有価証券報告書-第18期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 12:35
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【項目】
115項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
内閣府が発表した2018年10~12月期の実質GDP成長率(2次速報値)は、前期比+0.5%(年率+1.9%)と2四半期ぶりにプラスとなりましたが、海外需要の前期比寄与度は-0.3%と3四半期連続のマイナス寄与となっており、米中による貿易戦争等の海外動向の影響が引き続き懸念される状況と言えます。また、公益社団法人日本経済研究センターが発表した民間エコノミストによる経済見通し「ESPフォーキャスト」によれば、2019年1~3月期の実質GDP成長率は前四半期(2018年10~12月期)比-0.06%と、景気のリスクとして中国景気の悪化が懸念されております。
米中の貿易戦争とそれに伴う中国景気の懸念だけでなく、米国経済の先行き懸念並びに英国のEU離脱問題の長期化等、海外には不透明な材料が多く、問題が深刻化した場合には世界経済に悪影響を与え、日本経済の減速を招く可能性があります。
日本国内の情報セキュリティ業界の動向については、JNSA(NPO日本ネットワークセキュリティ協会)が発表した「2017年度 国内情報セキュリティ市場調査(速報値)」によれば、国内情報セキュリティ市場の規模は2015年度から2018年度までの3カ年において、年率約5%で成長していると推定されており、IT専門調査会社IDC Japan株式会社が発表した国内情報セキュリティ市場予測によれば、国内セキュリティソフトウェア市場、国内セキュリティアプライアンス市場、国内セキュリティサービス市場において、それぞれ2017年から2022年の年間平均成長率が3.4%、2.9%、5.1%と予想されており、市場全体として、引き続き成長が見込まれております。
また、日本国内の企業を取り巻く情勢については、総務省が発表した人口推計(2018年10月確定値)によれば、生産年齢(15~64歳)人口は前年同月比51万2千人減少の7545万1千人となり、全体に占める割合が59.7%と過去最低の状況にあります。企業は、成長を維持するために、情報通信技術(ICT)の活用等により労働生産性を向上させる必要に迫られております。
そのような状況において、政府が2017年3月に提出した「働き方改革実行計画」では、柔軟で多様な働き方の整備を推進するとともに多様な働き方の1つとして、優秀な人材を獲得し、継続して働いてもらう土台としてテレワークを挙げており、大規模事業者だけでなく、中小規模事業者の中でも働き方の多様化に取り組む企業は増加していくものと想定されます。2018年6月の「働き方改革関連法案」可決・成立により、2019年4月に各法案が施行され、テレワーク等の多様な働き方を導入・実践するためにも、経営者は、これまで以上に、場所や時間を問わない労働環境下において、情報漏洩対策等の情報管理を強化しつつ、労働生産性の向上を求められるようになりました。大規模事業者から中小規模事業者に至るまで、企業規模を問わず、これらの課題の解決策に対するニーズの裾野は非常に広いものと思われます。
当社は、当事業年度において、2018年6月22日開催の定時株主総会の決議をもって、新経営体制(注1)に移行いたしました。新経営体制のもと、事業方針を、マルウェア対策に代表される狭義のセキュリティ及び情報管理全般においてセキュアな環境を提供する「情報の保護・管理」の視点から、最終ユーザーが、セキュアな環境で管理された情報を経営資源として戦略的に活用する「情報の活用」及び「セキュリティ+α」を強く意識した視点へと転換いたしました。
また、営業面においては、過年度までの特定地域への一点集中型の営業展開から、営業活動が手薄であった地域への営業拠点の新規開設によって、営業拠点及び隣接地域への積極的な販路拡大を見据えた面開拓の営業戦略へ転換を推進しております。当社は、2016年より大阪オフィスを開設しておりましたが、面開拓の営業戦略の一環として、新潟及び福岡において新規営業拠点(注2)を開設いたしました。
上記「情報の保護・管理」から「情報の活用」及び「セキュリティ+α」への事業方針の転換並びに営業戦略活動が奏功し、加えて、持続的な成長を実現するための組織体制の見直し及び強化を行った結果、当事業年度では、後記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 c.販売実績」のとおり、「業務管理サーバー」製品売上高及び「Webデータベース関連」商品売上高が、前事業年度と比べ54,609千円、123,190千円とそれぞれ増加し、さらに「業務管理サーバー」製品売上高の増加に伴う「業務管理サーバー」保守売上高が前事業年度と比べ16,311千円増加いたしました。その結果、売上高909,391千円(前年同期比34.0%増)となり、営業利益16,931千円(前年同期は営業損失15,908千円)、経常利益21,464千円(前年同期は経常損失10,819千円)、当期純利益は23,153千円(前年同期比65.6%増)と営業利益及び経常利益における3期ぶりの黒字化並びに当期純利益では増益を達成いたしました。
当社は、前々事業年度において110,712千円の営業損失、前事業年度において15,908千円の営業損失を計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識し、その解消に向けて、①販路を拡大するための対策、②新販路の獲得、③新製品の開発、④新規事業開発における施策、⑤組織体制の強化、⑥情報管理や内部管理体制の強化の各施策を実行してまいりましたが、上記のように、当事業年度において、新経営体制のもと、「情報の保護・管理」から「情報の活用」及び「セキュリティ+α」への事業方針の転換並びに組織体制の見直しと強化及び新たな営業戦略活動によって、売上高909,391千円(前年同期比34.0%増)となり、営業利益は16,931千円となりました。この結果から、当社は、収益体制の再構築を達成しつつあると見込まれ、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象は現時点で存在せず、また、そのような状況に現時点で該当しないと判断し、「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載を解消することといたしました。なお、詳細については、2019年5月13日付公表「「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載解消に関するお知らせ」をご参照ください。
当社は、今後対処すべき課題等として、①販路の拡大、②収益構造における製品構成の多様化、③新製品及び新規事業の開発の3つの課題を認識しております。
①販路の拡大
当社の主要販路は、販売代理店となる「OA機器販売会社」及び「プログラム製品の提供先である通信機器メーカー」の2つであります。当事業年度における売上高全体において、後記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 c.販売実績」のとおり、情報セキュリティ製品にあたる「アンチマルウェア及び業務管理関連」製品売上高が高い占有率であり、当該製品群の販路においては、一部の販売代理店及び通信機器メーカーが高い占有率となっております。
当社は、この状態の改善が対処すべき課題と認識し、当事業年度より、新規販売代理店となるOA機器販売会社の開拓に注力し、上記のとおり、営業活動が手薄でありました地域への営業拠点の新規開設によって、営業拠点及び隣接地域への積極的な販路拡大を見据えた面開拓の営業戦略を推進し、2016年開設の大阪オフィスに続き、面開拓の営業戦略の一環として、新潟及び福岡において新規営業拠点を開設いたしました。
翌事業年度においても、販路の拡大のため、面開拓の営業戦略を推進し、また、顧客企業にとって、柔軟で使いやすい製品・サービスの提供方法の検討も含め、販路構成の多様化に努めてまいります。
②収益構造における製品構成の多様化
上記のとおり、当事業年度における売上高全体において、情報セキュリティ製品にあたる「アンチマルウェア及び業務管理関連」製品売上高が高い占有率であり、業績については、引き続き当該製品群の実績に左右される状況にあります。また、当該製品群の販売先の大部分が中小規模事業者であります。
当社は、販路の拡大と同様に収益構造における製品種別構成及び顧客企業規模層の多様化も対処すべき課題と認識しております。当事業年度においては、「情報の保護・管理」から「情報の活用」及び「セキュリティ+α」への事業方針のもと、製品種別構成の多様化のため、「働き方改革」需要の取り込みに向けた販売代理店への営業展開を実施し、後記「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 c.販売実績」のとおり、業務効率向上並びに労働生産性向上に貢献する「業務管理サーバー」製品群の販売増を実現いたしました。また、組織体制の見直し及び強化の一環として、「Webデータベース関連」商品の販売・保守チームをネットワークセキュリティ事業部として独立した組織体制とし、当事業年度において、大規模事業者の大型案件受注に成功いたしました。
翌事業年度においても、収益構造における製品構成の多様化のため、「業務管理サーバー」製品群並びに「Webデータベース関連」商品の営業強化と、「アンチマルウェア及び業務管理関連」製品群を含めた顧客規模層の多様化に努めてまいります。
③新製品及び新規事業の開発
当社は自社開発技術として、「マルウェア対策技術」「情報機器業務ログ監視・分析技術」「データ回復/暗号化技術」有し、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、当該技術を基礎するソフトウェア製品を取引先から仕入れたルーター製品やサーバー製品等に実装したセット製品並びに通信機器メーカー等のセキュリティ機器製造販売ベンダー向けにプログラム製品として販売しております。
当社は、翌事業年度以降の新たな収益源の獲得のため、上記既存技術を基盤とした新製品の企画・開発並びに「情報の保護・管理」から「情報の活用」及び「セキュリティ+α」への事業方針に則った新技術及び新規事業の開発も対処すべき課題と認識しております。
当事業年度において、上記のとおり、新規事業開発としてIoT及びAIの分野において知見と実績を持つ株式会社ビズライト・テクノロジーとの間で、両社技術の融合によるIoT製品の開発並びに新規顧客の開拓等の事業展開を行う業務提携(注3)をいたしました。また、企業の働き方改革と労働生産性向上に貢献する新製品として、就業場所にとらわれずに情報機器の操作情報の収集を可能とし、働き方分析や内部不正対策、IT資産管理が行える「Eye“247”(アイ・トゥエンティフォー/セブン)」の開発及び販売(注4)について公表しております。
新製品並びに新技術及び新規事業の開発に向けて、販売代理店や通信機器メーカー等のセキュリティ機器製造販売ベンダーと連携し、顧客企業等のニーズ含めた市場調査を積極的に行い、新製品の企画・開発に努めてまいります。新技術及び新規事業の開発においては、業務提携並びにM&A等の資本提携等、新技術及び新規事業の獲得・開発のための手段・方法を限定することなく、そのための資金の確保についても多様な資金調達手段含め検討してまいります。
(注)1.新経営体制の詳細については、2018年6月22日付公表「定時株主総会における決議及び新役員体制に関するお知らせ」及び同年8月14日付公表「代表取締役及び常務取締役の異動ならびに社長交代に関するお知らせ」をご参照ください。
2.新規営業拠点の詳細については、2019年2月25日付公表「新潟及び福岡営業所開設に関するお知らせ」をご参照ください。
3.株式会社ビズライト・テクノロジーとの業務提携の詳細については、2018年11月26日付公表「株式会社ビズライト・テクノロジーとの業務提携に関するお知らせ」をご参照ください。
4.「Eye“247”(アイ・トゥエンティフォー/セブン)」の詳細については、2018年11月26日付公表「新製品の開発及び販売に関するお知らせ」並びに2019年4月15日付公表「(開示事項の経過)新製品の開発及び販売に関するお知らせ」をご参照ください。

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