有価証券報告書-第44期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 11:59
【資料】
PDFをみる
【項目】
77項目

業績等の概要

(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境に改善が見られるなど緩やかな回復基調で推移しましたが、消費マインドには足踏みが見られ個人消費は伸び悩みが続きました。
当社市場におきましては、サービスの対象となる国内木造一戸建住宅の状況、国民の木造住宅選好度、並びに社会の「快適な住まいで安心して暮らしたい」という普遍的な希求に関しては変化がありませんでした。
様々な社会的課題を解決するために住宅の長寿命化と既存住宅のメンテナンスを重視する方向へと舵を切った国の住宅政策はますます政策を鮮明化させ、社会の家屋保全意識を高めつつあります。この国の政策により、当社のサービスである白蟻対策、湿気対策、地震対策の需要は底堅く推移しましたが、消費者の生活防衛意識は依然として根強く、当社のサービスに対しても購買意欲が高まるには至りませんでした。
このような状況下において、当社は優秀な人材の採用・育成強化、営業効率の向上に取り組みました。また、将来の存立基盤を盤石にするとともに競争力の優位性を維持・向上するため、営業面でのコンプライアンスの一層の強化を推進しました。
具体的には、人材の採用・育成を担当する人材開発部長に取締役を配し、紙媒体とWEB上の求人広告量を増やして採用を増加するとともに、研修センターの責任者に支店長経験者を配し、三ヶ日総合研修センターと猪苗代総合研修センターの機能を強化して一人ひとりのスキルアップを図りました。また、シニア層や女性の営業職増員やアルバイトの導入といった、従業員の多様化と活用に向けた取り組みを推進しました。
販促活動としては、映画「ゴーストバスターズ」とのコラボレーションで制作したCM放映と新聞折込を増やしました。
コンプライアンス体制の強化としては、新たにコンプライアンス本部を設置し、業務全般を一元的にPDCA管理できるようにしました。
以上の取り組みにより、白蟻対策売上高が前期比3.3%増、湿気対策売上高が同5.5%増、地震対策売上高が同2.4%増となり、総売上高は同578百万円増加(4.4%増)の13,852百万円となりました。
売上原価は、労務費が退職給付費用の前期比68百万円増加と人員増加に伴う同88百万円増加により同157百万円増加(11.8%増)した他、材料費の増加等もあり、総額で同293百万円増加(7.8%増)しました。これにより、売上総利益は同284百万円増加(3.0%増)し、売上総利益率は同0.9ポイント低下しました。
販売費及び一般管理費は、人件費が退職給付費用の前期比310百万円増加と人員増加に伴う同386百万円増加により同697百万円増加(14.9%増)した他、求人費、広告宣伝費、修繕費等の増加もあり、総額で同934百万円増加(13.0%増)し、販売費及び一般管理費率は同4.5ポイント上昇しました。
この結果、営業利益は前期比649百万円減少(27.9%減)の1,682百万円となり、営業利益率は同5.4ポイント低下して12.1%となりました。経常利益は同653百万円減少(27.9%減)の1,686百万円となりました。当期純利益は、繰延税金資産の見直しによる188百万円のプラス要因が発生し、同219百万円減少(14.8%減)の1,266百万円となり、当期純利益率は同2.1ポイント低下して9.1%となりました。
なお、売上高に占める労務費と人件費の合計(総人件費)の割合(総人件費率)は、前期比4.3ポイント上昇して49.5%となりました。これは退職給付費用の増加と人員増加による総人件費の前期比増加率14.2%が、売上高の前期比増加率4.4%を上回ったことによります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前期末比472百万円増加して6,628百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は1,411百万円(前期は1,648百万円増加)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益1,686百万円、前払年金費用の減少262百万円、売上債権の減少251百万円、主な減少要因は、法人税等の支払額869百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は55百万円(前期は29百万円減少)となりました。主な減少要因は、固定資産の取得による支出46百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は883百万円(前期は483百万円減少)となりました。主な減少要因は、当事業年度から中間配当を実施したことに伴い配当金の支払額が776百万円(前期は395百万円)あったことによるものであります。