このような環境のもと、当社は、中枢神経系疾患に対する新しい治療薬として独自に再生細胞薬SB623の事業化を目指すなか、2021年2月1日には、アジア地域の販路拡大を目指し、アジア初となる子会社SanBio Asia Pte.Ltd.をシンガポールに設立しました。また、当社グループの開発状況は、SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムについては、日米でのフェーズ2臨床試験(被験者61名)にて、2018年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成。」という良好な結果を得て、2019年4月には、国内で厚生労働省より再生医療等製品として「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受けました。「先駆け審査指定制度」は、「製造販売承認申請(以下、「承認申請」という。)」後の「審査」を短縮し「承認申請」から「承認」までの期間を6カ月にすることを目標とした制度です。そのため、「先駆け指定」を受けた対象品目は、「承認申請」前に「対面助言・事前面談」を済ませ、次に「先駆け総合評価相談」を行いその過程において承認申請の許可を得たうえで、「承認申請」を行う流れです。SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムは、現在、この「先駆け総合評価相談」のフェーズにいます。なお、この「先駆け総合評価相談」は、「臨床」「非臨床」「品質」「信頼性」「GCTP」の5つのパートに分かれており、申請許可をそれぞれにおいて取得します。次に、慢性期脳梗塞プログラムについては、慢性期脳梗塞に伴う運動機能障害を呈する患者163例を対象とした米国でのフェーズ2b臨床試験(STR-02試験)において、2019年1月に「SB623投与6カ月後にFugl-Meyer Motor Scale(FMMS)がベースラインから10ポイント以上改善した患者の割合(主要評価項目)において、SB623投与群がコントロール群と比較して統計学的な有意差を示さず、主要評価項目を未達。」という結果を公表しました。しかし、2020年9月には、STR-02試験の追加解析として、梗塞巣サイズが一定量未満の患者77名(当試験組み入れ患者全体の47%)を対象に、複合FMMSエンドポイントを用いてSB623の投与から6カ月後における有効性を評価したところ、偽手術群26名のうち19%の改善に対し、SB623投与群51名のうち49%において改善が見られ、統計学的に有意な結果(P値=0.02)を得ました。今後、経営資源の選択と集中によりSB623の価値最大化を図るため、SB623慢性期外傷性脳損傷の一日も早い国内承認申請に向けた準備と並行し、脳梗塞プログラムと脳出血プログラムの国内における開発準備も優先していきます。両プログラムの具体的な臨床試験デザインや開発内容については、確定次第速やかに公表する予定です。
このような状況のなか、当第3四半期連結累計期間は、SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの承認申請に向けた製造関連の費用が主なものとなり、研究開発費3,546百万円を計上した結果、営業損失は4,739百万円(前年同期は営業損失4,188百万円)、経常損失は3,032百万円(前年同期は経常損失4,839百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は3,115百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失4,841百万円)となりました。
なお、当社グループは他家幹細胞を用いた再生細胞事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しています。
2021/12/15 16:18