有価証券報告書-第9期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
デジタル情報技術が目覚ましい進化を遂げる中、ユーザーのニーズに応じて次々と新しい商品・サービスが生み出されていく現代において、当社グループは「顧客中心主義に基づく金融サービスのイノベーターとして新しい価値を創造していく」ことを企業理念として掲げています。各種金融規制の緩和や法改正により、銀行等の専門業種との境界が融解、ドラスティックに社会構造の変化が起こりつつある中、新たに生じた潜在需要の高い領域に対して、FinTech技術を活用することで顧客ニーズに合致した革新的なサービスを提供していくことを基本経営戦略としています。
当社グループは、インターネット黎明期に決済事業を開始し、日本の電子商取引市場の発展と歩調をあわせるように拡大・成長してまいりました。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査2019年度版」によると、B2C-EC市場は2018年度で約17.9兆円に達し、毎年約109%で成長をしております。またミック経済研究所の調査資料「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望2019年度版」では、2018年度のネット決済サービス市場規模は2,884億円、その後も年率約117%で成長を続け、2023年度には6,000億円超の規模にまで拡大するという予測がなされています。一方、第4四半期に入り、中国武漢に端を発する新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的な拡大により、日本では初となる緊急事態宣言が発令され、封じ込めのための外出自粛や休業要請等により、経済への状況が急激に悪化する事態となっています。当社グループの主要事業領域である消費者向け電子商取引市場においては、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が顕著に出ている航空業界や外食産業、旅行やエンターテインメント業界等、外出自粛や休業要請による直接的な影響が非常に大きい業界も多い中、決済サービス事業そのものは、その産業の特性上、被害は甚大とはならず、一定の選別を伴うものの「巣ごもり消費」を中心に継続的な市場規模の拡大が予測されています。
また、もう一方の主要事業である国際送金サービスにおける重要指標の在留外国人数において、政府が慢性的な人手不足を解消するため、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案を成立させ、2019年4月1日に施行されました。法務省入国管理局の「令和元年末現在における在留外国人数について」の統計データによると、2019年12月末現在における在留外国人数は293万3,137人、前年末に比べて20万2,044人(+7.4%)の増加となり過去最高を記録し、国際送金事業のターゲット顧客となる外国人労働者は、今後さらに増えていくものと予測されておりましたが、2020年に入り急速に全世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、状況は一変しました。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症拡大防止の水際対策として、政府が外国人の入国を事実上制限する措置をとったため、2020年2月以降 新たに来日する外国人が激減しており、今後の新規会員獲得とこれまで同様の継続的な市場の拡大は非常に難しいとの予測がなされております。ただし、当期に限って言えば、3月は円高の影響等で既存会員による送金が多く実施されたこともあり、影響は限定的となりました。
また「FinTech」という従来型の金融サービスを新しいテクノロジーで根本から変革しようという動きが活発で、ブロックチェーンやDLT(分散型台帳技術)AI、API連携等といったキーワードと共に、様々な取組みとこれまでになかった新しいサービスの提供がされるようになりました。一方で、新たな市場が拡大していくスピードに法規制やセキュリティ対策等が追い付かず、近年加速度的に増加している不正アクセス等のサイバー攻撃による情報漏えい事故のみならず、FinTech領域である仮想通貨取引等でもセキュリティの事故が発生する等、FinTech奨励の規制緩和方向から一転、顧客資産の安全性第一のセキュリティ基準厳格化に向け国をあげて対応が急がれています。
このような中、当社グループは主要事業である決済サービス事業の強化・拡充を着実に実行しつつ、国際送金サービスやクラウド会計を含む企業支援サービス等、新たに加わった事業セグメントにおけるセキュリティ対策を強化すると共に、単なるグループシナジーを超えた「相互進化」による顧客中心主義のサービス開発を徹底し、事業領域及び業績の拡大を目指してまいります。また、当社及び当社グループすべての子会社においてシステム運用の安定化、リスク管理の強化に重点をおき、コスト削減、組織体制・人事制度等の改革、人材の確保・育成を図りながら、持続的な成長と収益性を確保できる経営基盤を構築するため、以下の課題に鋭意取り組んでまいります。
(1)法改正(割賦販売法、銀行法)への対応
当社グループのSBIビジネス・ソリューションズ株式会社で運営しているオンライン資産情報一元管理サービス(マネールック)に関しては、2018年6月1日より改正銀行法が施行されたことを受け、金融庁へ電子決済等代行業者として2019年4月に登録が完了いたしました。株式会社ゼウス及び株式会社AXES Paymentについても、同様に2019年12月に登録が完了しております。
当社グループの決済事業の分野では、割賦販売法の改正が行われており、2018年6月に施行されました。当社子会社の株式会社AXES Paymentは、この改正に伴ってクレジットカード番号等取扱契約締結事業者として経済産業省に登録をするため申請を行い、2020年1月28日付で登録が完了いたしました。
(2)新サービスの開発と収益の多様化
当社グループは、主に非対面決済サービス事業並びに国際送金サービス事業に注力してまいりましたため、両事業の収益の占める割合が比較的大きい状況にあります。今後、外部環境の変化や顧客ニーズの変化に対しても安定的に収益を計上できるよう、新しい切り口からのサービスを拡充していくことは、当社グループの重要な課題の一つであると認識しております。このため、決済システムを自社開発している強みを活かし、昨今需要の高まりを見せているバックオフィス系のクラウドサービスとの連携を模索しており、SBIビジネス・ソリューションズと共に決済サービスとシナジー効果の高い「請求書発行ソリューション」や継続的な成長市場である中小企業向けのファクタリング・掛け払い等のBtoB領域における新たなサービスの提供について検討を進めてまいります。
(3)システム安定運用・運用業務改善によるコスト削減
当社グループの決済サービス事業では、当社データセンターで処理するデータ量はこの数年で飛躍的に増加した上、かつリアルタイム処理が求められることから、システムの安定運用は極めて重要な課題であると認識しております。今後もグループシナジー展開の本格化に伴い、さらなるデータ処理量の増大や機能拡張が見込まれます。また国際送金サービスといった、多数のエンドユーザーが直接利用するシステムにおいても、安全性の確保はもとより、さらなるデータ処理量の増大やコルレス先の追加に伴う機能拡張と即時性の担保といった利便性向上についても常に改善を図っていく必要があります。そのような中、「システムの安定運用」と「業務改善によるコスト削減」を同時に実現可能な社内体制を構築すべく、運用・管理業務の継続的な改善に取り組んでまいります。
(4)情報セキュリティ体制の継続的な強化
当社グループが営む決済サービス事業では、クレジットカード情報等の重要情報を保有・管理しております。そのため、創業時より「安全・安心」を第一に考えた決済システムの構築とサービス提供に取組み、日々あらゆる側面からセキュリティレベルの維持・検証を徹底し、改善を実施しております。代表的なものとしては、業界に先駆けてのプライバシーマーク取得、さらにはISO/IEC27001(ISMS)及びPCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)の認証を取得・維持しております。国際送金サービス事業では2019年秋の「第4次*FATF(ファトフ)対日相互審査」を機に、日本の金融業界は、マネー・ローンダリング対策のレベルアップを求められており、SBIレミットでも情報セキュリティの強化はもとより、運用体制の強化を継続的に図っております。また、情報セキュリティ対策は「人的セキュリティ」を基本として成り立っているという考えから、社員一人一人に徹底した教育・研修を実施し、人為的事故の予防等に取り組んでおります。今後も、これまでに築いてきた信頼の維持・向上に努めてまいります。
*FATFとは“Financial Action Task Force(金融活動作業部会)の略で、マネロン・テロ資金対策等に
取り組む主要国政府による枠組み。
(5)業務提携・M&A等の推進
当社グループは、顧客ニーズに対してスピーディーかつ包括的なソリューションの提示や、新たな事業領域への進出に向け、他企業との業務提携やM&A等を積極的に活用し、企業価値向上を目指してまいります。
デジタル情報技術が目覚ましい進化を遂げる中、ユーザーのニーズに応じて次々と新しい商品・サービスが生み出されていく現代において、当社グループは「顧客中心主義に基づく金融サービスのイノベーターとして新しい価値を創造していく」ことを企業理念として掲げています。各種金融規制の緩和や法改正により、銀行等の専門業種との境界が融解、ドラスティックに社会構造の変化が起こりつつある中、新たに生じた潜在需要の高い領域に対して、FinTech技術を活用することで顧客ニーズに合致した革新的なサービスを提供していくことを基本経営戦略としています。
当社グループは、インターネット黎明期に決済事業を開始し、日本の電子商取引市場の発展と歩調をあわせるように拡大・成長してまいりました。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査2019年度版」によると、B2C-EC市場は2018年度で約17.9兆円に達し、毎年約109%で成長をしております。またミック経済研究所の調査資料「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望2019年度版」では、2018年度のネット決済サービス市場規模は2,884億円、その後も年率約117%で成長を続け、2023年度には6,000億円超の規模にまで拡大するという予測がなされています。一方、第4四半期に入り、中国武漢に端を発する新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的な拡大により、日本では初となる緊急事態宣言が発令され、封じ込めのための外出自粛や休業要請等により、経済への状況が急激に悪化する事態となっています。当社グループの主要事業領域である消費者向け電子商取引市場においては、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が顕著に出ている航空業界や外食産業、旅行やエンターテインメント業界等、外出自粛や休業要請による直接的な影響が非常に大きい業界も多い中、決済サービス事業そのものは、その産業の特性上、被害は甚大とはならず、一定の選別を伴うものの「巣ごもり消費」を中心に継続的な市場規模の拡大が予測されています。
また、もう一方の主要事業である国際送金サービスにおける重要指標の在留外国人数において、政府が慢性的な人手不足を解消するため、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案を成立させ、2019年4月1日に施行されました。法務省入国管理局の「令和元年末現在における在留外国人数について」の統計データによると、2019年12月末現在における在留外国人数は293万3,137人、前年末に比べて20万2,044人(+7.4%)の増加となり過去最高を記録し、国際送金事業のターゲット顧客となる外国人労働者は、今後さらに増えていくものと予測されておりましたが、2020年に入り急速に全世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、状況は一変しました。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症拡大防止の水際対策として、政府が外国人の入国を事実上制限する措置をとったため、2020年2月以降 新たに来日する外国人が激減しており、今後の新規会員獲得とこれまで同様の継続的な市場の拡大は非常に難しいとの予測がなされております。ただし、当期に限って言えば、3月は円高の影響等で既存会員による送金が多く実施されたこともあり、影響は限定的となりました。
また「FinTech」という従来型の金融サービスを新しいテクノロジーで根本から変革しようという動きが活発で、ブロックチェーンやDLT(分散型台帳技術)AI、API連携等といったキーワードと共に、様々な取組みとこれまでになかった新しいサービスの提供がされるようになりました。一方で、新たな市場が拡大していくスピードに法規制やセキュリティ対策等が追い付かず、近年加速度的に増加している不正アクセス等のサイバー攻撃による情報漏えい事故のみならず、FinTech領域である仮想通貨取引等でもセキュリティの事故が発生する等、FinTech奨励の規制緩和方向から一転、顧客資産の安全性第一のセキュリティ基準厳格化に向け国をあげて対応が急がれています。
このような中、当社グループは主要事業である決済サービス事業の強化・拡充を着実に実行しつつ、国際送金サービスやクラウド会計を含む企業支援サービス等、新たに加わった事業セグメントにおけるセキュリティ対策を強化すると共に、単なるグループシナジーを超えた「相互進化」による顧客中心主義のサービス開発を徹底し、事業領域及び業績の拡大を目指してまいります。また、当社及び当社グループすべての子会社においてシステム運用の安定化、リスク管理の強化に重点をおき、コスト削減、組織体制・人事制度等の改革、人材の確保・育成を図りながら、持続的な成長と収益性を確保できる経営基盤を構築するため、以下の課題に鋭意取り組んでまいります。
(1)法改正(割賦販売法、銀行法)への対応
当社グループのSBIビジネス・ソリューションズ株式会社で運営しているオンライン資産情報一元管理サービス(マネールック)に関しては、2018年6月1日より改正銀行法が施行されたことを受け、金融庁へ電子決済等代行業者として2019年4月に登録が完了いたしました。株式会社ゼウス及び株式会社AXES Paymentについても、同様に2019年12月に登録が完了しております。
当社グループの決済事業の分野では、割賦販売法の改正が行われており、2018年6月に施行されました。当社子会社の株式会社AXES Paymentは、この改正に伴ってクレジットカード番号等取扱契約締結事業者として経済産業省に登録をするため申請を行い、2020年1月28日付で登録が完了いたしました。
(2)新サービスの開発と収益の多様化
当社グループは、主に非対面決済サービス事業並びに国際送金サービス事業に注力してまいりましたため、両事業の収益の占める割合が比較的大きい状況にあります。今後、外部環境の変化や顧客ニーズの変化に対しても安定的に収益を計上できるよう、新しい切り口からのサービスを拡充していくことは、当社グループの重要な課題の一つであると認識しております。このため、決済システムを自社開発している強みを活かし、昨今需要の高まりを見せているバックオフィス系のクラウドサービスとの連携を模索しており、SBIビジネス・ソリューションズと共に決済サービスとシナジー効果の高い「請求書発行ソリューション」や継続的な成長市場である中小企業向けのファクタリング・掛け払い等のBtoB領域における新たなサービスの提供について検討を進めてまいります。
(3)システム安定運用・運用業務改善によるコスト削減
当社グループの決済サービス事業では、当社データセンターで処理するデータ量はこの数年で飛躍的に増加した上、かつリアルタイム処理が求められることから、システムの安定運用は極めて重要な課題であると認識しております。今後もグループシナジー展開の本格化に伴い、さらなるデータ処理量の増大や機能拡張が見込まれます。また国際送金サービスといった、多数のエンドユーザーが直接利用するシステムにおいても、安全性の確保はもとより、さらなるデータ処理量の増大やコルレス先の追加に伴う機能拡張と即時性の担保といった利便性向上についても常に改善を図っていく必要があります。そのような中、「システムの安定運用」と「業務改善によるコスト削減」を同時に実現可能な社内体制を構築すべく、運用・管理業務の継続的な改善に取り組んでまいります。
(4)情報セキュリティ体制の継続的な強化
当社グループが営む決済サービス事業では、クレジットカード情報等の重要情報を保有・管理しております。そのため、創業時より「安全・安心」を第一に考えた決済システムの構築とサービス提供に取組み、日々あらゆる側面からセキュリティレベルの維持・検証を徹底し、改善を実施しております。代表的なものとしては、業界に先駆けてのプライバシーマーク取得、さらにはISO/IEC27001(ISMS)及びPCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)の認証を取得・維持しております。国際送金サービス事業では2019年秋の「第4次*FATF(ファトフ)対日相互審査」を機に、日本の金融業界は、マネー・ローンダリング対策のレベルアップを求められており、SBIレミットでも情報セキュリティの強化はもとより、運用体制の強化を継続的に図っております。また、情報セキュリティ対策は「人的セキュリティ」を基本として成り立っているという考えから、社員一人一人に徹底した教育・研修を実施し、人為的事故の予防等に取り組んでおります。今後も、これまでに築いてきた信頼の維持・向上に努めてまいります。
*FATFとは“Financial Action Task Force(金融活動作業部会)の略で、マネロン・テロ資金対策等に
取り組む主要国政府による枠組み。
(5)業務提携・M&A等の推進
当社グループは、顧客ニーズに対してスピーディーかつ包括的なソリューションの提示や、新たな事業領域への進出に向け、他企業との業務提携やM&A等を積極的に活用し、企業価値向上を目指してまいります。