有価証券報告書-第18期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/12/25 12:09
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【項目】
66項目
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在に判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的と考えられる金額を計上しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、見積もった数値と実際の結果は異なる場合があります。
(2) 経営成績等
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済政策などを背景として企業業績や雇用、所得環境の改善傾向が継続しており、景気は緩やかな回復を続けております。一方、米国の保護主義的な通商政策や貿易摩擦の拡大、新興国の景気減速、今後予定される消費税増税など、景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
当社を取り巻く環境におきましては、超高齢社会の到来に伴い、介護費、介護保険サービス利用者数及びサービス提供事業者数は増加し、介護事業全体の底上げが続いております。平成30年度の介護保険制度改正では、高品質かつ効率的な介護サービスの提供可能な体制整備を推進する観点から、地域包括ケアシステムのより一層の推進と、ICTの活用及び介護の担い手の拡大などが謳われており、また、各市区町村において在宅医療・介護の連携推進が平成30年4月に義務化されるなど、医療・介護事業全体でサービス提供のより一層の効率化が求められております。
このような状況のもと、当社は、医療・介護をつなぐ地域包括ケアを実現するシステムを提供していることから、各省庁との共同プロジェクトに参加し、国の政策と同じ方向性をもつシステム開発会社となるよう努めるとともに、介護保険制度改正に対応する準備を整え、継続して適時にシステム改修を行い、システム利用者の負担軽減により、ユーザーの利便性の向上を図っております。その結果、昨年に引き続き当社の「カナミッククラウドサービス」が経済産業省のサービス等生産性向上IT導入補助金の対象に認定され、総務省の「IoTサービス創出支援事業」の実証実験を通じて「カナミッククラウドサービス」を基軸とした介護における各種データの活用連携を進めるとともに、高齢者の栄養改善・虚弱予防支援を対象とした新たな実証実験にも参画しております。さらに、大手在宅医療グループで在宅医療の情報連携システムに「カナミッククラウドサービス」が採用されるなど、医療・介護それぞれにおいて実績を残しております。また、「IoTサービス創出支援事業」の実証実験で得られた知見を活かし、平成30年4月より遠隔医療に豊富な実績のある国立大学法人 旭川医科大学と「遠隔医療・介護のIoTクラウド利用の地域包括ケア・グローバルモデル構築」を目的とした共同研究を開始しております。一方で、当社システムのプラットフォーム化の一環として、コンテンツサービスの充実、人材データベースマッチングサービスの稼働、サービス付き高齢者向け住宅におけるIoT連携など、他社との業務連携を進めてまいりました。
さらに、当社システムがプラットフォーム化に対応していくことに伴い取得される患者・要介護者等の情報をビッグデータとして解析し、国や自治体、保険会社等が必要としているエビデンスを見つけ出すAIサービス等の展開を通じて医療・介護分野における地域連携をさらに推進させ、患者・要介護者、全ての医療・介護事業者にソリューションを提供するための研究活動も実施しております。
これらの結果、当事業年度の売上高は1,504,408千円(前事業年度比212,553千円増、16.5%増)、営業利益は399,021千円(前事業年度比68,816千円増、20.8%増)、経常利益は380,835千円(前事業年度比50,305千円増、15.2%増)、当期純利益は256,731千円(前事業年度比33,519千円増、15.0%増)となりました。
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ212,553千円増加し、1,504,408千円となりました。これは、主に当社の主力サービスであるカナミッククラウドサービスの契約数が増加したことによるものであります。なお、当社は医療・介護分野における情報共有プラットフォームの構築を目的とする事業ならびにこれに付帯する業務の単一セグメント事業であるため、セグメント情報は記載しておりませんが、個別サービスごとの売上高は以下となります。
ⅰ カナミッククラウドサービス
カナミッククラウドサービスはストックビジネスをメインとしており、既存顧客のストック部分をベースに、継続的な新規顧客の獲得を続けた結果、売上高は1,299,047千円(前事業年度比17.0%増)となりました。
ⅱ コンテンツサービス
コンテンツサービスにつきましては、大手介護事業者からの依頼によるホームページ構築業務や公益財団法人介護労働安定センターを通じた介護事業社向けホームページの受託制作、運営・管理が安定した収益基盤となっており、また介護関連情報を提供するインターネット広告サービスも手がけることで、売上高は67,049千円(前事業年度比16.3%増)となりました。
ⅲ その他サービス
その他サービスにつきましては、大口顧客向けカスタマイズ開発やIoTサービス創出支援事業の受託などにより、売上高は138,311千円(前事業年度比12.0%増)となりました。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ128,228千円増加し、1,294,356千円となりました。これは、主にカナミッククラウドサービスの売上高が増加する一方で、カナミッククラウドサービスの機能強化に伴い、ソフトウエアの減価償却費が増加したことなどによるものであります。
(営業利益)
売上総利益は1,294,356千円と前事業年度に比べ128,228千円増加しました。これに対して、販売費及び一般管理費は895,334千円と前事業年度に比べ59,411千円増加しました。販売費及び一般管理費の増加要因は、人件費の増加や、国立大学法人 旭川医科大学との共同研究を開始したことなどによるものであります。この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ68,816千円増加し399,021千円となりました。
(経常利益)
営業利益は399,021千円と前事業年度に比べ68,816千円増加しました。これに対して、営業外収益は8千円と前事業年度に比べ675千円減少しました。これは、主に従業員教育に対する助成金収入が減少したことによるものです。また営業外費用は18,194千円と前事業年度に比べ17,835千円増加しました。これは主に上場市場の変更に伴う費用が発生したことによるものであります。この結果、当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ50,305千円増加し380,835千円となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ33,519千円増加し、256,731千円となりました。これは、主に税引前当期純利益が48,084千円増加した一方、これに伴い、法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額の合計額が14,564千円増加したことによるものであります。
②生産、受注及び販売の状況
ⅰ生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ⅱ 受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ⅲ 販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次の通りであります。
サービスの名称販売高(千円)前事業年度比(%)
カナミッククラウドサービス1,299,047117.0
コンテンツサービス67,049116.3
その他サービス138,311112.0
合計1,504,408116.5

(注)1. 当社グループの報告セグメントは単一であるため、サービス毎に記載しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態
(資産の状況)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ189,588千円増加し、1,487,876千円となりました。これは、主に現金及び預金が101,467千円、前払費用が36,535千円、カナミッククラウドサービスの機能強化や法改正対応に伴う開発によりソフトウエアが79,880千円それぞれ増加する一方で、売掛金が12,240千円、仕掛品が6,785千円、減価償却に伴い有形固定資産が3,464千円それぞれ減少したことによるものであります。
(負債の状況)
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べ26,906千円減少し、315,266千円となりました。これは、主に預り金が3,670千円増加する一方で、未払金が13,871千円、返済に伴い長期借入金が16,008千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産の状況)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ216,495千円増加し、1,172,610千円となりました。これは、主に当期純利益256,731千円を計上したことにより利益剰余金が増加した一方で、配当の実施により利益剰余金が40,109千円減少したことによるものであります。
(4) キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ101,467千円(前事業年度末比12.9%)増加し、889,934千円となりました。
当事業年度におけるに各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、369,225千円(前事業年度は345,533千円の獲得)となりました。収入の主な内訳は税引前当期純利益380,835千円、非資金損益項目である減価償却費106,530千円、売上債権の減少額12,240千円等であり、支出の主な内訳は法人税等の支払額129,487千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、193,719千円(前事業年度は136,659千円の使用)となりました。支出の主な内訳は、カナミッククラウドサービスの機能強化に伴うサーバーの増強などを要因とした有形固定資産の取得による支出13,985千円、開発投資に伴う無形固定資産の取得による支出178,280千円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、74,038千円(前事業年度は39,629千円の使用)となりました。支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出16,008千円、市場変更費用の支出17,794千円、配当金の支払額40,109千円等であります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当社における資金需要の主なものは製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金および設備投資資金であります。当社の資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローによる資金調達となります。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境に関するリスク、当社事業体制に関するリスク等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、介護保険制度の改正に対応した継続的なシステム開発、各地域に根差したサービスの提供、地域連携の更なる推進による情報共有プラットフォームの構築、優秀な人材の採用及び育成等により、経営成績に重要な影響を与えるリスクを分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針
当社の経営陣は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後の業容拡大を遂げるためには、厳しい環境の下で、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
そのためには、当社は、需要の変化に適宜対応できるようなシステム開発への取り組みを継続していく方針であります。また、新規事業領域である、コンテンツ事業及びビッグデータ解析事業の拡大を行っていくことにより様々な需要に対応できるような事業体制を構築してまいります。
(8) 経営戦略の現状と見通し
当社は高齢化社会に求められる医療・介護分野においてICTによる地域包括ケアの実現に寄与するために、多職種間連携を可能とする当社システムを医療・介護業界全体のプラットフォームとして提供してまいりました。
今後はビッグデータ解析サービス等の展開を通じて医療・介護分野における地域連携をさらに推進させ、患者・要介護者、全ての医療・介護事業者に有益なソリューションの提供に取り組んでまいります。
(9) 経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は収益性を重視する観点から「営業利益」を目標数値としております。当事業年度の目標360,000千円に対する実績は399,021千円(達成率110.8%)となりました。これは「(2)経営成績等 ①経営成績の状況」に記載した要因によるものであります。
翌事業年度は450,000千円(当事業年度比12.8%増)を目標とし、地域連携の強化による医療・介護事業者への営業を進めるとともに、国や自治体と一体となった事業を進めることにより業績を伸ばしてまいります。

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