有価証券報告書-第25期(2022/04/01-2023/03/31)
② 戦略
当社の主軸を担う事業である発電事業を中心に、長期かつ不確実性の高い未来に対し事業のレジリエンスを高められるよう、世界の平均気温上昇に関し1.5℃シナリオ(脱炭素が進む未来、IEAのNZEシナリオ等)、4℃シナリオ(現在の延長線上、成り行きの未来、IEAのSTEPSシナリオ等)を参照し、2050年を想定して、自社への影響をリスクおよび機会に分け評価を行いました。
その結果、移行リスクとして再エネ発電・バイオマス発電に対する需要の高まりを受け、燃料の需要も増加すると想定しております。更には再エネの基準を満たす燃料の供給が需要に追い付かないことで、原価の増加がとりわけ事業活動へ大きなインパクトを及ぼすだろうという想定もしております。
一方、ニューソルガムの開発計画など多様なバイオマス燃料開発の推進や再エネ基準を満たす燃料の自社調達を強化することで、長期にわたり安定的な価格で原材料を調達できるようになり、原価の低減を通じ販売拡大の機会を得られる可能性もあると捉えております。
なお、当社の財務状況に及ぼす影響度合いについては、現時点では定量評価が難しいため大・中・小の三段階で定性的に評価しています。今後は継続的にシナリオ分析を進めることで当社の財務状況に及ぼす影響度の精度を高めながら気候変動に伴うリスクと機会への対応力を強化し、当社の事業を持続可能にするべく努めてまいります。
また、リスク、機会の発現時期については、短期は3年以内、中期は3年超2030年まで、長期は2030年以降を想定しております。
<気候変動に関連する主なリスクと対応策>
表2 気候変動に関するリスクと対応策
<気候変動に関連する機会と主な対応策>
表3 気候変動に関する機会と対応策
当社の主軸を担う事業である発電事業を中心に、長期かつ不確実性の高い未来に対し事業のレジリエンスを高められるよう、世界の平均気温上昇に関し1.5℃シナリオ(脱炭素が進む未来、IEAのNZEシナリオ等)、4℃シナリオ(現在の延長線上、成り行きの未来、IEAのSTEPSシナリオ等)を参照し、2050年を想定して、自社への影響をリスクおよび機会に分け評価を行いました。
その結果、移行リスクとして再エネ発電・バイオマス発電に対する需要の高まりを受け、燃料の需要も増加すると想定しております。更には再エネの基準を満たす燃料の供給が需要に追い付かないことで、原価の増加がとりわけ事業活動へ大きなインパクトを及ぼすだろうという想定もしております。
一方、ニューソルガムの開発計画など多様なバイオマス燃料開発の推進や再エネ基準を満たす燃料の自社調達を強化することで、長期にわたり安定的な価格で原材料を調達できるようになり、原価の低減を通じ販売拡大の機会を得られる可能性もあると捉えております。
なお、当社の財務状況に及ぼす影響度合いについては、現時点では定量評価が難しいため大・中・小の三段階で定性的に評価しています。今後は継続的にシナリオ分析を進めることで当社の財務状況に及ぼす影響度の精度を高めながら気候変動に伴うリスクと機会への対応力を強化し、当社の事業を持続可能にするべく努めてまいります。
また、リスク、機会の発現時期については、短期は3年以内、中期は3年超2030年まで、長期は2030年以降を想定しております。
<気候変動に関連する主なリスクと対応策>
| 分類 | 当社への影響 | 重要度 | 発現時期 | 対応策 | |
| 移行 リスク | 政策と法(既存の製品およびサービスに対する命令および規制) | バイオマス発電に用いる燃料の規制が変更された場合、再エネとしての位置づけを維持するため、規制を満たす燃料への転換にかかるコストが発生する、ないし規制を満たす高コスト燃料への転換で燃料コストが増加する。 | 中 | 短期~ | バイオマス燃料PKSの持続可能性の確保に関する自主的取組としてPKSや木質ペレットといったバイオマス燃料を海外から調達。また2020年にPKSを対象としたGGL認証(Green Gold Label)を取得するなど、自然環境保護や持続的なバイオマス燃料の活用に向けて、サプライチェーンの管理等をカバーする各種認証の取得に努めている。 |
| 排出目標の未達成や開示情報の不備(第三者認証未取得燃料の混在や認定されたバイオマス比率の相違を含む)に関するレピュテーションリスクや対応に係るコストの増加が発生する。 | 中 | 短期~ | |||
| テクノロジー(既存の製品・サービスを排出量の少ないものに置換) | 環境意識の高まりを受けた再エネ発電による発電量の増加に伴い、出力抑制の日数が増加し、売上が減少する。 | 小 | 中~長期 | 2050年CNに向けた布石として水素事業の実証、収益化やバイオマス以外の再エネへの投資、売価・販売量の最適化等を推進していく。 | |
| 市場(原材料のコスト増加) | 再エネ発電・バイオマス発電に対する需要の高まりを受け、燃料の需要が増加する一方、再エネの基準を満たす燃料の供給が需要に追い付かないことで、原価が増加する。 | 大 | 短期~ | 再エネ基準を満たす燃料の自社調達を強化や自社燃料開発ニューソルガム計画など多様なバイオマス燃料の開発を推進していく。 | |
| 評判(ステークホルダーの懸念または否定的なステークホルダーからのフィードバックの増加) | 気候関連課題への対応不備や情報開示ニーズへの対応不備による株価の下落や投資家離れにより、資金調達コストが増加する、ないし株価の下落により企業価値が低下する。 | 中 | 短期~ | 経営計画上、2030年2,500万t-co2を削減目標とし、自社GHG排出量の削減とバイオマス事業による削減貢献を推進していく。 | |
| 物理的 リスク | 急性(サイクロンや洪水などの異常気象の重大性と頻度の上昇) | 風水害の激甚化により、バイオマス燃料の製造工場が被災、あるいはサプライチェーンの寸断により、燃料の調達が停止し、発電所の稼働が止まることで売上高が減少する。 | 中 | 中~長期 | サプライチェーンの寸断により発電所が稼働できなくなるリスクを回避するために複数の国や販路から燃料調達を実施している。 |
| 風水害の激甚化により発電施設が損傷し、稼働が停止することで売上高が減少する。 | 中 | 中~長期 | 発電所立地エリアの高潮時の浸水深・洪水時の浸水深ともに2050年1.5℃、4℃ともに現状の浸水深予測から大きな変化はない旨を確認している。出所:[WRI]“Aqueduct GlobalFlood Analyzer” また有事に備え、避難経路の確保など人員に対してのリスク管理を徹底し、必要に応じてBCP対策等を計画に織り込む。 |
表2 気候変動に関するリスクと対応策
<気候変動に関連する機会と主な対応策>
| 分類 | 対応課題 | 重要度 | 発現時期 | 対応策 | |
| 機会 | テクノロジー(既存の製品・サービスを排出量の少ないものに置換) | 再生可能エネルギーのポテンシャルを生かす電力系統へシフトを促す政策の導入により、出力抑制の対象となる運転期間が短縮され、売上が増加する。 蓄電池を活用したエネルギーマネジメントシステムの効率化ビジネスの開発と実用化により、収益が増加する。 | 中 | 中~長期 | 2050年CNに向けた布石として水素事業の実証、収益化やバイオマス以外の再エネへの投資、売価・販売量の最適化等を推進していく。 |
| 新技術の進展により、発電効率の高いバイオマス燃料が開発され、発電量当たりコストが低下することで売上原価が減少する。 | 中 | 中~長期 | バイオマスR&Dセンター(日、越)を設立し、自社燃料開発ニューソルガム計画など多様なバイオマス燃料の開発を推進していく。 | ||
| BECCS(回収・貯留CCS)付きバイオマス発電)のニーズの高まりにより、バイオマス発電に対するニーズが高まり、売上が増加する。 | 小 | 中~長期 | 2050年CNに向けた布石として「更なる脱炭素への挑戦」を掲げBECCS等を検討する。 | ||
| 市場(原材料のコスト増加) | 再エネ基準を満たす燃料の自社調達を強化することで、長期にわたり安定的な価格で原材料を調達できるようになり、燃料コストが減少する。 | 大 | 短期~ | ニューソルガムの開発計画など多様なバイオマス燃料開発を推進していく。 | |
| 評判(変化する顧客行動) | 気候変動対応に取り組む企業等による再エネニーズの高まりにより、バイオマス発電を含む再エネで発電された電力に対するニーズが高まり、売上が増加する。 | 大 | 短期~ | Non FITのバイオマス発電事業への挑戦やグループ会社のエバーグリーン・マーケティングによる、RE100加盟企業等へのCO2フリープランの販売をしていく。 | |
| 気候変動対応の一環として、電化が拡大し、併せて再エネ電力に対する需要も高まることで売上高が増加する。 | 小 | 短期~ | |||
| 評判(ステークホルダーの懸念または否定的なステークホルダーからのフィードバックの増加) | 自社のESG課題へ積極的に取り組み、その状況を開示しESG投資を呼ぶことで、株価上昇により企業価値が向上する。 | 中 | 短期~ | 経営計画上、2030年2,500万t-co2を削減目標とし、自社GHG排出量の削減とバイオマス事業による削減貢献を推進していく。 |
表3 気候変動に関する機会と対応策