有価証券報告書-第37期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/09/28 13:49
【資料】
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【項目】
145項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「クレステックは企業として、社会に通用する企業を目指す。(情報の創造と提供により安心して暮らせる社会に貢献する)」、「クレステックの社員は、社会人として通用する人間を目指す。(グローバル社会から尊敬される人間を目指す)」を経営理念に揚げ、「情報創造企業」として、世界の人とヒト、人とモノを繋ぐコミュニケーションを創造することで、伝えたい情報にカタチを与え、世界中の人々の心に感動と喜びを創出し、楽しく安心して暮らせる社会の構築を目指します。
(2)経営戦略等
当社グループは、テクニカルドキュメンテーションを事業の中核として、マニュアル制作・ローカリゼーション、印刷・パッケージ製造など幅広い事業を展開し、成長を実現してまいりました。そして現在、この中核事業をベースに、マーケット・リサーチをはじめとした川上の事業領域からアフターマーケットのユーザーサポートである川下の事業領域まで、ドキュメントソリューションサービスとして事業領域をグローバルに展開しております。しかしながら、次なる10年に向けた企業基盤の安定化を目指すには、更なる変革が必要となります。そこで、次なる10年に向けた当社グループの長期戦略方針“NEXT10”を掲げ、新領域への挑戦に取り組むことで、更なる事業の拡大を長期的に図ってまいります。そのためには、前中期経営計画「CR Vision 2020」にて一部成し遂げられなかった“事業強化”と“体制強化”の経営重点戦略を継続的に取り組むため、2024年6月期を最終年度とする新中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」を策定いたしました。
※長期戦略方針“NEXT10”とは
当社グループのコーポレートスローガンである「Global Communications“世界を繋ぐ 人に優しいコミュニケーションの創造”」を推進するため、中核事業であるテクニカルドキュメンテーションに依存するのではなく、総合情報創造企業として顧客が取り扱う全ての情報を分かりやすいカタチに変えユーザーに提供できる体制を構築することで、事業拡大を図っていく長期戦略方針“NEXT10”です。
新中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」において、NEXT10への布石となる企業基盤の安定化を図るため、以下の経営重点戦略に取り組んでまいります。
① 事業強化戦略
1)川上・川下領域の事業拡大
2)特殊分野の事業強化
3)企業連携による事業領域拡大
② 体制強化戦略
1)企業価値向上に向けたCSR促進
2)人材育成とES(Employee Satisfaction)向上
3)生産体制の最適化推進
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの2021年6月期以降の経営数値目標については、新型コロナウイルス感染症の収束の時期や内外経済に与える業績が見通せないため、未定としておりましたが、この度、新たに2024年6月期を最終年度とする新中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」を策定いたしました。新中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」においては、「NEXT10に向けた企業基盤の安定化へ」を基本方針とし、2024年6月期において、連結売上高185.0億円、連結営業利益12.0億円、連結営業利益率6.5%の経営数値目標の達成を目指します。
(4)経営環境
当社グループをとりまく環境は、リーマンショックから大きく変化してきました。世界景気の減退からはじまり、スマートフォンの登場によるデジタル化(製品)への商品集約、更にペーパーレスも加速し、常に当社グループの取引に大きな影響を及ぼしてきました。そして、現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復傾向にあるものの、変異株の拡大もあり完全回復には至っていない状況です。当社グループの主要顧客である完成品メーカーでは、生産活動の回復もありましたが、新型コロナウイルス感染対応や各国の規制強化などによる生産活動の一部停止、更に材料不足による生産調整なども起きており、不安定な生産状況となっております。当社グループにおいても、一部の製品分野にて取引に影響を受けました。
このような厳しい環境の中、当社グループでは、前中期経営計画の経営重点戦略である“事業強化”と“体制強化”を継続的に推進し、経営基盤の確立を目指してまいりました。事業強化では、新事業領域の拡大に向けた企業連携やM&Aを積極的に取り組み、体制強化では、教育体制の強化と並行して、“ウィズコロナ”の環境下においても効率的な生産性向上を図るため、在宅勤務やオンライン会議の拡充など“働き方改革”を積極的に導入してまいりました。
これからは、どのような環境下であっても持続的に成長できる安定的な企業体制の実現に向け、以下に掲げる対処すべき課題に全力で取り組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① グローバルネットワークを活かした顧客の拡大
当社グループは、デジタル製品・情報機器・輸送機器など日系メーカーが生産拠点を海外にシフトするに際し、ともにグローバル拠点を展開してきた実績があります。この海外進出によって、日系メーカーと長年に亘る取引を行い、更なる信用を獲得してきました。
今後は、このような取引実績を背景に、更なるグローバルネットワークの拡大と強化を推し進め、海外の完成品メーカーや医薬品・ヘルスケア製品・生活用品等のメーカー等、幅広い分野での取引拡大を更に進めることで、持続的成長が可能な事業のポートフォリオを確立していくことを目指します。
② 顧客に対するグローバルサポート体制の強化
当社グループは、マニュアルの原稿作成やデータ作成を日本国内で行い、印刷・製造工程を顧客の海外拠点の近くで行うグローバルサポート体制を構築してまいりましたが、業界環境の変化に伴い、マニュアル制作、印刷・パッケージ製造だけでなく、周辺業務の取引にも拡大してきました。
近年では、顧客ニーズが多様化している中、顧客の負荷を軽減するトータルサポート業務の需要が高まっており、そのような顧客需要に応えるべく、サプライチェーンとして、市場調査や販促プロモーションなどの「川上」業務から製品販売後のユーザーサポートなどの「川下」業務まで「ONE STOP GLOBAL SOLUTION」としてグローバル体制のもと一気通貫のサービスを推進してまいりました。今後、更に特殊分野の翻訳や新メディアを活用したマニュアル作成などの強化を図り、事業領域を拡大してまいります。
③ 専門的な技術の確立と人材の育成
当社グループの強みは、マニュアルの原稿作成から翻訳・データ作成、更に多品種小ロットの印刷・製造に対応できるグローバルでのサポート体制であるため、それを支える技術の確立と人材の継続的な育成は経営の最重要課題のひとつと考えております。
現在、自動車から家電など各製品分野に対応できるテクニカルライターや世界各国語への翻訳に展開できる翻訳ディレクターなど専門的な技術の確立のために、製品やサービスの仕様説明を扱う専門の団体(一般財団法人)テクニカルコミュニケーター協会(JTCA)、産業翻訳の業界団体(一般社団法人)日本翻訳連盟、多言語翻訳の標準的な規格を策定するGALA標準規格イニシアチブ(※)に加盟し、各業界に対応できる人材の育成に努めています。更に、コミュニケーション能力向上のための英語教育、大学との共同研究開発、JTCA主催のジャパンマニュアルアワード、日本包装協会主催の日本パッケージングコンテストへの応募など様々な取組みを実施することで、当社グループのサポート体制を更に強化してまいります。
※ GALA(Globalization and Localization Association)標準規格イニシアチブ:多言語翻訳の標準規格を策定し、普及を促進するための公的な試み
④ 国内での新規ビジネス展開
近年、日本を始め世界的な動きとして製品のデジタル化やデータの集約が加速し、今までの業務形態であるマニュアル制作の市場規模は縮小傾向にあります。今後もこのような傾向が継続するものと予想されるため、IoT(※1)や動画など新しいメディアの複合的活用や各種情報の融合を図った次世代に通じるマニュアルの作成、更に海外進出支援サービスである国際規格対応サポート、自然言語解析(AI)を駆使したソリューション提供、新たな体験と感動を創出するxR(※2)技術・デジタルサイネージ用プレイヤーなどを駆使した新空間提供など、既存事業で培ったノウハウや人的資産を活用し、川上であるコンサルティングや販売プロモーション、業務支援マニュアルなどへの事業領域の拡大を図り、トータルサービスの実現に取り組んでまいります。
※1 IoT(Internet of Things):コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと
※2 xR(Extended Reality):拡張現実(AR)、複合現実(MR)、仮想現実(VR)などの画像技術の総称で、現実世界と仮想世界を融合させ、これまでにない新たな現実を創出させる技術のこと
⑤ 株主との対話・株主還元
当社グループでは、株主の皆様との対話を通じた企業価値の向上を目指しており、株主の皆様に有益な企業情報の発信やIR活動を積極的に推進していく方針です。この対話を通じて、経営方針や経営戦略についてもより分かりやすい説明を目指し、株主の皆様と当社グループとの建設的な関係を築いていきたいと考えております。
こうした方針を前提に、株主還元の内容や趣旨説明についても経営の最重要課題のひとつとして認識しており、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保は残しつつ、充実した株主還元を行うことが重要であると考えております。詳しくは「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。

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