有価証券報告書-第28期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 15:30
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【項目】
164項目
③戦略
当社グループでは、複数の気候変動シナリオを用いた分析を実施し、中長期的な視点から事業への影響を評価しております。分析を通じて、気候変動に伴う重要なリスクおよび機会を把握し、事業戦略や投資判断へ反映するとともに、適切な対応策の検討・実施を進めています。これにより、気候変動に伴う不確実性に備え、事業のレジリエンス向上を図っています。
1-1.シナリオ分析の前提
シナリオ分析を実施した報告期間や分析に用いたシナリオに関する情報等、前提条件は下記のとおりです。
シナリオ分析を実施した報告期間2026年3月期
シナリオ・移行リスク:1.5℃シナリオとして、IEAのNZEシナリオ、IPCC AR6 SSP1-1.9シナリオ等を参照
・物理的リスク:4℃シナリオとして、IEAのSTEPSシナリオ、IPCC AR6 SSP5-8.5シナリオ、WRI Aqueduct Water Risk Atlas/Floods 等を参照
対象バウンダリー当社グループ全体
(当社及び海外子会社を含む当社連結子会社すべて)
対象事業国内事業(発電、燃料、トレーディング、小売)
海外事業(ベトナム、カンボジア)
分析の時間軸2050年
短期、中期、長期の定義・短期:3年以内
・中期:3年超~2035年まで
・長期:2035年以降

1-2. 定量評価について
気候変動に関する主なリスク・機会のうち、各シナリオが実現した場合の当社グループの事業に与える定量的な影響について、パラメータの客観的な将来情報が入手できた項目については定量評価を実施しました。
一方で、現時点ではパラメータの客観的な将来情報が入手できず、ゆえに定量的な評価が困難であった項目については、「大・中・小」の三段階による定性的な評価を実施しております。今後も継続的にシナリオ分析を進め、財務影響の評価精度を高めるとともに、気候変動に伴うリスクと機会への対応力を強化し、事業の持続可能性向上に努めてまいります。
2-1.シナリオ分析結果の概要、レジリエンス
当社は、2050年のカーボンニュートラルを目指し、取組を進めています。事業成長に伴い、サプライチェーンにおけるGHG排出量や資源使用量は増加します。
そこで当社は、TCFDに基づく複線的なシナリオを用いた分析を通じて特定された重要なリスクと機会への対応策を推し進めることにより、事業の持続的な成長や将来リスクの低減につなげ、企業としてのレジリエンスを高めるべく取り組んでいます。また、特定したリスクと機会への対応策を進めることで、社会や環境へのインパクトの拡大と企業価値向上の両立を目指しています。
2-2.1.5℃の世界観での概要
1.5℃シナリオに基づく評価の結果、当社は以下の移行リスクおよび機会を認識しています。
(1)移行リスク
①燃料規制変更に伴うコスト増加リスク
バイオマス発電燃料に関する規制が変更された場合、再生可能エネルギーとしての位置づけを維持するため、規制に適合した燃料への転換や高コスト燃料の調達が必要となり、燃料コストが増加する可能性があります。
②再生可能エネルギー定義変更リスク
今後の制度改正や電源構成の見直し等により、バイオマス発電の位置づけや評価基準が変更される場合、補助制度やカーボンクレジット創出事業の対象範囲に影響が生じる可能性があります。
(2)機会
東南アジアにおける事業機会の拡大
東南アジアにおける電力需要の高まりと脱炭素化への高まりを背景に、ベトナムでのバイオマス発電所新設や既存石炭火力発電所の混焼転換、A東南アジア各国への展開など、成長市場における事業機会の拡大が見込まれます。
2-3. 4℃の世界観での概要
4℃シナリオに基づく評価の結果、当社は以下の物理的リスクを認識しています。
(1)風水害の激甚化による事業影響
サイクロンや洪水等の極端な気象事象の激甚化により、バイオマス燃料の製造拠点の被災やサプライチェーンの寸断が生じ、燃料調達の停滞および発電所の稼働停止を通じて売上高が減少する可能性があります。
(2)地域特性に起因するリスク(カンボジア)
カンボジアは気候変動に対して相対的に脆弱とされており、サイクロンや豪雨による洪水等の発生頻度および激甚化が、水力発電事業に影響を及ぼす可能性があります。
3-1.重要と評価した気候関連のリスク、機会
TCFD提言、外部レポートなどを踏まえ、識別した気候変動に関するリスク、機会項目のうち、1.5℃シナリオないし4℃シナリオを踏まえたシナリオ分析により重要と評価されたリスク、機会項目は下記のとおりです。
(1)移行リスク
リスク種類事業対象地域リスク内容定量評価
新たな規制バイオマス事業日本バイオマス発電に用いる燃料の規制が変更された場合、再エネとしての位置づけを維持するため、規制を満たす燃料への転換にかかるコストが発生する、ないし規制を満たす高コスト燃料への転換で燃料コストが増加する。
新たな規制バイオマス事業日本再エネ電源の普及や原発の再稼働が進み政府の電源計画が見直されバイオマス発電自体の環境価値が認められなくなり、補助金やカーボンクレジット創出プロジェクトの利益率が低下する。
市場バイオマス事業日本・東南アジア原材料コストの増加/バイオマス発電の主力燃料であるPKS(パーム椰子殻)や木質ペレットなどのバイオマス燃料は、世界的な需要増加やサプライチェーンの混乱、持続可能性認証取得の義務化などにより、調達コストが上昇するリスクがある。また輸入燃料への依存度が高い場合、国際的な物流の影響もコスト増加要因となる。
全般日本・東南アジア排出目標の未達成や開示情報の不備(第三者認証未取得燃料の混在や認定されたバイオマス比率の相違を含む)に関するレピュテーションリスクや対応に係るコストの増加が発生する。

(2)物理的リスク
リスク種類事業対象地域リスク内容定量評価
急性リスクバイオマス事業東南アジア今後、気候変動の影響により、アジア諸国においてサイクロン、豪雨、洪水等の極端気象の発生頻度および強度が増加する可能性がある。これに伴い、バイオマス発電所や燃料サプライチェーン(現地調達および輸送インフラ)が被災するリスクが高まることが想定される。
その結果、燃料供給の遅延、発電停止、設備の損傷、ならびに修復コストの増加等が生じ、事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
急性リスクバイオマス事業東南アジア急性リスク(サイクロンや洪水など極端な気象事象の過酷さの増加)
風水害の激甚化により、バイオマス燃料の製造工場が被災、あるいはサプライチェーンの寸断により、燃料の調達が停止し、発電所の稼働が止まることで売上高が減少する。
急性リスク水力発電事業東南アジアカンボジアにおける気候変動の影響として、サイクロンや豪雨に伴う洪水等の極端な気象事象の発生頻度および激甚化が想定される。これにより、水力発電所の稼働停止が生じる可能性があり、売上の減少につながるリスクがある。
また、発電設備の損壊等が発生した場合には、修復費用の発生や資産損失の計上等により、財務面への影響が生じる可能性がある。
急性リスク水力発電事業東南アジア乾季の降水量不足も深刻なリスクであり、貯水量が確保できないことで水力発電の発電能力が低下(電力供給の不安定化や停電リスク)することで売上高が減少する。

(3)機会
機会種類事業対象地域機会の内容定量評価
新たな規制バイオマス事業日本再エネのポテンシャルを活かす電力系統へシフトを促す政策の導入により、出力抑制の対象となる運転期間が短縮され、売上が増加する。
製品・サービスバイオマス事業東南アジアSBPやGGL認証を受けた木質ペレットの製造や、持続可能性認証の取得を積極的に進めることで、規制強化下でも国内外の顧客・投資家からの信頼を獲得し、市場競争力が維持・強化される。
市場バイオマス事業日本気候変動対応に取り組む企業等による再エネニーズの高まりにより、バイオマス発電を含む再エネで発電された電力に対するニーズが高まり、売上が増加する。
市場新規ビジネス日本蓄電池を活用したエネルギーマネジメントシステムの効率化ビジネスの開発と実用化により、収益が増加する。
市場バイオマス事業日本排出枠取引や炭素税の規制強化によりカーボンクレジットの需要が増加し、市場価格が上昇する。
市場バイオマス事業東南アジア東南アジア地域におけるバイオマス発電所の開発を推進することで、再生可能エネルギー電源の普及拡大に貢献し、地域の脱炭素化および中長期的な収益機会の創出が期待される。
市場石炭火力日本・東南アジアバイオマス混焼による脱炭素対応と市場拡大/石炭火力発電所でバイオマス混焼比率を高めることで、CO₂排出量削減や環境規制対応が可能となり、一定の市場ニーズや政策的インセンティブを享受できる可能性が生じる。
市場バイオマス事業東南アジア東南アジア地域における石炭火力発電所へのバイオマス混焼の導入拡大により、CO₂排出量削減に貢献することで、現地の脱炭素化ニーズを取り込み、新たな事業機会の創出が期待される。
市場バイオマス事業東南アジア東南アジア地域におけるバイオマス燃料工場の開発を通じて、持続可能な燃料供給体制を構築することで、地域の脱炭素化に貢献するとともに、安定的な燃料調達と事業収益の確保が期待される。
バイオマス事業日本・東南アジア発電・燃料調達・輸送等の各商流におけるエネルギー使用量削減の取組を強化することで、温室効果ガス排出量の削減が進展し、規制リスクの低減および企業価値の向上が期待される。
市場水力発電東南アジア再生可能エネルギー需要の拡大による安定収益/カンボジア政府の政策や電力需要の増加により、再生可能エネルギーの需要は今後も拡大が見込まれる。水力発電が「安定供給可能なクリーン電源」として評価されれば、長期売電契約やグリーン電力証書の発行など、安定した収益機会につながる。
全般日本・東南アジア東南アジア地域の燃料調達・輸送・発電プロセスにおけるエネルギー使用量削減を推進することで、温室効果ガス排出量の低減が進み、地域の脱炭素化への貢献および事業の持続可能性向上が期待される。
全般日本・東南アジア自社のESG課題へ積極的に取組、その状況を開示しESG投資を呼ぶことで、株価上昇により企業価値が向上する。


3-2.財務インパクトの定量評価結果
それぞれのシナリオにおける、2050年へ向けた要因別の財務インパクト評価は以下のとおりです。
リスク/機会事業/地域当社グループの財務に与える影響と財務インパクトの考え方2050年における売上/損益への影響(億円/年)
1.5℃シナリオ4℃シナリオ
物理的リスクバイオマス発電事業
/東南アジア
風水害激甚化によるバイオマス発電設備の損傷による損失額(ベトナム等ASEAN諸国)
<財務インパクトの考え方>強度を増したサイクロン等によりバイオマス発電所が被災し、20MWクラスの発電設備が全損することによる損失額をベースに試算した。
また、バイオマス発電所の設備被災に伴う、運転停止期間中の売上高減額については、発電停止期間を半年とし、ベトナム国のFIT価格(現状の価格)を前提として試算した。
設備廃棄
損失額
▲60
売上高
▲9
機会バイオマス発電事業
/東南アジア
ベトナム等ASEAN諸国における再生可能エネルギービジネスの伸長機会について、一定の仮定を置いた上で試算を実施した。
試算の対象範囲について、ベトナム政府が策定した第8次国家電源開発計画(PDP8)では、当社が関与するバイオマス発電所が18基含まれているものの、不確実性を踏まえ、中期経営計画において実施を予定している案件(バイオマス発電所4基)に限定している。
本試算において重要となる発電所の稼働率については、1.5℃シナリオを参照しつつ、ベトナム政府が策定したPDP8が概ね計画どおり進捗するとの前提に基づいている。当該前提のもと、PDP8において計画されている当社が関与するバイオマス発電所について、一定の稼働が実現するものと仮定した。なお、各案件の稼働率等については不確実性を伴うため、定期メンテナンス等を織り込んだ標準的な稼働水準を前提としている。
また、売上の算定にあたっては、ベトナムにおける現行のFIT(固定価格買取制度)価格が継続することを一定の前提としているが、当該価格は政策動向等により見直される可能性がある。
なお、4℃シナリオにおいても一部案件の運転開始は見込まれるものの、具体的な稼働水準について合理的な見積りが困難であることから、現時点では定量的な影響評価は実施していない。
加えて、上記の試算結果は、現時点で入手可能な情報および一定の仮定に基づくものであり、将来の政策動向、市場環境、制度運用等により実際の影響は異なる可能性がある。
売上高
150

3-3.重要なリスク・機会に係る対応策
重要と評価されたリスク・機会に対する対応策は以下のとおりです。当社はバイオマス発電を中心とした再生可能エネルギーを本業としていることから、1.5℃シナリオに基づき重要と評価された移行リスク、機会については、当社の事業の将来性に係る経営課題そのものであり、その大半はすでに当社事業に織り込まれています。また、4℃シナリオに基づき重要と評価された物理的リスクについて、直ちに顕在化するものはありませんが対応策の検討を進めており、当社グループの事業継続に重大な支障をきたすことがないよう努めてまいります。
(1)移行リスク
①バイオマス発電燃料の規制強化に伴う対応費用
当社グループでは、バイオマス発電用燃料について、商社からの調達にとどまらず、自社子会社や現地サプライヤーからの直接調達を拡大することで、価格競争力と安定供給の両立に努めています。また、燃料サプライチェーンの構築を通じ、燃料規制の動向を踏まえた燃料を開発し、調達する体制を整えることで、今後の規制強化にも対応できるよう努めています。
詳細は、Integrated_Report_2025より、事業概況と2025年度の取組「国内市場:燃料」(P.24)及び中長期成長戦略「安定供給を実現する燃料サプライチェーンの構築」(P.34)をご参照ください。
②再エネの定義からバイオマス発電が除外されることでカーボンクレジット創出に係る売上減少
現状、再エネの定義からバイオマス発電が外れるという具体的な話は出ておりません。ただし、従前より議論されていることから動向に留意しており、仮に除外された場合であっても当社として事業の継続に支障が生じないように備えておく必要があると判断しています。
そのための備えとして、燃料サプライチェーンの拡大に向けた取組を進めており、発電燃料に加え、SAF(持続可能な航空燃料)など多様な用途への展開によりバイオマスの価値向上を図っていきます。
そのために調達力の強化に注力しており、2030年度までに取扱量300万tを目指して取組を進めています。
詳細は「中期経営計画-詳細版-2027年3月期~2029年3月期」(P.13)をご参照ください。
③需要増加等によるバイオマス燃料の調達コスト上昇
再エネ基準を満たす燃料の調達強化や自社燃料工場の設置、自社燃料開発等多様なバイオマス燃料の開発を推進していきます。
2025年4月に商業運転を開始したハウジャンバイオマス発電所では燃料として新たに籾殻を採用し、燃料として必要となる年間13万tの供給体制を整えています。
詳細は、Integrated_Report_2025より、事業概況と2025年度の取組「国内市場:燃料」(P.24)及び中長期成長戦略「安定供給を実現する燃料サプライチェーンの構築」(P.34)をご参照ください。
④東南アジア地域を中心としたバリューチェーンを含めたGHG排出量削減の取組不足によるレピュテーションの棄損
当社は現在、事業の立ち上げを優先しつつ、GHG排出を含む環境負荷が過度に増大しないよう努めています。また、バリューチェーンを含めたGHG排出量の削減については、事業が本格的な成長軌道に乗ると見込まれる2028年度以降、計画的に取組を開始する方針です。
(2)物理的リスク
①水害の激甚化に起因した発電所の被災等による設備の損傷、発電所の操業停止
Aqueduct上、浸水が懸念されるエリアに立地しているものの、これまで特に台風等で浸水被害が出たエリアではありません。そのため、水害の激甚化による被災リスクは、喫緊の課題ではないと認識しています。
ただし、地球温暖化の進行に伴い今後水害が激甚化し、被災する可能性はあることから状況は注視しており水害の激甚化により、顕在化する可能性が高まってきた場合には、浸水を防止するための対策等を速やかに実行できるよう、検討を進めています。
②水害の激甚化に起因した燃料工場の被災等による発電所の操業停止
自社発電所近隣において一定期間(1~2か月程度)の燃料備蓄を確保しています。加えて、PKS(パーム椰子殻)および木質ペレット等の複数燃料に対応可能な発電設備の導入・運用を進めることで、燃料調達リスクの分散を図っています。
③風水害の激甚化による、水力発電の稼働停止
台風等の接近時には、出力制御や運転方法の最適化を行うとともに、系統への影響や設備被害を最小化するための運転ルールを整備してまいります。また、関係機関との情報連携体制を構築し、気象情報や系統状況を踏まえた適切な対応を実施していきます。
(3)機会
・国内小売・卸売事業
①電力系統における再エネ優遇政策の導入
自然変動電源が増加する中、安定した電力供給を行うために不可欠となる需給バランスの調整機能を担うアグリゲーション事業に取り組んでいます。当社グループはアグリゲーション事業に必要となる機能を一気通貫で提供可能であり、既存の営業ネットワークを活用した顧客開拓を推進することで事業拡大に努めています。
詳細は「中期経営計画-詳細版-2027年3月期~2029年3月期」(P.9-11)をご参照ください。

②蓄電池を活用したエネルギーマネジメントシステムの開発、実用化による収益の拡大
自然変動電源が増加する中、安定した電力供給を行うために不可欠となる需給バランスの調整機能を担うアグリゲーション事業に取り組んでいます。アグリゲーション事業に必要となる機能の一つである系統用蓄電池や太陽光併設蓄電池事業に取り組んでおり、蓄電池への投資を視野に入れた資金計画および投資予算も策定済です
詳細は「中期経営計画-詳細版-2027年3月期~2029年3月期」(P.12)をご参照ください。
③気候変動対応ニーズの取込みによる再エネ売上の増加
グループ会社のエバーグリーン・マーケティングによる顧客の温室効果ガス(GHG)排出量の削減を支援する、CPPAやアグリゲーション事業、CO2フリープランの販売等サービスの拡大に取り組んでいます。
詳細は「中期経営計画-詳細版-2027年3月期~2029年3月期」(P.9)をご参照ください。
・海外事業
④東南アジア地域でのバイオマス燃料製造ビジネスの展開による燃料調達の安定化、収益拡大
2025年に自社グループで認証木質ペレットの製造工場(生産能力 15万t/年)を立ち上げ、製造したペレットを日本等に輸出しています。ただし、バイオマス燃料供給のメジャーを目指し、燃料サプライチェーンの構築に取り組んでいるため、この取組の進捗に応じて、ペレット工場の新設を予定しています。
詳細は、Integrated_Report_2025より、中長期成長戦略「安定供給を実現する燃料サプライチェーンの構築」(P.34)をご参照ください。
⑤バイオマス燃料に係る持続可能性認証対応等の取組強化による優位性の確立
当社グループでは、2025年にベトナムトゥエンクアン省において認証木質ペレットの製造工場(生産能力 15万t/年)を立ち上げています。また、持続可能性認証対応材等、各国規制の動向や需要家のニーズを満たす品質の燃料供給が可能となるよう、燃料サプライチェーン(原材料調達、加工、流通までの一連の流れ)の構築に向け取組を進めています。
詳細は、Integrated_Report_2025より、中長期成長戦略「安定供給を実現する燃料サプライチェーンの構築」(P.34)をご参照ください。
⑥炭素税等の規制強化によるカーボンクレジット収益の拡大
ベトナムで新設した/するバイオマス発電所3件について、JCM設備補助事業に採択されたことで、JCMクレジット(国内の排出量取引制度にも活用可能となる見通し)の創出が可能となっており、2026年度から本格稼働が予定される日本国のGX-ETSの開始にあわせ、JCMクレジットの収益化を計画しています。3案件がJCM補助事業に採用されたことで発行が可能となったJCMクレジットの創出量は 16.5万t-CO2/年となります。また、ベトナム国においても、2029 年のカーボンクレジットETS 市場設立に向けた動きがあるため、当社ではベトナム政府と共同でタスクフォースの設立を予定しています。
詳細は、Integrated_Report_2025より、社長インタビュー「さらなる成長を目指して-必要不可欠な脱炭素対応」(P.20)及び中長期成長戦略「大きな収益の柱となるカーボンクレジット」(P.33)、「中期経営計画-詳細版-2027年3月期~2029年3月期」(P.17)をご参照ください。
⑦東南アジア地域でのバイオマス発電所の開発推進による収益の拡大
2025年にベトナム・ハウジャン省にて新設バイオマス発電所(20MW)を運転開始しています。また、2027年にも2件(各50MW)の新設バイオマス発電所を運開すべくEPC発注等進めているほか、15件の発電所を開発すべく検討を進めています。この2件の発電所建設に係る投資額は100MUSD/1件であり、稼働により年間約45億円の売上(20年平均)を見込んでいます。
詳細は、Integrated_Report_2025より、社長インタビュー「海外事業における挑戦」(P.17-20)、事業概況と2025年度の取組「海外事業」(P.23)及び足元の取組:海外事業「ベトナム・カンボジアでの挑戦」(P.28)をご参照ください。
⑧石炭火力発電所におけるバイオマス混焼拡大で収益機会拡大
ベトナム政府のエネルギー転換政策に沿い、同国の主力電源である石炭火力発電所のうち、運転開始から20年以上が経過した設備を対象に、燃料を国内賦存エネルギーであるバイオマスへ転換する事業に参画しています。2025年度においては2か所(合計112.5MW)の発電所で混焼試験を開始しており、2026 年度においては燃料に占めるバイオマスの混焼割合20~30%での事業開始(営業運転)を予定しているほか、2028年度より1か所(670MW)で混焼試験を開始できるよう、準備を進めています。当社は本事業を通じてバイオマス燃料供給事業の拡大を図るとともに、カーボンクレジットの創出による収益化に向けたスキームの構築を進めており、燃料供給事業に加えた収益機会の拡大を目指しています。
詳細は、Integrated_Report_2025より、事業概況と2025年度の取組「海外事業:ベトナム」(P.23)及び足元の取組「ベトナム・カンボジアでの挑戦」(P.27-28)をご参照ください。
⑨カンボジア政府による再エネ導入の拡大政策に伴う発電事業の収益機会(カーボンクレジット創出を含む)拡大
カンボジア政府と交渉力のあるパートナー等との協働で、同国内に80MW水力発電所の建設を進めており、2026年度中に試運転の開始を予定しています。また、50MWのバイオマス発電所と40MWの太陽光発電所を2027年度中に運転開始に向け開発に着手しており、現地パートナーとJVを設立し早期着工に向け取組を進めています。
詳細は、Integrated_Report_2025より、事業概況と2025年度の取組「海外事業」(P.24)及び足元の取組:海外事業「ベトナム・カンボジアでの挑戦」(P.27)をご参照ください。
・全般的な事項
⑩特に東南アジア地域を中心とした、バリューチェーンを含めたエネルギー消費量削減の取組強化、推進による事業基盤の強化
当社は現在、事業の立ち上げを優先しつつ、GHG(温室効果ガス)排出を含む環境負荷が過度に増大しないよう努めています。また、バリューチェーンを含めたエネルギー消費量(GHG排出量)の削減については、事業が本格的な成長軌道に乗ると見込まれる2028年度以降、計画的に取組を開始する方針です。
⑪積極的な情報開示によるESGを重視する投資家へのアプローチ
経営計画上、2050年カーボンニュートラルを目標とし、自社GHG 排出量の削減を推進していきます。
詳細は以下、④指標及び目標をご参照ください。

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