有価証券報告書-第21期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/23 16:48
【資料】
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【項目】
176項目
(2)戦略
シナリオ分析においては、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに1.5℃に抑える努力を追求する」というパリ協定目標の達成と脱炭素社会の実現を見据え、1.5℃未満シナリオとともに、世界的に気候変動対策が十分に進展しない場合も想定して、4℃シナリオを検討しました。また、当社の事業の蓋然性が見通せる範囲として、2030年を分析対象としました。
分析の対象事業としては、株式会社ユーグレナにおけるヘルスケア事業とバイオ燃料事業を設定し、気候変動による当社グループへの影響を整理しました。シナリオ分析にあたり、1.5℃未満においては、IEA SDS、IPCC RCP2.6・SR1.5、WRI Aqueduct Optimisticなど、4℃においては、IEA STEPS、IPCC RCP8.5、WRI Aqueduct BaU などを参照しました。
各シナリオで想定した世界像に基づき、第一段階として、準備段階の際に選定した対象事業について、リスク・機会項目を網羅的に列挙しました。第二段階として、リスク・機会が発生する可能性の大きさと、リスク・機会が現実のものとなった場合の事業インパクトの大きさを軸に、リスク重要度を定性的に仮評価しました(図1)。最終段階にて、執行役員や部門担当者とのディスカッションを踏まえ、リスク・機会の事業への影響度と発生度を定性的・定量的に評価し、小・中・大の3段階に分類しました。
図1 リスク・機会項目(ヘルスケア事業)の重要度評価
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その結果、主にヘルスケア事業・バイオ燃料事業で想定される気候リスクと機会を次の図表のように整理し、重要なリスク・機会を特定しました。
(ヘルスケア事業)
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リスクについては、4℃シナリオ下での異常気象の激甚化による、生産拠点や物流機能への損害、1.5℃未満シナリオ下でのカーボンプライシング導入による設備投資や原材料調達コスト等を、特に考慮すべきリスク要因として特定し、事業へのインパクトについて定量的評価を実施いたしました。今後、より詳細なリスク分析を実施し、より包括的なリスク管理に努めてまいります。
他方、機会については、気候変動への対応が進展する1.5℃未満シナリオ下では、環境や社会への配慮を重視する消費者の意識が一層高まることが想定されます。これに伴い、製品の品質や機能に加えて、原料の持続可能性や製造・供給過程における環境負荷の低さといった要素が、購買判断においてより重要な評価軸となると考えています。当社のヘルスケア事業においては、サステナブルな原料や資材の選定や、環境負荷低減を意識した事業活動を通じて、環境面・社会面に配慮した製品・サービスの提供を進めてきました。こうした取り組みは、気候変動対応が進む社会環境において、当社商品の価値や信頼性に対する評価の向上につながるものと認識しています。今後も、消費者の価値観や市場環境の変化を踏まえながら、サステナビリティに配慮した商品・サービスの開発や提供を通じて、ヘルスケア事業における中長期的な事業機会の獲得と持続的な成長につなげていく方針です。
具体的な取組事例として、2020年に既存の飲料用ペットボトル商品の全廃を決定し、主原料が紙のリサイクル可能な包装容器の採用を進めるなど、継続して石油由来プラスチック削減に努めております。また、SGホールディングスグループの佐川急便株式会社(以下「佐川急便」)とともにお客さま(個人)・荷主(当社)・運送事業者(佐川急便)の三者が協力し、当社通販における配送の一部に次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を給油したトラックを活用する「サステナブル配送プロジェクト」を実施しました。本プロジェクトにご賛同頂いたお客さまから「サステオ」導入費用へのご支援を2023年6月26日から同年末まで募り、集まったご支援額と同額を当社と佐川急便の両社からもそれぞれ拠出することで、佐川急便浜松営業所の車両約100台に約8,000リットルの「サステオ」を導入し、4.11トン相当のCO2排出量を削減しました。また、当社グループにおける直販において、主力商品の定期便を2ヵ月分の隔月配送等への移行を進めることで、配送回数の削減を行うとともにCO2排出量の削減にも取り組みました。今後も、商品開発や商品配送等の様々な観点から、環境負荷低減のための取り組みを当社グループ横断で推進してまいります。
(バイオ燃料事業)
バイオ燃料事業も同様に、リスク・機会の事業への影響度と発生度を定性的・定量的に評価しました。一方で、当事業は本格的な商業化前のフェーズにあり適正な評価は難しいため、2021年度時点でのリスクと機会の定性分析の結果を開示しています。
0102010_007.jpgバイオ燃料事業は、脱炭素社会の実現に向けた移行リスクへの対応と同時に、大きな成長機会を有する事業と位置付けています。1.5℃未満シナリオにおいては、各国におけるカーボンニュートラル政策の進展や、割当制度・炭素価格付けの導入により、化石燃料に対する価格競争力が相対的に向上し、バイオ燃料需要の拡大が見込まれます。特に、航空分野におけるSAFの導入拡大は重要な事業機会であり、日本政府および関係省庁による導入目標や支援策の下、国内市場においても中長期的な需要の拡大が見込まれています。また、GX実現に向けた政策の進展により、SAFを含む次世代燃料への投資環境は整いつつあります。
一方で、原料調達価格の変動や、気候変動に伴う異常気象による製造・物流への影響などがリスクとして想定されます。当社では、複数の原料・供給スキームの検討や、海外パートナーとの連携による分散型の事業構築を進めることで、これらのリスク低減に取り組んでいます。
当社のバイオ燃料事業は、社会全体の温室効果ガス排出量削減に直接的に貢献する事業として位置付けています。「サステオ」は、これまで多くの企業・団体に導入されており、実証・利用実績を積み重ねてきました。今後は、商業プラントの稼働を見据え、安定供給体制の確立と導入拡大を進めていきます。次世代バイオディーゼル燃料およびSAFの本格供給を通じて、自動車、船舶、航空機といった幅広い移動体分野における脱炭素化を支え、1.5℃未満シナリオの実現および2050年カーボンニュートラル達成に貢献していく方針です。

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