・ストラテジックデータ株式会社「世界の医薬品メーカーの医薬品売上高ランキング2013年」より)、73%を占めるまでに成長しております。今後、バイオ医薬品開発に積極的に取り組む企業が増加するため、バイオ医薬品生産量は一層増加していくものと想定されます。
当社グループは、最先端のバイオ医薬品生産施設、高度なバイオ医薬品製造ノウハウをもった人材、自社開発品の生産プロセスの開発経験に基づく提案力を自社の強みとしており、これらの強みを活かして当社独自の製造プラットフォームであるBEVSで生産可能な新規バイオ医薬品原薬を中心にバイオ医薬品受託製造事業を展開しております。既に複数の機関から新規バイオ医薬品候補品の原薬についての製造受託を獲得するなど着実に受託実績を積み重ねております。
一方、バイオ医薬品受託製造事業において想定されうる顧客ニーズは、極めて多岐にわたることから、受託体制の整備を積極的に行うとともに、当社グループが実施する受託業務の信頼性を確保していく体制を拡充していく必要があります。また、顧客が要求する基準以上の品質を保つことを第一義とする受託業務を行うにあたり、優秀な人材のさらなる確保、継続的な教育訓練を実施することによる組織力の向上を図ってまいります。
⑦ 財務基盤の強化
当社グループは、既存パイプラインの開発の推進、組換えインフルエンザHAワクチンをはじめとするバイオ医薬品原薬生産施設の整備、新規開発パイプラインの拡充、バイオ医薬品受託製造事業における追加設備投資、人材の確保や教育訓練等、事業活動に必要な資金を継続的に外部より調達する必要があります。
これまで当社グループでは、研究開発に係る資金につきましては、事業会社との戦略的提携や製薬企業との共同事業に伴う権利許諾への対価、第三者割当増資、公募調達、新株予約権の発行等により資金を調達してまいりました。また、岐阜工場の建設資金に充当することを目的として、株式会社UNIGENにおいて、株式会社三井住友銀行をアレンジャーとし、平成24年2月に総額10,500,000千円のシンジケートローン契約を金融機関等10社と、また同年9月には、2,500,000千円のシンジケートローン契約を金融機関等4社とそれぞれ締結し、設備資金を調達してまいりました。平成26年3月には、当該シンジケートローンについてリファイナンスを実施、金融機関等4社と総額7,990,000千円のシンジケートローン契約を締結しております。平成27年8月及び平成28年3月には当該シンジケートローントランシェBについてそれぞれ2,200,000千円、2,300,000千円増枠した結果、合計12,490,000千円の規模となっております。また、UMN-0502販売開始以降については、岐阜工場における生産活動に係る運転資金ニーズが生じます。今後も財務基盤強化のために、製薬企業等との提携による開発協力金の確保や金融機関等を通じた資金調達の可能性等を適時検討してまいります。
⑧ 内部統制システムの強化
当社グループは、業務の有効性・効率性を高め、財務報告の信頼性を確保し、事業活動に関わる法令等の遵守を確実にし、資産の保全を図るため、内部統制システムの構築状況を継続的に見直し、着実に運用してまいります。また、リスク管理・コンプライアンス体制等の充実により、内部管理体制のより一層の強化を目指してまいります。
⑨ IR活動の推進
当社グループは、株主・投資家等の当社のステークホルダーと双方向のコミュニケーションを重視し、経営の一層の改善に役立てるために、企業情報を正確、公平かつ適時・適切に発信するよう努め、信頼と正当な評価を得ることを目指してまいります。

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