有価証券報告書-第14期(平成28年10月1日-平成29年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)経営方針
当社は、「世界中の人々を魅了する会社を創る」をビジョンに掲げ、ビッグデータの解析をはじめとしたテクノロジーを駆使することでHR領域(Human Resources=企業の人的資源)に変革を起こし、従来の人材サービスでは提供し得なかった本質的な価値を提供するべく事業活動を行っております。
(2)経営戦略等
当社の経営戦略の現状と見通しは以下の通りです。主力サービスであるGreenを成長軌道に乗せる一方、複数の新規事業を創造し、収益化させていく方針です。
(ⅰ)人材紹介サービスのリプレイス(注1)
当社は、Greenを通じて、従来の人材紹介サービスのリプレイスを実現したいと考えています。日本のHR領域におけるサービスの多くは、高コスト構造に陥りやすい旧態依然とした労働集約型のビジネスモデルや、情報を囲い込むことによって価値を生み出そうとするクローズドなビジネスモデルを中心に構成されてきたと考えています。しかし、パソコン、タブレット端末、スマートフォン等の普及、ビッグデータ解析等のテクノロジーの進化、さらにはFacebookやTwitter等のソーシャルメディアやブログを中心に個人が積極的に情報を発信する情報のオープン化が進む現代においては、書店や小売、不動産業界等と同様に、HR領域においても、従来のサービスでは提供し得なかった本質的な価値を提供すること(「第一部 企業情報 第1企業の概況 3 事業の内容 (1)成功報酬型求人メディアGreen」に記載の「①成功報酬型のビジネスモデル」及び「②ビッグデータの活用」等による価値の提供)が可能になると考えています。
(注)1.「リプレイス(replace)」とは「置き換える・取って代わる」等を意味する言葉であり、経営戦略においては「既存の業界のサービスを新しい技術で置き換える」という意味で使用されます。
(ⅱ)HR新市場の創造
当社は、これまで培ったノウハウ、経験、Greenの顧客基盤等を活用し、HR領域における新市場の創造及びビッグデータ、テクノロジーを駆使した先行者優位性を持つビジネスモデルの創造を目指します。本書提出日現在、以下の新規事業を立ち上げております。
「wevox」
wevoxは、会社への「愛着心」や「思い入れ」などのエンゲージメントや組織の現状を、本サービス上で用意している独自のサーベイを用いて定量的かつ多角的に把握し、それを元に組織を改善していくためのサービスになります。労働安全衛生法の改正により、平成27年12月より労働者数が50名以上の全事業者に義務化されたストレスチェックも、本サービスにて実施・対応することができます。
当社は創業以来、Greenにより企業の採用支援を通じて、多くの人と企業のマッチングを実現してきました。
しかしながら、IT業界を始めとした昨今の知識労働社会においては、採用という雇用の入り口だけでなく、人材の流動性の高まりや多様な働き方の浸透に伴い「人材の定着及び活用」こそが、将来の企業経営における極めて重要な課題になるであろうと判断し、新規事業として開始致しました。
「yenta」
yentaは、人工知能とビッグデータ解析等のテクノロジーによって、人間関係や能力、志向を理解し、ビジネス領域における「人と企業」「人と人」の新たな出会いを生み出すサービスです。yentaは、主にビジネスパーソン向けに、「人と人」との新たな出会いを提供すべく新規事業として開始致しました。
yentaは、TalentBaseの解析アルゴリズムを活用し、ビジネスパーソン同士の様々な目的(採用、転職、情報交換、情報収集、人脈形成、営業活動等)での出会いを実現するスマートフォンアプリです。
yentaの利用ユーザーの情報(プロフィール、興味、関心、アクション履歴)をTalentBaseに取り込むことで、利用ユーザー同士の相性や親和性等の情報をyentaにフィードバックすることが可能です。
(ⅲ)グローバル市場への進出
当社は、継続的な事業拡大のためには、これまで培ったノウハウ、ナレッジを活用し、より大きな市場である欧米、アジアをはじめ今後成長が期待される地域を中心とした海外に向けたサービスを提供することが重要であると考えています。平成28年より、段階的ながらも社内公用語を英語に切り替え、優秀な外国人を採用し、海外進出を意識した経営を行っております。
(ⅳ)組織運営
①当社の目指す組織の在り方
当社は、優秀で意欲ある人材の採用、育成、定着が極めて重要との考えのもと、出世を前提としたピラミッド型の組織を廃止し、フラットなプロジェクト型の組織運営にすることで、意思決定のスピードを速め、変化に迅速に対応し、さらには社員一人ひとりの経営視点や参画意識を高めるよう努めています。
かかる組織を実現すべく、当社全従業員(アルバイトを除く。)に対する特定譲渡制限付株式の発行を行っております。これにより、さらに経営への参画意識を高め、従業員自ら高い意識を持ち、日々の業務にあたることを期待しています。
②組織運営の方針
当社は、成長市場における長期的な競争力として組織力を重視しています。優秀な人材を惹き付け、その人材が高いロイヤリティと共に長期に渡り活躍するのが当社の持つ魅力であると考えています。
当社は、採用活動を会社経営の最重要事項と捉えており、個人の価値観や能力はもちろんのこと、人間性や既存メンバーとの相性なども十分に吟味した採用活動を行っております。そのため、過剰な人材採用を行うことはせず、労働生産性にこだわりを持った経営を行っております。
また、当社は新卒採用を中心とした組織作りを行っております。学生時代の経験やスキルはもちろんのこと、価値観や人間性など全ての要素において一切の妥協を許さず、少しでも採用基準に満たない部分があれば採用を見送るという厳選した採用活動を行っております。若い社員だからこそ、高い柔軟性を持ち、最新の技術へキャッチアップするスピードが速く、大きな事業環境の変化にも即座に対応できる能力を持っており、急激な成長を遂げる可能性を秘めていると考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高及び営業利益を重要指標としております。
(4)経営環境
当社がターゲットとするIT・Web業界は、以下の点から成長トレンドにあると考えています。
・日本のインターネット広告市場は、7,747億円(平成22年)から1兆3,100億円(平成28年)に拡大しています(注2)。また、日本及び米国の広告費(平成27年)を媒体別に見ると、日本のインターネット広告の割合は20.8%(注2)、米国のインターネット広告の割合は28.3%(注3)であり、十分な成長余地があると考えています。
・日本の一般消費者向け電子商取引(EC)の市場規模は、7兆7,880億円(平成22年)から15兆1,358億円(平成28年)に拡大しています(注4)。また日本のEC化率は5.43%であり(注4)、中国や米国と比較すると十分な成長余地があると考えています。
・平成18年から平成29年にかけて、インターネット端末への1日当たりの接触時間が107分増加しています。携帯電話及びスマートフォンへの接触時間がその伸びを牽引しています(注5)。
IT・Web業界の求人動向については、平成29年9月時点で「IT/通信業」における転職求人倍率は約6倍であり、近年は高水準で推移している状況にあります。また、職種別に見ても「技術系(IT/通信)」は倍率が8.00倍に迫るなど、需要が高まっています(注6)。
当社は、IT・Web業界に特化した求人メディアというポジションの確立、ビッグデータ解析等のテクノロジーの更なる進化による書類選考通過率の向上等により、IT・Web業界における更なるシェアの拡大を目指します。IT業界に特化することにより、業界内の認知度・ブランド力の向上、求職者・求人企業の獲得効率の向上に繋がり、マーケットシェアが向上すれば、さらに認知度・ブランド力が向上するという好循環を実現できると考えています。
(注)2.電通総研メディアイノベーション研究部「2016年(平成28年)日本の広告費」
3.Strategy Analytics「US Ad Spend to Grow 3.2% in 2015 to $186.6 Billion」(平成27年1月)
4.経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」
5.株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査2017」
6.株式会社インテリジェンス 転職サービス「DODA」転職求人レポート(2017年9月)
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
(ⅰ)サービスの知名度向上
当社は、テレビや新聞、雑誌、ラジオ等のマスメディア向けの広告は実施しておらず、これまで培ってきたWebマーケティングのノウハウを活用することにより、Green及び新規事業に係る登録者を獲得してまいりました。その結果としてIT・Web業界においては相応の知名度を獲得できたと考えております。
一方でGreenのターゲット市場の一つとして考えている国内人材紹介業界の市場規模は2,500億円(出典:株式会社矢野経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査 2017」)と予測されています。今後も上向きの景気動向に後押しされ、市場はますます拡大していくものと推測されることから、IT・Web業界を越えた幅広い業界における知名度の向上、競合企業との差別化を明確にしたブランドの確立が重要であると認識しております。
そのためにも、これまで構築してきたWebマーケティングと並行し、費用対効果を慎重に考慮した上で、マスメディアを活用した広告宣伝及びプロモーション活動も検討してまいります。
なお、新規事業であるwevox及びyentaにつきましても、知名度向上に向けた広告宣伝を実施する予定です。
(ⅱ)新規事業における収益拡大
当社は、主力サービスであるGreenを中心に堅調に成長している一方で、Greenの収益力への依存度が高い状態にあります。長期的に成長し続ける組織であるためにも、今後複数の事業を収益化させ、発展・拡大させていくことが極めて重要だと考えております。
Greenに次ぐ新規事業として、wevox及びyentaにより、収益拡大を図ってまいります。
また、その他構想・検討している新規事業に関しましても、未来の収益の柱へと育てるべく尽力してまいります。
(ⅲ)ビッグデータの有効活用
当社は、創業当初から転職・採用等のHR領域に特化したノウハウや経験を有しており、かつ、それらを属人的なものではなく競争優位性の高い独自のデータとして蓄積してまいりました。このいわゆるビッグデータをさらに有効活用し、優位にかつスピーディに事業を展開していくことが重要であると考えております。
また、継続的・安定的にデータを蓄積しつつも、今まで以上にデータの解析精度を向上させ、データを活用した新規事業の創造へと取り組んでまいります。
(ⅳ)組織体制の強化
当社は、知的産業社会で価値を生み出す最大のリソースは「人」であり、その集合体としての「組織」であると考えています。そのためにも能力と意欲を兼ね備え、かつ当社の持つ価値観や目指す方向性に強く共感する人材のみを採用することを徹底しております。またそのような優秀な人材が長期にわたってやりがいを感じて働くことができるよう、旧態依然とした出世や役職といった考え方を撤廃し、全社員に権利と責任を付与したフラットなプロジェクト制での組織運営を行っております。
この取り組みの徹底のため、全社員にプロとしての意識・自発的な行動・成果を求める一方、情報共有の徹底やビジネスで成果を出す上で不必要な管理やルールの排除を行っております。その結果、当社は極めて高い定着率を誇り、新卒や若い社員を育成するノウハウを保持することに成功しております。
しかしながら、今後複数の事業のスピーディな拡大・成長を実現する上で、これまでと同様の水準を保ちながら、人材を確保していくことが当社の発展における課題であると認識しております。
そのため、ソーシャルメディアを活用したダイレクトリクルーティングの活用や従業員からの紹介制度の強化等、多様な採用手法を用いて人材の獲得に努めるとともに、優秀な社員が定着し続けるような創意工夫をし続けてまいります。
(ⅴ)情報管理体制の強化
当社の運営する事業は、膨大な個人情報を保持しております。そのため、個人情報保護に関しては重要課題と認識しており、個人情報に関する社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施やセキュリティシステムの整備を行っております。また、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマーク制度の認証を取得しており、引き続き、情報管理体制の強化、徹底を図ってまいります。
(ⅵ)グローバル市場への進出
当社の継続的な事業拡大のためには、これまで培ってきたノウハウ、ナレッジを活用し、より大きな市場である欧米、アジアをはじめとする今後成長が期待される地域を中心とした海外に向けたサービス提供を推進することが重要だと認識しております。それに伴い平成28年より、優秀な外国人を採用し、社内英語研修等を実施するなど、段階的ながらも海外進出を意識した経営を行っております。またこれらと同時に、市場調査も継続的に行っていく中で、現地法人設立や現地有力企業とのパートナーシップの構築等の検討も進めてまいります。
(1)経営方針
当社は、「世界中の人々を魅了する会社を創る」をビジョンに掲げ、ビッグデータの解析をはじめとしたテクノロジーを駆使することでHR領域(Human Resources=企業の人的資源)に変革を起こし、従来の人材サービスでは提供し得なかった本質的な価値を提供するべく事業活動を行っております。
(2)経営戦略等
当社の経営戦略の現状と見通しは以下の通りです。主力サービスであるGreenを成長軌道に乗せる一方、複数の新規事業を創造し、収益化させていく方針です。
(ⅰ)人材紹介サービスのリプレイス(注1)
当社は、Greenを通じて、従来の人材紹介サービスのリプレイスを実現したいと考えています。日本のHR領域におけるサービスの多くは、高コスト構造に陥りやすい旧態依然とした労働集約型のビジネスモデルや、情報を囲い込むことによって価値を生み出そうとするクローズドなビジネスモデルを中心に構成されてきたと考えています。しかし、パソコン、タブレット端末、スマートフォン等の普及、ビッグデータ解析等のテクノロジーの進化、さらにはFacebookやTwitter等のソーシャルメディアやブログを中心に個人が積極的に情報を発信する情報のオープン化が進む現代においては、書店や小売、不動産業界等と同様に、HR領域においても、従来のサービスでは提供し得なかった本質的な価値を提供すること(「第一部 企業情報 第1企業の概況 3 事業の内容 (1)成功報酬型求人メディアGreen」に記載の「①成功報酬型のビジネスモデル」及び「②ビッグデータの活用」等による価値の提供)が可能になると考えています。
(注)1.「リプレイス(replace)」とは「置き換える・取って代わる」等を意味する言葉であり、経営戦略においては「既存の業界のサービスを新しい技術で置き換える」という意味で使用されます。
(ⅱ)HR新市場の創造
当社は、これまで培ったノウハウ、経験、Greenの顧客基盤等を活用し、HR領域における新市場の創造及びビッグデータ、テクノロジーを駆使した先行者優位性を持つビジネスモデルの創造を目指します。本書提出日現在、以下の新規事業を立ち上げております。
「wevox」
wevoxは、会社への「愛着心」や「思い入れ」などのエンゲージメントや組織の現状を、本サービス上で用意している独自のサーベイを用いて定量的かつ多角的に把握し、それを元に組織を改善していくためのサービスになります。労働安全衛生法の改正により、平成27年12月より労働者数が50名以上の全事業者に義務化されたストレスチェックも、本サービスにて実施・対応することができます。
当社は創業以来、Greenにより企業の採用支援を通じて、多くの人と企業のマッチングを実現してきました。
しかしながら、IT業界を始めとした昨今の知識労働社会においては、採用という雇用の入り口だけでなく、人材の流動性の高まりや多様な働き方の浸透に伴い「人材の定着及び活用」こそが、将来の企業経営における極めて重要な課題になるであろうと判断し、新規事業として開始致しました。
「yenta」
yentaは、人工知能とビッグデータ解析等のテクノロジーによって、人間関係や能力、志向を理解し、ビジネス領域における「人と企業」「人と人」の新たな出会いを生み出すサービスです。yentaは、主にビジネスパーソン向けに、「人と人」との新たな出会いを提供すべく新規事業として開始致しました。
yentaは、TalentBaseの解析アルゴリズムを活用し、ビジネスパーソン同士の様々な目的(採用、転職、情報交換、情報収集、人脈形成、営業活動等)での出会いを実現するスマートフォンアプリです。
yentaの利用ユーザーの情報(プロフィール、興味、関心、アクション履歴)をTalentBaseに取り込むことで、利用ユーザー同士の相性や親和性等の情報をyentaにフィードバックすることが可能です。
(ⅲ)グローバル市場への進出
当社は、継続的な事業拡大のためには、これまで培ったノウハウ、ナレッジを活用し、より大きな市場である欧米、アジアをはじめ今後成長が期待される地域を中心とした海外に向けたサービスを提供することが重要であると考えています。平成28年より、段階的ながらも社内公用語を英語に切り替え、優秀な外国人を採用し、海外進出を意識した経営を行っております。
(ⅳ)組織運営
①当社の目指す組織の在り方
当社は、優秀で意欲ある人材の採用、育成、定着が極めて重要との考えのもと、出世を前提としたピラミッド型の組織を廃止し、フラットなプロジェクト型の組織運営にすることで、意思決定のスピードを速め、変化に迅速に対応し、さらには社員一人ひとりの経営視点や参画意識を高めるよう努めています。
かかる組織を実現すべく、当社全従業員(アルバイトを除く。)に対する特定譲渡制限付株式の発行を行っております。これにより、さらに経営への参画意識を高め、従業員自ら高い意識を持ち、日々の業務にあたることを期待しています。
②組織運営の方針
当社は、成長市場における長期的な競争力として組織力を重視しています。優秀な人材を惹き付け、その人材が高いロイヤリティと共に長期に渡り活躍するのが当社の持つ魅力であると考えています。
当社は、採用活動を会社経営の最重要事項と捉えており、個人の価値観や能力はもちろんのこと、人間性や既存メンバーとの相性なども十分に吟味した採用活動を行っております。そのため、過剰な人材採用を行うことはせず、労働生産性にこだわりを持った経営を行っております。
また、当社は新卒採用を中心とした組織作りを行っております。学生時代の経験やスキルはもちろんのこと、価値観や人間性など全ての要素において一切の妥協を許さず、少しでも採用基準に満たない部分があれば採用を見送るという厳選した採用活動を行っております。若い社員だからこそ、高い柔軟性を持ち、最新の技術へキャッチアップするスピードが速く、大きな事業環境の変化にも即座に対応できる能力を持っており、急激な成長を遂げる可能性を秘めていると考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高及び営業利益を重要指標としております。
(4)経営環境
当社がターゲットとするIT・Web業界は、以下の点から成長トレンドにあると考えています。
・日本のインターネット広告市場は、7,747億円(平成22年)から1兆3,100億円(平成28年)に拡大しています(注2)。また、日本及び米国の広告費(平成27年)を媒体別に見ると、日本のインターネット広告の割合は20.8%(注2)、米国のインターネット広告の割合は28.3%(注3)であり、十分な成長余地があると考えています。
・日本の一般消費者向け電子商取引(EC)の市場規模は、7兆7,880億円(平成22年)から15兆1,358億円(平成28年)に拡大しています(注4)。また日本のEC化率は5.43%であり(注4)、中国や米国と比較すると十分な成長余地があると考えています。
・平成18年から平成29年にかけて、インターネット端末への1日当たりの接触時間が107分増加しています。携帯電話及びスマートフォンへの接触時間がその伸びを牽引しています(注5)。
IT・Web業界の求人動向については、平成29年9月時点で「IT/通信業」における転職求人倍率は約6倍であり、近年は高水準で推移している状況にあります。また、職種別に見ても「技術系(IT/通信)」は倍率が8.00倍に迫るなど、需要が高まっています(注6)。
当社は、IT・Web業界に特化した求人メディアというポジションの確立、ビッグデータ解析等のテクノロジーの更なる進化による書類選考通過率の向上等により、IT・Web業界における更なるシェアの拡大を目指します。IT業界に特化することにより、業界内の認知度・ブランド力の向上、求職者・求人企業の獲得効率の向上に繋がり、マーケットシェアが向上すれば、さらに認知度・ブランド力が向上するという好循環を実現できると考えています。
(注)2.電通総研メディアイノベーション研究部「2016年(平成28年)日本の広告費」
3.Strategy Analytics「US Ad Spend to Grow 3.2% in 2015 to $186.6 Billion」(平成27年1月)
4.経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」
5.株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査2017」
6.株式会社インテリジェンス 転職サービス「DODA」転職求人レポート(2017年9月)
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
(ⅰ)サービスの知名度向上
当社は、テレビや新聞、雑誌、ラジオ等のマスメディア向けの広告は実施しておらず、これまで培ってきたWebマーケティングのノウハウを活用することにより、Green及び新規事業に係る登録者を獲得してまいりました。その結果としてIT・Web業界においては相応の知名度を獲得できたと考えております。
一方でGreenのターゲット市場の一つとして考えている国内人材紹介業界の市場規模は2,500億円(出典:株式会社矢野経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査 2017」)と予測されています。今後も上向きの景気動向に後押しされ、市場はますます拡大していくものと推測されることから、IT・Web業界を越えた幅広い業界における知名度の向上、競合企業との差別化を明確にしたブランドの確立が重要であると認識しております。
そのためにも、これまで構築してきたWebマーケティングと並行し、費用対効果を慎重に考慮した上で、マスメディアを活用した広告宣伝及びプロモーション活動も検討してまいります。
なお、新規事業であるwevox及びyentaにつきましても、知名度向上に向けた広告宣伝を実施する予定です。
(ⅱ)新規事業における収益拡大
当社は、主力サービスであるGreenを中心に堅調に成長している一方で、Greenの収益力への依存度が高い状態にあります。長期的に成長し続ける組織であるためにも、今後複数の事業を収益化させ、発展・拡大させていくことが極めて重要だと考えております。
Greenに次ぐ新規事業として、wevox及びyentaにより、収益拡大を図ってまいります。
また、その他構想・検討している新規事業に関しましても、未来の収益の柱へと育てるべく尽力してまいります。
(ⅲ)ビッグデータの有効活用
当社は、創業当初から転職・採用等のHR領域に特化したノウハウや経験を有しており、かつ、それらを属人的なものではなく競争優位性の高い独自のデータとして蓄積してまいりました。このいわゆるビッグデータをさらに有効活用し、優位にかつスピーディに事業を展開していくことが重要であると考えております。
また、継続的・安定的にデータを蓄積しつつも、今まで以上にデータの解析精度を向上させ、データを活用した新規事業の創造へと取り組んでまいります。
(ⅳ)組織体制の強化
当社は、知的産業社会で価値を生み出す最大のリソースは「人」であり、その集合体としての「組織」であると考えています。そのためにも能力と意欲を兼ね備え、かつ当社の持つ価値観や目指す方向性に強く共感する人材のみを採用することを徹底しております。またそのような優秀な人材が長期にわたってやりがいを感じて働くことができるよう、旧態依然とした出世や役職といった考え方を撤廃し、全社員に権利と責任を付与したフラットなプロジェクト制での組織運営を行っております。
この取り組みの徹底のため、全社員にプロとしての意識・自発的な行動・成果を求める一方、情報共有の徹底やビジネスで成果を出す上で不必要な管理やルールの排除を行っております。その結果、当社は極めて高い定着率を誇り、新卒や若い社員を育成するノウハウを保持することに成功しております。
しかしながら、今後複数の事業のスピーディな拡大・成長を実現する上で、これまでと同様の水準を保ちながら、人材を確保していくことが当社の発展における課題であると認識しております。
そのため、ソーシャルメディアを活用したダイレクトリクルーティングの活用や従業員からの紹介制度の強化等、多様な採用手法を用いて人材の獲得に努めるとともに、優秀な社員が定着し続けるような創意工夫をし続けてまいります。
(ⅴ)情報管理体制の強化
当社の運営する事業は、膨大な個人情報を保持しております。そのため、個人情報保護に関しては重要課題と認識しており、個人情報に関する社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施やセキュリティシステムの整備を行っております。また、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマーク制度の認証を取得しており、引き続き、情報管理体制の強化、徹底を図ってまいります。
(ⅵ)グローバル市場への進出
当社の継続的な事業拡大のためには、これまで培ってきたノウハウ、ナレッジを活用し、より大きな市場である欧米、アジアをはじめとする今後成長が期待される地域を中心とした海外に向けたサービス提供を推進することが重要だと認識しております。それに伴い平成28年より、優秀な外国人を採用し、社内英語研修等を実施するなど、段階的ながらも海外進出を意識した経営を行っております。またこれらと同時に、市場調査も継続的に行っていく中で、現地法人設立や現地有力企業とのパートナーシップの構築等の検討も進めてまいります。