有価証券報告書-第27期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/26 16:41
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129項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開しているインターネット広告市場は、引き続き拡大を続けています。「2023年日本の広告費」(株式会社電通調べ)によると、2023年のインターネット広告費は、コネクテッドTVの利用拡大に伴う動画広告需要の高まりや、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に寄与し、前年から7.8%増加して3兆3,330億円となりました。
このような経営環境のもと、当社グループは、「情報通信技術の進歩を人に優しいかたちにして、愉快なる未来を創る」というミッションのもと、2024年3月期は経営方針として、既存事業改善によるキャッシュ創出力強化に向けた「新アルゴリズム導入による効果改善」「ASP市場におけるポジションチェンジの推進」「ASA海外拠点展開による売上拡大」、新たに柱となる事業の育成による再成長のための「独自DSP立ち上げ支援サービス強化」「AIを活用したDTC(注1)支援ソリューションの立ち上げ」を経営方針として取り組みました。
当連結会計年度は、売上高においては、アドテクノロジー、マーケティングソリューションの減収により、当
連結会計年度では減収となりました。営業利益、経常利益は、アドテクノロジーの増益、組織再編によるコスト削減効果の発現により増益となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純損失は、中長期戦略の再定義によるデジタルソリューションの将来計画の見直しに伴うのれん等の減損損失を1,124,873千円計上した影響により減益となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,462,278千円減少し、6,674,989千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ434,865千円減少し、2,974,932千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,027,412千円減少し、3,700,057千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は9,336,856千円(前期比18.4%減)、営業利益は102,212千円(前期比492.3%増)、経常利益は95,990千円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,028,592千円となりました。
当社グループはマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントでありますが、取扱いサービス別の売上高の概況は次のとおりであります。
1.アドテクノロジー
広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォームであるDSP「Logicad」の提供を行っております。当連結会計年度は、上半期の減収傾向を下半期の特定大型案件によりリカバリーを行うも、アドテクノロジーの売上は前期比6.1%減の6,650,589千円となりました。
2.マーケティングソリューション
広告主と媒体を限定したクローズド型アフィリエイト「SCAN(スキャン)」の提供を行っています。当連結会計年度は、前期に実施したメディアデータを軸としたソリューション事業の売却及びASP領域の競争激化の影
響等により、マーケティングソリューションの売上は前期比66.8%減の821,871千円となりました。
3.デジタルソリューション
連結子会社のルビー・グループ株式会社では、ラグジュアリーブランド向けEコマースの構築・運営・コンサルティングを提供しています。株式会社ASAではWebサイト、モバイル(Webアプリケーションなど)をはじめとするデジタルコンテンツの制作及び開発を行っています。連結子会社であった株式会社ゼータ・ブリッジは、2023年9月1日にSMN株式会社へ吸収合併されておりますが、SMN株式会社において全国各地のテレビCMメタデータの販売などのプロモーション関連領域のサービスを引き続き提供しています。当連結会計年度では子会社の株式会社ASAの受注案件数減少等の影響により、デジタルソリューションの売上は前期比2.8%減の1,792,000千円となりました。
4.その他
テレビ番組表ポータル「テレビ王国」やインターネット利用支援ポータル「PreBell」の広告枠の企画及び販
売事業を行っています。当連結会計年度は、今期より「Prebell」の広告販売を開始した影響等により、その他の売上は前期比80.6%増の72,393千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、投資活動及び財務活動による支出が営業活動による収入を上回ったため、前連結会計年度末に比べ164,044千円減少し2,433,603千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、減価償却費605,889千円、のれん償却額166,340千円、顧客関連資産償却額63,700千円、減損損失1,124,873千円を計上した一方で、税金等調整前当期純損失1,040,858千円、売上債権が264,262千円増加、仕入債務が90,487千円減少、法人税等の支払額66,235千円がありました。その結果、営業活動により得られた資金は521,898千円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出が430,398千円、造作・サーバー等の有形固定資産の取得による支出が34,813千円となりました。その結果、投資活動により使用した資金は463,172千円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、長期借入金の返済による支出が226,536千円となりました。その結果、財務活動により減少した資金は228,750千円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、マーケティングテクノロジー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
サービスの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
アドテクノロジー6,650,58993.9%
マーケティングソリューション821,87133.2%
デジタルソリューション1,792,00097.2%
その他72,393180.6%
合計9,336,85681.6%

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(子会社への投資及びのれんの減損判定)
子会社への投資及びのれんについては、事業環境や将来の業績見通しの悪化、事業戦略の変化等、減損の判定が必要となる兆候が発生した場合に減損の判定を行っており、減損判定時には、事業計画の達成状況を検討し、報告単位の事業計画を基礎とした見積将来キャッシュ・フローに基づくインカムアプローチ(現在価値技法)により実質価額を算定しています。子会社への投資及びのれんの減損判定における報告単位の実質価額の算定は、その性質上、判断をともなうものであり、多くの場合、重要な見積り・前提を使用します。
当連結会計年度において、のれん及び顧客関連資産を含む資産グループについて、減損の兆候を識別しております。減損の判定で必要な割引前将来キャッシュ・フローを見積もった結果、その総額がのれん及び顧客関連資産を含む資産グループの帳簿価額を下回り減損損失の認識が必要と判断されたため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
これらの見積りにおいて用いた仮定は、将来の不確実な経済条件の変動等によって影響を受ける可能性があり、実際の収支が見積りと異なった場合には、減損損失の計上に伴い、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は、4,788,173千円となり、前連結会計年度末に比べ91,788千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が154,044千円減少した一方で、売掛金及び契約資産が264,262千円増加したことによるものであります。固定資産は1,886,815千円となり、前連結会計年度末に比べ1,554,066千円減少いたしました。これは主に、のれんが805,164千円、顧客関連資産が411,174千円減少したことによるものであります。
その結果、総資産は6,674,989千円となり、前連結会計年度末に比べ1,462,278千円減少いたしました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は1,845,067千円となり、前連結会計年度末に比べ99,674千円減少いたしました。これは主に、買掛金が90,487千円、未払消費税等が25,945千円減少したことによるものであります。固定負債は1,129,864千円となり、前連結会計年度末に比べ335,190千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が226,704千円、繰延税金負債が107,241千円減少したことによるものであります。
その結果、負債合計は2,974,932千円となり、前連結会計年度末に比べ434,865千円減少いたしました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は3,700,057千円となり、前連結会計年度末に比べ1,027,412千円減少いたしました。これは主に、資本金及び資本剰余金が14,999千円増加した一方で、利益剰余金が1,028,592千円減少したことによるものであります。
その結果、自己資本比率は54.9%(前連結会計年度末は57.7%)となりました。
2) 経営成績
(売上高)
アドテクノロジー、マーケティングソリューションの減収により、当連結会計年度は減収となりました。この結果、売上高は9,336,856千円となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は6,741,276千円となりました。これは主に売上の減少にともなう仕入費用の減少によるものです。この結果、売上総利益は2,595,579千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)
販売費及び一般管理費は2,493,367千円となりました。これは主に事業再編の実施にともなう給与等の減少によるものです。この結果、営業利益は102,212千円となりました。
営業外収益は15,071千円、営業外費用は21,293千円発生しており、経常利益は95,990千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
減損損失を1,124,873千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,028,592千円となりました。
当社グループはマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の区分による分析は省略しております。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、広告枠の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としては、主にソフトウエア開発にかかる無形固定資産投資、サーバー等の有形固定資産の取得によるものであります。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金については主に、内部資金により調達しております。また、金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結することで、手許流動性を確保しております。
c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
当連結会計年度は、売上高はアドテクノロジーにおいて下期はリカバリーをおこない減収幅縮小したものの、デジタルソリューションにおける株式会社ASAの海外事業の拡大遅れや、マーケティングソリューションにおけるASP領域の競争激化の影響等があり、期初計画を下回って着地いたしました。しかしながら、営業利益におきましては、アドテクノロジーの増益や構造改革による収益力回復により、期初計画を上回って着地いたしました。期初計画に比べ、売上は3,163百万円(△25.3%)減少し9,336百万円、営業利益は2百万円(+2.2%)増加し102百万円となりました。
指標2024年3月期
(実績)
2024年3月期
(期初計画)
2024年3月期
(期初計画比)
売上高9,336百万円12,500百万円△3,163百万円
(△25.3%)
営業利益102百万円100百万円2百万円
(+2.2%)

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、システム等、事業運営体制、その他、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向を留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズにあったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、「情報通信技術の進歩を人に優しいかたちにして、愉快なる未来を創る」というミッションを掲げており、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学の3つのコアテクノロジーを源泉とした、アドテクノロジーのDSP「Logicad」を中心とする「マーケティングテクノロジー事業」の単一セグメントを提供しております。
2024年4月に策定いたしました中長期戦略におきまして、「最先端のデータサイエンスとビッグデータを駆使してクライアントのデジタルマーケティング領域の課題を解決する総合デジタルマーケティングテクノロジー企業」をめざす姿に位置づけ、以下に掲げる3つの取り組みを進めてまいります。
①3つの構造改革の推進による成長性と収益性の向上
「中核事業改革」・「事業ポートフォリオの再定義」・「収益構造改革」の3つの構造改革の加速により収益性を向上し、成長領域に配分する投資原資を創出してまいります。
②ソニーグループ連携の更なる深化と新規事業創造による成長
ソニーグループの有する経営資源と当社の培ってきたコア・ケイパビリティ(「AI技術」・「ビッグデータ処理」 ・「データ可視化」・「高速マッチング」)を最適融合させた新たな成長の柱となる事業を創造いたします。
③成長を支える強靭な経営基盤の確立
人的資本経営・先端技術投資・サステナビリティを推進し、当社の成長を支える強靭な経営基盤を確立していきます。
これらの活動により企業価値の更なる向上に努めてまいります。現時点において、対処すべき課題として当社グループで認識している事項につきましては、以下のとおりであります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報にもとづき最善の経営方針を立案し、社会貢献を前提として企業価値を最大限に高めるべく努めております。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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