有価証券報告書-第29期(2024/10/01-2025/09/30)
文中における将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「世界を変える仲間をつくる。」をミッションとし、個の力では達成できないことでも仲間を増やし協力し合うことで実現できるという考えに基づき、複数の会社が力を合わせて成長・発展するための仲間づくりこそがM&Aの本質にあると捉え、その仲間づくりを支援することで、顧客の成長・発展に貢献していくことを目指しております。当社の主力業務であるM&A仲介は、売却したい方と買収したい方の結びつけを支援するものであり、まずはM&A当事者の期待に応えることを主目的としております。しかしながら、M&Aはその事業や会社にかかわる多くのステークホルダーへも影響を及ぼすものであります。当事者に加えステークホルダーの多くがM&Aをして良かったと感じ、更に協力することで、次の成長・発展を目指していく、このような案件を多く創出していくことを経営方針としております。
(2) 経営環境
中堅・中小企業を譲渡対象とするM&A市場環境は、オーナー社長の高齢化や後継者不在の企業数の増加を背景に、中長期的に増加傾向にあります。政府も、後継者不在企業の廃業による希少な経営資源の散逸を回避するための事業承継型M&A、人手不足が深刻化する環境下での中小企業の成長・生産性向上実現のための成長・生産性向上型M&Aなどを支援し、中小企業の育成・存続に向けた各種の施策に取り組んでいる結果、中小企業のM&Aも社会的に普及しております。ところが、日本における社長の高齢化や中小企業における人手不足も改善しておらず、市場承継のためのM&A活用ニーズや、成長のためM&A活用したいニーズ、M&Aの普及に伴い増えているものと推測しております。
一方、昨今、M&A仲介業者が関与した案件で、不適切なM&A取引が実際に起きていることを問題視する報道があり、M&A仲介業者に対して厳しい目が向けられるようになりました。このような問題を受けて、2024年8月に中小企業庁より「中小M&Aガイドライン」(以下、「ガイドライン」)の第3版が改訂・公表され、また、業界団体による自主規制や業界健全化に向けた取組みも行われ、不適切なM&A取引の抑制に向けた規制が強化され、これまで以上にM&A支援サービスの質の確保が求められている環境となっています。
(3) 対処すべき課題
当社が事業を推進するにあたり、特に対処すべき課題は次のとおりであります。
① サービス品質の向上
M&Aを普及していくためには、顧客が安心してM&Aできる環境を整備することが重要となります。昨今、不適切なM&A取引が実際に起きていることが社会問題視されており、M&Aを行うことに不安を感じている方も増えている傾向にあると推察しております。このため、当社の顧客が安心してM&Aできる体制、業務運営を整備することが課題であると認識しております。当社ではガイドラインや業界団体による自主規制を高いレベルで遵守し、不適切なM&A取引を起こさないよう、社内体制の整備、業務の見直しを継続的に進めていく方針としています。
また、顧客の更なる期待に応えるべく、顧客に対するサービス品質の向上、サービス範囲の拡大も図っていく方針としております。とりわけ、サービス品質について、適切な資料やデータに基づき、適切にアドバイスを行うことが、顧客が安心してM&Aできる環境整備において重要となりますので、従業員の知識やスキルの向上に向けて教育・研修を充実させていく必要があります。さらに、顧客に対して満足度調査を実施し、その意見を業務改善やサービス向上にフィードバックする取組みを進めることで、当社独自のサービス品質の向上に努めてまいります。
② 人材の確保・育成・働きやすい環境づくり
顧客のM&Aを支援し、M&A仲介事業を持続的に成長させるために重要となるのが、コンサルタントの増員となります。コンサルタントについては、これまでは中途採用を中心とした採用を行ってまいりました。中途採用の場合、採用市場全体の動向や同業との採用競争などにより、安定的な採用が難しい面があります。さらに、今後は、労働人口の減少の問題もあり、採用が徐々に困難となる可能性があります。一方、M&A仲介にあたっては、M&Aにかかる経済・法律知識や顧客の業界動向・業界規制、ガイドライン・業界自主規制など、様々な知識・スキルが必要となりますが、従前に比べ、コンサルタントが活躍するために習得しなければならない知識・スキルの量も増え、育成する時間もかかるようになってきております。
このような状況で、安定的な採用、十分な教育体制を確保し、事業を持続的に成長させていくために、新卒採用を中心とした採用に徐々にシフトしていく方針としています。新卒採用の場合、一般的には中途採用に比べ収益貢献するようになるまでの期間が長くなる傾向にあるため、一時的に労働生産性が下がる局面も想定されますが、中長期での持続的な成長を優先させる方針としております。
また、従業員の育成のため、専門的知識や専門的スキルの向上のための社内研修の充実、M&A情報の共有等の施策に取り組んでまいります。加えて、チーム制を導入しており、チームとして多様な案件に対応することを通じて、個人の経験を高める施策を推進し、早期に収益貢献できるよう育成に努めてまいります。優秀なM&Aコンサルタントの定着率を向上させるため、成果主義に基づく給与制度や人事考課制度を採用しておりますが、社会環境や組織構造の変化に対応して随時見直しを行うとともに、従業員が積極的に仕事に取り組める環境を整備してまいります。
③ 多様なM&Aニーズへの対応
これまでの市場環境としては、オーナー社長の高齢化や後継者不在の企業数の増加を背景に、日本国内の中堅・中小企業のM&Aは拡大傾向にあります。後継者不在のM&Aが無くなることはありませんが、どこかでピークアウトを迎える可能性があります。一方、将来的な労働人口の減少やテクノロジーの進展などを踏まえると、今後は、存続していくための更なる成長のためのM&A、海外企業とのM&A、大企業とスタートアップ企業のイノベーション型M&Aが増えていくことが予想されます。経済環境に応じて、M&Aの目的やニーズも変化することになりますが、当社としては、様々なニーズに応えられるよう支援するM&A仲介領域の拡大を進めてまいります。スタートアップ企業の成長を支援するM&A、医療機関存続を目的としたM&A、地域活性化を目的としたプロスポーツチームM&A、国内企業・海外企業とのクロスボーダーのM&Aなどについてはすでに取組んでおりますが、当該M&Aの支援件数も増やしていくとともに、それ以外でも当社が強みを持てるM&A領域を開拓していく方針としています。
④ 事業領域の拡大
現状の当社事業については、一部においてファイナンシャル・アドバイザリー業務、企業価値評価業務、M&Aにかかるコンサルティング業務などを行っていますが、M&A仲介業務が全体のほとんどを占めている状況であります。
今後、M&A仲介サービスを更に充実させていくためには、仲介業務だけでなく、それに付随する業務も開始又は拡充する必要があると考えております。また、大企業に対してもM&A支援を行っていくために、M&A仲介ではなく、譲渡希望先又は買収希望先の片側のみにサービス提供するファイナンシャル・アドバイザリー業務を拡充することも重要であると考えています。
このような方針のもと、既存のM&A仲介業務と事業を整理・区分し、それぞれの事業を機動的に進めていくため、2026年9月期中に持株会社体制へ移行する方針としております。既存のM&A仲介業務については子会社で運営していき、新たな業務についても子会社を設立し、進めていく予定としております。
⑤ ガバナンス体制の強化・サステナビリティへの取組みの充実
当事業年度においては、新たに経営企画部及びIR室を新設し、管理体制の強化やステークホルダーとの関係強化を進めております。
また、サステナビリティ推進委員会を中心に、重要課題(マテリアリティ)の特定や、重要課題を達成するための指標及び具体的な目標に対しての実績を測定、分析し、サステナビリティへの取組みを推進していくとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示に加え、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った自然関連の課題への対応に新たに取り組んでおります。
持株会社体制へ移行した後につきましても、引き続き、ガバナンス体制の強化、サステナビリティへの取組みの充実を推進してまいります。
(4) 経営目標
経営方針、経営環境、及び対処すべき課題を踏まえて、今後3年間において、下記のとおり成約組数及び売上高を増加させていくことを当面の目標としております。
また、当社の業務の特殊性から、人員増加がすぐに売上に繋がらない特徴があり、「人の増加」→「案件の増加」→「成約数の増加(=売上の増加)」といった影響がある一定の期間を経過して発生することになります。このため、成約組数達成のための先行指標となる新規受託件数、新規受託件数の先行指標となるコンサルタント増員数も下記のとおりの目標としております。これらの数値目標は、毎期、その期の活動状況を踏まえ、見直す方針としております。
(1) 経営方針
当社は、「世界を変える仲間をつくる。」をミッションとし、個の力では達成できないことでも仲間を増やし協力し合うことで実現できるという考えに基づき、複数の会社が力を合わせて成長・発展するための仲間づくりこそがM&Aの本質にあると捉え、その仲間づくりを支援することで、顧客の成長・発展に貢献していくことを目指しております。当社の主力業務であるM&A仲介は、売却したい方と買収したい方の結びつけを支援するものであり、まずはM&A当事者の期待に応えることを主目的としております。しかしながら、M&Aはその事業や会社にかかわる多くのステークホルダーへも影響を及ぼすものであります。当事者に加えステークホルダーの多くがM&Aをして良かったと感じ、更に協力することで、次の成長・発展を目指していく、このような案件を多く創出していくことを経営方針としております。
(2) 経営環境
中堅・中小企業を譲渡対象とするM&A市場環境は、オーナー社長の高齢化や後継者不在の企業数の増加を背景に、中長期的に増加傾向にあります。政府も、後継者不在企業の廃業による希少な経営資源の散逸を回避するための事業承継型M&A、人手不足が深刻化する環境下での中小企業の成長・生産性向上実現のための成長・生産性向上型M&Aなどを支援し、中小企業の育成・存続に向けた各種の施策に取り組んでいる結果、中小企業のM&Aも社会的に普及しております。ところが、日本における社長の高齢化や中小企業における人手不足も改善しておらず、市場承継のためのM&A活用ニーズや、成長のためM&A活用したいニーズ、M&Aの普及に伴い増えているものと推測しております。
一方、昨今、M&A仲介業者が関与した案件で、不適切なM&A取引が実際に起きていることを問題視する報道があり、M&A仲介業者に対して厳しい目が向けられるようになりました。このような問題を受けて、2024年8月に中小企業庁より「中小M&Aガイドライン」(以下、「ガイドライン」)の第3版が改訂・公表され、また、業界団体による自主規制や業界健全化に向けた取組みも行われ、不適切なM&A取引の抑制に向けた規制が強化され、これまで以上にM&A支援サービスの質の確保が求められている環境となっています。
(3) 対処すべき課題
当社が事業を推進するにあたり、特に対処すべき課題は次のとおりであります。
① サービス品質の向上
M&Aを普及していくためには、顧客が安心してM&Aできる環境を整備することが重要となります。昨今、不適切なM&A取引が実際に起きていることが社会問題視されており、M&Aを行うことに不安を感じている方も増えている傾向にあると推察しております。このため、当社の顧客が安心してM&Aできる体制、業務運営を整備することが課題であると認識しております。当社ではガイドラインや業界団体による自主規制を高いレベルで遵守し、不適切なM&A取引を起こさないよう、社内体制の整備、業務の見直しを継続的に進めていく方針としています。
また、顧客の更なる期待に応えるべく、顧客に対するサービス品質の向上、サービス範囲の拡大も図っていく方針としております。とりわけ、サービス品質について、適切な資料やデータに基づき、適切にアドバイスを行うことが、顧客が安心してM&Aできる環境整備において重要となりますので、従業員の知識やスキルの向上に向けて教育・研修を充実させていく必要があります。さらに、顧客に対して満足度調査を実施し、その意見を業務改善やサービス向上にフィードバックする取組みを進めることで、当社独自のサービス品質の向上に努めてまいります。
② 人材の確保・育成・働きやすい環境づくり
顧客のM&Aを支援し、M&A仲介事業を持続的に成長させるために重要となるのが、コンサルタントの増員となります。コンサルタントについては、これまでは中途採用を中心とした採用を行ってまいりました。中途採用の場合、採用市場全体の動向や同業との採用競争などにより、安定的な採用が難しい面があります。さらに、今後は、労働人口の減少の問題もあり、採用が徐々に困難となる可能性があります。一方、M&A仲介にあたっては、M&Aにかかる経済・法律知識や顧客の業界動向・業界規制、ガイドライン・業界自主規制など、様々な知識・スキルが必要となりますが、従前に比べ、コンサルタントが活躍するために習得しなければならない知識・スキルの量も増え、育成する時間もかかるようになってきております。
このような状況で、安定的な採用、十分な教育体制を確保し、事業を持続的に成長させていくために、新卒採用を中心とした採用に徐々にシフトしていく方針としています。新卒採用の場合、一般的には中途採用に比べ収益貢献するようになるまでの期間が長くなる傾向にあるため、一時的に労働生産性が下がる局面も想定されますが、中長期での持続的な成長を優先させる方針としております。
また、従業員の育成のため、専門的知識や専門的スキルの向上のための社内研修の充実、M&A情報の共有等の施策に取り組んでまいります。加えて、チーム制を導入しており、チームとして多様な案件に対応することを通じて、個人の経験を高める施策を推進し、早期に収益貢献できるよう育成に努めてまいります。優秀なM&Aコンサルタントの定着率を向上させるため、成果主義に基づく給与制度や人事考課制度を採用しておりますが、社会環境や組織構造の変化に対応して随時見直しを行うとともに、従業員が積極的に仕事に取り組める環境を整備してまいります。
③ 多様なM&Aニーズへの対応
これまでの市場環境としては、オーナー社長の高齢化や後継者不在の企業数の増加を背景に、日本国内の中堅・中小企業のM&Aは拡大傾向にあります。後継者不在のM&Aが無くなることはありませんが、どこかでピークアウトを迎える可能性があります。一方、将来的な労働人口の減少やテクノロジーの進展などを踏まえると、今後は、存続していくための更なる成長のためのM&A、海外企業とのM&A、大企業とスタートアップ企業のイノベーション型M&Aが増えていくことが予想されます。経済環境に応じて、M&Aの目的やニーズも変化することになりますが、当社としては、様々なニーズに応えられるよう支援するM&A仲介領域の拡大を進めてまいります。スタートアップ企業の成長を支援するM&A、医療機関存続を目的としたM&A、地域活性化を目的としたプロスポーツチームM&A、国内企業・海外企業とのクロスボーダーのM&Aなどについてはすでに取組んでおりますが、当該M&Aの支援件数も増やしていくとともに、それ以外でも当社が強みを持てるM&A領域を開拓していく方針としています。
④ 事業領域の拡大
現状の当社事業については、一部においてファイナンシャル・アドバイザリー業務、企業価値評価業務、M&Aにかかるコンサルティング業務などを行っていますが、M&A仲介業務が全体のほとんどを占めている状況であります。
今後、M&A仲介サービスを更に充実させていくためには、仲介業務だけでなく、それに付随する業務も開始又は拡充する必要があると考えております。また、大企業に対してもM&A支援を行っていくために、M&A仲介ではなく、譲渡希望先又は買収希望先の片側のみにサービス提供するファイナンシャル・アドバイザリー業務を拡充することも重要であると考えています。
このような方針のもと、既存のM&A仲介業務と事業を整理・区分し、それぞれの事業を機動的に進めていくため、2026年9月期中に持株会社体制へ移行する方針としております。既存のM&A仲介業務については子会社で運営していき、新たな業務についても子会社を設立し、進めていく予定としております。
⑤ ガバナンス体制の強化・サステナビリティへの取組みの充実
当事業年度においては、新たに経営企画部及びIR室を新設し、管理体制の強化やステークホルダーとの関係強化を進めております。
また、サステナビリティ推進委員会を中心に、重要課題(マテリアリティ)の特定や、重要課題を達成するための指標及び具体的な目標に対しての実績を測定、分析し、サステナビリティへの取組みを推進していくとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示に加え、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った自然関連の課題への対応に新たに取り組んでおります。
持株会社体制へ移行した後につきましても、引き続き、ガバナンス体制の強化、サステナビリティへの取組みの充実を推進してまいります。
(4) 経営目標
経営方針、経営環境、及び対処すべき課題を踏まえて、今後3年間において、下記のとおり成約組数及び売上高を増加させていくことを当面の目標としております。
また、当社の業務の特殊性から、人員増加がすぐに売上に繋がらない特徴があり、「人の増加」→「案件の増加」→「成約数の増加(=売上の増加)」といった影響がある一定の期間を経過して発生することになります。このため、成約組数達成のための先行指標となる新規受託件数、新規受託件数の先行指標となるコンサルタント増員数も下記のとおりの目標としております。これらの数値目標は、毎期、その期の活動状況を踏まえ、見直す方針としております。
| 2025年9月期 (実績) | 2026年9月期 (目標) | 2027年9月期 (目標) | 2028年9月期 (目標) | |
| 成約組数(組) | 275 | 329 | 370 | 411 |
| 売上高(百万円) | 20,314 | 24,346 | 27,195 | 30,003 |
| 新規受託(件) | 1,181 | 1,270 | 1,445 | 1,639 |
| M&Aコンサルタント数(人) | 452 | 509 | 574 | 645 |