有価証券報告書-第11期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/27 12:10
【資料】
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【項目】
106項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
デジタル情報技術が目覚ましい進化を遂げる中、ユーザーのニーズに応じて次々と新しい商品・サービスが生み出されていく現代において、当社グループは「顧客中心主義に基づく金融サービスのイノベーターとして新しい価値を創造していく」ことを企業理念として掲げています。各種規制の緩和や法改正による需要創出と共に、コロナ禍で外部環境や社会構造の変革がドラスティックに起こりつつある中、新たに生じた潜在需要の高い領域に対して、FinTech技術を活用することで顧客ニーズに合致した革新的なサービスを提供していくことを基本経営戦略としています。
当社グループは、インターネット黎明期に決済事業を開始し、日本の電子商取引市場の発展と歩調をあわせるように拡大・成長してまいりました。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査2021年度版」によると、B2C-EC市場は2020年度で約19.3兆円とコロナ禍を受けて物販系は前年度比21.71%増と大きく伸長したものの、サービス分野が大きく減少し、全体としては前年度比では0.43%減とほぼ横ばいとなりました。また矢野経済研究所の調査資料「オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測」では、2020年度のオンライン決済サービスプロバイダー市場規模は約19.5兆円にまで拡大、今後もコロナ禍を受けて対象業種の拡大やBtoB決済、オムニチャネル領域への拡大等により成長を続け、2025年度には34兆円超の規模にまで拡大するという予測がなされています。一方、未だ断続的に訪れる新型コロナウイルス感染拡大の波と新たに発生したウクラウナ侵攻に対するロシアへの経済制裁措置の影響等により、先の見通せない不安から足元の景気の下押し要因となっております。当社グループの主要事業領域の一つである消費者向け電子商取引市場においては、コロナ禍で副業を開始する個人事業主の増加や、これまで対面中心でサービス提供をしていた業種を含め、次々とネット販売事業に参入したりといった傾向がますます顕著となり、それに伴い手軽に安価でネットショップの開設ができるサービスや顧客管理サービスが台頭する等、SaaS型サブスクリプションサービスの発展を伴って新たな消費行動を促す兆候も多くみられました。決済サービス事業そのものは、その産業の特性と上記のような動きもあり、対面からデジタル消費へと一定の条件はあるものの新たな生活様式や社会環境に合致した消費を中心に継続的な市場規模の拡大が予測されています。
またコロナ禍のリモートワークで一気に裾野が拡大しているオフィスと同様の業務が可能なバックオフィス系のクラウドサービスを利用したDX(デジタルトランスフォーメーション)等のニーズが顕在化し、様々な取組みと共にこれまでになかった新しいサービスの提供がされるようになりました。政府による「脱ハンコ」の推進や電子署名の活用促進、これまで紙保存が基本とされ、ペーパーレス化の阻害要因となっていた会計帳簿類の保存を電子化できるよう大幅に要件を緩和した「電子帳簿保存法」の改正や、2023年10月施行予定のインボイス制度等、企業の規模に関係なくデジタル化を迫る法改正や規制緩和により、中小企業でも手軽に導入できるサービスへの期待とニーズが一段と高まっています。一方で、複雑化・巧妙化を増し近年加速度的に増加している不正アクセス等のサイバー攻撃による情報漏えい事故も過去最多を記録し、より一層顧客資産の安全性第一のセキュリティ基準厳格化に向け対応が急務となっております。
このような中、当社グループは主要事業である決済サービス事業の強化・拡充を着実に実行しつつ、各種クラウドソリューションを含む企業支援サービス等、セキュリティ対策を強化すると共に、単なるグループシナジーを超えた「相互進化」による顧客中心主義のサービス開発を徹底し、事業領域及び業績の拡大を目指してまいります。また、当社及び当社グループすべての子会社においてシステム運用の安定化、リスク管理の強化に重点をおき、コスト削減、組織体制・人事制度等の改革、人材の確保・育成を図りながら、持続的な成長と収益性を確保できる経営基盤を構築するため、以下の課題に鋭意取り組んでまいります。
(1)新サービスの開発と収益の多様化
当社グループは、主に非対面決済サービス事業並びに企業支援サービス事業に注力しているため、両事業の収益の占める割合が比較的大きい状況にあります。今後、外部環境の変化や顧客ニーズの変化に対しても安定的に収益を計上できるよう、新しい切り口からのサービスを拡充していくことは、当社グループの重要な課題の一つであると認識しております。このため、決済システムを自社開発している強みを活かし、コロナ禍で一層需要の高まりを見せているバックオフィス系のクラウドサービスとの連携を強化しており、SBIビジネス・ソリューションズと共に決済サービスとシナジー効果の高い請求書発行システム「請求QUICK」を2022年3月にローンチいたしました。「請求QUICK」はクレジットカード決済機能を標準搭載し、また「請求書買取」機能によるファイナンスサービスの提供も可能なサービスであるため、グループシナジーを顕著に発揮できるビジネススキームとなっております。今後も新たなサービスのローンチや機能開発を予定しており、さらなる顧客利便性の追求と付加価値の高いサービス提供を目指してまいります。また継続的な成長市場である中小企業向けのファクタリング・掛け払い等のBtoB領域における新たなフィナンシャルソリューションの提供についても、サービスの裾野を拡大しております。クラウドサービスと同様、既存決済サービスにおいても、新規顧客獲得数(課金加盟店数)を最重要経営指標と定め、これまでの顧客対応のノウハウは活かしつつ、自動化・省力化・どこよりも低価格等明確な顧客メリットをWebでわかりやすく訴求することで、新たな顧客層の開拓にも注力しております。
(2)システム安定運用・運用業務改善によるコスト削減
当社グループの決済サービス事業では、当社データセンターで処理するデータ量はこの数年で飛躍的に増加しており、またリアルタイム処理が求められることから、システムの安定運用は極めて重要な課題であると認識しております。今後もグループシナジー展開の本格化に伴い、さらなるデータ処理量の増大や機能拡張が見込まれます。そのような中、「システムの安定運用」と「業務改善によるコスト削減」を同時に実現可能な社内体制を構築すべく、運用・管理業務の継続的な改善に取り組んでまいります。
(3)情報セキュリティ体制の継続的な強化
当社グループが営む決済サービス事業では、クレジットカード情報等の重要情報を保有・管理しております。そのため、創業時より「安全・安心」を第一に考えた決済システムの構築とサービス提供に取組み、日々あらゆる側面からセキュリティレベルの維持・検証を徹底し、改善を実施しております。代表的なものとしては、業界に先駆けてのプライバシーマーク取得、さらにはISO/IEC27001(ISMS)及びPCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)の認証を取得・維持しております。また、情報セキュリティ対策は「人的セキュリティ」を基本として成り立っているという考えから、社員一人一人に徹底した教育・研修を実施し、人為的事故の予防等に取り組んでおります。今後も、これまでに築いてきた信頼の維持・向上に努めてまいります。
(4)業務提携・M&A等の推進
当社グループは、「選択と集中」による経営リソースの最適配分のため、常に事業ポートフォリオの見直しを図っております。グループシナジーを意識し、常に顧客ニーズに対して最適でスピーディーかつ包括的なソリューションの提示と新たな事業領域への進出に向け、他企業との業務提携やM&A等を積極的に活用し、企業価値向上を目指してまいります。当期における事業ポートフォリオ最適化の実績として、国際送金サービスを提供するSBIレミット株式会社の全株式を売却し、譲渡益を計上した一方、ふるさと納税関連の大手サイト運営会社等有益な顧客を数多くもつ企業と業務提携契約を締結しております。

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