有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/06/04 15:01
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116項目

有報資料

当社グループをとりまく環境はリーマンショック以前、デジタル製品の市場拡大や、日系メーカーのグローバル展開による販売対象国の増加など、製品ラインナップが増え、結果として当社グループの取り扱うマニュアルや印刷物、梱包材などの販売量が増えておりました。
しかしながらリーマンショック以後は、世界景気の減退、円高やグローバルな競争環境の激化による顧客からのコストダウン要求、さらにスマートフォン登場後はデジタル製品のスマートフォンへの集約化によるデジタル製品のラインナップの減少やペーパーレス化の進行によるページ数の減少などにより、特に一般消費者向けの電機メーカー向けの販売量が大きく減少しました。
このような環境の中、当社グループは、多品種小ロット対応を得意としたグローバルネットワーク体制を持つ企業グループとして、顧客からの日本基準の高い品質管理・コストダウン要請に応えるべく、工程改善などにより高い品質管理体制・価格競争力を培ってきました。
これからは、こうした過去30年の実績に基づいた信用と信頼を持って、以下に掲げる当社グループの対処すべき課題に全力で取り組んでまいります。
①グローバル展開のトラックレコードを活かした顧客の拡大
当社グループは、デジタル家電・複合機・輸送機器など日系メーカーが生産拠点を海外にシフトするに際し、共にグローバル拠点を展開してきた実績があります。この海外進出によって、日系メーカーと長年に亘る取引を行い、さらなる信用を獲得してきたと考えています。
これまではデジタル製品を中心とした日系メーカーとの取引を主としておりましたが、今後はこのような取引実績を背景に、海外メーカー及び既に取引を開始した医薬品メーカーなど新たな業種の顧客との取引の拡大をさらに進め、事業成長が可能な事業のポートフォリオを、他社に先立って確立していくことを目指します。
②顧客に対するグローバルサポート体制の強化
当社グループは、マニュアルのデータ作成や翻訳を日本国内で行い、印刷工程を顧客の海外拠点の近くで行うグローバルサポート体制を構築しておりますが、業界環境が変化するに伴い、現在ではマニュアル制作の受注だけでなく、梱包材などの納入に係る取引が拡大しております。
今後は上記のように、顧客のニーズに沿ったサポートを徹底していくことを目的として、サプライチェーンの川上から川下へ進出し、サポート体制をさらに強化してまいります。また、グローバル化の進行に伴って増加する可能性が高い翻訳サービスにもより一層注力してまいります。
③多品種小ロットの対応
当社グループは、経済性が低く大手印刷業者では取り扱わない多品種小ロットの印刷発注を効率的にオペレーションする体制を築いており、少量の製品を取り扱う顧客やJIT(ジャスト・イン・タイム)で生産体制を確立している顧客にとって貴重な戦力として着実に進展してきました。
今後も多品種小ロットの発注に対応する体制を構築することによって、大手印刷業者がオペレーションできない取引を獲得し、サプライチェーンの一角として顧客に必要とされるよう事業を展開していきます。
④専門的な技術の確立と人材の育成
当社グループの強みは多品種小ロットの印刷受注に対応できるグローバルでのサポート体制と考えておりますが、それを支える技術の確立と人材の育成は経営の最重要課題の一つと考えております。
現在、専門的な技術の確立のために、多言語翻訳の標準的な規格を策定するGALA標準規格イニシアチブ(※)や翻訳業界の技術開発をリードしている翻訳自動化ユーザー協会(Translation Automaton User Society)に加入したり、人材育成のために、現場力強化のための海外研修や日本パッケージングコンテストの応募など様々な取組みを実施したりすることで、当社グループの体制をさらに強化できるよう努力しております。
※ GALA(Globalization and Localization Association)標準規格イニシアチブ:多言語翻訳の標準規格を策定し、普及を促進するための公的な試み
⑤国内での新規ビジネスと組織再編
国内においては、既存のマニュアル制作の市場規模が縮小しており、今後もこのような傾向が継続すると予想されることから、次世代マニュアル(組込みマニュアル、タブレット端末、IoT(※1)での情報提供サービス等)、国際規格対応サポート(CEマーキング(※2)等)、教育コンテンツ等のビジネス化や、マニュアル制作システムの開発(制作統合支援ツール、DITA(※3)化等)、マーケティング・サポートビジネス、コンサルビジネスなどへの事業領域の拡大に取り組んでまいります。
また当連結会計年度には、組織再編として制作の一元管理化、効率的な顧客拡大のための東京への人材集中、重複していた翻訳体制の解消により、更なる効率化を図ってまいりました。今後は制作業務全てを精査し、付加価値業務と量産業務の切り分けを行うことで、全体最適化を進めて更なる原価低減を進めてまいります。
※1 IoT(Internet of Things):コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと
※2 CEマーキング:商品がすべてのEU加盟国の基準を満たすものに付けられるマークで、EEA(欧州経済領域)やトルコ、スイスで販売する際には取得が必要となる
※3 DITA(Darwin Information Typing Architecture):技術情報を制作・発行・配布するためのXMLに基づいたアーキテクチャ
⑥株主との対話・株主還元
当社グループでは、株主の皆様との対話を通じた企業価値の向上を目指しており、株主の皆様に有益な企業情報の発信やIR活動を積極的に推進していく方針です。この対話を通じて、経営方針や経営戦略についてもより分かりやすい説明を目指し、株主の皆様と当社グループとの建設的な関係を築いていきたいと考えております。
こうした方針を前提に、株主還元の内容や趣旨説明についても経営の最重要課題の一つとして認識をしており、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保は残しつつ、充実した株主還元を行うことが重要であると考えております。詳しくは第4「提出会社の状況」3「配当政策」をご参照ください。

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