有価証券報告書-第4期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/21 13:53
【資料】
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【項目】
159項目
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
[経営方針]
(1)会社の経営の基本方針
当社は、2015年10月1日に株式会社肥後銀行(以下、「肥後銀行」という。)と株式会社鹿児島銀行(以下、「鹿児島銀行」という。)の共同株式移転により設立いたしました。両行の地元を中心とした九州での存在感を更に発揮できる盤石な経営基盤を確立することで、広域化した新たな地域密着型ビジネスモデルを創造し、地元との信頼関係を更に強化するとともに経営の効率化を促進し、企業価値を高め、地域総合金融グループとして活力あふれる地域社会の実現に積極的に貢献してまいります。
また、当社グループは、持続可能な成長の実現に向け、以下の3つを柱とする「グループ経営理念」を定め、皆様から真に愛される総合金融グループを目指します。
①お客様の信頼と期待に応え、最適かつ最良の総合金融サービスを提供します。
わたしたちは、これまで培ってきた伝統・人材・想いを結集し、グループ力を最大限に発揮することで、お客様お一人おひとりのニーズに寄り添った、きめ細やかで質の高いサービスをお届けし続けることをお約束します。
②地域とともに成長し、活力あふれる地域社会の実現に積極的に貢献します。
わたしたちは、地域の皆様とともに成長する総合金融グループとして、県の枠を越え、活気と魅力に満ちあふれる、ふるさと九州の実現にむけて、貢献し続けることをお約束します。
③豊かな創造性と自由闊達な組織風土を育み、より良い未来へ向かって挑戦し続けます。
わたしたちは、ふるさと九州を彩る自然のような、豊かな創造性と広がりある自由闊達な人材・風土を育むとともに、希望に満ちた未来を次の世代へつなぐため、一人ひとりが挑戦し続けることをお約束します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、第2次グループ中期経営計画(計画期間:2018年4月1日~2021年3月31日)を以下のとおり策定し、当社グループの企業価値向上・持続的成長に向け取り組んでおります。
(第2次グループ中期経営計画の進捗)
1.名 称:第2次グループ中期経営計画 ~融合ステージ~
2.計画期間:3年(2018年4月~2021年3月)
3.目指す姿:お客様にとって九州トップの総合金融グループ
4.基本方針:お客様にとって最適かつ最良のサービス提供に向けたグループシナジーの最大化
5.基本戦略・戦略の柱
基本戦略戦略の柱
(1)「地域活力共創」グループへの進化①地域総合金融機能の高度化
②地域産業振興機能の発揮
(2)グループ人材力の強化①人材マネジメントの高度化
②人材開発の高度化
(3)グループガバナンスの高度化①経営管理態勢の充実
②生産性の向上

6.指標目標
項目最終年度目標値2018年度実績基準
成長性A.貸出金平残7.6兆円6.7兆円2行合算
B.預金・NCD平残9.2兆円8.5兆円
収益性A.当期純利益250億円222億円連結
B.お客様向けサービス業務利益※140億円121億円
C.株主資本ROE4%台3.7%
効率性A.OHR70%未満68.2%
健全性A.自己資本比率10%以上11.34%

※お客様向けサービス業務利益:貸出金平残×預貸金利鞘+役務収益等利益-経費
「融合ステージ」と位置付ける本中計期間の初年度において、当社グループが実施した主な施策は次のとおりです。
「地域総合金融機能の高度化」
(「銀・証・信」連携の確立)
2018年1月に開業した九州FG証券株式会社(以下、「九州FG証券」という。)は、肥後銀行・鹿児島銀行(以下、総称して「両行」という。)と連携し、九州FG証券の証券口座を利用した商品販売を進めております。両行仲介による証券口座開設数は当初計画を大幅に上回って推移しており、今後もお客様の多様化するニーズにワンストップでお応えするため、より専門性の高い金融商品、サービスの提供に努めてまいります。
また、高齢化社会の進展を背景に高まる相続・資産承継ニーズに対応するため、2019年2月に信託業務の認可を取得し、4月から両行本体での信託業務を開始いたしました。これにより、九州の地方銀行としては初めて、グループ内の本体業務として、「ためる」・「ふやす」・「のこす」というお客様のライフサイクル・相続などのご要望に応じたサービスを、ワンストップでご提供できる体制を整えました。
(広域化戦略)
当社グループは、地元である熊本、鹿児島、宮崎を中心に、福岡、長崎、大分、沖縄の各県及び東京、大阪に店舗展開しております。また、2018年7月には鹿児島銀行が沖縄県に新たに2か店目を開設し、お客様の商流拡大・情報仲介機能の強化に取り組んでおります。2019年4月には鹿児島銀行が台北駐在員事務所を開設し、既存の両行上海駐在員事務所と連携を強化し、お客様の広域展開を支援してまいります。
また、2019年7月には、福岡市に当社の福岡ビルが完成予定であり、鹿児島銀行福岡支店、肥後銀行福岡支店(福岡法人営業室)、九州経済研究所等グループ企業が入居し、福岡における「営業・情報拠点機能」を強化してまいります。
(地域ファンドへの積極的な取り組み)
地方創生の取り組みの一環として、両行が共同設立し、出資を行っているファンドにつきましては、当年度は合計13件、総額19億円の投資を行いました。累計では、56件、総額87億円の投資を行っており、2016年熊本地震で被災した宿泊施設への出資など、ファンドによる復興支援にも積極的に取り組んでおります。
「地域産業振興機能の発揮」
(観光分野への取り組み)
国立公園の美しい景観と魅力を世界へ発信し、地域の活性化に繋げるため、2018年6月に環境省と「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を締結し、「阿蘇くじゅう国立公園」及び「霧島錦江湾国立公園」の観光振興に向けた取り組みを実施しております。また、2018年11月には、肥後銀行が熊本県と共同で設立した「株式会社くまもとDMC」の主催により、同パートナーシップ締結企業と協働で、阿蘇地域の「食・観光・体験」の魅力を発信するイベント「阿蘇地域復興フェアin三愛」を開催しております。
(農林水産分野への取り組み)
農林水産分野においては、両行のそれぞれの特徴を活かした分野でのノウハウを共有することにより、お客様の事業拡大支援を強化しております。
農作物の生産・加工・販売等を行う農業法人である「株式会社春一番」及び「鹿児島オリーブ株式会社」では、地元の基幹産業である農産物の6次産業化を手掛けております。また、「肥後・鹿児島地域活性化ファンド」の出資先であり、香港に事業展開している「割烹櫓杏」を活用した、地元農産物の海外販路拡大にも取り組んでおります。
(創業・新事業分野への取り組み)
創業・新事業分野への取り組みとして、肥後銀行では、産学官連携による「熊本テックプラングランプリ」を開催するとともに、鹿児島銀行では鹿児島県内高等教育機関8校と締結した協定に基づき「未来創造プランコンテスト」を開催し、次世代ビジネスの発掘・育成を支援しております。今後も積極的に事業化に向けたサポートを継続して行ってまいります。
(産学官連携による地方創生支援)
地域貢献の観点から設立した「九州FG PPP/PFIプラットフォーム」の活動の一環として継続的にセミナーを開催しております。地域の各自治体とそれぞれの地域の課題共有・課題解決に向けた協議を進めており、今後も協働して進めてまいります。
「グループ人材力の強化」
(人事部門の融合促進)
グループ一体感の醸成と相互理解による組織力強化を目的として、合同研修のほか人事異動を伴う交流を継続的に実施しております。当年度も様々な階層の行員26名を対象として実施し、交流者は累計で126名となりました。また、グループを担う人材の育成を目的として、両行の行員を選抜し、新規事業立案の観点から「企画構築力、戦略の実現・実践力」の習得に向け「次世代幹部養成研修」を実施いたしました。
採用活動においては、グループ一体運営を確立するとともに採用広報も共同展開しております。また、福利厚生面では、グループ従業員の更なる福利厚生の充実を目指し、グループ一体型「選択型確定拠出年金」の導入を決定いたしました。
当社グループは、今後も人事部門の融合を促進し、グループ人材力の強化に取り組んでまいります。
(働き方改革への取り組み)
当社グループは、従業員が活き活きと働ける職場づくり実現のため、働き方改革に積極的に取り組んでおります。生産性向上に効果の高い朝型勤務制度や従業員の健康維持に資するインターバル勤務制度、ライフスタイルも尊重する時差勤務制度などを導入いたしました。
また、ICT活用による働き方改革としてテレワーク環境の技術研究も進めており、2019年2月、金融業界初となる顔認証技術を応用した「のぞき見防止システム」をIT企業と共同開発し、当社での試行・検証を開始しております。
「グループガバナンスの高度化」
(指名・報酬諮問委員会の設置)
当社の経営陣・監査役の指名・報酬に係る事項について、代表取締役と社外役員との意見交換等を通じ、意思決定プロセスの透明性・公正性を高め、コーポレート・ガバナンスの強化に資することを目的に、取締役会の諮問機関として指名・報酬諮問委員会を設置いたしました。
(事務・システムの共通化)
経営統合による統合効果の最大化に向け、事務・システムの共通化を継続して進めております。お客様利便性の向上と事務効率化を目的に、キャッシュカードの磁気不良をATMで復元する機能を共同で検討し、2019年3月、鹿児島銀行にて先行して開始いたしました。この他、国際送金システム(SWIFT)や経費システム等につきましても、共通化を実施しております。
また、FinTechの進展に伴うデジタル技術革新への対応についても、スマートフォンによる本人確認アプリの実証実験など、金融サービスの向上に取り組んでおります。
(本社ビルの建設)
当社は、グループ経営理念の実現を目指すとともに、グループの更なる総合金融力の発揮に向け、熊本市内に本社ビルを建設することを決定し、JR熊本駅近くに2020年度末の完成を目指して、2019年4月、本社ビルの建設に着手いたしました。本社機能を集約し生産性の向上を図るとともに、環境に配慮した健康で快適なオフィス環境を創造してまいります。また、大規模災害発生時の地域の安全確保にも寄与してまいります。
「持続的な社会の実現に向けて」
当社グループは、グループ経営理念に基づき、持続的な地域の経済発展及び社会づくりに資する取り組みを行っております。
この取り組みをさらに強化するため、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」及び「環境・社会・ガバナンス(ESG)」などの視点を取り入れ、グループ全体の持続可能な事業活動を組織的に統括することを目的に、2018年10月「サステナビリティ統括室」を新設いたしました。また、2019年2月には九州地銀では初めてとなる「サステナビリティ宣言」を策定し、自然環境保護などの社会貢献活動はもとより、グループ一丸となってお客様や地域の課題解決に向けた取り組みを強化してまいります。
(環境保全活動・地域貢献活動への取り組み)
当社グループは、豊かな地域社会づくりのため、環境、社会等に関する課題にも積極的に取り組んでおります。ふるさとの豊かな自然の恵みを次世代に継承するため、水源涵養林の育成や水田湛水事業、森林整備の取り組みなど、継続した環境保全活動を行っております。
このほか、地域行事への参加やスポーツ・文化イベントの協賛、社会福祉など、中長期にわたる地域社会活性化のお手伝いを継続して行っております。2018年11月には、宮城県で開催された「第38回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(通称:クイーンズ駅伝)」に、肥後銀行女子駅伝部と鹿児島銀行陸上部が、初めてペア出場いたしました。
[経営環境及び対処すべき課題]
当社グループの地元である南九州においては、恒常的に生産年齢人口が首都圏・都市圏へ流出しており、少子高齢化の加速、市場規模の縮小など、構造的な問題を抱えております。
また、金融業界においては、ゆうちょ銀行や他の地域金融機関等との競合に加え、マイナス金利政策の継続に伴う運用利回りの低下や、米中貿易摩擦などの地政学リスクの増大に伴う市場運用環境の不確実性の高まりなど、金融機関の経営環境はますます厳しさを増すとともに、FinTechの進展に伴うデジタル技術革新への対応も求められております。
このような経営環境の中、グループ経営資源を最大限に活用し、お客様お一人お一人に寄り添った総合金融サービスを提供していくとともに、地域特性に即した持続可能な地域社会の実現に永続的に貢献していくことが、当社グループとしての役割であり使命であると認識しております。
当社グループは、地方の構造的な問題や地域金融機関を取り巻く経営環境等を踏まえ、当社グループが取り組むべき経営課題を「地方創生への貢献」、「総合金融力の高度化(収益力強化・技術革新・高付加価値化・生産性向上)」、「グループガバナンスの高度化」、「人材育成の強化」とし、地域総合金融グループとしてお客様や地域とともに成長していくため、第2次グループ中期経営計画(計画期間:2018年4月1日~2021年3月31日)を策定し、当社グループの企業価値向上・持続的成長に向け取り組んでおります。(第2次グループ中期経営計画の当事業年度における進捗は、(2)中長期的な会社の経営戦略を参照ください。)
第2次グループ中期経営計画(融合ステージ)において、『お客様にとって九州トップの総合金融グループ』を目指し、スピード感を持ってグループの融合を進め、持続的成長に繋げてまいります。

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