有価証券報告書-第8期(2023/04/01-2024/03/31)
② 戦略
気候変動は人々の生活や事業活動の基盤である地球環境自体の変化であり、自然災害の激甚化や異常気象など、地域や企業の持続的な発展を脅かすようなさまざまな影響が顕在化しつつあるなかで、脱炭素社会への移行に向けた動きが急速に進んでおります。
脱炭素社会へ移行する過程において、カーボンニュートラルの実現に向けた各国の政策・規制の強化や気候変動を緩和するための技術革新、気候変動問題への関心度の高まりによる消費者・投資家の価値観の変化など、経済・社会環境には大きな変化が見込まれておりますが、こうした変化は当社グループにリスクと機会をもたらすものと認識しており、その両面から気候変動に伴う脱炭素社会への移行が事業に及ぼす影響を検証するとともに、それらのリスクと機会に対処すべく、気候変動への対応に係る戦略を策定し実行しております。
A. リスク
当社グループには、気候変動に関するリスクとして、脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と自然災害の激甚化や異常気象などに伴う物理的な被害が生じるリスク(物理的リスク)の2つのリスクがあり、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿ったリスクの把握・評価に取り組んでおります。当社グループが分類・管理している「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナルリスク」、「レピュテーショナルリスク」の区分で移行リスクおよび物理的リスクを整理すると以下のとおりであります。
(短期:1~3年程度、中期:3年~10年程度:長期:10年超)
a.シナリオ分析の実施と結果
TCFDの提言にもとづく一定のシナリオのもとで、移行リスクおよび物理的リスクについてシナリオ分析を実施しており、2023年度に実施した分析結果は、以下のとおりであります。引き続き、対象セクターの拡大やシナリオ分析の高度化等に取り組んでいきます。
※最新の分析結果については、2024年7月に当社ウェブサイト
(URL https://www.concordia-fg.jp/shareholder/ir/disclosure/index.html)において公表予定の「コンコルディア・フィナンシャルグループ統合報告書2024」をご参照ください。
B. 機会
気候変動に伴い脱炭素社会へ移行する過程において、政策・規制の強化や技術革新、消費者の価値観の変化による事業への影響(移行リスク)および自然災害の激甚化や異常気象による事業への影響(物理的リスク)により、お客さまの事業価値に毀損等が生じる場合には、お客さまとの取引関係を通じて当社グループの事業にも影響を及ぼすと認識しております。こうした認識から、当社グループは、お客さまの本業支援の取り組みの一環として、エンゲージメントを通じてお客さまの気候変動への対応を積極的に支援することで、お客さまの事業基盤が強化されることにより、当社グループ自身の成長機会の拡大や経営の安定等につながるものと考えております。
こうした考え方にもとづく主な取組状況は以下のとおりであります。
a. お客さまとのエンゲージメントの強化とお客さまの取り組みフェーズに応じた最適なソリューションの提供
当社グループは、中小企業のお客さまをはじめ、サプライチェーンの上流に位置する上場会社や地域の中核となる企業のお客さまなど、さまざまなお客さまとの取引関係を有しております。こうしたお客さまとのエンゲージメントを通じて移行リスクや物理的リスクの低減、成長機会拡大のための課題を共有したうえで、お客さまの課題解決に資するソリューションラインアップの充実をはかるとともに、お客さまごとの取り組みフェーズに応じた最適なソリューションを提供していくことが重要と認識しております。

b. 投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロに向けた取り組み
日本では2050年のカーボンニュートラルの実現を目標として掲げ、企業や産業の脱炭素化の推進がはかられておりますが、こうした目標の実現に向けて、当社グループは金融機関として、投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量ネットゼロの実現を通じて貢献していくことができると認識しております。
このような認識のもとで、2022年度には、投融資ポートフォリオのGHG排出量の計測・開示に係る取り組みを進める国際イニシアティブPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)に加盟するとともに、PCAFの定める基準にもとづき、事業貸出を中心に投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量(※)を算定しました。
こうした算定結果を踏まえ、お客さまのGHG排出量削減を支援するためのアクションプランを策定しております。炭素強度が高い「電力」、「石炭」および「石油・ガス」セクターを「GHG排出量削減の目標設定セクター」として選定し、個社ごとのきめ細かいエンゲージメントを通じてGHG排出量削減に向けた取り組みを支援しております。なお、目標設定については、現在検討を進めております。
また、中小企業をはじめとしたサプライチェーンの裾野の広い「自動車・部品」セクターに加え、脱炭素に向けた取り組みに長期間を要することが見込まれる「金属・鉱業」セクターを「エンゲージメント重点セクター」に追加しました。サプライチェーンへの影響度が高いお客さまからエンゲージメントを進め、GHG排出量の可視化、削減に向けた目標設定および削減のための取り組みを支援していきます。
※投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量に関する詳細な情報については、2024年7月に当社ウェブサイト(URL https://www.concordia-fg.jp/shareholder/ir/disclosure/index.html)において公表予定の「コンコルディア・フィナンシャルグループ統合報告書2024」をご参照ください。
気候変動は人々の生活や事業活動の基盤である地球環境自体の変化であり、自然災害の激甚化や異常気象など、地域や企業の持続的な発展を脅かすようなさまざまな影響が顕在化しつつあるなかで、脱炭素社会への移行に向けた動きが急速に進んでおります。
脱炭素社会へ移行する過程において、カーボンニュートラルの実現に向けた各国の政策・規制の強化や気候変動を緩和するための技術革新、気候変動問題への関心度の高まりによる消費者・投資家の価値観の変化など、経済・社会環境には大きな変化が見込まれておりますが、こうした変化は当社グループにリスクと機会をもたらすものと認識しており、その両面から気候変動に伴う脱炭素社会への移行が事業に及ぼす影響を検証するとともに、それらのリスクと機会に対処すべく、気候変動への対応に係る戦略を策定し実行しております。
A. リスク
当社グループには、気候変動に関するリスクとして、脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と自然災害の激甚化や異常気象などに伴う物理的な被害が生じるリスク(物理的リスク)の2つのリスクがあり、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿ったリスクの把握・評価に取り組んでおります。当社グループが分類・管理している「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナルリスク」、「レピュテーショナルリスク」の区分で移行リスクおよび物理的リスクを整理すると以下のとおりであります。
| 想定される事例(移行リスク) | 時間軸 | 想定される事例(物理的リスク) | 時間軸 | |
| 信用リスク | ・GHG排出に関する規制の強化や炭素税導入により取引先の財務が悪化するリスク ・脱炭素社会への移行に伴う技術の進歩等により取引先の事業が座礁資産化するリスク ・取引先における各種気候変動への対応が不十分なため、取引先のブランド価値が毀損し、財務が悪化するリスク ・上記の影響により与信関係費用が増加するリスク | 中期~長期 | ・異常気象によって深刻化する洪水等の急性的な自然災害や、降雨や気象パターンの変化によるリスク ・慢性的な気候変化によって、建物の毀損や事業が中断するリスク ・上記のリスクによっておこる洪水にて取引先の社屋や工場が被災し、担保物件の毀損や売上の減少等、財務が悪化することにより与信関係費用が増加するリスク | 短期~長期 |
| 市場リスク | ・脱炭素社会への移行に影響を受けるお客さまの収益減少や既存資産等の減少により、関連する有価証券や金融派生商品等の価値が変動するリスク | 短期~長期 | ・異常気象等により市場が混乱したことによって、有価証券、金融派生商品等の価格が変動するリスク | 短期~長期 |
| 流動性リスク | ・気候変動への対応不足に伴い、当社の信用悪化による資金調達力の低下、預金が流出し資金繰りが悪化するリスク | 短期~長期 | ・自然災害により被災した顧客の資金需要の高まり・復旧復興などによる資金流出の増加によるリスク | 短期~長期 |
| オペレーショナルリスク | ・提携先・委託先も含めた不適切な商品・サービスの販売により、損害が発生するリスク | 短期~長期 | ・自然災害により本支店が被災し損害が発生するリスク | 短期~長期 |
| レピュテーショナルリスク | 気候変動への対応不足やステークホルダーから不適切または不十分と評価されることにより当社のレピュテーションが悪化するリスク | 短期~長期 | ||
(短期:1~3年程度、中期:3年~10年程度:長期:10年超)
a.シナリオ分析の実施と結果
TCFDの提言にもとづく一定のシナリオのもとで、移行リスクおよび物理的リスクについてシナリオ分析を実施しており、2023年度に実施した分析結果は、以下のとおりであります。引き続き、対象セクターの拡大やシナリオ分析の高度化等に取り組んでいきます。
| 移行リスク | 物理的リスク | |
| リスク イベント | ・炭素税導入、エネルギーコストの増加 ・脱炭素社会への移行に伴う需要の変動や追加の設備投資、研究開発費の発生 | 洪水による ・事業の中断や事業拠点の直接被害に伴う財務悪化・担保物件の毀損 |
| シナリオ | ・NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)のシナリオのうち、Net Zero 2050、Below 2℃シナリオ、Current Policies(現行政策)シナリオ | ・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によるRCP(代表的濃度経路)シナリオ(RCP2.6:2℃シナリオ、RCP8.5:4℃シナリオ) |
| 分析手法 | ・移行シナリオにもとづき、個社別に2050年までの財務内容を推計する手法と、セクターレベルに拡大した手法を組み合わせて影響を分析し、分析結果から債務者区分の変遷をもとに、与信関係費用の増加額を算出 | ・ハザードマップのデータから洪水発生時の取引先の財務への影響、担保への影響を算出したうえで、シナリオを踏まえ推計した2100年までの洪水発生確率を勘案し、与信関係費用の増加額を算出 |
| 分析対象 | 貸出のある国内事業法人(金融機関などは含まれない) うち ・「電力」セクター(再エネは除く) ・「石油・ガス」セクター ・「自動車」および「自動車関連」セクター ・「鉄鋼」セクター | 貸出のある国内事業法人(金融機関などは含まれない)および個人事業主 |
| 分析期間 | 2050年まで | 2100年まで |
| 分析結果 | 与信関係費用:103億円~754億円* Net Zero 2050:754億円 Below 2℃:103億円 *Current Policiesシナリオとの差額 | 与信関係費用:182億円~409億円 |
※最新の分析結果については、2024年7月に当社ウェブサイト
(URL https://www.concordia-fg.jp/shareholder/ir/disclosure/index.html)において公表予定の「コンコルディア・フィナンシャルグループ統合報告書2024」をご参照ください。
B. 機会
気候変動に伴い脱炭素社会へ移行する過程において、政策・規制の強化や技術革新、消費者の価値観の変化による事業への影響(移行リスク)および自然災害の激甚化や異常気象による事業への影響(物理的リスク)により、お客さまの事業価値に毀損等が生じる場合には、お客さまとの取引関係を通じて当社グループの事業にも影響を及ぼすと認識しております。こうした認識から、当社グループは、お客さまの本業支援の取り組みの一環として、エンゲージメントを通じてお客さまの気候変動への対応を積極的に支援することで、お客さまの事業基盤が強化されることにより、当社グループ自身の成長機会の拡大や経営の安定等につながるものと考えております。
こうした考え方にもとづく主な取組状況は以下のとおりであります。
a. お客さまとのエンゲージメントの強化とお客さまの取り組みフェーズに応じた最適なソリューションの提供
当社グループは、中小企業のお客さまをはじめ、サプライチェーンの上流に位置する上場会社や地域の中核となる企業のお客さまなど、さまざまなお客さまとの取引関係を有しております。こうしたお客さまとのエンゲージメントを通じて移行リスクや物理的リスクの低減、成長機会拡大のための課題を共有したうえで、お客さまの課題解決に資するソリューションラインアップの充実をはかるとともに、お客さまごとの取り組みフェーズに応じた最適なソリューションを提供していくことが重要と認識しております。

b. 投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロに向けた取り組み
日本では2050年のカーボンニュートラルの実現を目標として掲げ、企業や産業の脱炭素化の推進がはかられておりますが、こうした目標の実現に向けて、当社グループは金融機関として、投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量ネットゼロの実現を通じて貢献していくことができると認識しております。
このような認識のもとで、2022年度には、投融資ポートフォリオのGHG排出量の計測・開示に係る取り組みを進める国際イニシアティブPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)に加盟するとともに、PCAFの定める基準にもとづき、事業貸出を中心に投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量(※)を算定しました。
こうした算定結果を踏まえ、お客さまのGHG排出量削減を支援するためのアクションプランを策定しております。炭素強度が高い「電力」、「石炭」および「石油・ガス」セクターを「GHG排出量削減の目標設定セクター」として選定し、個社ごとのきめ細かいエンゲージメントを通じてGHG排出量削減に向けた取り組みを支援しております。なお、目標設定については、現在検討を進めております。
また、中小企業をはじめとしたサプライチェーンの裾野の広い「自動車・部品」セクターに加え、脱炭素に向けた取り組みに長期間を要することが見込まれる「金属・鉱業」セクターを「エンゲージメント重点セクター」に追加しました。サプライチェーンへの影響度が高いお客さまからエンゲージメントを進め、GHG排出量の可視化、削減に向けた目標設定および削減のための取り組みを支援していきます。
※投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量に関する詳細な情報については、2024年7月に当社ウェブサイト(URL https://www.concordia-fg.jp/shareholder/ir/disclosure/index.html)において公表予定の「コンコルディア・フィナンシャルグループ統合報告書2024」をご参照ください。