有価証券報告書-第19期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/23 14:05
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【項目】
110項目
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在に判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的と考えられる金額を計上しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、見積もった数値と実際の結果は異なる場合があります。
(2)経営成績等
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済政策などを背景として企業業績や雇用、所得環境の改善傾向が継続しており、景気は緩やかな回復を続けております。一方、米国の保護主義的な通商政策や貿易摩擦の拡大に端を発した世界経済の景気後退懸念、国内における消費税増税による景気への影響など、景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
当社を取り巻く環境におきましては、超高齢社会の到来に伴い、介護費、介護保険サービス利用者数及びサービス提供事業者数は増加し、介護事業全体の底上げが続いております。2018年度の介護保険制度改正では、高品質かつ効率的な介護サービスの提供可能な体制整備を推進する観点から、地域包括ケアシステムのより一層の推進と、ICTの活用及び介護の担い手の拡大などが謳われており、また、介護保険法において各市区町村における在宅医療・介護の連携推進が義務化されるなど、医療・介護事業全体でサービス提供のより一層の効率化が求められております。
このような状況のもと、当社は、医療・介護をつなぐ地域包括ケアを実現するシステムを提供していることから、各省庁との共同プロジェクトに参加し、国の政策と同じ方向性をもつシステム開発会社となるよう努めるとともに、介護保険制度改正に対応する準備を整え、継続して適時にシステム改修を行い、システム利用者の負担軽減により、ユーザーの利便性の向上を図っております。また、2019年6月より広島県および沖縄県の2拠点に営業所を新設し、より地域に密着したサービス提供体制を構築しております。その結果、昨年に引き続き当社の「カナミッククラウドサービス」が経済産業省のサービス等生産性向上IT導入補助金の対象に認定され、総務省の「IoTサービス創出支援事業」の実証実験を通じて「カナミッククラウドサービス」を基軸とした介護における各種データの活用連携を進めるとともに、高齢者の栄養改善・虚弱予防支援を対象とした実証実験にも参画しております。新たな事業といたしましては、子育て支援に対する自治体等との連携体制構築を目的とした「子育てワンストップサービスによる子育て支援ネットワーク強化事業」を始めており、同事業が総務省の情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装推進事業)の対象に採択されております。また、遠隔医療に豊富な実績のある国立大学法人 旭川医科大学と「遠隔医療・介護のIoTクラウド利用の地域包括ケア・グローバルモデル構築」を目的とした共同研究も前期に引き続き実施しております。一方で、当社システムのプラットフォーム化の一環として、コンテンツサービスの充実、人材データベースマッチングサービスや医療・介護事業者向け物販サービスの稼働、サービス付き高齢者向け住宅におけるIoT連携など、他社との業務連携を進めてまいりました。
さらに、当社システムがプラットフォーム化に対応していくことに伴い取得される患者・要介護者等の情報をビッグデータとして解析し、国や自治体、保険会社等が必要としているエビデンスを見つけ出すAIサービス等の展開を通じて医療・介護分野における地域連携をさらに推進させ、患者・要介護者、全ての医療・介護事業者にソリューションを提供するための研究活動も実施しております。
これらの結果、当事業年度の売上高は1,685,906千円(前事業年度比181,498千円増、12.1%増)、営業利益は544,577千円(前事業年度比145,556千円増、36.5%増)、経常利益は543,274千円(前事業年度比162,438千円増、42.7%増)、当期純利益は357,915千円(前事業年度比101,184千円増、39.4%増)となりました。
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ181,498千円増加し、1,685,906千円となりました。これは、主に当社の主力サービスであるカナミッククラウドサービスの契約数が増加したことによるものであります。なお、当社は医療・介護分野における情報共有プラットフォームの構築を目的とする事業ならびにこれに付帯する業務の単一セグメント事業であるため、セグメント情報は記載しておりませんが、個別サービスごとの売上高は以下となります。
ⅰ カナミッククラウドサービス
カナミッククラウドサービスはストックビジネスをメインとしており、既存顧客のストック部分をベースに、継続的な新規顧客の獲得を続けた結果、売上高は1,508,099千円(前事業年度比16.1%増)となりました。
ⅱ コンテンツサービス
コンテンツサービスにつきましては、大手介護事業者からの依頼によるホームページ構築業務や公益財団法人介護労働安定センターを通じた介護事業社向けホームページの受託制作、運営・管理が安定した収益基盤となっており、また介護関連情報を提供するインターネット広告サービスも手がけることで、売上高は86,862千円(前事業年度比29.5%増)となりました。
ⅲ その他サービス
その他サービスにつきましては、大口顧客向けカスタマイズ開発やIoTサービス創出支援事業は引き続き堅調に推移しておりますが、売上高は90,944千円(前事業年度比34.2%減)となりました。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ183,335千円増加し、1,477,691千円となりました。これは、主にカナミッククラウドサービスの売上高が増加したことによるものであります。
(営業利益)
当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ145,556千円増加し、544,577千円となりました。これは売上総利益が1,477,691千円と前事業年度に比べ183,335千円増加した一方、販売費及び一般管理費が933,113千円と前事業年度に比べ37,778千円増加したことによるものであります。なお、販売費及び一般管理費の主な増加要因は、国立大学法人 旭川医科大学との共同研究やAI研究の開始に伴い研究開発費が前事業年度に比べ、17,744千円増加するとともに、新たな営業所の開設に伴う地代家賃の増加や当期純利益増加に伴う外形標準課税の増加などによるものであります。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ162,438千円増加し、543,274千円となりました。これは、営業利益が544,577千円と前事業年度に比べ145,556千円増加するとともに、前事業年度に営業外費用として計上した市場変更費用17,794千円が当事業年度は発生しなかった結果、営業外費用は1,353千円と前事業年度に比べ16,840千円減少したことによるものであります。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ101,184千円増加し、357,915千円となりました。これは、主に経常利益が543,274千円と前事業年度に比べ162,438千円増加するとともに、車両の買い替えに伴う売却益として特別利益が2,146千円発生した一方、税引前当期純利益の増加に伴い法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額の合計額が63,400千円増加したことによるものであります。
② 生産、受注及び販売の実績
ⅰ 生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ⅱ 受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ⅲ 販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次の通りであります。
サービスの名称販売高(千円)前事業年度比(%)
カナミッククラウドサービス1,508,099116.1
コンテンツサービス86,862129.5
その他サービス90,94465.8
合計1,685,906112.1

(注)1.当社グループの報告セグメントは単一であるため、サービス毎に記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)財政状態
(資産の状況)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ354,930千円増加し、1,842,807千円となりました。これは、主に現金及び預金が330,272千円、前払費用が10,486千円、車両の買い替えにより車両運搬具が12,791千円、関係会社設立に伴う出資により関係会社出資金が10,000千円それぞれ増加する一方で、減価償却に伴いソフトウエアが15,859千円減少したことによるものであります。
(負債の状況)
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べ37,261千円増加し、352,527千円となりました。これは、主に未払法人税等が59,488千円増加する一方で、返済に伴い1年内返済予定の長期借入金が16,008千円、長期借入金が3,962千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産の状況)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ317,669千円増加し、1,490,280千円となりました。これは、主に当期純利益を計上したことにより利益剰余金が357,915千円増加した一方で、配当の実施により利益剰余金が40,109千円減少したことによるものであります。
(4)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ330,272千円(前事業年度末比37.1%)増加し、1,220,207千円となりました。
当事業年度におけるに各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、527,256千円(前事業年度は369,225千円の獲得)となりました。収入の主な内訳は税引前当期純利益545,420千円、非資金損益項目である減価償却費129,902千円等であり、支出の主な内訳は前受金の減少額11,561千円、法人税等の支払額135,869千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、135,510千円(前事業年度は193,719千円の使用)となりました。支出の主な内訳は、車両運搬具の買い替えやサーバーの増強などを要因とした有形固定資産の取得による支出40,299千円、カナミッククラウドサービスの開発投資に伴う無形固定資産の取得による支出87,434千円、関係会社出資金の払込による支出10,000千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、60,215千円(前事業年度は74,038千円の使用)となりました。支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出19,970千円、配当金の支払額40,109千円であります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社における資金需要の主なものは製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金および設備投資資金であります。当社の資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローによる資金調達となります。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境に関するリスク、当社事業体制に関するリスク等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、介護保険制度の改正に対応した継続的なシステム開発、各地域に根差したサービスの提供、地域連携の更なる推進による情報共有プラットフォームの構築、優秀な人材の採用及び育成等により、経営成績に重要な影響を与えるリスクを分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針
当社の経営陣は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後の業容拡大を遂げるためには、厳しい環境の下で、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
そのためには、当社は、需要の変化に適宜対応できるようなシステム開発への取り組みを継続していく方針であります。また、新規事業領域である、コンテンツ事業及びビッグデータ解析事業の拡大を行っていくことにより様々な需要に対応できるような事業体制を構築してまいります。
(8)経営戦略の現状と見通し
当社は高齢化社会に求められる医療・介護分野においてICTによる地域包括ケアの実現に寄与するために、多職種間連携を可能とする当社システムを医療・介護業界全体のプラットフォームとして提供してまいりました。
今後はビッグデータ解析サービス等の展開を通じて医療・介護分野における地域連携をさらに推進させ、患者・要介護者、全ての医療・介護事業者に有益なソリューションの提供に取り組んでまいります。
(9)経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は収益性を重視する観点から「営業利益」を目標数値としております。当事業年度の目標450,000千円に対する実績は544,577千円(達成率121.0%)となりました。これは「(2)経営成績等 ① 経営成績の状況」に記載した要因によるものであります。
翌事業年度は610,000千円(当事業年度実績比12.0%増)を目標とし、地域連携の強化による医療・介護事業者への営業を進めるとともに、国や自治体と一体となった事業を進めることにより業績を伸ばしてまいります。

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