有価証券報告書-第12期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/09/28 15:32
【資料】
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【項目】
146項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当グループは企業理念を次のとおり定めております。
創業企業 つねに社会にとって必要な事業を創造しつづける 日々創業・・・初心を大切に日々創業精神で仕事をする 歴代創業・・・代々初代の志を持って新事業を創造する 全員創業・・・全社員が自分に合う第一人者の道を拓く 循環企業 助け合い、活かし合い、分かち合う喜びの環を回しつづける 快 労・・・助け合い、補い合って気持ちよく働く 活 財・・・あらゆるもののいのちを活かして使い回す 還 元・・・利益や喜びを共に生きる人たちと分かち合う 求道企業 永遠につづく企業の道、人の道を追求しつづける 選難の道・・・安易な道を選ばず求められる道を歩む 独自の道・・・特質を生かし人のやらないことをやる 感謝の道・・・生かされていることに感謝し慢心をしない 社会にとって求められている事業を創造し続け、顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応えることはもとより、事業活動を通じて良い世の中を作ることを目指してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が2018年に公表した特別報告書「1.5℃の地球温暖化」では、地球温暖化を1.5℃以内に抑えることで、多くの気候変動影響を回避できるとされています。そのためにはCO2排出量を2030年までに2010年水準から約45%以上減少させ、2050年までに実質ゼロにする「脱炭素社会」の構築が必須の命題となっております。
一般社団法人日本鉄鋼連盟が公表した「日本鉄鋼連盟長期温暖化対策ビジョン-ゼロカーボン・スチールへの挑戦-」では、世界経済が成長していく中で、世界の鋼材需要は拡大し、それに伴う粗鋼生産の増大が想定されています。その鉄源は将来的に主としてスクラップの利用が想定され、鉄スクラップ需要は2050年には2015年に比べて約3倍になると推計されています。また以前より、鉄鋼生産における鉄スクラップの利用は鉄鉱石からの製造プロセスと比べてCO2排出量が低いとされ、脱炭素化においても鉄スクラップ需要の世界的な拡大が見込まれています。
IEA(国際エネルギー機関)が公表した特別報告書「クリーンエネルギー転換における重要鉱物資源の役割に関する報告書」では、2050年までにCO2排出量を実質ゼロとするシナリオにおいて、ニッケルやコバルト、銅等を含む重要鉱物の全体の需要は、2040年には最大で2020年比の6倍になると推計されています。また、パリ協定が定める2度未満目標でのシナリオにおいても、2040年にコバルトやニッケルの需要は約20倍になると推計されています。
これらのことから地上資源(都市鉱山)のリサイクルを通じた「循環型社会」の構築もまた必須の命題となっております。
当社は2018年に策定した社会と当グループの持続的発展を同時に実現させるための5ヵ年の中期経営計画「サステナビリティ戦略」を2021年8月に見直し、その中で2026年6月期の経営目標を売上高700億円、経常利益40億円、ROE15.0%に設定しております。当グループでは「脱炭素社会」「循環型社会」「分散型社会」実現に向けた課題解決を事業機会とし、様々な事業を推進してまいります。
当グループの資源循環事業、グローバルトレーディング事業、リチウムイオン電池リサイクル事業は、限りある資源を有効活用し、循環型社会の構築に寄与することができる事業です。これらの事業で消費する電力を再生可能エネルギー電力でまかなうことができれば、事業を行うプロセスにおいても脱炭素社会の構築に寄与することができます。当グループは事業そのものとプロセスの両面で持続可能社会の実現に寄与するために、2018年7月にリサ
イクル業界としては世界で初めて「RE100」に加盟しました。現時点では再生可能エネルギー電力100%というRE100目標のうち約95%(2019年度の使用電力割合により算出)を達成しております。
今後当グループが、同戦略に基づいて事業を推進していく上での課題は下記のとおりです。
①資源循環事業領域の課題
・原材料を安定的に確保するために、これまでに蓄積したノウハウ・技術・設備を深堀すると同時に、未利用資源を活用するための研究開発を継続して実施してまいります。
・再生利用、再生品、再資源化、再生原料製造までを一貫して行えるハイレベルな製造業への変革、広域での回収能力保有、デジタル化の推進により、静脈サプライチェーンモデルを構築しサーキュラーエコノミーの実現を目指します。
・資源価格の変動に左右されない安定した収益体制を作るために、廃棄物処理関連の事業領域を強化し、取扱量を増加させてまいります。また、廃棄物の処理に伴い増加するダスト量を減らすため、廃プラスチック等を主原料とした固形燃料や、鉄鋼副資材の製造等の既存のリサイクル商材に加え、新たなリサイクル商材の開発促進に取り組んでまいります。
②グローバルトレーディング事業領域の課題
・金属スクラップの取扱量を増やしスケールメリットを実現させるために、国内外の集荷拠点を拡張し、営業活動を強化いたします。
・金属スクラップの輸出と並ぶ売上の柱を作るために、輸出品目の増加、輸入商材の増加、三国間貿易などの施策を強化いたします。
・当グループのグローバル展開を推進するために、情報収集機能を強化いたします。
・日本企業の進出が少ない国に事業拠点がある事を強みに、これまでに培ったインフラを活用した新たな商材開拓を行ってまいります。
③リチウムイオン電池リサイクル事業領域の課題
・収益源の多様化並びに継続的な成長には、リチウムイオン電池等の今後市場が急速に拡大する様な成長分野の新規事業開発と推進が必要と認識しております。新事業領域へ積極的に経営資源を投下し、一方で、限られたリソースを有効に活用し最大限の成果を発揮する体制の構築に取り組んでまいります。
・2025年以降に予定する湿式製錬工場の稼働や、その後の前駆体製造を含めたリサイクルシステムの構築には、多額の投資が必要になります。他社との資本・業務提携等のあらゆる可能性を模索しながら事業領域の拡大に取り組んでまいります。
④その他の事業領域の課題
・環境経営コンサルティング事業においては、同領域における当グループの優位性を強化するために、既存の気候変動関連コンサルティングサービスの拡大に加えて、資源循環事業と連携したサーキュラーエコノミーのソリューション&コンサルティングサービスの拡大に注力いたします。
・障がい福祉サービス事業においては、事業基盤を強化するために、専門性の強化、既存事業所におけるサービス品質の向上に取り組みます。また、当グループの各種事業とのシナジーを高める取り組みを実施いたします。
⑤経営基盤と成長基盤の強化
・事業セグメントごとに迅速で適切な経営判断を実現するための体制を構築いたします。
・コア技術の研究促進のために設立した研究室を活用し、グループ各社の既存事業の生産性向上や、新規事業の側面支援を行います。
・生産性の向上のため、管理部門、営業部門、生産部門等会社のあらゆる場面でIT化を強く推進してまいります。
・創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団を目指し、社員一同が生き生きと働く良質なエネルギーに満ちた「場」を作るために、採用と人材開発及び目標管理含めた人材教育の強化を図ります。また、働き方の多様化等の環境改善にも取り組んでまいります。
⑥新型コロナウイルスの感染拡大対策
・新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響により依然として厳しい状況にあり、今後の感染症の動向が経済に与える影響は不透明な状況が続いております。新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響を注視しながら様々な対策を柔軟に実施し、社員の健康・安全の確保と事業活動の維持の両立を図ります。

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