有価証券報告書-第28期(2023/10/01-2024/09/30)
③ 戦略
当社グループは、主力事業である戸建関連事業を対象として、2030年を想定した気候変動によるリスクと機会の抽出、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が想定した二つのシナリオに基づく財務影響の分析、並びに今後の対応策について以下のとおり検討しました。
(ⅰ)シナリオ分析の前提(定義)
(ⅱ)シナリオ分析結果
(イ) 1.5℃シナリオ
1.5℃シナリオにおいて、移行リスクとして炭素税導入及び太陽光パネル義務化が、主な収益圧迫要因と推定されます。一方で、環境負荷の低い住宅の提供による新たな顧客の獲得が収益機会となります。物理的リスクについても、自然災害等によるリスクは軽微です。総じて、本シナリオにおける財務影響は限定的であることが把握できました。
(ロ) 4℃シナリオ
4℃シナリオにおいて、大きな移行リスクはなく、物理的リスクも、当社グループが展開する戸建関連事業は事業期間の短いフローのビジネスであることから、自然災害の激甚化等の外部環境変化に対する感応度を高めることで低減可能であり、大きな財務影響を与えるものではないことを把握することができました。
<リスクと機会及び財務影響の一覧>
<財務影響の凡例>↑/↓ :絶対値10億円以上50億円未満
該当なし:絶対値1億円以上10億円未満
↑ / ↓ :絶対値10百万円以上1億円未満
- :財務影響なし、又は絶対値10百万円未満
当社グループは、主力事業である戸建関連事業を対象として、2030年を想定した気候変動によるリスクと機会の抽出、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が想定した二つのシナリオに基づく財務影響の分析、並びに今後の対応策について以下のとおり検討しました。
(ⅰ)シナリオ分析の前提(定義)
①1.5℃シナリオ | ②4℃シナリオ | ||
移 行 リ ス ク | 低炭素社会への移行期において、政策、規制、技術、市場及び顧客の嗜好等の変化に伴うリスク及び機会。 | 世界中で気候変動に対する厳格な対策が徹底され、地球温暖化を抑えることに成功する。 その結果、2050年の平均気温は、18世紀の産業革命前に比べて、1.5℃上昇にとどまる。 | 温暖化に関する様々な注意喚起にも関わらず、各国の足並みが揃わず、厳格な対策は導入されない。 その結果、温暖化はさらに進行し、平均気温は4℃上昇、自然災害が激甚化、頻発化する。 |
物 理 的 リ ス ク | 気候変動に伴う自然災害の頻発、激甚化等の急性的なリスク、平均気温の上昇、異常気象等の慢性的なリスク。 |
(ⅱ)シナリオ分析結果
(イ) 1.5℃シナリオ
1.5℃シナリオにおいて、移行リスクとして炭素税導入及び太陽光パネル義務化が、主な収益圧迫要因と推定されます。一方で、環境負荷の低い住宅の提供による新たな顧客の獲得が収益機会となります。物理的リスクについても、自然災害等によるリスクは軽微です。総じて、本シナリオにおける財務影響は限定的であることが把握できました。
(ロ) 4℃シナリオ
4℃シナリオにおいて、大きな移行リスクはなく、物理的リスクも、当社グループが展開する戸建関連事業は事業期間の短いフローのビジネスであることから、自然災害の激甚化等の外部環境変化に対する感応度を高めることで低減可能であり、大きな財務影響を与えるものではないことを把握することができました。
<リスクと機会及び財務影響の一覧>
リスクと機会/項目 | 影響経路 | 財務影響 | ||
1.5℃ | 4℃ | |||
移 行 リ ス ク ・ 機 会 | <リスク>炭素税の導入 | 炭素税導入に基づく資材等の調達価格上昇 (建設委託費の増加) | ↓ | - |
炭素税導入に基づく営業車両の燃料コスト上昇 | ↓ | - | ||
炭素税導入に基づく電気使用コスト上昇 | ↓ | - | ||
<リスク>太陽光パネルの 設置義務化 | 太陽光パネルの設置義務化への対応コスト上昇(販売価格への転嫁率0%) | ↓ | - | |
<機会>環境負荷の低い 住宅需要の高まり | 環境負荷の低い住宅(ZEH Oriented)の提供による収益増加 | ↑ | - | |
物 理 的 リ ス ク | <リスク>台風や洪水の 激甚化による影響 | 台風や洪水の激甚化による作業停止期間の発生によるコスト増加 | - | - |
台風や洪水の激甚化による建設中住宅の値引きによる収益減少 | ↓ | ↓ | ||
<リスク>酷暑による 健康被害の増大 (熱中症等) | 酷暑による建設技能者の作業効率低下によるコスト上昇 | ↓ | ↓ | |
酷暑による営業社員の営業効率低下による収益減少 | ↓ | ↓ |
<財務影響の凡例>↑/↓ :絶対値10億円以上50億円未満
該当なし:絶対値1億円以上10億円未満
↑ / ↓ :絶対値10百万円以上1億円未満
- :財務影響なし、又は絶対値10百万円未満