有価証券報告書-第20期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/21 10:20
【資料】
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【項目】
126項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策などを背景とした企業業績や雇用、所得環境の改善傾向が継続しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により国内外を問わず家計や企業の活動が著しく制限されたことに伴い、経済活動の水準が大きく低下するなど依然として厳しい状況にあります。なお、年度終盤において一部持ち直しの動きがみられております。
当社グループを取り巻く環境におきましては、超高齢社会の到来に伴い、介護費、介護保険サービス利用者数及びサービス提供事業者数は増加し、介護事業全体の底上げが続いております。2018年度の介護保険制度改正では、高品質かつ効率的な介護サービスの提供可能な体制整備を推進する観点から、地域包括ケアシステムのより一層の推進と、ICTの活用及び介護の担い手の拡大などが謳われており、また、介護保険法において各市区町村における在宅医療・介護の連携推進が義務化されるなど、医療・介護事業全体でサービス提供のより一層の効率化が求められております。
このような状況のもと、当社グループは、医療・介護をつなぐ地域包括ケアを実現するシステムを提供していることから、各省庁との共同プロジェクトに参加し、国の政策と同じ方向性をもつシステム開発会社となるよう努めるとともに、介護保険制度改正に対応する準備を整え、継続して適時にシステム改修を行い、システム利用者の負担軽減により、ユーザーの利便性の向上を図っております。総務省の「IoTサービス創出支援事業」の実証実験を通じて「カナミッククラウドサービス」を基軸とした介護における各種データの活用連携を進めるとともに、東京都が実施する「東京都多職種連携ポータルサイト設計・開発業務委託」に係る事業を受託するなど、当社グループの「カナミッククラウドサービス」で培った医療・介護連携のノウハウが地域の医療・介護連携に貢献しております。さらに、子育て支援に対する自治体等との連携体制構築を目的とした「子育てワンストップサービスによる子育て支援ネットワーク強化事業」を昨年より始めており、同事業が総務省の情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装推進事業)の対象に採択されております。また、遠隔医療に豊富な実績のある国立大学法人 旭川医科大学と「遠隔医療・介護のIoTクラウド利用の地域包括ケア・グローバルモデル構築」を目的とした共同研究も前期に引き続き実施しております。新たな事業といたしましては、医療・看護・介護業界における深刻な人手不足の解消に寄与する目的で同業界向け人材紹介サービスおよび給与前払いサービス、コロナウイルス関連商材の提供などを開始しております。一方で、当社グループにおけるシステムのプラットフォーム化の一環として、コンテンツサービスの充実、人材データベースマッチングサービスや医療・介護事業者向け物販サービスの稼働、サービス付き高齢者向け住宅におけるIoT連携など、他社との業務連携を進めてまいりました。
さらに、当社グループのシステムがプラットフォーム化に対応していくことに伴い取得される患者・要介護者等の情報をビッグデータとして解析し、国や自治体、保険会社等が必要としているエビデンスを見つけ出すAIサービス等の展開を通じて医療・介護分野における地域連携をさらに推進させ、患者・要介護者、全ての医療・介護事業者にソリューションを提供するための研究活動も実施しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い当社グループの主たる顧客である介護事業者の一部において、介護事業の活動が制限される状況となっておりますが、現時点における当社グループへの影響は軽微となっております。また、医療・介護・子育て事業者の感染拡大防止や事業継続支援を目的として、マスク約35万枚の寄付を行っております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,881,444千円、営業利益は654,473千円、経常利益は676,999千円、親会社株主に帰属する当期純利益は472,699千円となりました。なお、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しておりますので、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。財政状態の概況以下の記載についても同様となっております。
また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は2,303,003千円となりました。流動資産は1,851,431千円となり、その主な内訳は、現金及び預金1,706,530千円、売掛金74,151千円、前払費用43,642千円となります。固定資産は451,571千円となり、その主な内訳は、カナミッククラウドサービスのシステム関連を主とする工具、器具及び備品27,127千円およびソフトウエア306,201千円、本社や各営業所の事務所に関連する敷金及び保証金42,873千円となります。
当連結会計年度末における負債は397,155千円となりました。流動負債は385,146千円となり、その主な内訳は、未払法人税等129,194千円、未払消費税等57,149千円、カナミッククラウドサービス利用料の前受分を主とする前受金40,464千円となります。固定負債は12,009千円となり、その主な内訳は、資産除去債務11,209千円となります。
当連結会計年度末における純資産は1,905,848千円となりました。その主な内訳は、資本金192,060千円、資本剰余金132,060千円、利益剰余金1,582,485千円となります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は当連結会計年度末には1,706,530千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、634,828千円となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益676,999千円、非資金損益項目である減価償却費134,883千円となり、支出の主な内訳は法人税等の支払額215,133千円となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、103,632千円となりました。支出の主な内訳は、サーバーの増強などを要因とした有形固定資産の取得による支出11,780千円、カナミッククラウドサービスの開発投資に伴う無形固定資産の取得による支出90,653千円となります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、48,130千円となりました。支出は全額、配当金の支払額となります。
③ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ⅱ 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ⅲ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次の通りであります。
サービスの名称販売高(千円)前年同期比(%)
カナミッククラウドサービス1,642,778-
プラットフォームサービス150,092-
その他サービス88,573-
合計1,881,444-

(注)1.当社グループの報告セグメントは単一であるため、サービス毎に記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度は連結財務諸表作成初年度であるため、前年同期比の記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
当連結会計年度末の資産は2,303,003千円となっております。資産については、営業活動によるキャッシュ・フローによる資金調達を主な原資として現金及び預金が増加し、また、継続的な設備投資の結果、工具、器具及び備品およびソフトウエアが増加する傾向が続いており、当期も同様となっております。
当連結会計年度末の負債については397,155千円となっております。負債については、親会社株主に帰属する当期純利益の増加に伴い未払法人税等が増加する以外は、一定程度の水準を維持する傾向が続いており、当期も同様となっております。
当連結会計年度末の純資産については1,905,848千円となっております。純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益から配当金の支払額を除いた金額と同程度の金額が増加する傾向が続いております。
(経営成績の分析)
当社グループの経営成績につき、その要因についてサービスごとの売上高および各利益別にご説明いたしますと次のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、1,881,444千円となりました。これは、主に当社グループの主力サービスであるカナミッククラウドサービスおよびプラットフォームサービスの契約数が増加したことによるものであります。なお、当社グループは、医療・介護分野における情報共有プラットフォームの構築を目的とする事業ならびにこれに付帯する業務の単一セグメント事業であるため、セグメント情報は記載しておりませんが、個別サービスごとの売上高は以下となります。
ⅰ カナミッククラウドサービス
カナミッククラウドサービスはストックビジネスをメインとしており、既存顧客のストック部分をベース
に、継続的な新規顧客の獲得を続けた結果、売上高は1,642,778千円となりました。
ⅱ プラットフォームサービス
プラットフォームサービスにつきましては、大手介護事業者からの依頼によるホームページ構築業務や公益財団法人介護労働安定センターを通じた介護事業社向けホームページの受託制作、運営・管理が安定した収益基盤となっており、また介護関連情報を提供するインターネット広告サービスや情報共有プラットフォームを通じた新型コロナウイルス対策商品の販売など各種サービスの提供を手がけることで、売上高は150,092千円となりました。なお、当社グループにおける今後の事業戦略の一環として、コンテンツサービスを含めたプラットフォーム事業全体での拡大を計画しております。そのため、従来用いていた名称であるコンテンツサービスを、当期よりプラットフォームサービスへと変更しております。
ⅲ その他サービス
その他サービスにつきましては、大口顧客向けカスタマイズ開発や東京都多職種連携ポータルサイト設計・開発の受託などにより、売上高は88,573千円となりました。
当連結会計年度の売上総利益は1,614,066千円となりました。売上総利益率は85.8%となり、比較的利益率の高いカナミッククラウドサービスが売上高全体の87.3%を占めることがその要因となります。
当連結会計年度の営業利益は654,473千円となりました。これは売上総利益1,614,066千円から、販売費及び一般管理費959,593千円を除いた金額となります。なお、販売費及び一般管理費の主な内訳は、役員報酬および従業員給与450,240千円、賞与引当金繰入額27,936千円、貸倒引当金繰入額1,340千円、国立大学法人 旭川医科大学との共同研究やAI研究の開始に伴う研究開発費35,280千円となります。
当連結会計年度の経常利益は676,999千円となりました。これは、営業利益654,473千円に営業外収益23,093千円を加え、営業外費用566千円を除いた金額となります。なお営業外収益の主な内訳は、情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT 実装推進事業)による補助金収入19,347千円、為替差益1,540千円となり、営業外費用は雑損失566千円となります。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は472,699千円となりました。これは、経常利益676,999千円から法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額の合計額204,300千円を除いた金額となります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループにおける資金需要の主なものは製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金および設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローによる資金調達となります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益等を源泉とした営業活動によるキャッシュ・フローが、サーバーの増強やカナミッククラウドサービスの開発投資による投資活動によるキャッシュ・フローおよび配当金の支払による財務活動によるキャッシュ・フローの合計額を上回った結果、現金及び現金同等物の増減額が484,802千円の収入となりました。
当社グループは十分な水準の手元流動性を確保しております。一方で、今後の事業展開やM&Aなどに伴う新たなる資金需要に対しての機動的対応策として金融機関からの借入も選択の範囲においております。当社グループと各取引金融機関は現在良好な関係にあり、新たなる借入負担に対する余力を備えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的と考えられる金額を計上しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、見積もった数値と実際の結果は異なる場合があります。重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に以下の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
・貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払い能力が著しく低下した場合、追加引当処理が必要となる可能性があります。
・繰延税金資産
繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の見込額を勘案し、回収可能性を慎重に検討した上で法定実効税率を用いて計上しております。
繰延税金資産の回収可能性の前提となる見積課税所得が、将来の不確実な経済状況の変動による影響を受け、翌連結会計年度以降に繰延税金資産を認識する金額が影響を受ける可能性があります。
・固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
固定資産の減損の兆候の判定及び回収可能価額の算定の前提となる将来キャッシュ・フローが、将来の不確実な経済状況の変動による影響を受け、翌連結会計年度以降の固定資産において減損損失が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、収束時期の見通しは立っていないものの、現時点において連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に与える重要な影響は認識しておりません。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは高齢化社会に求められる医療・介護分野においてICTによる地域包括ケアの実現に寄与するために、多職種間連携を可能とする当社システムを医療・介護業界全体のプラットフォームとして提供してまいりました。
今後はビッグデータ解析サービス等の展開を通じて医療・介護分野における地域連携をさらに推進させ、患者・要介護者、全ての医療・介護事業者に有益なソリューションの提供に取り組んでまいります。
当社グループは収益性を重視する観点から「営業利益」を目標数値としております。当連結会計年度の目標610,000千円に対する実績は654,473千円(達成率107.3%)となりました。これは「(2)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載した要因によるものであります。
翌連結会計年度は730,000千円(当連結会計年度実績比11.5%増)を目標とし、地域連携の強化による医療・介護事業者への営業を進めるとともに、国や自治体と一体となった事業を進めることにより業績を伸ばしてまいります。

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